その格好を何とかしろ隙だらけだ、と叱られるように自分よりも小さな男の子に言われたのはいつのことだっただろうか。
酸欠で霞んでいく頭では彼の顔すらはっきりと思い浮かばない。消えないで欲しいと願っても次々に来る刺激で掻き消えてしまう。
「ふっ・・・ぅああっ!!」
眠りたい。いや、もしかしたら自分はもう寝ていて、これは夢の中の出来事かも知れないとレムは思った。
夢だとしたら、こんな夢を見てる自分は恥ずかしい女だ。しかし現実よりも幾分かはマシである。
瞼が垂れ下がり、どろどろと快感とも眠気とも分からない感覚で頭の中が占められていく。
「・・・っとまだ寝ないで欲しいねえ」
「ああああっ!」
爪を立て、つねられた乳首に激痛が走った。
それは今起きていることが現実だと裏付けるものでもあった。
(・・・何で)
何故、という言葉しか、浮かばなかった。
楽しそうに笑う同僚達に吐き気がした。
酷い裏切りだ。仲間だと、そう信じていたのに。
そう信じてきた自分が馬鹿なだけだったのだろうか。
所詮この世界はこんなものだったのだろうか。
「・・・・嫌だぁ」
何度目かの絶頂を迎えて、レムは静かに目を閉じ、悪夢の始まりを思い出していた。
「おい、レム」
起きろ、と半ば乱暴に起こされ、レムは少しだけ目を開けた。
秋の光は、夏の頃に比べ柔らかくなったとはいえ、瞼で閉じられていた真っ暗な世界に容赦なく入り込む。
眩しいと感じながらも声をかけた人物に向かってレムは顔を向けた。
「ったく。普通こんな所で寝るかよ」
ランバダが呆れている様な表情をして、少しだけ眉をひそめる。
「しかもそんな格好で」
レムにとってはそんな事、言われるような服装ではなかった。
ぴっちりとした、腹が半分以上露出しているキャミソールに薄いカーディガンを羽織り、太股の三分の一しか隠れていないズボンを履いている。
動きやすい服装を好んでいるので、少なくとも彼女にとっては、それは自然な格好であった。
「ランバダ様だっておなか出してるじゃないですか」
いかにも心外、という風にレムは答える。
「・・・俺とお前じゃ違うだろうが」
「何も違いませんよ」
ランバダは酷く頭が痛むように感じた。
この鈍感女と叫んでやりたかった。
冒涜の言葉をぐっと飲み込み、とりあえずこれだけを口にする。
「その格好、何とかしろ。隙だらけだ」
隙だらけ、の意味がレムには分からなかった。
隙なら作ったことがない筈だ。彼女にとって、眠っている事自体が攻撃態勢のようなものである。
上司が去って、のんびりとした時間だけがその場に残された。
秋というのはつくづく良い季節だなとレムは思った。
太陽に身を焦がされる心配もなく、爽快な風に吹かれていつまでもまどろんでいられる。
自分の眠りを妨害する物と言えば、はらはらと落ちてくる色とりどりの枯れ葉。
「レム様」
「・・・何?」
「ツルリーナ様から・・・」
そして下っ端の隊員が持ってくる仕事だけだった。
レムとしてはこんな事はどうでもよかった。さぼることもできると思うが、降格でもされて安眠する場所が無くなったら困る。それはレムにとって食事よりも何よりも重要なことだった。
この地位にいるからこそ、安心して眠ることができるのだ。
「分かった。三狩リアの相手は誰?」
「菊之丞様とジェダ様です」
正直、レムはこの二人が苦手だった。
菊之丞は階級が下のはずなのに扱いにくいし、ジェダは何を考えているのか分からない。だが仕事は仕事だ。早い所終わらせてさっさと寝てしまおうとレムは思った。
すらりとした腕をぐっ、と空に向かって伸ばす。
欠伸をかみ殺し、ぺらぺらな紙切れに書いてある場所に向かった。
「・・・いつも遅いねえ。君は」
急には頭は覚醒されない。まだ半分だけ、頭の中では夢の続きを上映している。
ともすれば危うい歩調をレムは隠さなかった。どうせいつものことなのだ。
「すみませんジェダ様」
ぺこ、と形の上でも頭を下げる。先程のランバダ同様、二人とも眉間にしわが寄っていた。
「もう毛狩りはすんだぞ」
「・・・は?」
時計の針は、予定の時間よりもだいぶ遅い時間を示していた。
菊之丞の手にはブロンドから黒髪まで、様々な髪の毛が握られている。
終わってしまったのなら仕方がない。毛狩りも成功したようだし、帰って寝ようと踵を返した。
「待て。レム」
突然の突風に足がよろけ、そのまま仰向けに倒れてしまった。
恥ずかしい所を見せたなあ、とレムは立ち上がろうとした。だが、できなかった。
ジェダの銀色の髪が、まるでカーテンのように、レムの周りの視界を塞いでいた。
「仕事を押しつけて帰るだなんて・・・君は酷いねえ」
銀色の隙間から桃色が見えた。
「レム様、きちんとお仕事、してくださいよ」
わざとらしく菊之丞が敬語を使った。いつもならつけていないのに。
「ちょ・・・菊之丞!ジェダ様も御冗談を、」
「冗談でこんな事、すると思うかい?」
くすくすと、その男はたいそう可笑しそうに笑って見せた。
地面に無数にある小石に腕が食い込む。
完全に押し倒されていて、腕の自由は最早利かなかった。
「放してください」
ジェダの目を睨みながらレムは言った。
余裕を浮かべている、その表情に腹が立った。。
「・・・悲しいねえ。君のその非力さは」
「放してください」
「花花花!本気で放してもらえると思ってんのか?」
にやにやと交互で覗き込んでくる顔が溜まらなく不愉快だった。
相手が隊長だとか、そんな事、今は関係がなかった。
「殺したい」ではない。確実に「殺す」のだ。
「クソが!放せ!!爆睡真拳奥義・・・」
「いいのかい?」
自分の感情とは全く違った、涼やかな声。
ひゅる・・・と風が流れる音が喉元で発生した。
「俺の能力、君ならよく知ってると思ってたんだがねえ」
小さな風鎌がレムの白い喉に一筋の赤い色を足した。
ジェダがそこに唇を這わせ、びちゃ、と音を立ててその血を嘗め取る。
ぐっと唇を手の甲で拭った。
「大丈夫。大人しくしていれば殺さないから」
耳元で、痺れるように甘い、恐怖という名の言葉におののいたわけでもなかった。
ぎりぎりと与えられる痛みに屈したわけでもなかった。
ただ、目の前の人物の壮絶さに圧倒された。
「良い子だねえ。レムは」
「・・・っ!」
細く、無骨な指で髪の毛をすかれる。それだけで悪寒が走った。
「触るな!」
思わず手をはねのけようとしても力の差からか、それすらも叶わない。
「放せ!この変態!!」
「・・・どっちが変態だ。この服装」
ぴら、と菊之丞がカーディガンを捲った。
白く、傷一つ無い肌が露わになる。胸の谷間がたぷんと波を打つ。
「こんなぴっちりした服装で?男だらけの職場で?」
ゆっくりと指の腹全体で肌の感触を味わう。しっとりと柔らかく吸い付いてくるような肌。そのくせ、押したらしっかりとその分押し返してくる、矛盾性を持ったそれは、男の触感を満足させるには充分だった。
「本当はこうされたいんじゃなかったのかよ」
「そんな、事・・・無いっ!」
「へー。そうか」
キャミソールの上から、菊之丞は形のいいレムの胸を鷲づかみにした。
指がこのままずぶずぶと沈み込んでいきそうな程に柔らかく、心地よい張りがある。ずっと揉んでいるのに形を崩す様子もない。
手のひら全体から伝わってくる感触に、菊之丞は陶酔した。
「すげーなこれ。誰に揉まれてこんなにデカくなったんだ?」
「・・・っクソ!止めろ!!」
レムのほっそりとした手首が跳ねる。
快感など無い。有るのは嫌悪感だけだ。
「どこでそんな言葉覚えたんだか。悲しいねえ君は綺麗なのに」
そんな汚い言葉を吐くなんて、と嘯くように言った、ジェダの顔は明らかにレムの反応を楽しんでいた。
張り付いたような笑みに嘔吐感を覚えた。
「止めろって言ってんだろーが!」
「やれやれ。うるさいよ」
そう言うとジェダはレムの上体を起こした。
菊之丞がその後ろからレムの体を、身動きが取れないように押さえ込んだ。
「これでも銜えて静かにしていろ」
かちゃかちゃと硬い鎧が外れる音をレムは聞いた。
目の前でだんだんと露わになってくるジェダの物はまだ完全に勃起してはおらず、太さこそはさほど無かったにしろ、長さは十分にあった。
レムの頭を掴んで、ジェダは彼女の唇を自分の物に近づけた。
「っひ・・・」
「早くしろ。レム」
「い、嫌だ・・・。ジェダ様・・・」
毛狩り隊という庇護された状況にあった彼女は、ここに入隊してからは、男性経験など数えるほどしかなかった。
久しぶりに見た男の物は、レムにとっては十分な凶器だった。
半ばパニック状態に陥って、それでも、ぷちゅ、と時折、自分の顔に張り付いてくるものから逃げたくて、必死に身を捩ったが逃げられるはずもない。
「なあ、レム?お前はわがままだよ。仕事放棄して自分のやりたいことしかやっていない。それなのに嫌だだの止めろだの。虫が良すぎるとは思うんだけどねえ」
もう、「君」ではなく、「お前」になっていた。
ぎらぎらと光るジェダの目の中には、レムの知らない感情が静かに燃えていた。
「口を開けて。レム」
大人しくレムは口を開けた。抵抗したって別に何も変わることがないと思ったわけではない。今だってチャンスを窺っている。先程のようなパニック状態からは、とりあえず抜け出していた。
とにかく、アレが口の中にねじ込まれたら噛み切ってやろうと思っていた。そうしたら、あとは菊之丞だけ。いくらでも逃げられるはずだ。
「・・・っぐぅ!」
何の前触れもなく、それは口の中に入り込んだ。
独特の異臭が鼻につく。喉の奥に先が当たって、吐き気を催しそうになった。
舌が接触している部分からは酸っぱいような苦いような味がした。どちらにしろ自分の好きな味ではない。
しかし今は何より、早く歯を立てて、この男達から逃げないといけなかった。
「っと。駄目だレム」
「がっ・・・!」
右手で頭を捕まれ、左手で顎を固定された。これでは噛みつくこともできない。
「はぅ・・・」
「舌、使って」
痛くて苦しくて、しかしそれ以上にもう逃げられないという絶望に、レムは涙が出そうになった。
早くこの汚い物を口の中から追い出してしまいたかった。幾分狭くなった口の中で、舌の逃げ場を必死に探した。
「俺は気が短い方じゃないんだよねえ」
鼻が陰毛に当たる。喉の奥に亀頭を押しつけられて、吐き気がますます酷くなる。
「早く動かせ」
「・・・っむぁ」
ため息さえつけない。ここは言うとおりにして、早くこの状況から抜け出した方がマシかも知れないとレムは思う。
「ふっ・・・あ」
「本当に良い子だねえ」
まだまだ硬い舌が伸びる。ちゅく、と舌が触れる音がして、さらにあの味が濃くなった
時には舌の先を尖らせ細やかに、またある時は舌全体を使って舐め上げる。始めた時よりも太さを増したそれは、レムの口の中の粘膜、全体を擦っていた。
唇で根元を優しくに吸い上げると、ぴく、とジェダは痙攣した。
その様子を上目遣いで見ながら、レム行為に集中している。早く達してしまわせたら、それでお終いだ。それだけですむのなら、とレムは再び舌先で筋の当たりを刺激した。
「・・・っ!なかなかやるねえ。他の男にもやってるのかい?」
「ぐっ、むぅ・・・ぅ」
違うと言葉にすることができなかった。顔を横に振ることさえもできなかった。
「へーえ。否定しない所を見ると、やっぱりなんだねえ」
「そうなのか。へー。あ・の、レム様が淫乱なことを」
「あの」の部分を妙に強調して、菊之丞が言った。今すぐにでも否定したかったが、今、こうしている自分では説得力も何もない。結局、言いなりになるしかないのだ。
一際大きく、中にあるものを跳ねさせて、強く吸い上げる。
頭にある手の力の強さが変わる。ぎりぎりと頭が締め付けられて、痛みで顔が歪みそうになった途端、口の中にどろどろと粘性を持った液体が放出された。
解放されない頭。暗に飲み込めと言っているのだろう。
こうなったらとことんつきあってやろうと思った。飲み込むだけで済むのなら、もういい。悪質なタンパク質だと思えば、飲み込むのもいくらか容易い。
嚥下した時、酒のようだなとレムは思った。どろどろと内側から染み込んで、自分の中の何かを駄目にする。ゆっくりと、溶かされていく。この場合、幸か不幸か、それは意識ではない。
「飲んだなんて、まったく」
君は淫乱だ、と嘲笑する声に耳を塞ぐことはもうしなかった。
レムは半ば放心状態だった。
「次は俺ですよ?レム様?」
だらりと開いている口の中に無理矢理ねじ込められ、そのまま、粘膜の感触を楽しむかのように動かす。
「ほら。ジェダ様にした風に、やってくださいよ」
頭は掴まれなかった。そうしなくても、する事が分かっていたのだろう。
思うとおりになるのは癪だったが、今更、二人でも一人でも、たいして変わらない。
菊之丞が開いた指で何かを指示するように、すぅと動いたのが見えた気がした。
「っんぅ!?」
胸の当たりに、冷たい物が走った。体温を持たないそれは、ゆっくりと服を押しのけて進んでくる。視線だけを動かすと、キャミソールの上からそれの形がはっきりとわかった。
まるで手のように胸に刺激を伝えられ、口を塞がれていることも手伝ってか、レムの息はだんだんと荒くなっていた。
「・・・っふぅ、んんっ・・・むぅんっ」
目先のことだけに集中すれば何とかなると思って、レムは指も菊之丞に絡めた。
「んぅぅぅ!」
きゅっ、と桜色に息づくレムの、上半身で最も敏感な部位を締め付けた。そのままころころと弄ぶ。
もう立ち上がっているのが服の上からでもわかった。逃れようと身を捩るたび、乳頭が服に擦れて、びりびりと電流にも似たものが流れた。
「なんでそんなに感じてらっしゃるんですか?俺のを銜えてるから?それともコイツがイイ?」
見えたのは美しい緑色。つややかなそれはまだ若いように見える。
この男の能力を、この時まで失念していた。
気付いたときは既に遅く、植物のツタはレムの体を這い回っていた。
「喘ぐのは良いですけどね。口の方が疎かになってません?」
そう言われても、とても集中できない。それを知っていて言っている。
「じゃーコレ使って下さいよ。コレ」
そう言うと菊之丞はレムの口から己を引き抜き、キャミソールを捲ってレムの胸をさらけ出した。
ぷるるとその振動によって揺れている、ふくよかな胸は、全体的にうっすらと桃色に染まっている。
所々絡みついているツタの緑色が白い肌と、真っ赤に充血した乳首に映えて、綺麗だと思った。
「うっわ。勃ってんじゃないですか」
「や・・・めろっ!」
「どの口で言ってます?」
「ひゃああっ!!」
レムの硬度を持った先端を摘み上げると、彼女は顔を紅潮させながら、自由になった口で悲鳴の様な声を上げた。
ぐりぐりと指先でほぐすかのように指でいたぶる。その度に口からは声が漏れた。
「わかったか?早くしろ」
「うっ・・・あ」
最後に力無く声が出て、それから、諦めたようにその胸を持ち上げて、菊之丞の方に近づいた。
彼女の完全にすっぽりと覆えてしまうほど、大きく柔らかい。
マシュマロなんかよりも、ずっと柔らかく、少し汗ばんでいる肌のせいか、動きやすかった。
「お前が動くんだよ」
ゆっくりと重たそうに胸を動かす。胸の柔らかさと、ツタの丁度良い突起とで、しばらくしないうちに大きく菊之丞は震えた。
「・・・いいよな?ジェダ様のは飲んだだろ!」
「・・・嫌だっ!やめろ菊之丞!」
「今更嫌も無えだろーが!!」
白い髪の毛に、それとは違う白い液体がかかる。鼻やまつげの上にかかった精液。先程はこれを飲んだのだ。
外側からでも内側からでも、浸食されていく感覚のせいで、胸の上にもたっぷりとかかったそれを拭うことを、レムは忘れてしまった。
「凄いねえ。でも俺達ばかり良い気持ちになっても、それはそれで」
くすくすとジェダが笑う。
「良心が咎めるねえ」
「全く!その通りですよねえ!!レム様だって、上ばかりじゃつまらないでしょう?」
ミニスカートはたくし上げられ、遠慮無く下着の中に入ってくる手は、女ではなく、花を知る手。
柔らかな自分の花弁にそっと触れてくる指は、紛れもなく彼の指だと知ってレムは悲しくなった。
そっと肉芽を摘むのは、あの細いツタ。胸もそのまま露出していて、変わったことと言えばジェダが後ろから揉まれ、常に形が変化することだ。
「ふっ・・・うぅ・・・ふぁっ!はっ・・・ぁん」
「あーあレム様?淫乱すぎ。部下に犯られてヨがってんじゃねーよ」
「菊之丞の言う通りだ」
下からも上からも他の男に蹂躙されている。中に入っている指の節の一つ一つまで感じてしまって、かあっとレムは赤面した。
今頃になって羞恥心が込み上げても、もうその感情は自分の体を動かすには至らない。
自分の中に、指とは違う感触の物が入ってきたので、思わず体が硬直した。
「ひいいいいぃっ!!」
「うるさいねえ。これくらい、我慢我慢」
しかしその声をレムは聞いていなかった。
その意志を持った植物に貫かれて、レムは一度目の絶頂を迎えていた。
だらりと力が抜けたレムの体は二人の男によって未だ、支えられている。
このまま眠り続けたいと思った。今、自分に必要なのは、たっぷりの睡眠だ。
そのレムを急かすかのように快感は断続的に襲ってくる。こうなると彼女にはどうしようもない。ただ受け入れるしかなかった。
「ひゃあああっ!」
びいんと自己主張している乳首に歯を立てられている。
乳房を揉まれたときのねちっこい、じわじわとした快感とは違い、ストレートに頭に響く。
「じぇ・・・ジェダさまあっ!」
「何だい?レム」
わかっているくせにと毒づく心の余裕もない。ただ口からは喘ぎ声が漏れた。
「もう欲しいのか?」
自分の下で菊之丞が笑う。そのままレムの足をM字形に開かせた。
もちろん抵抗はしたのだが、最早していないに等しい。
「従順ですねえ。そんなにオレのが欲しいんだ?」
菊之丞の物が取り出される。無意識のうちにレムの白い喉は嚥下していた。
「・・・あ」
「突っ込んであげましょうか?」
あまりに直接的な言葉に閉口したが、その瞬間、どろりと内股から液体が滲み出した。
呆然としていた。
自分の身体の変化にも、相手の男の言うことにも。
菊之丞は普段見せないような人の良い笑みを浮かべると、何もないように見える所へ向かって叫んだ。
「おいテメー等。タダで見せてんじゃねーんだぜ?」
レムの思考が凍り付いた。
「そのまま隠れてもいいが、オレの花の肥料にしてやるよ」
ざわざわと人の話し声が聞こえて、一般隊員が出てきた。
自分の体に突き刺さる視線は、至る所に注がれている。
恥ずかしくて目を背けた。それだけで、視線から逃れられるとは思ってはいなかったのだが。
相変わらず、各部はいいように弄くられている。
その度に思いとは関係なく体が勝手に跳ねる。
なんとか声が漏れないように歯を食いしばった。
「挿れたいか?」
かぱぁ、と花びらを開いて菊之丞が隊員達に見せて言う。
入り口の部分とクリトリスに風が通った。
一層ざわめきが大きくなり、次に、俺が、という自己主張の声が沸いた。
「じゃあテメーとテメーと・・・あとテメーな」
ごそごそとズボンを下ろす音と俺も犯りてえという残念そうな声が否応なく聞こえた。
決める覚悟なんてどこにあるのかわからない。
「まさかレム様のマ○コに挿れられる日が来るなんてなあ」
「後ろは処女なんですか!?」
「うおお!レム様のオッパイ柔らけえ!!」
「うっ・・・!絡みつく・・・っ」
「すげえ!きっつ・・・!レム様千切れそうですぅぅ!!」
「最高だあ!レム様のオッパイ!最高だあ!」
名前などいらないと思った。
男が叫ぶたび、犯されているのは紛れもなく自分なのだと自覚してしまう。
噛みしめていたはずの口はとっくに緩くなって、喘ぎ声を出していた。
「ああっ!・・・はあんっ!そんなに動かはないれえ・・・!!イっひゃうよお・・・」
自分の声とはにわかに信じがたい、甲高い声。
上手く呂律も回らないのに喘いでいる自分の喉が妬ましい。
自分を犯しているのは同じ隊長だからと今までは自尊心が保ててきたのに、こんな一般隊員に犯されてヨがっている自分は、本当の痴女でしがない。
一筋の涙が零れた。
「嫌だなあレム様。泣いちゃうくらいイイんですか?」