モグモグ・・モグモグ・・・。
スヴェンの料理ってどうしてこうおいしいんだろう・・・。
寝起きで食欲があまりなくても、するするはいっていっちゃう。
この玉子焼きは焼き加減が絶妙だし、ハムサンドはマスタードだけじゃな
くて色々味付けしてあってお店で食べるやつみたい・・・。
「イヴ」
けど、こうして作ってもらってばかりいるのも・・あれかな・・・。
私やっぱり女だし、スヴェンのために作ってあげられるようにならなきゃ・・。
・・・けど、スヴェンは私のことどう思ってるんだろ・・?
「イヴッ」
こうしてスヴェンに作ってもらってると、何かお父さんに養ってもらって
るっていうか、育ててもらってるっていうか、そんな感じがする・・。
―だから、このままじゃいけない。スヴェンの・・その・・そういう意味
でのパートナーになるためには、やっぱりそういう立場としての役割をこ
なせるようにしていかないと・・・。
「イーヴ」
スヴェンが目の前で私の顔を覗き込む・・。
「わっ!な、何?スヴェン」
「・・何を考えてたんだ?神妙な顔つきをして」
「う、ううん。な、何でも・・ないよ?」
「そうか。まあ悩み事があったらいつでも相談しろよ」
「う、うん・・」
び・・びっくりした・・。
「ところで、昨日トレインがリンスからの呪縛から逃れて帰ってきて眠りこ
けてるけど、今日一日は起こさなくていいからな」
「えっ?」
「どうやら、こき使われ続けて3、4日寝ていないらしい。そのおかげでか
なり借金も返せたし、今日くらいはゆっくり寝かせてやらないとな」
「・・うん。わかった」
「じゃあ、俺は仕事を探しに行ってくるから、いつも通り過ごしておいてく
れ。それじゃな」
スヴェンはそっと私の頭に手を置いてから、スーツケースを片手に部屋を出
て行く。
「いってらっしゃい」
無事に帰ってきますように・・・。
今日もやることもないし、本でも読んでいようかな。このアジトにはまだ
読んでない本が一杯あるし・・
私は食卓をかたづけてから、本棚のある部屋へと向かう・・。
「どれにしようかな・・・」
ここは小説とか伝記とか物語系の本が多い・・。学術書とか研究論文とか
も面白いけれど、こういう娯楽本からも勉強になることがたくさんある。
・・・けど、スヴェンはあんまりこういう本の内容に影響されすぎるなっ
て言うけど・・。
・・・どれもこれも読みたくてしかたないけど、とりあえずこれかな・・・
ガシャンッ!!!
「・・・・」
二階から変な音がした・・・。
なんだろう?
トレインが寝てる部屋辺りからかな・・。
・・トレインに何かあったのかな?
「・・・・」
私は持っていた本を棚に戻して、急ぎ足で2階へと上がっていく。
―そして、トレインの部屋のドアを開ける。
「・・・・」
目の前にあったのは、ベッドの上で眠りこけているトレインと、床に落ち
て割れた花瓶・・・。
トレインが寝ぼけて、近くにあった花瓶を落としたんだろうっていうこと
はすぐに察しがついた。
「もう・・」
私はその花瓶の破片を拾い集める。
いつもだったら、トレインを起こして何か言うところだけど、今日は寝か
せておいてあげないといけない・・。
なんか、ムカツクけど・・・しょうがない。
私は破片をごみ箱に捨て、その部屋を出ようとする。けど、ふとトレイン
の布団がその用をなさないくらいにはだけているのに気づく・・。
「・・・ホントに、子供なんだから」
こうしてトレインの布団を直すのも、いつもはありえないことなんだけど、
まあ今日のところは・・。
スヴェンも借金がいくらか返せて喜んでたし・・ね。
私は布団をトレインの下半身からゆっくりとかけていく。そして、胸元まで
それがかかると気持ちよさそうなトレインの寝顔が視界に入ってきた・・。
「寝ていれば・・・・・・・・・まともなのに・・」
ムニュッ・・・。
・・・・。
「・・・・?」
胸元に変な感覚が・・・。
私はそっと下を見る・・・。
トレインの手が・・私の胸を・・・・・。
「こ、このっ!!!」
私は瞬時にトランスハンマーを作り出して振りかぶる・・・。
―けど・・、よく見るとトレインはぐっすりと気持ちよさそうに眠ったまま・・・。
「・・・むぅ・・・・・」
私は、トランスを解除し、ゆっくりと自分の胸からトレインの手を離させる・・。
「も、もう・・スケベ・・・」
ガバッ!!
―その瞬間、私はトレインに抱き寄せられた。
「・・・・ちょ・・」
仰向けに寝ているトレインに両手で抱かれるようになってる私・・・。
トレインの顔を見ると・・・やっぱり寝ている・・・。
・・・そういう夢を見てるのかもしれない。
・・・とりあえず、この状況から抜け出さないと。
トレインを起こしちゃいけないし・・・・もう・・めんどくさいなあ・・・。
「・・・・ぁっ!」
トレインの左手が・・私のお尻を撫でてる・・・。
・・・いやらしく・・・何度も・・・・。
「・・やめっ・・・」
それを阻止しようと手を伸ばすけど、トレインの右腕に体を拘束されて
うまく力が入らない・・。
・・・トレインの手・・・なんていやらしい手つきなの・・。
も、もう・・私だってもう・・女なんだから、こんなことされたら・・・。
けど・・、寝てるんだから・・・トレインに罪はないんだから・・・。
ここは、冷静に・・・。
私はゆっくりと力を入れて状態を起こそうとする・・。
トレインの私を締め付ける右腕・・すごい力・・・。
「(け、けど・・何とか・・・・・)」
『う〜ん・・むにゃむにゃ』
ガバッ。
「きゃっ」
寝ているトレインは再び両腕で私を抱き寄せた・・。
せっかく、もう少しで逃げられそうだったのに・・・・
―て、やっ・・!私の胸がトレインの顔に・・・!
「・・んっ!」
私は力いっぱい身を起こして、何とか自分の胸をトレインの顔から離すこ
とができた・・。
「もう、寝てるくせに、どこまでHなの・・・・あっ!」
私の腰を持っていたトレインの右手が、前に来て私の胸を揉み始める・・。
「ぁっ、ちょ、トレイ・・ン・・・」
やめさせようとするけど、左腕で体を押さえ込まれるような形になってる・・
ダメ・・・離せない・・・。
「ぁん!・・ぁっ・・ぅ・・・」
こ、声が・・・出ちゃう・・・。
こんなところ・・揉まれたら・・・・当然・・・・。
いやらしいトレインの指が何度も私の胸に埋まって圧迫する・・・。
「んっ・・は・・ぁ・・ぁん・・ぁ・・・」
・・そんなに・・そんなにされたら・・・。
こ、こんなところ触ったら、即刻八つ裂きにしてあげてるところだけど・・・。
「んっ・・ぁ!ふぅ・・ん・・・・」
今日は・・手を・・出せない・・。
何とか・・・しない・・と・・・。
・・・・・・ダメッ・・力が・・・抜・・け・・・。
私はトレインの額に胸を置くように覆いかぶさった。
「んっ・・・・・えっ?」
あっ・・・いや、今度は手が・・・!
「ぁん!」
いや・・・トレインの右手が・・きょ・・局部に・・・・・。
い、いくら寝てるからって・・・こんなところまで触るなんて・・・。
寝たまま、左腕で私を拘束しながら、右手で私の敏感なところをまさぐるトレイン・・。
「ぁく!・・ぁぁ・・ぅ・・んっ・・」
すごい・・・自分の手で触ってみたことはあるけど・・・、その時は変な感
覚がするだけだったからやめちゃったんだけど・・・・、他人の手で・・ト
レインの手で触られると・・・か、快感が体中に走る・・・
トレインの手は、次第に大胆に私の局部を攻めてくる・・・。
「あぅ・・ぅ・・ぅぅ・・んっ・・あっ・・・」
何これ・・・今まで感じたことのないよう・・な・・・。
すごく・・なんか・・・・気持ち・・いい・・・・。
ト、トレインに・・こんなことされてるかと思うと・・余計・・・。
けどいや・・・トレインにこんなことされるなんて・・・。
こんなところを・・・触られる・・なんて・・・・。
「はぅ・・!ぁん・・あっ・・・んんっ・・・・」
けど・・抵抗してもこの状況から抜け出せない・・・し・・・・。
・・トランスの能力を使えば・・・簡単にどうにかできるんだろうけど・・・。
「ぁっ・・んっ・・ぁぅっ・・うっ・・・」
なんでだろう・・?
そうしたくても・・そうしない自分がいる・・・。
このままでいたいと思う自分が・・・いる・・・。
「はぁ・・はぁ・・・んっ・・・!」
あっ・・・そうか・・・。
今は・・・トレインは・・・寝てるんだっけ・・・・。
気持ちよさそうに・・・。
・・・起きてるトレインにこんなことされたら屈辱的だけど。
・・・けど・・・。
トレインの意識のない今だったら・・・。
トレインは指で私のショーツをずらし、その中に侵入していく・・・。
「んっ・ぁぁっ・・ふぅぅ・・」
あっ・・、トレインの指が中に入ってくる・・・・。
・・・こんなところに何かが入るなんて・・・。
体が熱い・・・触られてる場所から発熱してるみたい・・・・。
・・・トレインは寝たまま。
起きる様子もない・・・。
・・・・だから・・・この快感・・・続くんだ・・・・。
「んっ・ぁん・・・ぅっ・・んんっ」
自分は・・・それを嬉しいって感じて・・・る・・・。
・・・この気持ちよさ・・を、誰にもバレずに感じ続けられる・・のなら・・・。
「は・・ぁ・・はぁ・・はぁ・・」
もっともっと・・もっと・・・。
いっそのこと・・・もっと・・・・・。
トレインの指が奥まで入りきると、一旦入り口まで引き抜き、そしてまた
入れる・・ということを何度も繰り返す・・・。
「はぁん!あっ・・ぅく・・・あっ・・・」
こ、これが女の性の快楽・・ていうやつなのかな・・・。
体が・・体が何か浮いてくみたいに・・なる・・・。
ジュプ・・・ジュプ・・・・。
やだ・・音が・・・・。
・・・こんな音・・死んでも聞かれたくない・・・。
けど・・まあ・・・今は誰も聞いてない・・か・・・・。
だったら・・・。
ジュプ・・ジュプ・・ジュプ・・ジュプ・・。
指の動きが激しくなった・・。まさか、私の思いが通じたのか・・な・・・。
「はん!ぁ・・あん!・・あん!あ・・あぁ・・・・んん・・んんんん」
声が・・・声が大きく自然に体から出てきちゃう・・・。
「あっ・・・もうダメ・・・あっ・・・・」
私・・・何を口走って・・・・。
うう・・・気持ちよすぎて・・頭の中がよくわからなくなる・・・・。
何か変・・・。
私・・どうなるの・・・。
ジュプ・・ジュプ・・・ジュプジュプジュプジュプ・・ジュプ。
「あっ・・あっ・・あっ・・あぁ・あぁぁあ・・・」
ダメ・・!そんなに早く手を動かされたら・・・。
ほんとーに・・ほんとーにどうにかなっちゃう・・!!
ジュプジュプジュプジュプジュプジュプ・・・。
「あっ・・んぁ!あっ・・あっ・・あっ・・あぁっ」
ひどいよ・・!もっと優し・・・く・・・・・けど・・。
だんだん・・・このくらいがちょうど・・・ちょうどよく・・・。
ジュプジュプジュプジュプ・・・。
「ああっ・・あああっ・・あぁあぁ・・・うううっ」
ど、どこかにいっちゃう・・!
意識が・・・意識が・・・・・・・・!!!
「ト、トレイィィン!!・・あぁあ!!ああ!!!」
私の体に・・・未体験の快感が貫いた・・・・・。
私がイクと同時に、何故かトレインの指の動きも止まった・・・。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・・」
目の前には相変わらず寝ているトレイン・・・。
・・自分が今、すごくいやらしいことをしてたっていうのはわかってる
んだけど・・・けど・・・まあ・・・・誰にもバレてないし・・・。
『へっくしゅ!!』
「・・・・えっ・・?」
『・・・・』
「トレイン?」
『・・・・』
「起き・・・起きて・・・たの?」
『・・・・』
私は無言でトランスハンマーを振りかぶる。
『う、うお!待った待った!!!』
「・・・いつ・・・いつから起きてたの?」
『い、いや・・・その・・・えっと・・・』
「正直に言わないと・・・」
私はさらに深くハンマーを振りかぶる。
『わ、わかった!・・・えっと、俺が寝ぼけて花瓶を割っちまったところ・・から・・・』
「・・・えっ?・・・ってことは、私の体を触ったのは・・・最初から全部・・・わざと?」
『だ、だって胸を揉んだ時点で怒るかと思ったもんよ!−で、つい・・調子
にのっちまって・・・・・・』
・・・・。
「・・・・・・・そう・・わかった。じゃあ、その代償と、証拠隠滅のために・・・・」
私は腕にぐっと力を込める・・・。
『お、おい!け、結局それかよ!!!』
ゴスッ!!!!・・・・・ドガッ!!!ボゴッ!!!・・・・ゴキィッ!!!!!!
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―夕方、スヴェンが仕事を見つけて帰ってきた。
「元気にしてたか?イヴ」
「うん」
「そういやトレインの様子はどうだ?今日はずっと眠ってたか?」
「うん。きっともう二度と目を覚まさないと思うよ」
「・・へっ?」
(FINISH!!)