イヴとトレインは仲の良い喧嘩友達。しかし最近、トレインの態度がおかしい。まるでイヴ 
を避けているかのように見えるのだ。  
 
 トレインに対し淡い恋心を抱く少女にとって、それはとても切ないこと。スヴェンが留守の 
間、ふたりだけで過ごすこともあって、なんとか以前のように仲良くなれぬものかと、イヴは 
声をかけてみるが、トレインの返事はつれないものだった。  
 
 そんな中、イヴはトレインの掃除屋稼業を見学する機会に恵まれた。軽薄なまなざしで標的 
をあしらうトレインを目の当たりにして、イヴははっきりと彼に恋する自分を意識するのであ 
った。  
 
 だから、同様にトレインに対して熱い視線を送るセフィリアという女性から託されたラブレ 
ターも、イヴにとっては邪魔なものでしかなかった。自分の行いに罪悪感を覚えながらも、イ 
ヴはそのラブレターを破り捨てる・・・。  
 
 「トレイン、一緒に帰ろう」 
 街角で彼の帰りを待っていたイヴは、トレインを見つけるや、思いきって腕を組んでみた。 
しかし、トレインはそれに応じず、 
 「放せよ、恋人じゃあるまいし…」 
 そういって、ひとりで帰ってしまった。  
 
 もはや、昔日には戻れないのだろうか。隠れ家に帰ったところで、イヴはトレインの部屋の 
ドア越しに今日のことを謝ってみた。イヴの言葉が通じたのか、トレインの返事は穏やかなも 
のであった。  
 
 「やっぱり、トレインだ」 
 安心してイヴは先にシャワーを浴びることにする。一方、トレインは自室で何事か考えてい 
るようすだったが、イヴがバスルームへ入ったことを確認するや、そっと席を立った。  
 
 鼻歌混じりにイヴがシャワーを浴びている。その躰はまだあどけなさを残すものの、十分に 
発育していると言っていい。そして、その肢体をドアの隙間から覗き見る視線がひとつ。それ 
はまぎれもなく、トレインのものであった。  
 
 トレインが覗いていることも知らず、イヴはシャワーを浴びつづけるが、しだいに彼を想い、 
躰が熱くなることを意識する。 
 「トレイン…」その言葉とともにイヴの理性は消し飛んでしまった。  
 
 どれほどの間、自慰に耽っていたのだろうか。絶頂を迎えて、ふと我に返ったとき、ドアの 
閉まる音が聞こえてきた。  
 
 バスタオルを巻き、いぶかしげな表情で束の間、トレインの部屋の前にたたずんだイヴだっ 
たが、覗かれたという確証があるわけではない。黙って、その場を後にする以外なかった。  
 
 ちょうどそのとき、トレインの心の中ではひとつの決意が固まりつつあった。それはバスル 
ームで姫っちの自慰を覗き見たことがきっかけとなっていたが、多くは以前からの想いにほか 
ならなかった。  
 
 姫っちを抱きたい。その気持ちはすでに抑えきれぬところまで上り詰めていた。だから、ト 
レインは迷わなかった。  
 
 イヴが髪を整えている最中、突如として部屋に進入したトレインは、イヴに応じる暇も与え 
ず、その躰を抱きしめる。  
 
 突然のことに驚き、いやがるイヴの反応にも一顧だにせず、トレインは口づけ、そして愛撫 
をはじめるのであった。  
 
 最初はとまどうだけのイヴだったが、恋心を抱くトレインに愛されることを拒む理由はない。 
そして、ふたりは禁断の一線を越えてしまう。  
 
 だが、至福のときは長く続かない。ふたりが連なっている真っ最中、突然ドアがノックされ 
た。それは出かけていたスヴェンが帰ってきた合図だった。狼狽するイヴとトレイン。そして 
・・・。  
 
 

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