「さて、仕事の時間だ・・・頑張ってくれよ、ロック」
「席で見てるぜ、ロック・・終わったら、イエローフラッグで3日間おごってやるぜ」
「じゃあ、頑張って」
思い思いの言葉を浴びせた3人は、その場を足早に立ち去る。
「!!!!????」
その背後から、ロックの声にならない叫びが聞こえるが、無視された。
「さて、そろそろ行くわよ・・・今日は、感じさせてア・ゲ・ル」
「じゃあ、幕をあげるわ」
近くに居るセクシーな女性達――ホテル・モスクワの遊撃隊のメンバー数名が、笑みを浮かべながらロックを見ている。
その眼は、まるで新品の人形を見る・・・それに近い。
「これより、今夜のメインショーの開幕だ!!
目ん玉、かっぽじってみろよ!!撮影した奴は、ワトサップ署長公認で即射殺だ、おぼえとけ!!!」
『ロック!!ロック!!』
幕の向こうからは、開幕の司会を務めるローワンと極東にある某島国のサポーターを思い出させる歓声が轟く。
そして、ゆっくりと幕が上がる。
ロックの視界には、自分を照らすスポットライト・・・観客の痛い視線が見え始めた。
スポットライトにより、台に拘束されたロックの裸体が観客にさらされたのは、わずか15秒後のことだった。