純子はビュティを姫抱きにして大人の階段を登り始めた。
「おとなー」
「おとな〜」
「おっとな〜」
オットナーたちの歌声がビュティを包み込むと、ビュティの体に浮かんでいたシゲキの文字が薄れ始めた。
「スゴイ!ビュティの症状が回復した。なんにせよよかった……」
その横を汗だくのランナーが走りすぎた。
「一匹変なのが追い越してったー!」
周囲の視線がそのランナーに向けられた隙に、純子は階段の脇に腰を下ろした。オットナーの影で、2人の姿は誰からも見えなくなる。
「さぁ。少しだけ大人になりましょう」
純子の手が音をたててビュティのバックルを外した。