《HAPPY PARADISE PIZZA》  
 
 
やれやれ、やっと繋がった。  
 
ここタイのロアナプラってところは、意外に思うかもしれねえがインターネット環境ってのはけっこう整ってて、  
街ん中にはネットカフェなんかもあったりする。  
ただ、電話がな……。時々予告もなしに不通になるのは閉口だがな……。  
さてと、早い話がパソコンからこうしてこうやって入力すれば、  
1時間もしねえうちにピザ屋がピザをここまで運んでくれるって寸法さ。  
あんたらの国に宅配ピザなんて便利なシロモンがあるかい?  
 
おっと、あたしの名前はレヴェッカ。ふだんはレヴィって呼ばれてる。  
ブラック・ラグーン商会の紅一点。お色気担当ってやつさ。  
 
……いま笑った奴は前に出な。  
あたしの異名はトゥー・ハンド。二丁拳銃をてめえのケツにお見舞いするぜ!  
 
 
魚雷艇ブラック・ラグーン号を駆っての海賊稼業。  
ブツの運び屋、積荷の強奪、何でもありのクールなビジネスさ。  
現ナマ以外の何ものにも縛られない自由業……っていやあ聞こえはいいが、  
仕事のねえ時はその日のおまんまにも事欠く有様。  
今日も丘に上がったカッパよろしく、こうして事務所で空きッ腹かかえてノビてるってわけだ。  
「なあ、レヴィよ。何をさっきからブツブツ言ってるんだい? 今日はお前が食事当番だろうが」  
オーケイ、ダッチ。  
このスキンヘッドの地黒の大男は、ラグーン商会のビッグボス・ダッチ。  
ベトナム帰りの年金生活者で、ブラック・ラグーン号の船長さんだ。  
心配しなくても今さっき、ネットでピザを注文したところだぜ、ダッチ。  
 
「あのなあ、レヴィ。食事当番ってのはてめえで食材を都合して料理するンだろが?  
食費が足りねエことだし……。そりゃあ手抜きってもんだろう」  
「あたしだって自慢の料理のウデを振るいたいのはやまやまなんだがな、  
こないだのあたしの四川料理にロックの旦那がえらいご満悦でな。  
こんな四川は思い出に刻んで、二度と四川は口にしねえって、泣いて頼むんでな。  
それで今日はイタリアンってわけだ。なあ、ロック?」  
「あれは四川と言うより、唐辛子のカタマリだぜ……レヴィ」  
「何だと! このガキ! せっかくあたしが作った料理にケチつける気か?!」(ビシッ!)  
 
「おっと、誰か来たぜ」  
何だかんだ言ってるうちにピザ屋が来たようだ。  
ダッチも仕方がねえというように肩をすくめた。  
メカマンのベニーがドアを開けると、そこには、一人の冴えない男が箱を抱いて突っ立ってた。  
どこかで見たようなピザ屋だな。イカれたアフロに色メガネなんざかけやがって。  
ラチャダ・ストリートあたりでSMクラブの店長でもやってそうなツラだぜ。  
 
「いくらだ? 5ドル?! そりゃ法外だ!」   
「どういたしまして。手前どものピザを召し上がったお客様からは、たいへんハッピーになれたと、それは評判でして」  
ハッピーなのはてめえのツラだけで十分だ。  
腹さえ減ってなけりゃあ、叩き出すところだが、まあ、仕方がねエ。これも資本主義の矛盾ってヤツだ。  
ホラよ、5ドルだ、手エ出しな。  
「毎度ありィ」  
 
「やれやれ、さんざ腹減らして、ありつけるのがピザ1枚かよ」  
そう言うなって、ちゃんとあたしの手料理もつけてあるよ…って、ゆで卵と生野菜だがな。  
野菜を食う時にゃ湯に通すんだ。さもねえと寄生虫が湧くぜ。  
さてと……ピザを切り分けなくちゃあならねえなって、ピザの入った箱のフタを開けたんだが……。  
????? 何だこりゃ?  
「べトコンの迷彩みたいに緑色だな。  
ジャングルで敵に見つからねえようにピザを食う方法ってのを思いついたぜ」  
「シナモンでもふりかけてあるんじゃないか? なんせ5ドルのピザだからな」  
イヤミな奴らだぜ……。  
な〜〜に、一口食えばたちまち口の中でとろける何とか……って、苦いな……。  
それに妙に粉っぽいし、いったい何が入ってるんだ?  
 
わかったよ、そうにらむなよ…ダッチ、ベニー、ロック。  
この次までに四川風唐辛子ピザってやつをマスターしとくよ。  
文句を言いながら、みんなしっかり食ってるじゃねえか。  
しかし、ネット通販てのもアテにゃならねえな。こんなもん食ってどうやってハッピーに……。  
 
いけね、なんだか吐き気がしてきた。  
気のせいか世の中が赤みがかってきたような……  
ダッチの大将、目が座ってるぜ。  
あれ…? あれ? あれ? あれえ?  
急に天井が回り始めたぜ。電球を交換するのに家を回す必要はねえんだがな。  
 
どうしたい、ベニー? 急に立ち上がって。  
 
「ジミ・ヘンドリックスが俺を呼んでるッ!」だと。  
 
そりゃ、ゲッタウェイ・ドライバーのセリフだぜ。  
もしかして兄弟か?  
おっと、ベニーの奴いきなり走り出して窓から外へ飛び出しやがった。  
ここは二階なんだがな…。  
外に出たいんなら世の中にゃドアと階段って便利なものがあるんだぜ。  
間を省略してまでお急ぎたぁ、商売熱心なこったぜ。  
 
いけねえ…目がくらみやがる。  
こういう時は、水だ……! 水……! 水をくれ!  
とりあえず水でも飲んで気を落ち着けるに限る。  
うおっと! 何かにつまずいちまった!  
何だ、何かと思ったらロックじゃねえか。  
床にへたばって一心不乱にゆで卵の殻を剥いてやがる。  
おまえ気はたしかか……?  
あれ? 変だな……? 立ち上がれねえ……。  
力が入らねえぞ……。  
いったいぜんたいさっきからどうなっちまったんだ?!  
腰が抜けた? そんな馬鹿な!  
 
だいたいロック! いつまであたしのケツの下でくつろいでやがるんだ!  
尻に敷かれるたぁこのことだぜ! いや、ちょっと違げ……!  
「どいていいのかい? レヴィ」  
「あ、あ、あたりまえだろうが…! さっさとおきゃあがれ!」  
「じゃあ、起きるよ。よい…しょっと」  
「うわっ!」  
何てこった! でんぐりがえっちまった!  
「やい! この馬鹿ロック!」  
「……馬鹿と言ったね? 馬鹿と」  
「馬鹿を馬鹿と言って悪いのかい、バーカ! 生憎あたしは正直モンなんだ!」  
「オコラセタネ、ボクヲ……オコラセタネ……」  
 
あたしはその時やっと気がついた。ロックの目は完全にイッちまってる……。  
イヤな目をしてやがるな。まるで狂犬の目だ。いや、狂牛か? 妙に鼻息が荒いし……。  
「だ――――――――っ!!」  
「ぎゃっ!」  
何をしやがるこの野郎! いきなり人を小股すくいで転がしゃあがって……!  
ロックてめえ! たたじゃ……ただじゃあおかねえ……!  
ひっ! ど、ど、ど、どこ触ってやがるんだ! このスケベ!  
「え〜〜い、レヴィ! 乳揉ませろ!」  
モミモミモミモミモミモミ…!  
「あっ、ひっ…! ひゃああ!」くすぐってええ…!  
お前にゃあテクニックってもんが…いや! そうじゃねえ! このどスケベ!  
 
へ、変だ…。さっきからぜんっぜん力が入らねえ。  
それに、何だ…この切ないような…甘ったるいような…  
キモチがいいような……って、そんなわけあるかい! 放しゃあがれ、このド変態!  
蹴り! 蹴り! 蹴り! 蹴り!  
 
「おっとぉ、あぶないなあ。ちょっとおとなしくしてもらわないと」  
げっ! 足首を掴まれた!  
女抱く時は腰を押さえろ、レイプする時は足首を掴まえろ――こいつはガチだ。  
いや、そんなコト言ってる場合じゃねえ! ロックのガキ、完全に色気づいてやがる!  
「ふっ、ふっ、ふふふっ……。ここでレヴィのホットパンツなカットオフジーンズを脱ぎ脱ぎさせると、  
クールでファンタスティックな結果になると思うよ」  
 
お前の立てる作戦はいっつもそんなもんか?!  
 
いやぁ〜〜〜だぁ〜〜〜! やめろ〜〜〜! じたばたじたばた!  
「そこでお尻を高あく持ち上げてパンツをぐりんっと……」  
んぶっ……! 花も恥らう乙女にシュリンプみたいなカッコさせやがって……。  
自分で自分のケツに「KISS MY ASS」たぁ思わなかったぜ。  
なにが可笑しい?! 笑った奴は前に出ろ!  
「知らないかい? まんぐり返しというやつさ。いいカッコだね、レヴィ」  
MANNGURI TURN? 聖書にゃ出てねえ言葉だ。  
ちなみにここの公用語はブロークン・イングリッシュだ! それ以外は認めねえ!  
おかしな言葉使いやがって……これだからヤポンスキイは……。  
あたしになんか恨みがあんのか、てめえ!  
「だってレヴィは僕のことをいじめたいじめたいじめたいじめた……」  
 
……コイツ、ラリってやがんのかと思ったら、本音で行動してやがるな!  
性格が暗いぜ。チキショー、身体の自由さえききゃあ、てめエなんざ……。  
「レヴィのココって、ほとんど毛がないね。もしかしてパイパン?」  
ど、ど、ど、どこ触ってやがる?!  
ちなみにこれはムダ毛処理だ。身だしなみってヤツだ、文句あるか?!  
あっ……! ひゃっ……! そ、そこは……イヤっ……!  
「レヴィがそんな可愛い声を出すなんて……。意外だね」  
な、な、な、な……なにを抜かしゃあがる! この馬鹿ロック!  
調子をブッこいて、どデカ地雷を踏みやがった。  
ぶん殴ってやる! いや、ぶっ殺してやる!  
 
「さてここに取り出しましたるゆで卵、その名もハンプティ・ダンプティ……。  
レヴィのクリちゃんにゴッツンコ、と」  
「ひぃっ……!!!!」  
 
そ、それはさっきお前が食いついてた剥き卵……。  
マザー・グースかよ! ありゃあ、ゆで卵じゃなくて、生卵なんだが……。  
「グリ、グリ、グリ、グリ……と」  
「いやァ――――――あッ」  
「ハンプティ・ダンプティはレヴィのワレメちゃんに沿って転がった」  
「いっ……! いっ、いっ……! いィ――――――ッ!!」  
 
いけねえ、頭の芯がジンジンする。  
「おやぁ? ハンプティ・ダンプティは汗をかいた」  
う、う、嘘つけ! な、な、な、なんつー恥ずかしいコトを……!  
「ハンプティ・ダンプティは落とし穴に落ちた」  
そんなマヌケなマザー・グースがあるかい!!  
んあっ……!! 脳天にドキュンときやがった……! つい、のけぞっちまった!  
「さらに指で奥にぐい〜〜っと押し込んで……ぬるりんっ……!」  
「ああんっ……! はぁっ……!」  
「卵が中に入っちゃったよ。スゴイね、吸い込まれちゃった」  
 
あったりめえだろ……ハァハァ……。女体の神秘ってヤツだ。  
プーケットのイソギンチャクって言ってな……いや、違う。  
お前みたいなサイテー野郎のお子ちゃまにはわからねえだろ……。  
「俺にはレヴィのことなんかわかるハズないんだし……」  
 
そういう問題か?  
 
あ〜〜〜、いけねえな。もうダメだ……。  
あたしの理性もフッとんじまったぜ。  
なぁ……ロック、もっとサイテーなことしてくれよ  
ロックのズボンの中のムチャクチャ元気なコイツをよぉ……とか言いながら、  
足の指でグリグリグリ……。  
なあ、おめえも好きなんだろう? ロックよぉ……。  
股ぁ広げて……タンクトップたくし上げて、オッパイも出してやるよぉ。  
ロックの皮かむりのコックを、インサートすりゃあ、センズリの百万倍はヌケること請け合いだぜ。  
オッパイ吸ってもいいぜ、ベイビ。  
 
……けっこうでけえな、オイ……。ちゃんと剥けてるし、なんか脈打ってるし……。  
 
「うっ…!」 前戯もなしにいきなりきやがった。  
お前にゃあファンタジーってもんがねエのか?!  
ちったあハリウッド製のポルノでも観て学習しゃあがれ。  
クールな野郎だぜ、まあいいか……。  
ヤポンスキだけあって硬えな。  
そ、そうだ……腰を使って……。  
卵が、子宮にあたって……、あた……あッ……あン。  
 
ブリュッ! ブビッ!  
 
おっと、卵をひり出しちまった!  
ピストンこいてる出し入れの、出す拍子に膣圧でおん出ちまったんだ。  
なに感心してンだ、このどスケベ!  
もっかい気ィ入れて腰使えってんだ!  
ん……。んンッ……。そう……そうだよ。  
あァん……! はああッ……! あふうン……!  
「レヴイ! レヴィ! いッ……いいッ……いいよオッ」  
「ロ……ロック! 突いて……! もッと突いてエ……!」  
「いッ……イクぅッ……! イクよおッ! レヴィ!」  
「OH! カミング! キてえ……! キてえ……!」  
 
ザバ――――――――ッ  
 
つ、冷てえ…! 何だこりゃ?  
誰だ?! いきなり人に水をブッかけやがった!!  
せっかくイイところだってエのに!  
 
「サカッてる犬っころを引き離すにゃあ、バケツで水をブッかけるに限るんだ。  
それに水をくれって言ったのはお前だろう? レヴィ」  
ダ、ダ、ダ、ダ、ダッチ……! そ、そうだったかな?  
いや、その、なんだ……。あたしも少し悪ノリが過ぎたと思ってるンだ……!  
やい、ロック! 起きろ……! ダメだ……完全にノビちまってる。  
「ロックはどうでもいい……。俺をのけ者にしてずいぶんとお楽しみじゃねエか? レヴィ」  
「ハァ?」  
「跪け……!」  
どうしたよ、ダッチ? 様子が変だぜ? まさかアンタも……。  
「ここは俺の船だ……! ひ・ざ・ま・ず・け!」  
 
船じゃねえ、丘だよ、ここは……。ま、いいや、逆らわない方がよさそうだ。  
ハイハイ、大将。バックがお好み? お手柔らかに頼むぜ……!  
 
「フッフッフッ、レヴィ、いいケツしてるじゃねえか。  
アヌスなんか、キュッとすぼまっててよお」  
ヒッ……! そ、そ、そこは……!  
男を抱くときにゃあケツを捉える……って、あたしは女だよ! 女!  
前でヤレって……前で!!  
しまった! 思い出した! ダッチの旦那はベトナム帰りの後門専科だったっけ!  
ヤメろ……ヤメろォ! ダッチ!   
そんな馬鹿でけえシロモノ、ケツにぶち込まれた日にゃあ、生涯肛門科に通院する羽目に……!  
「ヒッ……! うぎ……! んぎゃあああああああああ!!!」  
 
 
 
 
 
「あのお……すんません」  
 
「なんでエ……ピザ屋じゃねえか……。ハァッ……ヒィッ!  
いま取り込み中なのが見えねエか?!」  
「実はその……ネット販売のピザで、お宅のご注文は2ドルのレギュラーのピザだったんですが……。  
うっかり、その、何です……。  
愛好者の方向けのヤバい商品でして……。  
ご禁制のハッパ使ってる特別製のヤツを……間違えて」  
「つッ……! い、痛エ……! ひィんッ……! なに? 間違いだあ?」  
「ハッピーになれるってヤツなんですが」  
「なるほど……間違いか……。  
それで納得がいった、あたしゃ今のところアンハッピーだ」  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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