「キートン頼むよ…」  
受話器の向こうのコングはいつになく弱々しい声で言った。  
キートンは誰にも気づかれないように家を出るとコングの家へ向かった。  
気が重い。  
しかし行かないわけにはいかない。  
今夜コングは柄にもなく塾の強化合宿(成績悪いから補習みたいなもんだけど)。両親は親戚に不幸があって急に家を留守にする事になったらしい。  
チャコはと言うと心配するコング達を余所に一人で平気と言い張ったが、そうもいかない。  
なんとか一人きりは止めてくれと言う説得に折れたチャコは一つだけ条件をつけた。  
 
「お兄ちゃんのお友達のブラックジャック先生じゃなきゃ嫌!」  
あの時以来チャコには会っていないのにどうして自分なのか腑に落ちないが、キートンは足を急がせた。  
コングの家に着くと玄関先にはコングが立っていた。  
出かける準備は万端のようだ。  
「よぉ。すまないな」  
申し訳なさそうに頭を掻いているコング。  
「良いよ。チャコちゃんの御指名なんでしょ」  
苦笑いをするとコングは家へと促してくれた。  
「晩飯まだだったら何か取ってくれよ」  
テーブルにあった数枚の千円札を渡し、靴を履きなおした。  
 
「じゃあ俺行くな。チャコー!キートン来たから兄ちゃん行くな〜!」  
コングは二階にいるらしきチャコに声をかけるとキートンに諭すように言った。  
「ワガママ言うかもしれないがよろしくな。」  
「平気だよ。いってらっしゃい」  
笑顔で送り出すと戸締まりをしてため息をついた。  
コングも学校ではあんなだけど家では家族思い…もとい、妹思いなんだな。  
キートンはそう思いながら階段を上る。  
「チャコちゃーん。部屋にいるの〜?」  
「…あ!あがってきちゃダメー!」  
「え…じゃあ下にいるね」  
 
なんだろう?と首をひねりながら戻り椅子に座ると、バタバタと階段を下りてくる音がした。  
…チャコちゃんかな?  
え?6歳の女の子が歩くのに[バタバタ]なんて音するか?  
小さな疑問を持つと同時に背後に人の気配を感じた。  
「こんばんわ、チャコちゃ…ん……え?」  
キートンの視線の先にはどう見ても6歳の少女ではなく、14〜5歳の自分と同じくらいの女の子が立っていた。「…えと…あの、君は」  
「お久しぶり…です」  
にっこりと笑う彼女の顔は間違いなく…  
「ち、チャコちゃん?!」  
「はい」  
 
どこが6歳だ。すらりと伸びた手足も表情も大人直前のものだった。  
「あ、あの、お兄ちゃんには言わないで下さい…」  
「え?」  
チャコちゃんらしき彼女はキートンの隣に座った。  
「私、この通り大人になれるの。方法は言えないけど、誰も知らないから…」  
キートンは半信半疑で彼女を見つめた。  
信じられない。でも顔立ちもそうだが、声は完全にチャコだ。  
「…解ったよ、チャコちゃん。誰にも言わないよ。」  
「ほんと?ありがとう、ブラックジャック先生!」  
チャコはうれしさのあまりキートンに飛びついた。  
 
「うわゎっ!チャコちゃん危ない!」  
キートンは椅子のバランスを何とか保つとチャコを引き離した。  
「それに、僕はキートンて言うんだよ」  
「解った。キートン…さんはつけなくて良いよね!今は私も同じくらいだもん」  
無邪気に笑うチャコ。  
元気な子だ。病院で見たときとは別人のように見える。  
チャコはご機嫌な様子で食事を作ってくれた。  
一緒に食卓を囲み、他愛のない会話を楽しみ、夜は更けていった。  
「そろそろ寝ようかな…」  
小さくあくびをしながらチャコが言った。  
 
「ん。じゃあ僕は帰」  
「上行こうか」  
チャコはキートンの腕を引っ張り、部屋へ連れていこうとした。  
「あ、あのチャコ?」  
「…やだ」  
キートンを引っ張る力が消えた。  
「え?」  
「一人じゃ怖いもん…お兄ちゃんもお母さんも明日まで帰ってこない…」  
キートンの腕をつかむ手が震えていた。  
「チャコ…」  
チャコの顔をのぞき込むと白い頬に大粒の涙が落ちていた。  
「帰っちゃやだよぅ」チャコはキートンにしがみつき、わんわん泣き出した。  
(…中身は6歳だな…)  
キートンはチャコの髪を撫でると、愛おしくなってそっと抱きしめた。  
 
「じゃあチャコが寝るまでここにいるからね」  
キートンはチャコの枕元に座り横になったチャコの髪を撫でた。  
「だめよ!それじゃキートン帰っちゃうもん…」  
チャコは掛け布団をめくりポンポンと敷き布団を叩いた。  
「え?」  
「…ここに一緒に寝るの」  
「そ、それはちょっと…」  
「いいから、早く」  
チャコはキートンの腕をつかみ布団に引き込んだ。  
[…柔らかい]  
肩が触れる。年頃のキートンには十分な環境と刺激だ。相手は6歳の女の子だと自分に言い聞かせても、隣で寝ているのは胸の膨らみやくびれがある女性だ。  
 
「!」  
チャコは寝返りを打ち、キートンに抱きつく形になった。  
右腕にチャコの胸があたる。柔らかく暖かい感触。  
キートンは左手を伸ばすと右腕に沿って胸を触ってみた。  
柔らかな感触が左手を包む。チャコはピクリともしない。  
キートンは喉を鳴らすと、今度はそっと揉んでみた。  
むにむにとなんとも言えない弾力はキートンを虜にするのに時間はいらなかった。  
右手も使い両胸を揉みしだく。次第に掌に堅い小さな突起の感触ができ、指で摘んだりはじいたりして弄ぶ。  
[…こんなこと…してて良いのかな]  
 
かすかな罪悪感を抱いたそのとき、キートンの手首をチャコの手が掴んだ。  
「あ…ご、ごめん!」  
一気に血の気が引く思いで、キートンは胸から両手を離した。  
「キートン…」  
チャコに罵声を浴びせられる、コングにも何をされるか…キートンは自分のしたことを後悔した。  
キートンの手はチャコの手によってそのまま胸へと戻された。  
「…チャコ?」  
小さくつぶやく声が聞こえる。  
「…気持ち良いよ…もっとして…」  
「嫌じゃないのかい?」  
「うん…キートン好き。気持ち良いのも好きだから…」  
キートンの枷がはずれた。  
           
チャコの着てる服をまくりあげると、すでにさっきの刺激で隆起した桃色の先端があった。  
診察の時とは違う、大人のそれはキートンを誘う。  
指で擦り上げるとチャコの体が跳ねる。  
「ふぅっん」  
吐息のような声をあげるチャコがかわいくて執拗に胸をいたぶる。  
舌で転がすとコリコリとした感触で柔らかな乳房と対照的だ。  
一通り胸の感触を楽しむと、キートンは他の場所にも興味を示した。  
「キ…トン…胸きもちいよぅ…」  
行為の意味を知ってか知らずか解らないが、チャコの体はもたらされる快感に溺れ始めていた。  
 
ビクビクと体を震わせ小さな刺激にも耐えられず可愛い喘ぎ声をあげるチャコ。  
キートンはチャコの下着に手を伸ばし、一番敏感な場所を探り出した。  
「やっ!あぁ…なに…ふぅぅ」  
「チャコ…もっと気持ち良くなりたいかい?」  
「…んっ…」  
キートンの問いかけに必死に頷くチャコ。  
「じゃあ気持ちよくしてあげるから、怖がっちゃダメだよ」  
キートンの指が下着の横から滑り込み、チャコの粘膜に触れる。  
「ひっ!」  
初めての感覚に驚くチャコは腰を引こうとするがキートンに押さえられた。  
 
キートンの指はチャコの小さな突起を捕らえ、いたぶり始める。  
「ひゃう…あっ…んん」  
堅く熟れ始める突起をグリグリとこね回す。あいた指でその下の潤い始めた部分に触れる。  
ピチャピチャと水音がして粘膜が指にまとわりつく。  
「チャコ、僕が好きかい?」  
キートンは目の前の少女の痴態に今までに無い興奮を覚えていた。「…んっ…好きぃっ…キートン…す…きっ…あっあぁ…」  
キートンはその言葉を聞くと、既にはちきれんばかりの自分自身を取り出し、チャコにあてがった。  
「…キートン?」  
「チャコ…僕も好きだよ…」  
 
チャコの唇に口づけると片手でチャコの腰を固定し、一気に腰を押し進めた。  
「ふむっ!!」  
チャコの唇から悲鳴めいた吐息が放たれた。  
キツい。キートンは痛いくらいの締め付けに耐えるように、チャコの唇を吸った。絡み合う舌はチャコの体の強ばりを和らげ、キスの快感に連動するように中が蠢く。  
「…ぷはっ…あぁっん…やぁっ…キート…ん…きゃふっ」  
唇を離すとチャコは初めての感覚に戸惑いと快感を感じたように声をあげる。  
時折苦痛に顔をゆがめるが、一瞬のことですぐに恍惚とした目でキートンを見つめた。  
 
「チャコ…あんまり締め付けないで…」  
「はぁっ…ん…わか…ないよぅっ…やっ…ん…」  
グチョグチョといやらしい音が部屋に響く。キートンは背筋がゾクゾクとする感覚に襲われた。  
[…やばい]  
キートンは目の前で揺れる乳房に手を伸ばし揉みしだく。  
「あっ…だめぇ!」  
キートンは絶頂に達するのを耐えるために胸へ愛撫を始めたが、逆効果だった。  
チャコの中がさらに激しく蠢き、キートンを奥へ奥へと誘い込む。  
「ああっ…ダメだ!チャコ!チャコっ!!」  
キートンはたまらず、さらに激しく腰を打ちつけた。  
 
「きゃうっ!やっぁっ!あっ!あっ!ダメぇっ!」  
二人は激しく体をはじかせると、優しく見つめあい乱れた息が整うのも待たず激しく口づけた。  
 
 
翌朝。コングからの電話で目を覚ました。昼には帰るらしい。  
チャコの姿は布団には無かった。  
階段を降りながらぼーっとした頭を働かせる。  
キッチンの椅子に座った小さい6歳の少女。  
「おはよう」  
「あぁ、おはようチャコ…ちゃん」  
あまりに自然な挨拶と態度に、昨日の事は夢だったんじゃないかとキートンは思った。  
あるはずない。人が大きくなるなんて。  
「ねぇキートンさん」キートンの思考が固まり始めた時、チャコが言った。  
「お兄ちゃんにばらされたくなかったら、また遊びに来てね…誰もいない時に」  
にっこりと少女は笑った。  
 
 

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