秘密結社クロノスの特殊部隊ケロベロス・・それは遠距離攻撃のベルーガ、中距離攻撃のジェノス、近距離攻撃のナイザーで結成される超特攻的な部隊である。この三人でいくつもの悪組織を滅亡させてきた実績があり、その実力は各組織の脅威の種となっていた。しかし、SS級ターゲット、クリード・ディスケンスを捕まえる任務のさなかに、ベルーガが死に、ナイザーが瀕死の重傷を負うという壊滅的ダメージを受け、ケロベロスは事実上の解体状態となっていた。  
 
その惨事から、一つ季節が過ぎた頃のこと・・・・  
「任務ですか、ベルゼーの旦那」  
暗闇に染まった、クロノスNO.Uベルゼー=ロシュフォールの部屋に、生き残ったケロベロス、NO.Zジェノス=ハザードが呼び出されていた。  
「前回のクリードの作戦に失敗してから、お前にロクな任務を与えていなかったが・・、今回一つ大きな手柄を立てさせてやろう」  
「マ、マジっすか。期待にゃあ応えますよ、俺は!」  
「ふふっ、威勢のよさだけは変わっておらんな」  
「―で、なんでやんすか?任務ってのは?」  
「・・まず、次の任務にあたってお前のパートナーとなる者を呼ぼう」  
「パートナー?」  
・・コツコツコツ。部屋の隅の暗闇から、決して上背のあるとはいえない人影が近寄ってきた。  
「初めまして・・ジェノス=ハザードさん」  
「お、女?」  
その暗闇の中で微かに光が照らされて見える綺麗な顔と髪、そしてその美しい中世的な声を聞いたジェノスは瞬間的にその人間が女であると認識した。  
「ひどいですね・・、僕は男ですよ。NO.]リン=シャオリーです」  
「お、男・・・なのか?そ、それよりNO.]って・・!?」  
「そうです。前のNO.]が殉職されたので、僕が新しくナンバーズとして任命されました」  
 
ベルゼーがジェノスに向かって言う。  
「今回の任務はお前とこのNO.]でやってもらう。異存はないな?」  
「はあ・・、まあ命令とあっちゃ仕方ないでやんすね」  
「では今回の任務を説明する」  
黒髪長髪の黒スーツの男二人の顔がこわばる。  
「今回の任務は、巨大密輸組織「プーリー」の頭、レヴィン=ローリングの抹殺だ」  
「えっ!?プ、プーリーって・・あの・・五大密輸組織の一つとしてクロノスがマークしている、あの「プーリー」っすか?」  
ジェノスが一つ汗をかきながら聞いた。  
「ああ、上からの命令でこれ以上奴らをのさばらせておくのは危険だと判断された。だが、各国に支部があるため、一度に潰すのは困難だ。そのため、本部にいると思われる組織の頭・・レヴィンをまず討伐せよとのことだ。」  
「しっかし・・、随分スリルのありそうな任務をまわしてくれたもんすねぇ・・」  
「ふふ、本来ならケロベロスに任せるところであるが、今はお前一人しか可動できる者がいない。いくらお前でもあの組織相手に  
一人で向かわせるのは無理であることはわかっている。故に、信頼できるパートナーとしてNO.]というパートナーを用意したというわけだ。」  
「なるほど・・」  
「あと、レヴィンの抹殺に加え、できる限りその仲間も抹殺すること・・とのことだ。できることなら片っ端から始末していってもいい。・・・説明はこれだけだが、何か質問はあるか?」  
「・・・いえ、まあつまり全員ぶっ殺してこいってことっすね」  
「ふふっ。ではただちに任務を遂行してくれ、どのように切り崩すかはお前らにまかせよう」  
「わかりやした。」  
ジェノスとシャオリーはベルゼーの部屋を後にした。  
 
廊下を歩きながら、ジェノスがシャオリーに声をかけた。  
「よろしくな、シャオリーだっけか。じゃあシャオでいいな」  
「よろしくお願いします。ジェノスさん」  
「ところでこういっちゃなんだが、どう見てもお前が強そうには見えねえんだけど・・・本当にナンバーズに選ばれるほど強えのか?」  
「ふふ、他のナンバーズの方からもそのようなことを言われました。しかし、戦闘力もセフィリアさんに認められましたし、何よりこの能力を高く評価されたんです」  
「この能力って?」  
シャオリーは足を止めた。  
そして、シュワリシュワリと音を立てながら数秒のうちにその姿をジェノスに変えた・・。  
「・・・ふう・・どうです?」  
「へっ???お、俺が・・・いる・・。なっ????なんだ!?」  
「僕は高速変装術の達人なんです」  
ジェノスの姿をしたシャオリーがしゃべる。  
「す、すげぇ・・すげーなお前!すげーよそれ!マジかよ!うおー!!」  
「そ、そんな驚かれても・・・。とりあえず戻りますね。」  
ものの数秒のうちに、元の自分の姿に戻るシャオリー。  
「お、お前、すげえ!いや・・とにかくすげえ!!」  
「(はは・・)」  
 
二人は資料室へと出向き、「プーリー」本部についてのデータを集めた。一通り揃うとシャオリーがジェノスに話しかけた。  
「地図ではよくわかりませんね・・。実際に近くまで言って偵察しながら作戦を考えませんか?」  
「んっ〜、そうだな!俺はどうも、この資料を見てると眠たくなっちまってな・・・・くあ・・・」  
「・・・・」  
そうして男二人は、クロノスを出発した・・。  
 
ジェノスとシャオリーが目的地に向かってクロノス本部から出発した頃、ベルゼーの部屋に一人の美しい女性が入ってきた。  
「あの二人はたったいま任務に出たぞ」  
「そうですか」  
優しい気品と魔性の色気、荘厳な雰囲気を持ち合わせた絶世の美女・・NO.Tセフィリア=アークス。  
「確かに・・お前の言うとおり、今回の任務には、あいつらが適任だ。しかしそれでも、100%の確率で遂行できる任務とは言いがたい。私の見るところ90%というところだろう。「完璧」を信条とするお前があえてこの任務を奴らにまかせたのは何か意味があるのか?」  
「ふふっ。さすがはベルゼーですね。その通りです、この任務を100%の確率で成功させるために、もう一人、派遣します」  
「誰をだ?」  
「私です」  
「・・・何故だ?お前でなくても、他のナンバーズですむことだ」  
シャッ・・。セフィリアはクライストを鞘から抜く。  
「たまには実戦の中に身をおかなくては、腕を鈍らすだけですから・・」  
「・・・そうか」  
「しばし、留守にします。その間、本部のことはおまかせいたします、ベルゼー」  
「ああ、わかった」  
こうしてセフィリアはジェノスとシャオリーを追いかける形で、一人で密輸組織基地へと向かった。  
 
ジェノスとシャオリーの二人は、半日かけて麻薬組織団の基地のある島へ向かい、3キロほど離れた崖  
の上に陣をとっていた。その崖から基地まで視界を塞ぐ障害物となるものはなく、偵察はスムーズに行われ  
ていた。  
ジェノスは、身をふせながらクロノスが開発した超高性能望遠鏡を覗き込んでいた。その横でシャオリーは  
データを片手に作戦案を練っていた。  
「資料のデータ通りってとこか・・。大将のレヴィンがいると思われる3階の部屋に行くには、正面突破か  
空から行くかしかねえな〜、こりゃ」  
「しかしジェノスさん。あの基地には対空砲が数多く設置されているとの情報があります。なので、事実  
上正面からきり込んでいくしかありません。」  
「正面突破か・・・、うへ〜、ありゃ結構見張りの奴らがいるぜ〜、あれだけ相手にするのはちょっち  
厳しいぜ」  
「・・あの・・僕も見ていいですか?」  
「ああ、すまねえ、ちょっと夢中になっちまったな」  
シャオリーがジェノスの横に身を伏せて望遠鏡をのぞく。  
「・・正面から行くのには、やはり少し敵が多すぎますね」  
「・・・・・」  
「・・武装も中々のものです」  
「・・・・・」  
「・・ジェノスさん?どうしました?」  
「えっ!ああいや・・、何かお前いい匂いするから・・さ」  
「・・はあ・・」  
「お、お前さあ、・・・本当に男か?」  
「男ですよ」  
「俺は野郎共に何の興味もねーけどよ。お前に傍にこられると・・なんでか知らないけど・・ムラムラしちまうんだよ」  
「・・・・僕、そういう趣味はないですよ?」  
「わ、わかってるけどよ・・、・・・・もったいねえなあ・・」  
 
なおも、シャオリーは望遠鏡で敵の様子をうかがう。  
「・・・・」  
「・・・・」  
「あの・・」  
シャオリーが口を開く。  
「なんだ?」  
「一つ作戦を思いついたのですが・・」  
「おお、どんな作戦だ?」  
「僕がセフィリアさんに変装して囮になるというのはどうでしょうか?」  
「何ぃ?」  
「セフィリアさんの首は裏組織やマフィアの間では数十億の金がかけられています。セフィリアさんを  
見つけたとなれば、死ぬものぐるいで追いかけ、向かってくることでしょう」  
「なるほどな。つまりシャオが敵をひきつけてる間に、手薄になった正面から俺が突入するってことだな」  
「そうです」  
「けど、お前にほとんど敵がいっちまって大丈夫か?」  
「うまく逃げて、少しずつ倒していけば・・。僕もナンバーズの一人ですから・・大丈夫ですよ」  
「そうか。・・・まあ、他に思いつかねえし、その作戦でいってみようや。ところで女にも化けられるのか?」  
「・・・化けるって言わないで変装といってください。女性も大丈夫ですよ・・ほら」  
シャオリーはシュルリシュルリとセフィリアの姿へと変装した。  
 
「・・・・」  
「どうですか?ジェノスさん」  
「セ、セフィ姉・・・だ」  
「女性の変装は少し多く時間がかかってしまいますがね」  
「・・・・」  
「・・・ジェノスさん?」  
「・・ゴクッ・・」  
「・・そ、その目はなんですか?」  
「い、いや・・・マ、マジでセフィ姉だ・・と思ってよ」  
「僕の変装術はミリ単位まで正確ですからね。声も本物と同じにできますし」  
「・・な、何か「僕」なんて言う言葉、セフィ姉の姿、声で言われると・・すげえかわいく見えてくるぜ」  
「・・さて、そろそろ作戦にうつりますか?」  
「あ、ああ・・。え〜と・・・・そ、その前に一つだけ・・・いいか?」  
「なんですか?」  
「・・・・・ん〜と・・・・・すまん!」  
ガバッ・・・ふいに、ジェノスがセフィリアに変装したシャオリーを抱きしめた・・。  
「・・・・ぇ?」  
「た、たまんねえ・・」  
「・・・・」  
その瞬間、強烈なボディーブローがジェノスに入った。  
「ぶほぁ!」  
「だから、僕にはその気はないですよ・・」  
「す、すまん、我慢できなくて・・つい・・。―よ、よっしゃ、んじゃいっちょ暴れ回りにいくとするか!!」  
「・・・・」  
そうして作戦は決行された。  
 
―昼、2時32分・・。  
「あ、あれはもしかして・・、クロノスナンバーズのリーダー・・・セフィリア=アークス!!?」  
セフィリアに変装したシャオリーが基地の正面玄関の門前に姿をあらわす。  
「内部のものにも伝えろ!!なんとしても逃がすな!!奴をしとめたも者は一気に幹部だぞ!!」  
「ああ、西の方角に逃げたぞ!!追え〜、追うんだ〜〜!!」  
シャオリーは敵を誘導しながら巧みに逃げていく。  
 
そのころジェノスは木の上に隠れて、突入する好機をうかがっていた。  
「すげ〜、皆シャオを追っていっちまいやがった・・。単純なやつらだな・・。んっ・・けどやっぱり  
全部が全部追いかけていったわけじゃねえみてーだな。・・けどあの程度の人数だったら楽勝だぜ・・」  
 
シャオリーはさらに逃げる。そして逃げつつも銃で確実に敵をしとめていく。  
「くう、絶対に見失うんじゃないぞ〜!」  
「の、逃すな!!なんとしてもぶっ殺せ〜!!」  
ダンダンダンッ!多くの銃声が響き渡る。  
 
じっと様子をうかがうジェノス・・。そして、その機会がおとずれた・・。  
「よし・・いくぜ!!!」  
ジェノスは突撃を開始した。  
タタタタッ!常人では考えられないようなスピードで駆けるジェノス。さっきまで玄関前には10人もの武装兵がいたが、ほとんどの兵が偽セフィリアを追いかけていったため、たった2人だけになっていた。  
「な、何奴!?ぐはあああ!!!」  
「ぐへえええ!!」  
ジェノスのエクセリオンがうなる。  
「悪いな、ベルゼーの旦那にできるだけ始末しろっていわれてっから、容赦はしねえぜ!!」  
さらに、基地内にいる兵士も、エクセリオンで八つ裂きにしていく。  
「ぐああああっ!!」  
「ぬがああ!!」  
ジェノスが通った後は血の海と化していった。  
「俺に近づくやつはぁ!みんな三枚におろしちまうぞぉ!!!」  
ジェノスの圧倒的な強さにかなうものはなく、ジェノスはぐんぐん目的のレヴィンの部屋へと向かっていた。  
 
―そのころ、本物のセフィリア=アークスが正面玄関へと到着していた。  
「さて、始まってるみたいですし、私も基地内に入りましょうか」  
黒のロングコートを羽織り、腰には愛刀クライストを忍ばせている。完全なる戦闘服姿にもかかわらず、艶かしい色気のオーラを纏っている・・。まさにその存在は「戦場の中に咲く花」・・であった。  
セフィリアは正面玄関へと歩きながら周りを様子を見た。すでに何人かの兵士が倒れていた。  
「・・・・」  
そして、意を決したように、クライストを抜くと、ジェノスの倒した兵を飛び越えながら、小走りに基地内へと進入していった。  
 
 
「な、何が起こっているんだ!!」  
3階の豪勢な部屋の中で、大柄でスキンヘッドの男頭レヴィンが叫んだ。  
焦った様子で護衛兵が報告する。  
「は、はい!門前にセフィリア=アークスが現れ、多数の兵士が討伐に向かいました!そ、そして基地内にも何者かが忍び込んだ様子です!!」  
「くう、クロノスめぇ!!ついにわしのところにもきおったか!!!」  
「そうでやんすよん」  
「!!!」  
部屋のドアの仕切りにジェノスが立っていた。  
護衛兵があわてて銃を向ける。しかし、その瞬間、銃はエクセリオンで輪切りにされ、護衛兵もその銀色の糸にしとめられた。  
興奮した様子でレヴィンが叫ぶ。  
「う、うぬらごときに、このレヴィンが倒されてたまるかぁ!!!」  
レヴィンは壁にかけてあったマシンガンを持ち出し、ジェノスにぶっ放した。  
しかし、ジェノスはその全てをかわした。  
「クロノスに狙われたら最後なんだよ・・おっさん!!」  
「!!!ぐわあああああ!!!!」  
ジェノスは手加減をせず、レヴィンの全身を掻っ切った・・・  
 
「ふう・・とりあえず任務完了・・っと」  
基地内はジェノスがほとんどの兵をぶちのめし、取りこぼした兵は後からきたセフィリアが倒していたので、静まりかえっていた・・。  
「シャオの奴・・大丈夫かな・・。まあ、あいつもナンバーズなんだし、必要以上に気にするのはやめとくか」  
そのとき部屋に向かって走り寄ってくる足音が聞こえた。  
「んっ?まだ残兵がいやがったか!!」  
ジェノスが身構える。  
しかし、そこに身をあらわしたのは後から追いかけてきた、本物のセフィリア=アークスだった。  
「なんだ・・。」  
現れたのは本物のセフィリアであったが、セフィリアがここに来ていることすら知らないジェノスはその女性をシャオリーと勘違いしていた。  
「任務ご苦労様です・・さすがですね、ジェノス。(私の出る幕はなかったわね・・)」  
「ああ。っていうかお前のほうが大変だっただろう。」  
「・・・・お、お前・・?」  
セフィリアは唐突に部下がそのように自分を呼んだことに耳を疑った。  
「けどよ、もうちょっと苦戦すると思ったが、あっけなかったな」  
「・・ふふ。それはあなたがそれだけ精進した結果ですよ」  
温厚なセフィリアはそう簡単に感情を出したりはしなかった。  
「な、なんだよ、その上からものを言うような言い方は」  
「・・・えっ?」  
またも耳を疑うセフィリア。  
 
「それにしても・・・、本当にうまいもんだな・・本物にしか見えねえ・・」  
ジェノスはセフィリアに顔を近づけてじろじろと観察する。  
「な、なんですか?ジェノス?」  
「すげえ・・色っぺえし、肌も顔立ちも綺麗すぎて・・鳥肌が立っちまうぜ・・」  
「ジェノス・・あなたの女性好きは知っていますが・・、あ、相手を見定めなさい」  
「こ、この胸とかどうなってんだ?」  
ジェノスはふいに、コートごしにセフィリアの胸を触った。  
「きゃ、きゃあ!!」  
セフィリアは手を払いのける。  
「や、やらけえ・・、本物と変わらない感触だぜ・・」  
「こ、こんなことをして許されると思っているのですか!あなたは!」  
さすがに感情をあらわにするセフィリア。  
 
「・・・た、たまんねえ・・・」  
ジェノスの表情が次第に張りつめていき、息づかいが荒くなってきた。じりじりとセフィリアを壁の方へ追いつめる。  
「な、なんですか・・!」  
「クロノスに入ってから・・俺はずっとセフィ姉のことが好きで好きでたまらなかったんだ・・。抱きたいと思ってた・・  
それを・・・ずっと我慢してたんだ・・・」  
「ジェ・・ジェノス・・」  
「クロノスって組織の上司だ・・。言うなれば初めっから手の届きようのねえ存在だった・・」  
「・・・・」  
「だから・・、俺の中では、行き場のないセフィ姉への欲望だけが日に日に高まっちまって・・」  
「・・・・」  
「・・・悪い!!許せ!!!」  
ジェノスはセフィリアを強く抱きしめた。  
 
「あ、きゃあ!ジェ、ジェノス!!何をするのです!!おやめなさい!!!」  
「悪りぃ!本当に悪いと思ってる!!けど・・ここで欲求を解消しねえと俺どうにかなっちまいそうなんだ!!許してくれ!シャオ!!」  
・・・・。  
「シャ、シャオ・・・・・?シャオリー?ジェ、ジェノス!わ、私をシャオリーだと勘違いしているのですか?わ、私は本物です!!本物のセフィリア=アークスです!」  
「ほ、本物?」  
「あ、当たり前です!!」  
ジェノスは身を引いてセフィリアの肩を掴み、その顔をじっと見つめる。  
「・・・・・」  
「・・・・・」  
顔を赤らめてジェノスをじっと見つめるセフィリア・・。そのセフィリアを真剣に見つめるジェノスがフッと表情を崩す・・。  
「・・・・へへっ・・」  
「な、なんですか?」  
「顔も声も一緒だからって騙されねえぜ・・今回の任務は俺たち二人だ。こんなところに本物のセフィ姉がいるわけないだろ?」  
「えっ?いえ今回はあとから私が加勢に・・」  
「下手な嘘ついても無駄だぜ、・・・・ということで、おとなしく餌食になってくれ〜!」  
ジェノスはセフィリアの着ているロングコートを無理やり脱がし始めた。  
「きゃあ、や、やめなさい!ジェノス!!」  
「はあ、はあ!」  
セフィリアはコートを脱がされる。彼女は上は青のYシャツにネクタイ、下は絹製の黒ズボンという姿になった。  
ジェノスはセフィリアを床に押し倒し、馬乗りになった。  
「きゃっ、ジェノス!!い、いい加減にしなさい!!」  
「はあはあ・・シャオ、そのセリフとか、本当のセフィ姉みてーだぜ・・」  
 
ジェノスはセフィリアのYシャツの中心を持って、思いっきり横に引き破いた。白いブラジャーに包まれた彼女の豊満な乳房があらわになった。  
「きゃっ・!!や、やめなさい!!やめるのです!!!」  
ジェノスを押しのけようとするセフィリア・・。しかし、ジェノスの欲望の力に、その力は及ばなかった。  
「は〜、は〜・・・、すげえ・・でけえ・・っていうか・・これ、本物の・・胸・・?」  
「だ、だから私は本物だといっているでしょう!!ジェノス=ハザード!!」  
「・・・・ほ、本物の何から何までをコピーしちまうってことか・・。すげーぜ!」  
「ち、ちが・・!」  
ジェノスは目の前にある大きな二つの柔丘を両手で大きく揉み始めた。  
「はあ・・!はあ・・!や、やらけえ・・」  
「んっ・・や、やめなさい!!」  
セフィリアはジェノスの腕を掴んでやめさせようとする。しかしジェノスはそれを力でふさぎこみ、なおもセフィリアの胸を触るのをやめなかった。  
ジェノスはブラジャーを上に押し上げた。白い綺麗な胸があらわになった。  
「セ・・セフィ姉の胸・・」  
「や、やだ!!」  
ジェノスは二つの大きな乳房の中に顔をうずめ、舌でそれを貪り始めた。  
「ちゅるる・・くちゅ・・ズズッ・・ふう・・」  
「ひっ!!あうん・・!!は・・ぁん・・」  
「ふはぁ・・ふく・・くちゅ・・」  
「や!んんっ、やめ・・!」  
普段はもっとデリケートに攻めるジェノスであったが、今はただ、セフィリアへの欲望がそのまま性衝動へと向かっていた。  
ジェノスは左手で、黒ズボンの上からセフィリアの下半身を触り始めた。  
「・・・・。・・・・あ、あれっ・・!?」  
「うっ・あんっ・・」  
「お、お前、お、男の象徴は・・ど、どうやって・・隠し・・!?」  
ジェノスの手には男性器ではなく、紛れもなく女性の恥丘の感触があった。  
 
「ど、どこを触って・・いる・・のですか!・・あっ!」  
ジェノスはセフィリアのベルトをはずし、ズボンをずり下げた。目の前に、肌よりも白いパンツが目に飛び込んでくる。そこに男性器のある形跡は・・ない。  
「なっ?・・お前の変装術って・・・体そのものを変えちまう妖術みたいなものなのか?」  
「ち、違います!だから言っているでしょう!私は紛れもなく、あなたの上司!NO.Tセフィリア・アークスなのです!!」  
「・・・・・・」  
ここまできて、ジェノスは目の前に半裸で倒れている女性が本物のセフィリア=アークスであると直感的に気づいた。  
しかしもはや、ジェノスの衝動を止められるものは何もなかった・・。  
「わ、私の上から降りなさい!早く!!」  
「・・・ほ、本物のセフィ姉だったらなおさらだ・・・。もうおさまらねえっ・・!」  
「あ、あなた!」  
「・・・・」  
ジェノスはセフィリアのパンツを脱がす。そしてその柔らかいベルベットのような部分をさすりはじめる。  
「やっ!ふくっ!!んんっ・・・んっ・・・」  
そして同時に大きな双丘の突起を口で弄び始める。  
「ぴちゅ・・くちゅくちゅ・・」  
「あふっ・・んんっ・・・ひっ・・く・・」  
一流のセックステクを持っているジェノスの攻めに、セフィリアは次第に抵抗力が麻痺していく・・。しかし、このまま大人しくされるがままにされるセフィリアではなかった。  
「ちゅ・く・・くちゅ・・ひゅ・・・」  
「う・・く・・・ジェ・ジェノス、くう・・・し、仕方ありません・・ね」  
 
セフィリアは寝ながらクライストを鞘から抜き、ジェノスにそれを振りかざした。  
音すらしない、その真空の太刀・・ジェノスはぎりぎり、その一線をかわす。  
「・・・・、セ、セフィ姉・・」  
「同士に剣をあげることは、本来ならば規律に反するのですが・・・、私の貞操をそう安々と乱すことは許しません」  
セフィリアは下げられていたパンツとズボンを上げ、胸をブラジャーと破られたシャツで隠す。  
そしてクライストをジェノスに向ける・・。  
「セフィ姉・・」  
立ち尽くすジェノス。  
「あなたの気持ちを・・受け止めることはできません。私はクロノスに身を捧げ、クロノスの目的のために生きているのです」  
「・・・・」  
「・・私はもはや女であることを捨てました。あなたを・・いえ、全ての男性を男性としてみることはもはやないのです。  
あなたも、優秀な部下の一人・・としてしか私の中でみることができません。ですから・・」  
「・・・・へへっ」  
「な、何がおかしいのですか?」  
「いや・・、セフィ姉もそうとうたまってんだなぁって思って・・」  
「な、何を言い出すのですか?」  
「な〜んか、物足りなさそうな表情をしながら言ってるもんでね」  
「っ!何を馬鹿なことを!!」  
「・・・・はぁ!!」  
セフィリアがいきりたった瞬間、ジェノスは超高速の速さでエクセリオンを発動させ、セフィリアの持っていたクライストを奪い取った。  
「あっ・・!」  
 
「この剣さえなければ・・、セフィ姉に戦闘では負ける気はしないぜ。大人しくしてくれよ・・」  
ジェノスの眼光がするどくなる。じわりじわりと、セフィリアを追い詰めていく。  
「や、やめなさい!くっ・・」  
セフィリアは逃げようと振り返る。  
しかし、その瞬間エクセリオンの銀の糸がセフィリアを掴み、セフィリアの着ている全ての服を切り裂いた。  
セフィリアは一瞬にして丸裸になった。  
「あ、ああ・・!」  
体を隠しながら座り込むセフィリア・・  
「セフィ姉・・悪い・・な!」  
「や、やめ・・!」  
ジェノスは座り込んでいるセフィリアを後ろからはがいじめにして、二つの豊満な乳房を揉みしだきはじめた。  
「はあはあ・・セフィ姉・・!」  
「んくっ・・やめなさい・・!ジェノス!」  
ジェノスは左手をセフィリアの局部に持っていく。  
「もう・・こんなになってんじゃないすか・・セフィ姉も相当、欲求不満がたまってたんしょ?」  
「んっ、あっ・・そ、そんなことあるはず・・・あるわけ・・んはっ・・」  
 
ジェノスはセフィリアの顔を自分のほうに向ける。  
キッとジェノス睨みつけるセフィリア・・。  
「たまらなくかわいいぜ・・セフィ姉・・」  
「くっ・・・・」  
ジェノスはふいにセフィリアの唇を奪った・・。  
「・・・・」  
「・んんっ・・・・!」  
「・・・・」  
「・・んっ!や、やめなさい!」  
身を引いてジェノスから離れるセフィリア・・。  
ジェノスはとっさに強くセフィリアを掴み、真剣な表情をして話始めた・・。  
「・・セフィ姉、俺の気持ちを受け入れてくれなくていい・・けど・・今だけ、今だけ・・俺のものになってくれないか?」  
「・・だ、だからそれは・」  
「俺の気持ちは真剣だ・・。クロノスや、上司と部下って言う関係とかそんなものどうでもいいってくらい・・、今はセフィ姉  
が欲しくてたまらないんだ・・」  
「・・・・」  
「本当にたったこれっきりでいい・・。じゃないともう、セフィ姉のこと・・女としてしか見れなくなっちまうかもしれねえ・・」  
「・・・・」  
「・・セフィ姉・・・」  
「・・・・」  
「・・・・」  
「・・・あ、あなたが・・・」  
「・・・・」  
「・・・あ、あなたが、それで気がすみ、再びクロノスのために生きると誓うのなら・・我慢しましょう・・」  
セフィリアは顔を赤らめながら、言葉を搾り出すように言った・・。  
「・・セ、セフィ姉・・・!」  
ジェノスはセフィリアを倒し、覆いかぶさる。首筋に口をはよわせ・・、両手で彼女の柔らかい肢体を優しく愛撫していく。  
「・はあはあ・・ちゅ・る・・る・・・・・」  
「あ・・・ん・・・んん・・・はぁ・・・」  
「・んはぁ・・くちゅ・・りゅ・・セフィ姉・・・」  
 
―そのころ、シャオリーは敵を全滅させ、ジェノス達のいる部屋のすぐ近くまで来ていた。変装を解いて元の姿に戻っているシャオリー・・、その美しい顔立ちは戦闘前となんら変わっていなかった。  
「静かですね・・、基地内ももう全滅したみたい・・・んっ?何かが聞こえる・・」  
シャオリーが耳を澄ます。すると女の悶えるような声が聞こえた・・。  
「・・・なぜ、女性の声が・・・しかもこの甲高い声は明らかに・・・の最中・・」  
シャオリーは声の聞こえるほうへゆっくりと忍び寄っていった。その先に見えた部屋は、目的ポイントとしていたレヴィンの部屋であった。  
シャオリーは気配を消しながらその部屋に近づき、そっと中を覗いた。  
「・・・!!なななっ???なぜ・・セフィリアさんとジェノスさんが・・????」  
顔を赤らめながら、その様子を見守るシャオリー・・。  
 
ジェノスはセフィリアの首・・胸・・腹部・・局部・・太ももと、舌をはよわせていく・・・。  
「ちゅく・・ひゅる・・・ひゅ・・」  
「は・・んん・・ふぅ・・」  
まるでセフィリアの全てを味わおうとするかのように、ねっとりとセフィリアをなぞっていく・・  
その感触にセフィリアはかすかに痙攣しながら、色っぽい声を喘ぎ声をあげる・・  
「くちゅ・・ちゅく・・」  
「んんっ・・ああ・・・ああ・・・」  
ジェノスは体を一通り賞味すると、彼女の陰唇に集中して舌愛撫し始める。  
「じゅる・・くちゅる・・ちゅく・・・」  
「ジェ・・ジェノ・・んああ・・!!ふぅぅ・・!!んん・・!!」  
表情も声も一層、美性的になるセフィリア・・。  
「・・そろそろ、欲しくなってきたっすね・・?」  
「・・・・」  
顔を赤らめて何かを我慢するかの表情で、目をそらすセフィリア・・。  
「わかりやした・・じゃあ・・」  
 
ジェノスはズボン、下着を脱ぎ、大きく膨張した陰茎をむき出しにする・・  
そしてゆっくりとそれを持ちながら、セフィリアの膣へと入れていく・・。  
「はあっ!ああ・・!」  
「セ、セフィ姉・・・!」  
ジェノスはその感触を十二分に感じるように、ゆっくりと腰を動かし始めた。  
「ううっ・・うあ・・くうう・・・」  
「ぐ、ぐぅう・・」  
ぐちゅ・・ぐちゅ・・と濡れたような音が二人の接合部からしたたる。  
「はあ・・・うう・・くう・・・」  
大人の女性独特な甘美な声が部屋に響く・・。  
「はあはあ・・」  
ジェノスはその性感しているセフィリアを見ながら、さらに興奮を高める。  
「んん・・んく・・・ふは・・・」  
「はあはあ・・はあはあ!」  
ジェノスは動きをはやめると・・・セフィリアの声も一層激しくなる。  
「はあっ・・んんっ・・んん!!んっ!・・ひあ!くうっ!」  
「はあはあ・・!」  
「あああ〜!!ふぁうっ!!・・ああ!」  
喜びの表情、苦悶の表情、満たされた表情・・色々な感情が混じった表情でセフィリアはジェノスの  
背中に爪を立てながらそれに耐える・・。  
一気に絶頂へと二人は向かっていく・・。  
「ジェ、ジェノ・・!ああ!んん!んん〜!んあっ!」  
この世でもっともいやらしい音が、さらに大きくその部屋にコダマする・・。  
「セフィ姉、い、いくぜ!」  
「はあっん!んあっ・・!あっ・ああっ・・あああっ・・・」  
「はあはあ!はあはあ!」  
「ひああ〜、んは、んあ、ぅんあ、んあ、ああ〜」  
「はあはあ!・・・んっ・・い・・・く・・・」  
「あはぁあ!ああ!あああ〜〜・・・・・・・・・・」  
・・・・。  
 
余韻をしばし感じている二人・・・。  
「はあ、はあ・・・はぁ・・はぁ・・・・・・・・・・・・・」  
「ふぅ・・んっ・・・・はぁ・・ふぅ・・・・・・・・」  
「はぁ・・・はぁ・・・」  
「ふぅ・・・ふぅ・・・」  
「はぁ・・・・・・・はぁ・・・」  
「・・・・ジェノス?」  
「はっ、はい」  
「これで・・、もう普段通りの任務に戻れますね?」  
「・・・・そうっすね」  
「では・・・」  
セフィリアは横に落ちている自分のロングコートを取ろうと立ち上がる。しかし、そのコートをジェノスが拾い、それをセフィリアへと手渡した。  
「セフィ姉の・・あんな場所にあるホクロの位置を知っているのはこの世で俺だけなんて光栄っすよ」  
「・・ふふっ」  
ロングコートを羽織ろうとするセフィリア・・。それを手伝うジェノス・・。  
「俺にとってセフィ姉が女神であることはかわらない・・。だから、俺はその女神を守るため、その女神が信じるもののため・・戦うために、これからも側にいるでヤンスよ!」  
「・・期待していますよ。ジェノス・・。」  
「へへっ」  
いつもどおりに和む二人・・。  
 
「ああ・・そうそう」  
「?」  
「覗きはあまり趣味がいいとは言えませんよ・・・シャオリー?」  
「へっ・・?」  
3秒くらい間を置いて、観念したかのようにシャオリーが姿を表す。  
「バ、バレてましたか・・。」  
「シャ、シャオ!お前ずっと見てたのか!?」  
「い、いえ、覗きをするつもりはなかったんですが・・・」  
 
セフィリアはクライストを拾い、鞘に収めた。  
「では、本部に戻りますよ。」  
「うっす!」  
「はい・・」  
こうして今回の任務は終わった・・。  
 
任務が終わり、クロノス本部へと戻ったセフィリアは、更衣室で服を着て、総合司令室へと入っていった。そこには、セフィリアの変わりに一時的に指揮をとっていたNO.Uベルゼーがいた。  
「ただいま戻りました、ベルゼー・・」  
「ああ。当然のごとく、任務は無事成功したようだな」  
「はい。もっとも・・今回は私がいかずとも大丈夫でしたが・・」  
「・・・・・」  
「・・?どうしました?」  
「いや、任務には殺人がつきものだ・・故にお前が任務を終えた後はいつもどこか浮かない顔をしている・・。しかし、今回は・・、何か吹っ切れたような、清清しい表情をしていると思ってな・・」  
「・・・ふふ、そうですか?」  
「・・・」  
「・・まあ、私も所詮は人の子・・ということでしょうか・・」  
 
(FINISH!!)  
 

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