第一話 再開
「お兄ちゃん、何でポコミに黙って出て行ったの・・・」
清清しい風が吹く草原の中、ポコミは兄を探していた。
周りにはボーボボやビュティもいない。皆は彼女と別行動をとっているようだ。
数時間前、ポコミはボーボボたちに伝えた。
「ボーボボ、私ちょっとトイレに行ってきてもいいかな?」
「・・・・好きにしろ。ただし、俺たちはこのまま行くぜ」
「遅れんなよ!」
そう言うと、トイレに行く振りをして草原へと向かった。
走りながらこう思う。
何故、草原に向かったのか自分にもわからない。
このワクワク感は何なんだろう・・・。
お兄ちゃんに会えるというワクワク感・・・。
草原に着いたものの、居る訳が無かった。
「お兄ちゃん・・・。」
兄が居ないと分かると泣きそうになった。
もし、ボーボボたちの前で泣いていたら、また迷惑をかけてしまう。
皆に・・・・。
もう泣かないと決めたのに、涙かあふれ出て止まらない・・・。
声を殺して涙を流すしかなかった。
それもままならない。
いつのまにか声を出して泣いていた。
脚を崩し、あまりに寂しさに号泣するポコミ。
この寂しさを誰伝えればいい?
どうすれば癒えるのか・・・?
自分でも分からなくなってしまった。
ここにビュティがいてくれたら癒えてもらえる。
しかし、迷惑はもうかけたくない。
自分に戸惑っていた時、大きな木に近くで何かを叩く音がした。
「せいっ!せいっ!せいやぁぁあああ!!」
気合で太い根をへし折った男。
ポコミは、目を擦りそこへと向かった。
距離が近づくたびにお兄ちゃんではないかと思う。
あの髪型、あの声、そしてこの雰囲気。
ポコミと男は、距離が近かったためか、お互いの顏が合った。
「お前は・・・・?」
「お兄ちゃん・・・。」
この出会いがポコミの展開を変える?