「写楽ー!!」  
制服を翻し、和登は勢い良く扉を叩きつけ部屋に飛び込んだ。  
「どこに隠れてるの!でてこいよ!」  
怒りのあまり息は荒く頬は紅く紅潮していた。  
運悪く居合わせたラルゴは和登の大声に怯えながらオロオロと和登の足下をうろつく。  
「ちょっと、犬なら犬らしく写楽の匂いでも嗅いで連れてきなよ!」  
「キャイン!」  
とばっちりを食ったラルゴは自分の寝床へと逃げていった。  
「……ありゃ?」  
ひとしきり叫んだ後、我に返った和登は部屋を見渡す。  
写楽どころかいつもつるんでいるピノコさえもいない。  
「…ここじゃなかったか…」  
 
ため息をつくと  
疲れがどっと押し寄せる。家からここまで休むことなく走ってきたのだから仕方なかった。  
和登はアンティーク調のソファに腰掛けると足を投げ出した。  
[困ったな…]  
今日は休日だが和登は学校に行く予定だった。  
生徒に解放された図書室で勉強もとい、ある生徒をそこから見守るために。  
しかし写楽に鞄をもって行かれてしまった。  
[アレ]が入っている鞄を、だ。  
きっと天然で間違えたんだろうし無駄に中を漁る事もないだろうが、万が一という事がある。少しでも早く取り戻さなきゃいけない。  
 
「ふぁ…」  
和登は小さくあくびをすると柔らかいソファに身を預けた。  
さすがに疲れた。眠い。どうせ写楽はピノコと一緒にいるに決まってる。  
河原あたりで遊んでいるのだろう。  
今日はあの人を眺めるのはあきらめよう。  
それならここでこうして待つのも有りじゃないか。  
なかば開き直った和登はソファで居眠りを始めた。  
 
 
「…ん………へっ?」  
気づくとそこは柔らかいソファの上ではなく、少々堅い医療用のベッドの上だった。  
和登は状況が飲み込めずに間抜けな声をあげてしまった。  
 
「不法侵入って言葉を知ってるかい?」  
頭の右上から聞き覚えのある声低いがした。  
和登は声の方を向こうと体を起こそうとしたが動かない。  
「え?あれ?なんで?」  
ジダバタと肩をあげようとするが、その肩自体がベルトの様なもので固定してあった。  
「君は何度言っても家に飛び込んでくる。」  
声の主が和登の真横に立った。  
白いシャツにベスト、薄いゴム手袋をつけながらブラックジャックが和登の顔をみた。  
「せ、先生あの、寝ちゃったのはすみません。でもなんでこんな…」  
和登はベルト部分を掴みながら慌てて謝った。  
 
忘れてた。この先生がいることを。  
「何度言っても解らないようなんでね。強硬手段といこうかと。」  
ブラックジャックの表情は読みにくい。怒っているようにも少し笑っているようにも見えた。  
「あの…今度こそ解ったんで、ほんとにすみません。これはずしてもらえませんか?」  
「ダメだね。」  
恐る恐る出した和登の言葉もあっさりと却下された。  
「実はこんど難しい手術の予定が入っていてね」  
ブラックジャックは和登に背中を向けると白衣を手に取った。  
「ちょうど実験体がほしいと思っていたんだ」  
 
「ひっ!」  
和登は短い悲鳴をあげるとさらにジタバタと暴れ出した。  
「ごめんなさい!ほんとにもうしないから許して!」  
「心配するな、成功すれば死ぬような手術じゃない。」  
「失敗したら死んじゃうじゃんよ!お願いだから!何でもするから許して!!」  
「え?じゃあ手術を…」  
「他のことなら何でもする!約束するし謝るからぁ!」  
和登は半ば泣きながら叫んでいた。  
ブラックジャックはそんな和登を見てため息を一つつく。  
「本当か?」  
「…ぅん…」  
時折しゃくりあげながらブンブンと首を振る。  
 
ブラックジャックはそんな和登を見てため息を一つつく。  
「本当か?」  
「…ぅん…」  
時折しゃくりあげながらブンブンと首を振る。  
ブラックジャックは考えるように腕組みをすると口を開いた。  
「いいだろう。じゃあ他の実験体をしてもらう。」  
「手術はいやだからかね!」  
「こっちは危なくはない。なぁに、ピノコのためと思って少し辛抱すれば良いさ。」  
ブラックジャックはそういうとなにやら器具を準備し始めた。手術に使うようなメスや鉗子の類ではなく何かの液体やコテのようなもの。  
 
和登は横目でその様子を見ながらこれから自分がなにをされるのか不安を隠しきれなかった。  
「あの、何するの?それにピノコちゃんのためって…」  
「ピノコの体はほとんどが人工でね。」  
ブラックジャックはピノコの出生を説明すると続けた。  
「あいつ最近新しい体を作れってうるさくてね。しかしあいにくながら身近にその体のモデルになるような若い女性はいない。」  
ベッドの横に液体や道具を乗せた台車を運びながらブラックジャックは続けた。  
「幸いおまえさんはピノコの希望する年代で丁度良い。体の型を取らせてもらおう。」  
 
「えぇ?!」  
「何でもするんだろう?さあ、服を脱いでもらおうか。」  
肩を固定していたベルトを弛めながら有無を言わせない雰囲気で言った。  
「ふ、服って全部?」  
「当たり前だ。別にこっちで脱がせても良いんだが…」  
「い、いえ、自分で脱ぎます」  
にじりよるブラックジャックから後ずさりながら、和登は渋々自分の制服に手をかけた。  
 
 
和登は服を脱ぐと再びベッドに横になった。  
今まで誰かの前にこうして全裸になったことなど無い。ましてや男性の前だ。  
屈辱的、かつ恥ずかしくて仕方がない。  
 
せめてもの救いは部屋が薄暗いことだ。  
ブラックジャックは和登に背中を向けハケのようなもので液体を混ぜていた。  
和登は両腕で胸を隠すように寄せて局部を少しでも隠すように膝をわずかに立てた。  
「脱ぎ終わったか?」  
「はいっ」  
ブラックジャックが振り向いた途端つい体が強ばってしまう。  
見えてるのだろうか?  
和登は自分の肌がいつもより白く暗い場所でも目立ってるような気がした。  
「…体をまっすぐにのばしてもらえるかい」  
「うぅ…」  
和登は渋々両腕を体に添え伸ばし、膝も伸ばした。  
 
胸が外気に触れてゾクゾクとした感覚が走ると桃色の先端がツンと尖った。  
「少し冷たいが我慢しろ」  
ハケに濃い水とき片栗粉のようにとろみのある液体をつけると顎のすぐ下辺りから塗りだした。  
とろとろの感触の合間にハケの毛のくすぐったい感触が混じり鳥肌が立ちそうだ。  
ハケが胸の辺りにくるとブラックジャックは鼻で小さく笑った。  
「…何ですか?」  
和登は笑った理由が激しく気になった。  
和登も思春期の女の子だ。自分の体はみんなと一緒かどうか気になるのは当たり前だった。  
 
目の前の男性が自分の裸を見て笑ったという事は、何かおかしいのかもしれない。  
「いや…ちょうど良いと思ってね」  
ブラックジャックはハケを胸へと滑らせる。「胸部の型を採るにはコレが不可欠だろう」「きゃっ!」  
ハケが和登の胸の先端を刺激する。  
「おおっと!動かないでくれよ。何度もやり直したく無いだろう?」  
「だ、だって…ひゃっ!」  
和登は何度も通過する刺激に身をよじりたい衝動を両目を閉じて耐えた。  
「…ん…はぁっ…」  
執拗に胸に塗るのを繰り返される。  
「あのっ…そんなに塗らなくても…ひぁっ!」  
 
「胸部は女性の象徴だ。丁寧に型を採らないといかん私は作るとなったら完璧なものが欲しい質でね。」  
ハケはやっと胸を通過し、和登のくびれをたどる。  
「…っ…ふ…」  
繰り返された刺激によって和登は全身が過敏に反応するようになっていた。  
腹部、腰回りとハケが通る度に体がピクピクと跳ねる。  
「完璧に型が採れるまでおまえさんは帰れないよ」  
つま先まで液体を塗り終わるとブラックジャックはベッドの横に椅子を持ってきて座った。  
ハケの感触から解放された和登は一息ついた。  
液体は次第に熱を帯び薄い赤に変色していった。  
 
ブラックジャックは椅子から立つと顎の下からゆっくりとゴム状に固まった液体をはがした。  
「…はふっ…」  
敏感になり密封されていた肌が空気に触れる。  
ブラックジャックははがし終わった型を細かくチェックすると和登に向き直った。  
「いいだろう。次は背中側だ。うつ伏せになってくれ」  
和登はやり直しにならなかった事にほっとし、ベッドの上でうつ伏せになった。  
 
 
 
 
 
「問題ないようだな。」  
ブラックジャックは型のかかとの辺りをチェックしながら言った。「はぁ…やっと解放されたぁ…」  
 
和登は小声で呟くとうつ伏せになった裸体を持ち上げた。  
「さて…仰向けになってくれ」  
ブラックジャックは薄いゴム手袋をはずしながら言った。  
「え?だって全身の型採れたじゃない。」  
「言ったはずだ。完璧なものを作る、とな」和登の肩をベルトで留め今度は手首も固定した。  
「…どういうこと?」  
「体に触れた時の感触まで再現するんだ」  
言いながらブラックジャックの手が和登の肩を撫でた。  
「え?…えー?!それって…」  
「そういうことだ。」肩から胸へと手が移動する。  
 
柔らかく脇に広がった乳房をすくうように持ち上げるとごつごつした指がじわじわと食い込む。  
「ちょっ!嘘でしょ?!やだ…やっ…」  
和登の体にさっきのハケの感触が蘇る。  
ブラックジャックの指はむにむにと和登の胸を揉み、その感触を記憶していく。  
「…あぁっ…」  
ツンと隆起した先端を親指の腹で撫でられた和登は甘い声をあげた。  
「ふっ…うぅ…ん…」  
一度出てしまうともう止められない。指の動きに合わせ声はこぼれてしまう。  
体を這う手は胸を揉みしだき、先端を摘んだりこする動きを加える。  
 
和登は確実に快感を得ていた。声をあげるたび腰をくねらせ足をもじもじとこすり合わせた。  
[…体の感触ってことは…やっぱりあっちも…]  
和登は心の中で先を予想し始めていた。  
ブラックジャックの手が胸を離れ、腹部、腰、太股と移動するたびにいつくるのかと胸が高鳴った。  
期待では無い。  
単に未知のものに魅入られただけだ。  
自分にそう言い聞かせた。  
「終わりだ。」  
「えぇ!」  
ブラックジャックはつま先まで触り終えるとそう言った。  
和登は反射的に不満の声をあげていた。  
 
「どうした?嫌がっていたのに嬉しくないのか?」  
ブラックジャックはニヤニヤと笑みを浮かべて和登を見下ろした。「だって…その…完璧なものを作るって言ったから…あの…」  
和登は顔が真っ赤になるのが解った。いや、顔だけじゃない。全身が熱かった。  
「どこか触り忘れでもあったかい?」  
ブラックジャックは和登の顔をのぞき込むと続けた。  
「あるんなら教えてくれないか」  
解っている。この人は解っていてやってるんだ。  
和登は悔しくてたまらなくなった。そしてそれと同時に一つの気持ちが沸き上がった。  
 
触って欲しい。  
でもそんなことは悔しくて言えない。  
どうすれば良いのか解らなくて唇を噛んだ。「あぁ、ここを忘れていたな」  
ブラックジャックは和登の噛みしめられた唇を奪った。  
「むっ…ふぅ…んん」  
突然のキスから逃げようとする和登をブラックジャックが捕らえる。  
 
唇が離れた時、和登の思考能力は限界に来ていた。  
「ふぇぇ…ひっく……」  
ブラックジャックは突然に子供のように泣き出した和登に驚いた。  
「どうした?」  
「ひっく……言…えな…もん…ぅぅぅ…ひっく…」  
和登はしゃくりあげながら必死に話す。  
「そ…なの…っえぐっ…い…えな…もん……ひっく…」  
和登の頬をポロポロと涙の粒がこぼれ落ちた。  
ブラックジャックはため息を一つつくと和登の頬を撫でた。  
「…悪かった。そうだな、言えないよな。おまえさんも気は強いが女の子だもんな」  
 
えぐえぐと泣き続ける和登をベルトから解放すると体を起こし、そっと抱きしめた。  
「…落ち着いたら帰ってもいいぞ。おかげで型は完璧にとれた。」  
ブラックジャックは和登の背中をポンポンと叩くと体を離した。  
「……どうした?」  
離れようとした体はしっかりと捕まれた袖で止められた。  
「…ひっく……言わせないで…よ……ひっく」  
しゃくりあげるのを止められない和登はうつむいて小さく言った。  
息づかいはかすかに荒く、体も熱を帯びている。  
ブラックジャックは和登の体を再びベッドへと倒し髪を撫でた。  
「責任は取ろう」  
 
和登の唇に口づけ、すぐに離すと目を見て言った。  
「後悔はするなよ…誘ったのは自分だ」  
再び口づける。今度は舌をからめる激しいキス。  
「…ふぅっ…んっ…」  
合間から漏れる吐息が部屋に響く。  
ブラックジャックの手が和登の体に触れ、乳房を撫でると和登の体が跳ねた。  
唇は首筋をたどり乳房の頂点を捕らえた。  
「あぁぁっ!」  
指とは違う感覚に包まれ和登は喜びの声をあげた。  
舌はつついたり転がしたり、時に強くなぶったりを繰り返す。  
「ひゃぁっ…はぁん…んんっ…もっ…も…だめぇ…」  
 
指はくびれに沿って進み、腰を撫でると和登の足はもじもじと反応する。  
口には出さないが、確実にソコに触れてくれと体が語っている。  
太股の間に手を差し込み、そっと両足を割り開く。小さな抵抗があったがすぐに消え、目の前にソコが露わになった。  
「…凄いな…まだ触れてもいないのに…」  
指が伝うと水音を奏でる。  
「あぁっ!」  
クチュクチュと何度かいじると体液のまとわりついたその指を和登の前に差し出した。  
「見えるか?」  
「ゃぁ…やめてっ…そんな…」  
和登は目を反らす。  
 
ブラックジャックは指を戻すと再び水音を立てはじめる。今度は小さな突起も交えて刺激を与えた。  
「くふっぅ…」  
和登は自分の体を抱えて未知の快感に耐えていた。  
「気持ち良さそうだな…」  
ブラックジャックは手を離すとおもむろに和登の横に腰掛け下半身を露わにした。  
「…頼めるか」  
和登はぼんやりとした瞳でソレを見つめると恐る恐る手を添えた。初めて見た。何をして欲しいのか、言われなくても解る。  
すでに堅くなっているソレにそっと唇を近づけた。舌を這わせるとピクンと反応し、さらに堅さを増した。  
 
先をくわえると熱が舌に伝わる。血管や筋肉らしき凹凸が脈打って和登の口内の感触を喜んでいた。  
ブラックジャックはぎこちない上下運動を繰り返す和登の頭を自分から離すと、ベッドへ倒した。  
足の間に滑り込み、堅くなった物をソコに合わせる。  
「あ…」  
押し入ってくる感覚に和登は小さく声を漏らした。  
腰を少し進めたところで一気に貫く。  
「きゃぁぁっ!!あっ!痛っ!んんっ…ぅぅ…」  
和登の体は一瞬で強ばり、ブラックジャックにしがみついた。  
「力を抜け…流れに任せろ。徐々に痛みは取れる」  
囁くと胸を優しく吸った。  
 
「んぁっ…あっ…やっ…」  
痛みは薄れ、自分の中を抉る快感が生まれ始めた。  
最初はゆっくりと腰を揺らしていたブラックジャックだったが徐々に力強く、激しく和登を貪りはじめた。  
「まだ…だ…めっ…あぁ…はげ…しいよぅっ…あっ…あっんん」  
ブラックジャックは両足を抱えていた片手をそっと紅く剥けた突起へと伸ばした。  
「いやっ!あっやだっ!なっ…んんっー!」  
指でこすり、つまみ上げると和登の中も激しく蠢き始めた。  
「やっ…あっ…もっ…うっ…へん…だ…よぅっ!」  
 
腰をうちつけるリズムはさらに激しくなり、ブラックジャックの息も荒く乱れ始めた。  
「……いくぞ」  
低く呟いた瞬間、和登の体内でソレが激しくはじけ、快感に酔った内壁をこすった。  
「ひぃぁっ!」  
体をビクビクと痙攣させると、一瞬ブラックジャックにしがみつき、すぐに意識をとばしてしまった。  
 
 
和登がソファで目覚めた時、制服はきっちり着せられ、髪の毛一つ乱れてはいなかった。  
が、体は限りなくだるい。夢ではない事を体の奥が熱い事で実感した。  
「まだ動かない方がいい」  
ブラックジャックがカップを差し出しながら言った。  
 
「心配するな。アフターピルを処方したから妊娠の危険は無い。」「なっ!」  
和登は顔から火がでそうになった。  
「それと、これはおまえさんの鞄か?」  
「あっ!」  
鞄を奪い取ると、急いで中を確認する。  
[あった!]  
和登の大切な物、一通の手紙を確認すると、安心のため息をつきソファに身を預けた。  
「名前も何もないんでね、中の物で確認させてもらったよ。おおかた写楽が持ってきたんだろう」  
ブラックジャックは別室に行こうと背中を向けた。  
「…あぁ、言い忘れたが」  
扉から上半身だけ覗かせてブラックジャックが言った。  
 
「手紙、誤字があまりにも多かったぞ。渡す前によく見直すんだな。」  
「!!」  
ハハハと高笑いが聞こえた。  
「み!見たな!」  
和登の声が家中に響いた。  
体のだるさなど忘れたように後を追い、ブラックジャックの腕を掴んだ。  
「人の手紙勝手に読むなんて!」  
「おいおい、人の家に勝手に上がり込む奴が言える台詞か?」  
ブラックジャックは笑いながら言うと、和登の手を掴み引き寄せた。  
「良い手紙だった。おまえさんの心が現れてる。体は心の入れ物だからな、中身が良ければ外見も良くなる。ピノコは良い体をもらえて喜ぶだろう。」  
 
体という言葉を聞き、さっきの事を思い出し赤面した。  
「感謝するよ」  
ブラックジャックは赤面する和登に口づけた。  
笑いながらその背中が自室らしき部屋に消えて行くのを眺めながら、和登はその場に座り込んでいた。  
さらに、顔を真っ赤に染めて。  
 
 
「何燃やしてるよのさ?」  
帰宅した写楽とピノコが見たのは灰皿で何かを燃やす和登だった。  
「…手紙?書いたのに燃やすの?」  
「ばかっ!女にはいりょいりょあるの!ねー!」  
写楽に言い含めると和登に首を傾げた。  
和登は申し訳ない気持ちで笑い返した。  
あの人に心も奪われてしまったから。  
 

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