―雲がぽかりぽかりと浮かんでいる気持ちよい朝。こんな朝は外に出て、小鳥たちの声を聞きながら  
散歩でも・・というような気持ちになるところであるが、その日のブラックキャットことトレイン=  
ハートネットは、前日から患っている病気のために、ベッドの上でうなされていた・・。  
「ううっ・・なんつー最悪な気分・・無理して酒飲んだときみてーだ・・・ごほごほ・・」  
元伝説のイレイザーとて、生身の人間であることに変わりはない・・。病気にもなれば熱もでる。  
 
ガチャッ。唐突に彼の部屋のドアが開けられた。そこからスラッと背の高い、白スーツに身を包んだ  
彼の相棒が姿をあらわした。  
「よお、ちったあよくなったか?」  
「うんにゃ・・」  
「・・熱も下がってないみたいだな」  
「おう・・なんか・・・頭もぼ〜っとしてて・・このまま天国へいっちまいそ〜だ・・」  
「まあ、とりあえず治るまでは大人しく寝てるんだな」  
スヴェンはタバコに火をつけ始める。病人の部屋でタバコをふかすのは紳士のたしなみからはずれた行  
為だが、彼の紳士論では、男が相手のときはそうではないらしい。  
「俺・・マジでやばいかもしれねえ・・・」  
「フ〜〜(煙を吐く)」  
「スヴェン・・、俺の・・俺の遺言を聞いてくれ・・・」  
「なんだ?」  
「俺が死んだら・・口惜しいが・・姫っちの処女はお前にくれてやるぜ・・」  
「・・まあそんなアホなこと言ってられるうちは大丈夫だろ。俺は仕事を見つけてくるからな」  
スヴェンはそう言って部屋を後にした・・。  
 
スヴェンが出て行ってから30分後、なおも死んだように横たわっているトレイン。本を読む気力も  
なく、ただ無機質な天井をぼ〜っと見つめている・・。ところどころに染みやひび割れがあるのに気  
づく・・。そろそろこのアジトも老朽化が進んできたなあ・・などと考えていると、部屋のドアをノッ  
クする音が聞こえた。  
「んっ・・?」  
少し身を起こすトレイン。  
「入るよ」  
その低く落ち着いた声は、愛すべき聖少女イヴのものであった。ゆっくりとドアが開き、部屋の中の  
様子をうかがうかのように慎重に入室する・・。スカート丈長めの真っ白なワンピースを着た、今日  
も変わらず愛くるしいイヴ・・。しかし、中々その全身を現そうとせず、ドア越しにトレインを覗き  
始めた・・。  
「よお、姫っち。・・・・どした?」  
「トレイン・・、びょーきなんだよね?」  
「ああ、見ての通りじゃんか・・ゴホッ」  
「・・びょ、びょーきになった人初めて見るの・・」  
「へっ?ああ、そうなのか。」  
血色の悪い肌、のぼせたような表情、そしてくしゃみ・・ではなく咳をしている。・・イヴは普段のト  
レインの様子とは明らかに違うその状態に目を見張った。  
そして、おそるおそるトレインに近づいていき、至近距離で彼の状態を観察し始めた。  
「・・・」  
「・・・ごほ・・」  
「・・・」  
「ひ、姫っち・・、そんなに見つめられてると気が休まらねえよ・・」  
「えっ・・あ、ご、ごめん」  
イヴはふと我を忘れていたことに気づいて顔を赤らめた・・。  
 
イヴはただ病気にかかっているトレインを見にきたかっただけだったので、特に用事があってきたわけ  
ではなかった。このまま帰るのもおかしいかな・・などと考えをめぐらせて、しばしその場に立ちつく  
していた・・。そんなイヴを見てトレインが口を開いた。  
「・・あのさ姫っち、暇だったら何か作ってくれるとうれしいんだけど・・」  
「えっ?う、うん。いいけど。何がいい?」  
「ん〜〜〜、そだなぁ・・・・。パンスープがいいな」  
「パンスープ・・、うん、それなら前スヴェンと一緒に作ったことがあるから何とか・・」  
「じゃあ、頼むぜ」  
「うん、わかった。じゃあ、待っててね」  
イヴはいそいそと部屋を出て行く・・。普段はトレインの言うことなど素直に聞く子ではないのであるが、  
今回は病気ということでどこかいつもよりも優しい彼女であった・・。  
 
台所に立ったイヴはさっそくスープの調理にとりかかる。一度作った料理であれば、完全に覚えてしま  
うため、パンスープのレシピの全てが彼女の頭の中に入っていた。  
「うーん、と・・・スープの材料はあるけど・・肝心のパンが見当たらないなぁ・・」  
イヴは台所中の戸棚を開けてパンを探すが見当たらなかった。  
「ここのアジトからだとパンのある店までいくのに3時間くらいかかっちゃう・・。しょうがない、パン  
も自分で作ろう・・」  
パンを作るのは初めてだったイヴは、料理本を取り出して読み始めた。  
「・・・ふむふむ・・まあ・・とにかくやってみよう・・」  
小麦粉、イースト菌等を取り出してきて、さっそくパン作りにとりかかった。  
 
材料を混ぜ合わせて生地を丹念に練りあげていく。するとぐちゃぐちゃしていたものが、一塊にまとまっ  
てくる。  
「・・・う〜んと、どれくらいこねればいいのかな?」  
イヴはもう一度くまなく料理本を見てみる。  
「・・書いてない・・。・・・・。・・トレインなら年の功で知ってるかな・・」  
イヴは手を洗ってトレインの元に聞きにいった。  
 
この状況で誰かに襲われたらどうやって回避するか・・などと考えながら仰向けになって寝ているトレイ  
ンのもとに、イヴが駆け込んでくる。  
「んっ?姫っち、もうできたのか?」  
「ん〜ん、パンがなかったから、パンから作ってるんだけど、生地ってどれくらいこねればいいかわかん  
なくて・・トレインわかる?」  
「生地か・・。俺もよく知らないけど、そういうもんは「耳たぶくらい」の柔らかさまで練るっていうふ  
うに相場が決まってるけどな」  
「耳たぶ?」  
イヴは右手で自分の耳たぶを触ってみる。  
「?・・・よくわかんないよ」  
「・・・」  
そのイヴの可愛らしい仕草を見て、トレインの悪戯心が働く・・。  
 
「・・そうか・・。じゃあ・・・。・・・。姫っちちょっとこっちにきてみそ」  
トレインが怪しい笑顔をしてイヴを呼び寄せる。  
「うん?」  
イヴは何の抵抗心もなく、トレインの傍に近寄った。  
「これくらいの柔らかさだよん」  
トレインはイヴの胸を優しくぷにぷにと揉んだ・・・。  
「・・・・・・(・・かあっ)」  
ドガッ!!!  
 
イヴが会心の一撃をくらわせたハンマーのトランスを戻しながら1階へ降りてくると、玄関口に一人の娘  
が立っていることに気づいた・・。  
「ここがクロ様たちのアジトかぁ・・・あっ!イヴイヴだ!」  
「キョーコ・・」  
いつもどおりの学生服姿で、いつもどおりの彼女がそこにあった。イヴに近づいていき、両腕をバタつか  
せながら満面の笑みで尋ねる。  
「ねえねえ、クロ様いますか〜?」  
「・・・・うん。トレインだったら、上で死んでる」  
ご立腹なイヴはそう言って、さっさと自分の部屋へと入っていった。  
「死んでる・・?」  
きょとんとした顔でイヴの後姿を見送ったキョーコ・・。  
 
キョーコが2階に上がると、トレインの苦しそうな呻き声が聞こえてきた。  
「ううっ・・」  
辛病の上、重症を負った黒猫・・。  
「ク、クロ様〜どうしたんですか!鼻血が出てますよー!?」  
「うぐっ・・んおあっ!?な、何でオマエがここにいんだよ!?」  
「ジェノスのお兄さんに聞いたら教えてくれたんですよ〜」  
「ジェノス?・・ああ、あいつか・・、っていうかなんであいつが・・・クロノスの情報網か?」  
「それより血を止めないと、ほら、ティッシュです」  
「ああ・・」  
トレインはティッシュで血をぬぐった・・。病気にかかっていても自己治癒能力はまだまだ人並み以  
上で、すぐに血は止まった。  
 
「えっ?クロ様、病気で寝込んでたんですか?」  
「ああ、まあな」  
「へー、クロ様も風邪にかかったりするんですねえ」  
「いや、風邪にかかるほどヤワにゃ鍛えてねえから、・・何か別のもんだと思う」  
「ふーん。顔色悪いですけど、熱はどうですかねぇ・・」  
そう言うと、キョーコはおもむろに右手を布団の中に手をいれ、トレインのイチモツをにぎった・・。  
「■※⊆∠▽□!!な、何するんだオメーは!!?」  
トレインは反射的にキョーコを吹っ飛ばした。  
「えー、熱を測るときはこうするんじゃありませんでしたっけ?」  
「んなわけあるか!どこでそんな・・・・ううっ・・大きい声を出したら・・頭が・・」  
トレインはパタンッと力なく上半身を倒した。  
 
「ん〜、それにしても風邪じゃないとしたら・・・あ〜、じゃあきっとあれですよあれ!」  
「あん?」  
「呪いですよ呪い!」  
「おま・・どこからそういう発想がくるんだ?」  
「呪いだったら大丈夫です。専門書持ってますから!じゃ〜ん!」  
キョーコは、カバンの中からいかにも怪しげな黒い本を取り出した。  
「・・・どうでもいいけど、お前が何でそんな本持ってるわけ?」  
「シャルデンさんがこういうの好きでー、私も色々教えてもらってたんですよ」  
「あー」  
そこのところは納得するトレイン。  
「じゃあ、黒サマの呪いを解く、特製スープを作ってきますねー!」  
「えっ、いやいらね・・・・あっ・・」  
キョーコはぴゅーっと部屋を出て行ってしまった。  
「ったく・・」  
 
キョーコはアジトを出て、歩きながら本を開いて材料を確認する・・。  
「う〜んと、蜥蜴のしっぽ・・、さそりの干物・・、冬虫夏草・・・等々をすり潰して・・・えっと、め  
んどくさいからシャルデンさんが教えてくれた店に行って調合してもらおっと」  
キョーコは超人離れしたその足の速さで買出しに出かけた。  
 
 
うるさいのがいなくなって静かに横になっているトレイン・・・次第に眠気に誘われ、心地よい眠りが彼を  
包んだ・・。スースーと気持ちよく眠っているうちに、彼の病状も次第に和らいでいった。  
―そして、数時間の眠りから、彼の目を覚ます声が聞こえた。  
「クロ様〜!」  
「・・・」  
トレインが視線をやると、ベッドの横で湯気のたったスープ皿を持ったキョーコが立っていた。  
「あっ、すみません・・寝てましたか?」  
「なんだよ?」  
「あっ、ほら、できましたよ〜、呪いを解くための特製スープです。これを飲めば・・・・一気に元気にな  
りますよ!」  
「・・・そんな怪しいもんは飲めねえ・・。それに何か結構気分もよくなってきたしな・・」  
「え〜、そんなこと言わないで、キョーコが愛を込めてせっかく作ったんですからぁ」  
キョーコはそのスープをトレインの前に差し出した。  
「・・・おっ・・?」  
「?」  
「意外にうまそうじゃん・・・いい匂いもするし・・」  
「で、でしょ〜?味もおいしいですよ!・・・多分!」  
「・・・まあ、朝から何も食ってねえし、いただくわ」  
「え、ほんとですか?じゃあ、お口をあ〜んしてください、食べさせてあげまちゅよ〜」  
「はたくぞ」  
トレインは自分でスープを飲み始めた。  
 
「お味はどうですか?クロ様」  
「ああ、不思議な味だけど、結構いけるぜ」  
「や〜ん、うれしいです〜」  
トレインはお腹が減っていたせいもあってか、速いペースでスープを口に運び、あっという間にたいら  
げた・・。  
 
「ふう、うまかった・・・」  
「おかわりもありますよー?」  
「ああ、じゃあ・・・・んっ・・・?」  
「どうしました?」  
「な、何か・・体が・・」  
トレインは体の芯から、どんどん力が沸き起こってくるのを感じた。  
「あ・・・もしかして、スープの効果がでてきたんですかね?」  
「えっ、まさか・・けど、すげえ、何かいつもの調子に戻ってきた・・おおっ・・・」  
「やっぱり!わーい!」  
トレインはベッドから立ち上がり、軽く体を動かしてみた。  
「おお!おお!動く動く!一番調子いいときぐれー体が軽いぜ!」  
「よかったですねぇ〜!」  
「・・け、けど・・な、何か・・・だんだん・・体が異常に火照ってきたぜ・・?」  
「クロ様・・?・・大丈夫ですか?何か顔つきが怖いですけど・・・」  
「・・はあ・・はあ・・な、何か・・つ、強い・・衝動が・・、欲求が・・・おおっ・・?・・・」  
トレインはキョーコの方を向いて、その肢体を嘗め回すように見回した・・。  
「えっ?や、やだぁ、クロ様・・。そんなHな目で見られたら・・ドキドキしちゃいます・・」  
トレインの表情が次第に獣の類の表情に変わっていく・・。  
「・・はあ・・はあ・・お前・・何を飲ませた・・?もう・・・はあはあ・・我慢できねえ・・」  
「あ、ありゃ〜・・どうやらスープが効きすぎちゃった・・みたいですねえ・・」  
トレインはじりじりとキョーコに近づいていく・・・。  
「うおおっ!」  
トレインはキョーコを思い切り抱きしめた。そして・・両手で彼女のヒップをスカート越しにいやらしく  
撫で回し始めた。  
「ああん!クロ様〜、くすぐったいですよ・・ぉ・・」  
「はあはあ・・ヤりてえ・・」  
両手をさらにスカートの中に手を入れ、白いショーツ越しにいやらしくその柔尻を揉みしだく・・。  
「あっ・・クロ様・・もっと・・もっと・・・・・あっ・・」  
トレインは彼女を後ろ向きにして、壁に手をつかせた。そして、後ろからブラウス越しに彼女の胸を揉み始めた。  
「はあはあ・・け、結構胸あるなお前・・」  
「あん・あん・・あっ・・」  
柔らかすぎるほどのその官能的な感触が、トレインの両手の中で暴れる・・。  
「ダメ・・だ・・もう我慢できねえ!」  
もはやこれ以上前戯を楽しんでる暇もないほど、トレインの性欲は爆発寸前にまで高まっていた。トレイン  
が彼女のスカートをめくり、ショーツを下ろすと、もう彼女の陰裂は十分なほど濡れていた。そしてトレイ  
ンは自分のペニスを持ち、後ろからそのまま彼女に挿入した・・。  
「はぁん!・・ああ・・クロ様が入ってくる・・ああ!・・ああ気持ちいいです!・・ああ!」  
「はあはあはあはあ、け、結構きつくて・・よく締まる・・ぜ」  
なおも胸を揉みながら、トレインは初めから高スピードで腰を動かした・・。スープの効果によって生殖機  
能が異常に高まり、獣のようにただ女の体を制圧することしか今のトレインの頭にはなかった。  
パンパンパンッと激しく交尾する音が部屋の中に響く。  
「ああ!・・クロ様ぁ〜・・感激ですぅ・・クロ様と・あん!・・あっ・こんなことができるなんて・・あ  
あん!イっちゃいます〜〜」  
「はあはあ、うっ、イ、イク・・・」  
トレインは彼女の膣からペニスを引き出し、彼女のお尻に白濁の液体をかけた・・。その量はいつもの彼の  
マスターベーションのそれよりずっと多かった。とても短い性交であったが、二人ともその激しさの中で最  
高の絶頂をむかえた・・。  
「あん・・・はあはあ・・はあはあ・・・」  
キョーコはその場に座り込んで、その快感の余韻に浸った・・。  
「ふう・・・・・」  
そんなキョーコを見ながら一息つくトレイン。精射し、衝動的なものは幾分か解消されたが、まだ彼の中に  
は強い性欲が残っていた・・。  
 
「はあはあ・・クロ様・・・・・・」  
キョーコは甘美の笑みを浮かべながら、呼吸を整えていた。そんなキョーコの正面に立ち、トレインは再  
び彼女に手をかけよとしていた・・。  
「・・ほら・・まだまだだぜ?」  
「えっ?」  
トレインは座っているキョーコを押し倒して、覆いかぶさった。  
「あんっ・・うふふ・・クロ様、お元気ですね〜」  
「バカ、そうさせたのは誰だよ」  
トレインは彼女のブラウスを上げ、ブラ越しに胸を揉み始めた・・。  
「はぅん・・はあん・・・」  
彼女が男根を刺激するような甘い声をあげ始める・・  
「へへっ・・・じゃあ・・今度は正常位でいただくぜ」  
トレインはキョーコの両足を持ち、我慢できないとばかりにすぐに交わり始めた・・。  
「あっ・・・あん・・あん・・あん・・」  
今度はゆっくりとした速さで二人は動き出す・・。さっきの激しい声とは違う、しっとりとしたキョーコの  
声が部屋に響く・・。  
「へへっ・・しまりよくて・・ホント最高・・・」  
トレインのペニスは彼女のベルベットのような膣に抱擁され閉唇される・・、その快感が体中に駆け巡っていく・・。  
ニュル・・ニュル・・・・と軟体生物が往復するかのようにして・・艶かしい接合音が繰り返される・・。  
「あはぁん・・ああ・・クロ様・・・」  
「はあはあ・・」  
彼女の愛汁で覆われた彼の肉棒・・、だんだん色々な名前のつく液が集まって、彼らの性交は再びエンドへと向かう・・。  
「ひあ・・ああ・・・気持ちいい・・あん・・あっ・・・あっ・・・」  
「はあ・はあ・・」  
「あっ・・もうだめ・・・クロ様・・あはん・・・」  
「じゃあ・・いくぜ・・」  
パッパッパッパッ、トレインは腰の動きは早め、性を奏でる音が少しずつ大きく響き始める・・。  
「ああ、ああ〜ん・・ああ・・ああ・ああ・あああああ・・ああ・・・・・」  
「はあはあ・・うっ・・・・・・・」  
二人は二回目の絶頂を迎えた・・。ただ欲望のままにした一度目よりも官能的な刺激が強く・・・二人はしば  
しその余韻を楽しんだ・・・。  
 
2回精射したトレインは、体の火照りも収まり、いつもの理性を取り戻しつつあった。  
「ふう〜、気持ちよかったぜ・・・」  
「クロ様・・キョーコ感激です・・・・」  
キョーコはそっとトレインに寄り添う・・。  
「・・うーん、しかしこれは取り返しのつかないことをしちまったのかな・・・」  
「ねえ、クロ様?」  
「なんだ?」  
キョーコがぐっとトレインに顔を近づける・・。  
「・・キスしてください」  
「キス?」  
「もう、ここまでしたんだし、いいですよね?」  
「へっ?あ・・う〜ん。けど何か・・・別にしたくもないような・・」  
「え〜、そんなぁ、いいじゃないですか、もっとすごいことしちゃったんですし」  
「そうだ・・なぁ・・。・・・けど・・何か・・・違うっていうか・・・」  
「お願いです・・クロ様ぁ・・・」  
キョーコはねだるような顔をしてトレインに密に体を寄せてきた・・。可愛らしい顔とその柔らかな体  
の感触に、再びトレインの局部が熱くなり始めた。しかし、彼女とこういうことをすることに対する違  
和感も、彼の中でふくらみ初めていた・・。  
「うーん・・・」  
「クロ様・・」  
さらに懇願するキョーコ・・。  
「しゃーねーな・・・。じゃあよ、五分以内に俺をイかせたらしてやるよ」  
「へっ?・・五分以内に・・クロ様の・・モノを射精させればいいってことですか?」  
「・・ああ。何か知らねーけど、ふと思いついたからよ」  
「・・・わかりました!」  
 
キョーコはまだまだ元気な状態のトレインのペニスを持って、それを手で上下にこすり始めた・・。精  
液や彼女の愛液などてベトベトになっているので滑らかにそれは繰り返された・・・。  
「うっ・・」  
「どうですか?気持ちいいですか?」  
「ま、まあそりゃ・・・けど、こんなもんじゃ2回イった後だし、5分以内では難しいかも・・な」  
「むう・・」  
キョーコは手にしている彼のペニスを見つめながら少し考え、そしておもむろにそれを口に含んだ・・。  
「おおっ・・」  
「ぐちゅ・・ちゅる・・くちゅ・・はぐ・・」  
アイスキャンディーを味わうかのように、口内の奥のほうまで使ってペニスをほおばるキョーコ・・。  
「こ、これは・・」  
「んんっ・・・クロ様・・おいひい・・・」  
唾をたくさん含ませながら、唇と舌を使って彼の亀頭部分を刺激する・・・。  
「う、うまいな・・お前・・・」  
「ひゅる・・ちゅる・・・」  
「お・・おお・・」  
「ちゅく・・・ひゅる・・・・・ほおれすかクロはま?」  
「あ、ああ・・いいけど・・・・けど・・あと残り3分では・・無理じゃねえか?」  
「・・・むー」  
キョーコはフェラでイかせるのをあきらめた・・。  
 
キョーコはバッと上着を脱いで白のブラをはずして綺麗な胸を露出させた。そして、両手で胸を持ち、彼の  
ペニスを優しく包み込んだ・・。  
「おお・・こ・・れは・・」  
そして優しくゆっくりと胸を上下に動かし、彼のペニスを愛ずりし始める・・。  
「はあ・・はあ・・気持ちいいですか?クロさまぁ?」  
「これ・・キく・・ぜ・・」  
次第に胸にも粘液が十分にからみ、より滑らかにより艶かしく・・その二つの柔丘はペニスをこすりあげ・・  
こすりさげていく・・。  
「はあ・・はあ・・」  
「さ・・最高・・これ・・・」  
「うふふ・・・じゃあもっといきますよ〜」  
キョーコはさらにスピードを上げて、彼のペニスを激しく上下にこすり始める・・・。  
「うあ・・あ・・あ・・く・・」  
トレインはその柔らかな快感で頭が真っ白になる・・。  
「やったぁ、クロ様イきそう・・ほらほら・・キョーコの胸で・・イってください〜」  
「うあ・・・あ・・ダ・ダメだ・・・・うくっ・・」  
ビュビュッ・・・。  
「あんっ・・」  
彼の精子が彼女の胸に射出された・・。  
 
「あは・・やった〜!」  
両手をあげて喜ぶキョーコ。  
「・・ふう・・・」  
「クロ様〜、約束ですよ!ちゅ〜してくださいね〜」  
「・・ああ、しょうがねえ」  
トレインは身を起こし、キョーコと対面になって座った。  
「ああ・・クロ様・・感激です・・」  
キョーコはそっと目を閉じた・・。  
「・・・」  
トレインはその美しい顔を見つめる。しかし、その時またもトレインの中のどこかで、何か違和感が沸  
き起こった・・。  
「・・・クロ様・・いつでもどうぞ・・」  
「・・・・」  
―そしてトレインは自分の理性を完全に取り戻した。普段の自分であれば、性欲のままに女性を欲する  
ことはなく、気持ちが通い合っていなければそれはただ空しいだけだということを思い出した・・。  
「・・・やっぱ、やめた」  
「・・・へっ?」  
キョーコが目をパチクリさせて開ける。  
「お前と・・こういう関係になるのは何か・・違うんだ」  
「えっ、えっ?」  
「いや、今回はただあのスープ飲んでその勢いでやっちまったけどよ、やっぱこういうことは・・ちゃん  
とした気持ちでやらないと何か気持ち悪いんだよ」  
「そ、そんなぁ・・」  
「それに、俺のナニくわえた唇にキスするのも嫌だしな」  
「・・けど、約束したじゃないですかぁ」  
「・・お前帰れ」  
「あ〜ん、そんな〜、クロ様〜〜」  
トレインはベッドに戻り、キョーコを背にして眠り始めた。キョーコはしょんぼりして、部屋を出て、う  
なだれながらそのアジトを後にした・・。  
 
トレインは再び深い眠りへと入っていた・・。彼は野原で涼しんでいる夢を見ていた・・。ふと見上げる  
と白くまばゆい光が頭上に満ちている・・。その光が突然自分に降り注ぎ始める・・。そしてその光は自  
分を蝕んでいた何かをレーザーで焼き尽くすかのように消滅させていく・・・。自分が深く癒されていく  
のを感じる・・。  
夢の意識の外のほうで、ふと誰かが来る気配を感じた・・。その気持ちのよい世界から抜け出て、トレインは  
現実の自分を目覚めさせた・・。  
「・・誰だ?」  
「えっ?わ、私だけど・・」  
ドアの向こうではイヴの声が返ってきた・・。  
「姫っち・・・。どうした?」  
「・・・入るよ?」  
ガチャっ・・・ドアをゆっくりと開けるイヴ、その手には良い香りが漂うパンスープがあった・・。  
「へっ・・?姫っち・・作ってくれたのか?」  
「まあ・・今日は・・トレインが病気だから・・特別だよ」  
ちょっと恥らったような表情でイヴが言った・・。トレインはいい夢を見た後、嬉しいことが現実でも起  
こり、とても清々しい気分になった・・。  
「へへっ・・サンキュー」  
 
イヴはスープ皿をトレインに渡した。  
「あの・・・パンが自家製だから、やっぱりちょっと心配だけど・・」  
「何言ってんだよ、姫っちが作るものがまずいわけないだろ?それにめっちゃうまそうじゃんか!じゃ  
あ、いっただきまーす!」  
トレインは純銀のスプーンで一口・・それを口に運んだ。イヴが神妙な面持ちでトレインにたずねる・・。  
「・・・どう・・?」  
「う・・・うめえ〜〜!!あ〜、なんかこう、精気が体中に染み渡っていく感じがするぜ!!」  
「・・そう・・よかった」  
ほっとして・・天使のような美しい笑顔をするイヴ・・。トレインはそれを見て、心の奥でほっとして  
いる自分に気づいた・・。  
「・・・へへっ・・そうだよな」  
「・・えっ?」  
「・・いや・・。・・・・・姫っち、ちょっと来て」  
手招きをして呼び寄せようとするトレイン・・。  
「何・・?・・・また胸触ったりしない?」  
当然のごとく警戒するイヴ・・。  
「しないしない」  
「・・・・」  
 
―イヴは少し考えた後、トレインの傍に近寄った・・。  
「サンキューな・・姫っち」  
トレインはイヴの頭を撫でながら、その額に軽くキスをした・・。  
「・・・えっ?(ボッ・・)」  
真っ赤になるイヴ・・。  
「俺はやっぱり・・姫っちがいいや・・・」  
 
(FINISH!!)  
 

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