「アタシって…胸ないなぁ…」  
鮮やかなピンクの髪をした少女、ビュティは悩んでいた。彼女の目線の先には、ボーボボと首領パッチのハジケに巻き込まれているスズがいる。いや、彼女の胸元があると言った方がよいだろう。  
「ん〜…いいなぁ、ちゃんと胸があって…」  
ビュティは自分の胸とスズの胸を見比べ、呟いた。スズの胸元には、はっきりと膨らみが見て取れるのに対して、自分の胸には何の盛り上がりもない。  
「…はぁ〜…」  
 
「どうしたんですか?溜め息なんてついて。」  
ビュティが落ち込んでいることに気付いたスズがすぐ傍に来ていた。ビュティはボーボボ達が向こうで相変わらずハジケているのを確かめ、スズにの方に向き直った。  
「…スズさんって…む、胸おっきいですよね〜。」  
スズは『はい?』といった様子でビュティを見ている。その視線にめげることなくビュティは続けた。  
「…ど…どうしたら胸っておっきくなるんですか…?」  
 
ビュティは思わず頬を赤らめ顔を伏せた。しばらくしてスズはくすっと微笑み、ビュティの申し訳ない胸に手を伸ばした。  
「──っ!…ス、スズさん!?」  
スズはまるで愛しいものを愛でるかのような優しい手つきでビュティの胸に手を這わす。  
「あっ…ちょっ…ス、スズさんっ…!」  
くすぐったそうに身をよじるビュティを見たスズはまたくすりと微笑み、手を引いた。  
 
「…ふぅ…スズ…さん?」  
少し肩を上下させながらスズを仰ぎ見た。  
「大丈夫、ビュティさんはこれからですよ」  
「これから…。ホント…ですよね?」  
「えぇ」  
微笑みながら言うスズを見て、ビュティの顔にも太陽に負けないぐらいの笑顔が戻っていた。  
 
「も〜!ボーボボも首領パッチくんも、ふざけてないで早く行くよ!!」  
ビュティの明るい声が野原に響いた。  
 
 
一連の流れを見ていたへっくんが、別の意味でフィーバーしていたというのはまた別の話です(笑)  
 

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