異形にして人間社会に仇なすもの「荒神」達に取り囲まれ、逆さに吊られた一人の美少女―藤宮紅葉。  
着ていたセーラー服は所々が引き裂かれており、スカートにいたっては既に存在すらなく、  
純粋さと素朴さを物語るような白のパンティが剥き出しとなっていた。  
さらにほとんど晒されてしまったその素肌には、夥しいアザや打撲の痕が走り―  
彼女が何らかの拷問、または暴行を受けていた事が容易に見て取れる。  
 
「あなたの惨めな姿にスサノオ様もお喜びだ…さあ、もっと淫らに怯え苦しみなさい」  
黒いロングコートの男―その正体は荒神だが―叢雲が、加虐的な愉悦を押し殺して言った。  
「ひ、ひは…」  
だが紅葉はその声も聞こえたのかどうか―ただ苦悶の声を上げたのみ。  
無理はない、ボロボロにされたのは衣服だけではなく、まさに身も心もだったのだから。  
 
荒神達の巣食う地下水道のアジトに単身で乗り込んででも(連れ込まれたとも言えたが)  
慕う青年、草薙を何としても救うと誓っていたのに―現実はあまりに無力で、  
スカートを裂かれ、それを恥じらう間もなくあっけなく触手の虜となっただけ。  
その挙句に彼女は「(荒神達の)主の御座を騒がした罰」として、数多の荒神達から  
遠慮のない暴力での咎めを延々と加えられる事となったのだ。  
 
拘束された無防備な格好で、荒神達に代わる代わる全身を殴打され、また激しく鞭打たれた。  
羽織っていた赤いジャンパーは容易く千切れ、血のように舞った。  
薄い生地の上着とパンティだけの、半裸となった乙女の肌に何度も何度も激痛が走った。  
それを堪えられずに―紅葉は、何度も何度も絶叫した。だけど責めは、何度も何度も繰り返された。  
 
例え苛烈な仕打ちに気を失ったとしても、更なる仕打ちで覚醒を強制された。  
まだ女としては蕾といえる体をくねらせ、愛くるしい顔を歪めて悲鳴を上げる事だけが、  
紅葉に許されたものだった。サディスティックな宴の、マゾヒスティックな主役を押し付けられ―  
心ならずも最高の形で演じる事が、紅葉が「生かされた」意味だった。  
 
「…もっと淫らに怯え、苦しみなさい…」  
叢雲の更なる刑罰の宣告とともに、紅葉を囲う荒神達の円が、中心に向かって歩みを進めていく。  
絶体絶命とも言うべき少女を狙い、不気味な唸り声を上げて。  
「ひ…っ」  
やつれきった紅葉の顔に焦燥が走る。爪で、触手で、自分の体をいたぶり抜いた者達が、なおも近づいてくる。  
先程までの熾烈を極めた責めの記憶がフィードバックし、華奢な全身が緊張に強張った。  
「や…やめ…て…」  
だが巨大な体躯を誇る何十匹もの荒神達は、無遠慮に紅葉のもとへと迫り寄った。  
…擦り切れ傷ついた乙女の肌をなお苛むように、彼らの熱い呼吸が吹きかけられる。  
 
「…ゆ、許し…。…許し…て…」  
泣き腫らした瞳で、もはや恥も何もなく紅葉は荒神達に許しを乞う。激しい暴力に揺さぶられた心と体は、  
運命との戦いを受け入れたはずの「奇稲田姫」を、ただの小娘へと成り下がらせていた。  
「許して…ですか。身の程知らずにも、この王の御座でさんざん騒ぎ立てておきながら―虫のいい話だ」  
紅葉を眼下に置く叢雲は、そう言って哀れを誘う懇願を切って捨てた。  
「安心なさい、まだ殺しはしませんよ…。あなたには受けるべき報いがまだある」  
「!!」  
瞬間、紅葉の体がビクリと震えた。今なお緊縛しているツタ―触手達が、一斉にうねるように蠢き始めたのだ。  
 
撫でるかのような陰湿な動きで触手達は乙女の柔肌を這い回り、更には衣服の中にまで滑り込もうとする。  
「…う、っ…!!」  
もとは叢雲の体から分かれたもので(紅葉の汗も吸って)十分に水分を含むツタはぬめりさえ帯びており、  
植物というよりも、海の軟体生物―タコの足に近しい。そのような触手が、少女の素肌を無遠慮に舐め回した。  
上着の中へと突入し、まだ熟しきってはなくとも膨らみを見せ始めた乳房を撫で、巻きついていく。  
触手の先端が、緊張でしこり立ってしまっていた紅葉の乳首を捕らえ、キュッと締め上げた。  
 
「…あう…!!」  
敏感な胸の先端―薄い紅色を捻られて、痛みと甘い痺れに襲われた少女は呻き声を上げる。  
「ほう…子供だとばかり思っていましたが、そのような反応を示してくれるとは。…面白くなりそうですよ」  
震え悶える紅葉をなおも苛まんと、叢雲の操る触手の群れの動きは妖しさを増していく。  
 
紅葉が身に着けている純白のパンティは、度重なった荒神の暴行によって既に横ヒモの片方が千切れていた。  
大切な場所はギリギリで隠れていても。見る者の情欲を煽るようかのように艶めかしく捲れている。  
その捲れの間―布と肌の隙間にまでも、ついに触手は侵入を果たしてしまう。  
「―!!」  
未だ誰も触れた事のない乙女の聖域を、ぬらりとした触手がベットリと汚す。全く未体験の感覚に、  
逆さまの紅葉は声にならない悲鳴とともに背中を大きく反らせた。  
春の桜―そう例えるべき清冽な色が微かに覗く少女の割れ目に沿って、醜悪な触手が這っていく。  
「イ、イヤアァッ…」  
乳首を弄ばれた時にも勝る惨めさとおぞましさ、それに混じる奇妙な快さ。そのどれもから逃げ出したくて、  
紅葉は力なく首を振った。だがパンティの中に押し入った触手の動きは止む事もなく、  
虜の少女はただただ敵陣の真っ只中―まさに中央で弄ばれ、卑猥に身をよじらせるばかり。  
 
「…や、やめ…て…。…ゆる…し…」  
可愛らしい童顔を朱に染めて、紅葉は己を苛む辱めからの許しを何度も乞う。その願いが叶う事はないと、  
心のどこかで諦めていながらも―。  
 
(た…たすけ、て…草薙…さん…)  
逆さに吊られ辱められる紅葉は、もっとも大切な人―草薙護へ救いを求めるように眼差しを向けた。  
だが今の彼は荒神達の傀儡として操られており、紅葉の危機に対しても何ら意に介する事はない。  
あくまで能面のような生気のない表情のままで、うち悶える少女をただ見やるのみであった。  
 
紅葉の胸と股間を這う触手の先は、繊細な場所を捕らえ放す事はない。締め上げ、または擦り上げながら淫らに蠢き、  
まだ男を知らない乙女の肉体にさえも、もどかしさにも似た艶めいた感覚をしっかりと教え込んでいく。  
「…はぅっ…!」  
15年という歳月の人生の中で、一度も奏でた事の無い甘い響きの吐息がこぼれた。  
夥しい数の荒神達に囲まれ、まさに絶体絶命と呼ぶべき状況だというのに―痛みと恐怖を刻み込まれた柔肌に  
快楽はやすやすと染み込んで、処女の心身を性に蕩けたふしだらな存在へと変えようとしている。  
「…うぶな見かけによらず、随分と恥じらいのないお嬢さんだ…。フフ、周りを良く御覧なさい」  
叢雲は、傷ついた肌を火照らせて悶える女の贄に、侮蔑をくれるとともに周囲を見る事を促す。  
「ひゃ…う…?」  
閉ざしていた目をうっすらと開ける紅葉。潤んだ視界に映るのは無論、異形の荒神の群れではあるのだが―。  
「!?」  
つぶらな瞳に飛び込んできたものは、間近に迫る荒神達の股間から隆々とそびえ立つ肉の塔。  
―人間の部位でいう、男性器だった。しかもそうしているのは一匹や二匹ではない、僅かに紅葉が身をよじり見渡す限り、  
例外なく荒神達は皆、醜悪な器官を一斉に反り立たせていた。  
 
(こ…これ、って…!?)  
いかに無垢な育ちの処女とは言え、荒神達が膨らませているものが何であるかの見当は容易についた。  
とはいえ実際に男性器など一度も見た事など無い彼女にとって、初めて目にした―それも異形の化け物の―それは、  
あまりにも衝撃が大きすぎた。グロテスクさと威嚇してくるような存在感に、動揺を隠せない。  
 
「イ、イヤ…ッ」  
威圧感に気圧されるとともに生臭い牡の臭いに鼻も突かれ、紅葉はそれらから逃れようとするように顔を背けた。  
しかし実際に逃れられる訳でもなく、荒神達はいよいよ紅葉の体に触れようと押し寄せる。  
「償うのです、奇稲田…。死をもって王の怒りを…。…そしてその肉体で、その者達(荒神)の昂ぶりを…」  
叢雲の宣告とともに、紅葉の僅か残ったセーラー服の上着に荒神の手がかかった。その獣のような爪で、  
そのまま生地を引き裂かんと一気に引き下ろす―!  
「ヒッ…」  
上ずった悲鳴が紅葉の口元から上がる。そして一方、荒神の五指はあっけなくセーラー服をビリビリと引き裂いて、  
代わりに触手に絡み取られた少女の乳房を白日の下に暴き出した。  
 
「いやあああんっ!!」  
今まで異性に見られた事の無い胸をこのような形で大勢に晒したショックに、紅葉は耳まで赤くして絶叫した。  
夏場という事もありブラジャーを着けていなかった事も、純情な乙女には災いだった(結末は変わらないだろうが)。  
上着が無くなったが最後、柔らかく隆起した白い柔肌を隠すものはもう残っていなかったのだから。  
感極まった末に固くしこった薄いバラ色の乳首を、僅かにさえ隠す事もできず―晒しものとされる。  
「み、見ないで…。…見ないで…ぇ…っ」  
懇願など聞き入れられる由はなかった。もろ肌を荒神達の目に許す屈辱を、紅葉はただ受け入れるしかない。  
グルルと唸りながら荒神達の視線が全て、乳房の先に集まっているのを感じる。触手に巻きつかれて、  
あまつさえ悦んでいるようにピンとはねている乳首が、視線でたっぷりと撫で回されているがわかる。  
 
「ヒッ!」  
鋭い荒神の爪先が乳首にあてがわれた瞬間、紅葉は体をビクリと強張らせる。だが淡い乳輪の縁をなぞられ、  
乳頭を突付かれまでしても、抵抗の術など持たない彼女は成すがまま弄ばれるだけ。  
「っ…、…!!」  
刺されるかもしれない、切られるかもしれない、引きちぎられるかもしれない。  
だが例え何が起きても何をされても、何もできない。…そんな恐怖と緊張に紅葉は慄くばかりだというのに。  
「…あ、…あ…っ…」  
あろう事か、これ以上ないと言うほどに立ち上がっていたはずの可愛らしい乳首が―僅かではあれど、  
さらに張りを増していく。過度の緊張の中で弄ばれる事に興奮を呼び起こされたのかはわからなかったが、  
まだ幼い乳房の先が「女」を主張するかのように殊更いじらしく震え立っていった。  
 
「ほう…。お嬢さんは、このような状況で…。いや、このような状況だからかな…?クク…」  
「…!!」  
叢雲の目ざとい揶揄に、紅葉は恥じ入ってうつむいた。このような状況で体がこう反応してしまったのは、  
彼女にとってもあまりにも惨めすぎて、消えてしまいたくなる程だった。嘲笑われる事も、自分の肉体も―  
今まで気付かなかった敏感に過ぎる肉体も悔しく思えて、また涙がこぼれてしまう。  
「…とはいえ、この程度の事で恥ずかしがっていては少々困りますね…」  
そう溜息をつく叢雲の声に合わせるように、また別の荒神達が紅葉のもとへ手を伸ばす。  
(そ…そこ、は…!)  
歪む視界で紅葉が確認したものは、触手に纏わりつかれた己の下半身―破れかけのパンティが覆う  
乙女の一番大切な部分と、そこを無遠慮に暴こうとする荒神の大きな爪だった。  
 

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