「どうです、ここの店、見掛けはボロだがラーメンはうまいでしょう」
「おいしいわ…すごく…」
「…泣いてるんですか」
「え…ええ、お気になさらないで、環境の変化があまりに激しくて、なんだかホッとして」
「無理もない、やっとつかんだ幸福が水の泡になってしまったんだ。文字通り」
「おかしいわね…気持ちの整理はつけたはずだったのに…」
「泣きたい時は泣きゃあいいんです。その方が健康にいい」
「ええ…フフ…そうね…健康な体でこれから働くためにもね…」
「そうですよフフフ…」
「…先生…今夜、私さみしくて…一人でいたくありませんの」
「……」
「心ぼそいの…今夜だけでいいの…一緒にいていただきたいんです」
「……」
「……ごめんなさい…今の忘れてください…私どうかして」
「反対側の駅裏に」
「……!」
「古いが清潔なホテルがあります。今度は私がおごりますよ」
「先生……」
ホテルにて
「どうです、ここのホテル、見掛けはボロだが部屋はいいでしょう」
「いやだわ…先生、ラーメン屋の時と同じようにおっしゃって」
「失礼、そういやそうですな」
「ウフフフ…私、お医者さまは初めてよ」
「フフフ…ぶっちゃけ私も初めてですよ」
「…ええっ?」
「あんたのようにとんでもなくきれいな女を抱くのは、ね」
「先生ったら…!」
「…初めては一度きりしかない」
女の腰に手を回し、強く抱き寄せるBJ。
「あっ…私なんだか…すごくドキドキしてる…」
「悔いのないよう…お互いに楽しもう」