「あら〜、トレイン。今日もハンサムねえ」  
 
掃除屋三人組の休養日―、トレインとイヴはチェスをたしなみ、スヴェンは新しいタバコ葉を紙に包んでいるほのぼのとした時間の最中・・・その女は突如あらわれたのであった・・  
 
「仕事なら手伝わねえぞ」  
トレインはそう言いながらルークの駒を動かす。  
「な、なによいきなり!失礼ね!」  
「だったら何の用だ?」  
「・・・・・・・・えと・・」  
「姫っち、今のチェックメイトなしにしてくれよ」「だめ」  
「もう〜!か弱き女の子の頼みなんだから聞いてくれたっていいでしょ!」  
 
確かに見た目は男であれば誰でも欲情したくなるほど美しい姿を持つ女性・・・。しかし、その類まれなる自分主義思考を携えることにより、彼女は泥棒猫リンスレット=ウォーカーとして多くの男の敵となっていた・・。  
 
「スヴェン、紳士としてあんたが頼みを聞いてやれば?」  
自分は無関係とばかりに、新作のタバコを試飲していたスヴェンにトレインが冗談交じりに声をかけた。  
「ああ?ったく、何言ってんだ、泥棒の手伝いなんて、それこそ紳士の嗜みからはずれてるってもんだ。・・・・  
・・・・まあ、しかしなんだ、最近リンスには色々と世話になったしな・・・少しくらいなら手を貸してやってもいいが・・・」  
「・・スヴェンじゃダメなのよ。今ひとつ頼りないし・・」  
スヴェンの頭の上に50tおもりが撃沈。(古代ギャグ)  
 
リンスはトレインに近寄って、甘え声を出す・・。  
「だからさぁ、やっぱりトレインにぃ・・ねぇん?」  
「じゃじゃ〜ん!姫っち、実はこのキングは影武者だったの・・」「だめ」  
「人の話を聞け〜!!!!」  
 
チェスの負けを認めたトレインはやっとリンスのほうに体を向けた。  
「―で、なんだよ。今度は何を手伝って欲しいんだ?」  
「えっ、う、うん。あの・・さ、やっぱり私ってその、かわいいじゃない?」  
「・・お前、喧嘩売りにきたのか?」  
「な、なんでそうなるのよ!・・つまりね、その、私のボディーガード頼みたいの・・」  
「・・・ほわい?」  
「・・・あの・・ね。なんだか最近、変な奴にねらわれてるみたいなの・・。無言電話が何度もかかって  
きたり、歩いてると誰かに尾行されているみたいだったり・・・・それ・・でね・・も、もう・・怖くて・・限界な・・の・・」  
ぽろぽろと涙を落とし始めるリンス・・。  
「お、おい、泣くなよ。なんだよ、こっちはまたてっきり一日ダーリンとか、またつき合わされると思ってよ・・。  
そういうことなら助けてやるから。・・・な?」  
「うん・・。・・あのね・・・それで、だから・・・しばらく私と一緒に・・・暮らしてくれない?」  
「へっ?」  
「おおっ!!」「ひゅ〜〜!」  
イヴとスヴェンが囃し立てる。  
「い、一緒に・・か?」  
「うん、じゃあ、いこ!トレイン!」  
表情を一変させ、笑顔でトレインを引っ張るリンス。  
「・・お、ちょ、待て・・準備が・・・」  
 
―ボディーガード1日目  
トレインはリンスに連れられて、彼女の宿泊しているシティホテルへとやってきた。  
「ここが私の部屋よ」  
「へー・・・お前って、いつもこんなすげえ部屋泊まってんのか?」  
そういいながらとりあえず冷蔵庫の中を物色し始めるトレイン。  
「まあね。部屋にあるものは自由にしていいわ。じゃあ、アンタはこっちの部屋使ってね」  
 
ミルクを片手にトレインが窓際へと歩いていく。そして真剣な表情で目を閉じて耳をすませる。そして今度はベッドルームへ・・浴室へ・・・トイレへ・・・・それぞれの部屋で聞き耳をたてた。  
「とりあえず変な残留思念とか、そういう類のもんはねえみてーだな」  
「すごい・・そんなのわかるんだ」  
「クロノス時代の産物だ」  
「そう。・・・ねえ・・、あの・・、どんな時もなるべく・・・私の傍にいてよね」  
「・・へっ?あ、ああ」  
 
―ボディーガード3日目  
外出らしい外出はほとんどせず、部屋の中で過ごしている二人・・。昼間からワイングラスを片手にパソコンに向かっているリンスのすぐ近くで、トレインは大きなあくびをした。  
「なあ・・、もう三日もたつけど、怪しい奴どころか、嫌な気配すら感じねえぞ」  
「たまたま他のことで忙しいんじゃないの?ねえ、それより一緒にお酒、飲まなーい?」  
「おまえ・・、俺は今ボディガードしてるんだけど・・。っていうか俺、酒ダメなんだよ」  
「あっ、そうだったわね・・大変ねえ」  
「・・・お前さ、一応ねらわれてる身なのに何かご機嫌みてーだな・・?」  
「えっ?いや、そんなことないわよ。え〜ん、怖いよ〜〜」  
「・・・」  
 
―ボディーガード5日目  
夏の強い日差しがリゾート風のその街並を照らしていた・・。二人はそんな中、一つのお洒落な衣服店の中で商品を見ていた。  
「なあリンス、こっちから出て行って敵を誘うってのは結構だが、全くそれらしき人間の気配は感じないぜ?」  
アロハシャツにハーフパンツ姿のトレインが言う。  
「えっ?ああ、そう?ねえねえ、それよりこの服なんて似合うかな?」  
「・・お前、本当に買い物してどーすんだよ」  
「いいじゃない。ねえどう?どう??どう???」  
「・・・まあ、いいんじゃねーの?」  
「ほんと?じゃあこれも買おうっと!」  
「・・けどな、そんな格好してばっかりいるから変な奴にねらわれるんだぜ?」  
「えっ?やだぁ、エッチ。トレインも私のことそーいうふうに見てるの?」  
「・・俺、もう帰るわ」  
「あん、もう!冗談よ!!」  
 
―ボディーガード7日目  
結局何事もなく、一週間がたとうとしていた。この日も同じ部屋の中で過ごす二人。もはやこの二人っきりの空気にも慣れて、お互い何の気兼ねもなしに同じ時を過ごしていた・・。  
 
リンスはソファに座りながらファッション雑誌に目を通している。トレインは窓際でミルクを飲みながら、窓の外に広がるオーシャンビューを眺めていた。海岸ではカップルたちが寝そべって、その肌を陽で焼いている・・。  
遠くのほうでブゥーっという船笛を鳴らしながら、大きな船がその影を揺らしている。時々、すぐ目の前までカモメたちがやってきて、その美しい飛行演舞を披露してくれる・・。あまりにのどかで、ここにきた理由を忘れてしまうほど・・。  
 
トレインはそんな時間が決して嫌いではなかった。しかし、このぬるま湯の生活にこれ以上身をゆだね続けるほど彼は年老いてはいなかった・・。  
「なあ、リンス」  
「んっ?なぁにー?」  
満面の笑顔で返事をするリンス。  
「もう、大丈夫みてえだし、俺も掃除屋の仕事があるしよ、そろそろ帰るな」  
そのトレインの台詞にリンスの顔が一気に不安そうになる・・。  
「や、・・いやだ。ダメ・・もう少しここにいて」  
とっさに泣きそうな表情になって目で訴えてくるリンス・・。トレインはこういったものにはとことん弱い男であるが、さすがにもう彼の感覚でも彼女に危険は及んでいないと察していたばかりに、その意志を押し通そうとした。  
「わりーな」  
トレインは自分の寝泊りしていた部屋に入っていき、自分の荷物をまとめる。リンスはそんな彼を見ながら何かを思いつめたような表情で口をづくんでいる・・。  
そして彼が自分の部屋から出てきたとき、リンスは彼の前に立ちはだかった・・。  
「お願い・・。もう少し・・もう少しでいいから・・」  
普段の明朗な性格の彼女が、せつなそうな表情で懇願してくるその様にトレインは心に何かを感じる。しかし、もはやその足は出口へと向かっていた。  
「またな」  
そっけない言葉でその部屋を後にしようとするトレイン・・。リンスはとっさに走り出してもう一度彼の前に立ちふさがった。そして、自分の額をそっトレインの胸へと置いた・・。  
 
「・・・」  
「・・なんだよ?」  
 
「・・お願いだから・・一緒にいて・・・」  
「・・だったらいつまでこんな無駄な時間過ごしてればいいってんだ?」  
 
「・・・」  
「・・・・何か言えよ」  
 
「・・・・わ・・私が・ね?・・」  
「んっ?」  
 
「・・・わ、私が・・死ぬまでずっと・・」  
「はっ?」  
 
「・・・」  
「お前・・・」  
 
「・・・」  
「今のギャグはどうかと思うぞ」  
ガスッ。  
トレインの脳天にチョップが炸裂する。  
 
「ギャ、ギャクじゃない!・・わよ」  
「へっ?」  
 
「えっ、いや・・・その・・・・・」  
「???」  
 
「も、もう!!こういうことよ!!」  
リンスはトレインに思いっきり抱きついた。  
ぎゅっと両腕に力を込めて、その恥ずかしさを紛らわすように・・・・。  
 
「お、おいリンス・・?」  
突然のその出来事に少し戸惑うトレイン。  
 
「最近・・・全然会えなかったんだもの・・・」  
「・・へっ?・」  
 
「ずっと・・・会いたかったのに・・・すれ違ってばっかりで・・・」  
「・・・」  
 
「・・だから・・こうやって・・・嘘をついたの・・・」  
「・・嘘?」  
 
「・・誰かに付きまとわれてるから助けてって・・・・」  
「・・・・・」  
 
「・・トレインと一緒にいられて・・すごく楽しかった・・嬉しかった・・・」  
「・・・」  
 
「・・もう・・離れたくない・・。・・・ずっと・・ずっと私の傍にいて・・ほしい・・・」  
「・・・」  
 
彼女はその顔を上げて、トレインを直視する・・。  
「ねえトレイン・・・わ、私の・・私を・・一生守ってくれる・・・・ボディガードになって・・?」  
「・・・」  
真剣なリンスの気持ちがその瞳から伝わってくる・・。トレインは目の前にいる女性が一瞬あのリンスレット=ウォーカーなのかと錯覚した。それほど今の彼女は女性らしく、トレインの心を揺さぶる美しい何かをもっていた・・。  
 
トレインは彼女の綺麗な瞳を見たまま少し考え・・そして口を開いた。  
「いいぜ」  
「・・・えっ?」  
 
「―なんて言葉は今は言えねえけどさ・・。けど、掃除屋として生きるのに飽きたら・・その時は・・」  
「・・・」  
 
「お前みたいなやつと一緒に過ごすのもいいかもな・・。」  
「・・トレイン・・・」  
リンスはきゅうっと胸を締め付けられたような感覚になった・・。ずっと心にためていた何かを吐き出して解放された場所に、幸せというなのそよ風、いや突風がそこに流れ込んでくるようだった・・。  
 
「・・・」  
トレインは持っていた荷物を床に置き、ぎゅっとリンスの頭を抱き寄せた・・。  
「・・あっ・・・」  
 
「・・・」  
「・・・」  
 
「・・・」  
「・・・ね、ねえ?」  
 
「んっ?」  
「・・・・けどそれって、いつになるのよ?」  
 
「・・・・さあ?」  
「もうっ・・・・・・あっ」  
トレインはその瞬間、リンスの口付けをした・・。  
 
その突然の甘い感覚に、リンスの眼は大きく見開いた・・。目の前にいる愛しき男が、今自分に口づけをしている・・・・。それを実感すると、だんだん口うつしで魔法を吹き込まれていくかのように、彼女は安心した表情になっていく・・。ゆっくりと目を閉じ・・、そのレモンのようなキスの香りを味わう・・。  
そして・・ふっとその魔法は止まった。  
 
「・・じゃあ、一生ボディガードしてやる手付金をいただくからな」  
そのトレインが言ったことの意味・・、一瞬何のことか理解できなかったが、すぐにその意味を察した・・。  
「あの・・、や、優しくして・・よね」  
「それはどうかな〜」  
「もっ・・・んんっ・・」  
再びトレインは強引にリンスに唇を重ねた・・。そして今度は頭の位置を変えながらに激しく右往左往に唇を動かし彼女を味わうかのように激しく攻め始めた・・。  
「んっ・・んんっ・・」  
「あっ・・はぁ・・・んっ・・」  
次第にその舌が彼女の口内の中へ侵入していく・・。他人の舌が口の中でうごめくその快感を、リンスは戸惑いつつも敏感に受け止めていた・・。  
 
長い濃厚なキスが終わり、二人はお互いを見つめあう・・。トレインはふと彼女の体に目をやった・・。髪の毛と同じ紫色の長袖のセーターには豊かな胸の膨らみがあり、黒のミニスカートからはその脚線美が目を引く・・。女性として認識していなかったためにはっきりと見定めたことはなかったトレインであったが、思わずその類まれなるスタイルにツバを飲み込んだ・・。  
 
トレインは右手を伸ばしてミニスカートの中に手を入れて、彼女の秘部へと二本の指をあてがった・・。  
「んんっ!あっ・・」  
「・・・」  
トレインはその二本の指で、その柔らかく盛り上がった部分を上下に擦り始めた・・。そして次第にいっそうの湿り気を帯びてくるとその柔丘を二本の指で挟んだり、突っついたりし始める・・。  
「あはぁん・・あっ・・だ・・あ・・ああ・・・」  
「・・・」  
リンスはトレインにしがみつきながら、その性感に耐える・・。次第に甲高い声が多くなり、それとともに彼女の穿いている薄紫のショーツの染が広がっていく・・。  
「んっ・・ちょ、ちょっと・・そ、そこばっかりさ、触らないで・・よ・・・も、もう・・い・・」  
「・・・」  
こんなにすぐに絶頂を迎えることを予期していなかったリンスはその心構えをしていなかった・・。しかし、もはやトレインの手で弄ばれる秘部の刺激に一度目の瞬間を委ねようと心の準備をした・・。  
トレインはリンスの表情を眺めながらその指の動きを少しずつ調整する。まるで玩具で遊ばれるかのように彼女は身悶えている・・。そして彼女は頂点に向かおうとしていた・・。それに伴いトレインの指の動きが・・・  
 
「んっ・・・・って、・・ちょ・・ちょっと・・」  
指の動きが・・・止まった。  
「へへ〜」  
「な、なんで止めるの・・よ」  
「とりあえずお返ししとかないとな〜」  
「お、お返し?」  
「俺を騙してここに連れてきただろ?そのお返し」  
「・・もう」  
 
トレインはリンス抱き上げて、彼女のベッドルームへと移動した・・。  
トレインは優しく、柔らかいそのベッドに彼女を押し倒した・・。仰向けに寝ている彼女に覆いかぶさり、そして首筋に舌をたてはじめる・・。  
「あっ・・はぁん・・」  
「・・・」  
彼女から染み出る甘い蜜を吸うかのように、トレインは彼女の皮膚をつたっていく・・。  
「んんっ・・んっ・・」  
「・・・」  
テイスティングが終わると、トレインは右の手で彼女の白いふとももをさすり始める・・。ほどよくついたその脂肪が胸や尻とはまた違った心地よい感触を与える・・。  
一方リンスは、秘部に近い部分を刺激する彼の手の動きに、じれったいような・・もどかしい感覚を覚えていた・・。さっきのことが未遂であったために、リンスはもっと感じやすい自分の性感帯を攻めて欲しいと感じていた・・。  
「・・・」  
「・・・」  
トレインはそんなリンスの表情を察した・・。そしてニヤニヤと悪戯笑いを浮かべながら、次の行動へとうつる・・。  
彼女の腕を上へと上げると、トレインは彼女の脇の下をぺろぺろとなめ始めた・・。  
「あんっ・・・く、くすぐったい・・・」  
「・・・」  
次に彼は彼女の腰骨の辺りをさすり始める・・。そしてセーターを少しめくり・・出てきた彼女のへそにキスをし始める・・。  
「も・・もう・・んっ・・」  
「・・・」  
彼女の胸に手を置いたかと思うと、ただ表面を撫でるだけではなし・・、口付けをしたと思うと・・あまり深く入れないまま舌を引っ込めた・・  
 
「ね、ねえ・・?」  
「んっ?」  
リンスは何かを懇願するかの表情でトレインを見つめる・・。  
 
「・・わざと・・?」  
「何が?」  
「・・・」  
「・・・」  
リンスは身を起こすと、紫色のセーターと黒のミニスカートババッと脱いで下着姿になった・・。あまりに綺麗なその姿・・。  
その姿・・のまま、じっとトレインを見つめる。  
「もう・・我慢できない・・の。わかってるんでしょ?」  
「・・・何のことにゃ〜?」  
アホ面をしてトレインが答える。  
リンスはブラジャーのホックをはずし、たわわに実ったその二つの果実を露出させた・・。  
「じらしてばかりで・・・もうわたし・・限界なのに・・・、・・ねえ?」  
「ほわっつ?」  
またもおどけながら答えるトレイン・・。  
リンスはぷくっと頬を膨らますと、立ち上がってショーツを脱いだ。  
そして、じっとトレインを見つめたかと思うと突然彼にのしかかった。その弾みで二人はベッドから落ちた・・。  
 
「いてて、って、お、おい」  
リンスはトレインの上に乗って彼のズボンを下ろしにかかっていた。彼女は荒々しく彼のペニスを露出させた。そして、もうたまらないというな表情で自分の秘部にそれを入れ始めた。  
「んんっ!」  
「こ、これなんか逆レイプっぽいな・・うっ・・」  
リンスはゆっくりと腰を上下させる・・。彼のペニスが膣内でこすられ・・待ち望んでいた快感が体中を駆け巡る。  
「はぁん!い・・いい!・・いい!」  
「くぅ・・・・・た、たまんねえ・・」  
背筋をピンと伸ばしながら、何度も何度もトレインの上でバウンドするリンス・・。豊かな胸が上下に揺れ、次第に光沢を帯びてくる。トレインが手を伸ばしてそれを揉むとリンスは一層大きな甘美の声をあげる・・。  
「トレイン・・・!ああっ!!・・私・・あっ・・!」  
「はぁはぁ・・」  
激しい動きに合わせて、接合部からしっかりと聞き取れるくらい大きな濡音がし始める・・。二人の動きはただただお互いを求め合うように激しさを増していった。  
「いい!・・トレイン・・トレイィン!!ぁん!・・・あっ・・」  
「・・はぁはぁ・・・・」  
「もう・・ダメ・・ダメェ・・・ダメェエエ!!」  
「・・はぁはぁ・・」  
「トレイン大好き〜〜〜!!!!」  
「・・・あっ・・」  
リンスは呼吸を整えながら彼のペニスを膣から抜き、彼の横に倒れこんだ・・。  
「はあはあ・・気持ち・・よかった・・・」  
「おい・・」  
「・・はあはあ・・なに?」  
「俺・・まだイってないんですけど?」  
 
「あら、そうだった?しょうがないわねえ。・・・・あっ、そうそう、ちょっと待って。いいものあげるわ」  
リンスは横に置いてあった洋服ダンスを開けて、一本の皮製の帯を取り出した。  
「・・なんだ?」  
「トレイン、首輪のアクセつけてるでしょ。新しいのあげようと思ってさ」  
真っ黒の皮にシルバーのアクセサリーのついたその帯をトレインに手渡した。  
「へえ、結構かっこいいじゃん」  
「ねっ、つけてみて・・」  
「ああっ・・」  
「・・・すごく似合う」  
「そうか?」  
「・・・ずっとつけててね」  
「へっ?」  
「・・ずっとずっとずぅっと・・つけててよね、それ・・」  
「あ、ああっ・・」  
「ふふっ・・・・」  
二人はまたキスをして、また重なり合い始めた・・。今までできなかった分を取り戻すかのように、何度も何度も二人はお互いを求め続けた・・。  
その日・・、その部屋からはずっと甘い声が聞こえていた・・。  
 
 
気ままな黒猫は縛られることはない・・。また明日からは別々の生活が始まり、別々の場所で生きることになるだろう・・。  
 
ぐっすりと眠っている彼の横で彼女は首輪についているシルバーのアクセサリーを見つめていた。  
「このくらいは・・してもいいよね」  
 
くるべき時に二人は結ばれる・・それが彼女に予感できていたとしても決して消えることのない不安がつきまとうことになる。  
そんな不安をもしかしたら・・、プレゼントの首輪にしかけられた盗聴機が、少しはぬぐってくれるかもしれない・・。  
 
(FINISH!!)  
 
 

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