ぴたりと塞がれた口腔の中で、ねっとりと怪しくぬめりながら  
2人の舌がもつれ絡み合う。  
その度に聞こえる湿り気を帯びた隠微な音に  
レオンの情欲は熱を帯び、一層淫らに掻き立てられる。  
 
左腕で彼女の腰を抱き、  
息つく間もない濃厚なキスにアシュリーを拘束したまま  
滑らせるように残された右手の指先を太股に這わせる。  
 
今までレオンにされるがままになっていたアシュリーが、  
くぐもった声を上げながらにわかに抵抗を始めた。  
先ほどよりも更に顔を紅潮させながら、彼の指先の動きを  
阻止しようと必死に腕を掴もうとする。  
 
レオンはそんなアシュリーの抵抗を難なくかわすと  
掌で臀部を撫ぜながらドレスのスカートの裾を  
腰まで一息に捲くり上げた。  
 
 
「やっ・・・! あの・・・これはね。今日は薄いドレスだから  
パンツの線出るとみっともないから・・・いつもはこんなのはか・・。」  
 
 
顔を真っ赤にしたアシュリーがしどろもどろに弁明する。  
彼女が着けている下着はヒップ全体がほとんど露出している  
セクシーなレースのストリングショーツだ。フロント部分も  
布の大きさはデリケートな場所を全て覆い隠すほどではない。  
 
そのあまりの慌てぶりに、レオンは思わず苦笑した。  
あの事件当時、アシュリーは膝上の比較的短い  
チェックのミニスカートを履いていたため、高所から飛び降りたり  
また彼女が転んだ拍子に、レオンは見るとはなしに何度も  
ホワイトのシンプルなコットンショーツを拝まされていた。  
 
返って、歳の割りには・・・と思っていた程だ。  
身体はもう充分に成熟して、時に匂う程女を感じさせるのに  
内面は未だ成長しきれていないそのギャップが妙に微笑ましい。  
 
「可愛いな、アシュリー。」と耳元で小さく囁いて  
レオンは彼女の耳穴を舌先で舐る。  
そしてヒップのストリングに指をかけると、少し力を入れて  
それを上へ引き上げた。  
めりっという感触とともに、ショーツのクロッチ部が  
アシュリーの敏感な部分を締め上げる。  
 
 
「っはぁ!・・・・・やあ・・・。」  
 
弾かれたように背中を仰け反らせ、彼女は短い喘ぎとともに  
息を弾ませた。レオンはそれを見届けると、  
1度アシュリーへの縛めを解き、上体を起こしてシャツを脱ぐ。  
 
黒いボディースーツ越しに見たレオンの身体は  
鍛えられた筋肉のラインが綺麗に浮き出ており  
アシュリーをどぎまぎさせた。  
その肌が今目前に晒されて彼女をより昂らせる。  
アシュリーは暫く呆然とレオンの半裸に目を奪われていた。  
 
レオンは次にズボンのボタンに手を掛け、腰周りまで下げる。  
タイトなローライズ・ボクサーパンツの裾から陰毛と  
強直した性器の先端が覗いているのを見つけて  
彼女は慌てて目を逸らした。  
 
そのうぶな反応を愉しむように、レオンは彼女の背後に回り  
背中から両腕で優しくアシュリーを包み込む。  
そして首筋のラインを唇で甘く吸い上げながら  
両肩に掛かっているラインストーンのストラップを咥え外した。  
 
ドレスの端を摘んで胸元まで軽く引き降ろすと、肩越しに  
彼女の白い豊かな双丘が見える。  
ルイスが生きていたらさぞ俺を羨んだことだろうと自嘲しつつ  
レオンはモールドカップブラのフロントホックを指先で器用に外し  
アシュリーの両胸を掌で押し包むようにすくい上げた。  
 
 
「あっ・・ん。 やだ・・・あ 」  
 
 
指の動きに合わせて、彼女の唇から吐息混じりの  
切なげな声が漏れる。  
豊かに発育した乳房は少し力を入れただけでたやすくその形を変え  
火照りを増していく。指先で捏ねる度に  
肌の色に近い薄いピンクで染め上げられた乳頭が  
敏感に反応し硬く蕾を閉ざした。  
 
極力押し殺しはしていても、2人の息遣いが次第に荒さを増し  
静謐漂う部屋の空気を掻き乱すのが解る。  
レオンはアシュリーの羞恥を煽るように、  
後背からウエストラインに押し付けていた下腹部へと  
彼女の白い上肢を導いた。  
彼の自身はすでに鈍い痛みを覚える程に張り詰めてしまっている。  
 
 
「・・・・痛そう。」  
 
 
尻目にちらりとレオンの顔を覗き見て不安気に  
アシュリーが頬を染める。  
「優しくするよ」と小さくレオンが吹きこぼした。  
 
不意を突くように、彼は素早く手の先をアシュリーの  
ショーツの内へと忍び込ませ、淡く塗れた秘裂をなぞる。  
反射的に拒もうとするアシュリーを、  
レオンは残った片腕で腹部を抱くようにして拘束した。  
彼女の耳元に寄せられた唇から掠れるような微かな声で  
愛撫の言葉が囁かれる。  
 
 
「・・・指とか。自分で入れてみたことない?」  
 
「えっ、そっ・・。」  
 
「あるだろ?」  
 
「・・・ぅ。うん・・。」  
 
「そういう時どんな事考えてる? 俺とこうする事?」  
 
「えっ?! ちょっ・・・ちがっ   はっ・・」  
 
 
愛液に塗れた指先がゆっくりと彼女の胎内を穿ってゆく。  
行為で苦痛を感じていないか、慎重に表情を窺いながら  
始めは優しく・・・そして次第に激しく彼の指が  
アシュリーの内を掻き乱す。  
 
「レオン・・・や・・いやぁっ・・。」  
 
 
以前の自分からは考えられなかった嗜虐心の芽生えを感じながら  
レオンは涙を滲ませて羞恥と快楽に翻弄されるアシュリーを追い込むように  
ちゅくちゅくと塗れた秘肉をわざと大きく音立てて聞かせ彼女を嬲る。  
 
あの、人の心を支配し、凶暴性や暴力性を引き出す忌まわしい寄生生物は  
完全に自分の身体から抹殺されたはずなのに・・・  
未だに神経の末端にその感覚は残っているのだろうか。  
 
焼け付くような愛撫から彼女を解放し、レオンはアシュリーの体躯を  
再び横に寝かせる。そして僅かに身に着けている一切の物を脱ぎ捨てると  
彼女の下着をも剥ぎ取り、ゆっくりとその上に覆いかぶさった。  
 
 
 
――――あんまりだわ、こんなのって。  
 
 
 
今すぐにでも手に持っているカメラを叩き壊して  
エイダはその場から逃げ出してしまいたかった。  
 
レオンの指先が相手の肌を滑る度、レオンの唇が甘い言葉を囁く度に  
内臓を錆びた刃物の切っ先でえぐられる想いに駆られる。  
必死に心を殺しながら、震える足を抑えてその場に立つこと・・・  
それが今の彼女に出来うる精一杯の努力であった。  
 
 
唐突にその指令を受けたのは、遡ること半月あまりの事だった。  
何故この日に、この場所に、この2人に・・・。  
 
任務の書面を窺えば、彼らに的が絞られるのは経緯を見ても  
至極合理的で順当な事に思える。  
そう、表向きは。  
 
だがエイダはこの任務に関する全ての事が自身へ向けられたもの、  
すなわち組織から自分へ下された制裁と牽制であることを既に知っていた。  
大統領への金銭脅迫など欺瞞に過ぎない。  
組織の闇の力へ金を落とす権力者など世界中に腐るほどいるのだ。  
 
彼女が今まで遂行してきた任務に関わること、彼女の過去に関わることは  
全て組織が与り知る所にある。あのレオンのことも。  
 
ラクーン・シティに潜入し、そこで彼と出会い共闘し、  
そして彼女はレオンに対して親愛の情を抱いた。  
けれど彼の眼の前でエイダは1度絶命し、その想いを断ち切り、  
彼に関わる全ての事は終わったはずだったのだ。  
 
6年後―――。  
ロス・イルミナドス教団が保有する寄生生物プラーガの生態サンプルを  
入手するためヨーロッパへ渡り、まさしく因果か、それとも運命の悪戯なのか  
彼女は生きてレオンと再び出会う。  
 
そこで「仮」の組織から下されたレオン抹殺の指令を彼女は成さなかった。  
教団の巨大な力の波を縫うように駆け抜け、目的を達する為には  
レオンの存在は欠かせないパーツであったから。  
彼を時に導き、そして援助を与えたのは全てお互いの任務――  
利害が一致した事による策謀であることは彼女の組織も承知でいるはずなのだ。  
 
 
しかし――自分は今こうしてここに立っている。  
試されているのだ。心に僅かに情の欠片を残し、  
自分が組織を離反しないかどうかを。  
逆にそれだけ組織は私の力を大きく見ている。  
もう既に彼らと私は別つことを許されない運命共同体なのだ。  
 
今日、氷のような冷酷さで淡々とこの任務を遂行することが出来て  
初めて私は組織へまた戻ることが出来る・・・。  
 
そう出来るはず。  
けれど・・・何故私の心は冷ややかに静まってはくれないの。  
どうして―――。  
 
ざわざわと苛まれる気持ちを決して悟られぬよう、  
そして2人の絡み合う肢体が微妙に視界から外れるように  
エイダはわずかに顎を引き、瞼を半分伏せた。  
 
 
思えば最初の選択肢で自身が否と答えれば、こんな苦痛を受けずには  
済んだのかもしれない。そもそもこの任務はなにも自分だけに  
振られたものでは無かったのだ。  
 
断ることもできた・・・。しかし断れば組織は自分とレオンの関係を  
思ん量ねるだろう。  
それに・・・。  
 
他の者に預けてしまっては、レオンを利用するまでもなく  
自分がアシュリーに脅迫として2番目に提示した  
下劣な俗策に走る恐れがある。  
それだけは・・・同じ女性として断固として容認できかねたのだ。  
 
エイダは彼女に対して確かに僅かな憐憫の情を持ちえている事実を  
心の中で否定しなかった。  
 
彼女――アシュリー・グラハムは教団の事件にも巻き込まれ、  
そしてまたこのような低俗な脅迫を突きつけられ  
エイダから見れば完全なスケープ・ゴートであったが、それでも・・・。  
 
ほのかに想いを寄せる男に抱かれるなら―――。  
それだけが一縷の救いになることに間違いはない。  
 
 
 
「・・・痛そう。」とアシュリーが呟く。  
 
それを聞いたレオンがまるで幼子を諭すように  
「優しくするよ。」と彼女に言い聞かせた。  
 
 
―――そう、それなのに。  
 
まるで馬鹿のようだわ。精神が磨り減る程に気を遣うなんて。  
 
確かに逃れられないよう、  
脅迫して行為を強要してるのは私だけれど・・・。  
 
嫌がってた割りには乗り乗りなのね、ミスター・ケネディ。  
どうして男ってやつはいつもこう単純なのかしら。  
あのジョンも最初からこの私の色仕掛けにころりと騙されていたし。  
 
年月って残酷だわ。  
6年前のまるで青葉のようなピュアなあなたはもう忘却の彼方。  
そもそも・・・  
 
優秀な諜報員として、この世界のキャリアはもっとずっと長い  
私に対してナイフの薀蓄を垂れるなんて10年早くてよ?  
このエロエージェント!!  
 
ああ。もう帰ろうかしら・・。なんだか疲れてきたわ。  
 
 
レオンに対する行き場の無い悲哀を脈絡なく憤りに、  
そして倦怠に変えながら彼女にはただひたすら  
「行為」が終わる事を待ち続けるしかなかった。  
 
 
「んっ・・あぁっ・・・。」  
 
 
か細い悲鳴のような声を上げて  
アシュリーが背筋を海老反らせる。  
 
両の膝裏を掴むようにして開脚させられた下肢の付け根を強く吸われ  
彼女の身体は痙攣するように小刻みに震えていた。  
少し乱れたレオンの茶金の髪が内股をくすぐり、  
そのこそばゆさと羞恥心から、持て余されている上半身を隠すように  
彼女は自身を両腕で抱きしめる。  
 
つんと尖らせた舌先が紅く腫れた花芯を弾くたびに  
下腹部に甘い電流が痺れるように走り、意識が霞のように白む。  
何処か遠くの世界の出来事のように感覚が現実味を帯びない。  
まるで溶けた硝子のフィルターを通して見るように。  
 
きんと鈍く耳鳴りがする。  
心臓が焼けて止まる程に脈打ち  
まるで走馬灯のように、沸いては消える数多の想いが  
彼女の脳裏をめまぐるしく駆け抜けていく。  
 
汗をかいて・・・それにお手洗いに行ってから身体を  
洗っていない。嫌、それ以上は・・汚いわ。  
 
 
自分だってろくに見たことも無い処をこんな格好で・・・  
恥ずかしい。もう止めて、見ないで!  
 
 
レオン・・・レオン。  
キス巧くて、私と違って大人でセクシーで。  
他の女の人ともこうだった・・? 何人も?  
 
 
あの人は・・・  
あなたの大事な人じゃないの?  
こんな風にしてる所を見られているのに  
どうして平気でいられるの・・・。  
 
 
そっか・・・。  
男の人は、別に好きだって気持ちが無くても  
できるのよね・・・。でも私は、私は―――。  
 
 
 
 
・・・私やっぱり嫌。レオンが―――好きだから嫌。  
 
きっと過ぎてしまえば彼はまた遠くへ行ってしまうわ。  
そしてすぐに私のことなんか忘れてしまうの。  
だって2人はこんなにも生きる世界が違い過ぎる。  
 
私だけが心に癒えることのない火傷をしたまま  
彼をずっと想い続けて、苦しんで―――。  
 
会いたいって思わなければよかった。  
最後に別れたときに微笑んでくれたあの笑顔を  
記憶に焼き付けたまま・・・。  
 
パパは知っていたんだわ。  
私が彼を想っていることを、  
決してこの恋が実らないことも。・・・だから私を傷つけまいと・・。  
どうしてそんな事にも気付かなかったのかしら。  
もう・・終わりにしなくちゃ。恋人気取りはこれでお終い。  
 
 
そうよ・・・今なら、今ならまだ。  
 
 
「レオン・・。」  
 
「――――どうした。痛かったか?」  
 
 
上体を起こして、レオンが心配そうに彼女を覗き込む。  
その逞しく鍛えられた肩に残された  
古い傷痕を瞳に捉え、アシュリーははっと我に返った。  
―――弾丸で刻み付けられた生々しい銃痕を・・。  
 
今まで気付かなかったが、彼の身体を改めてよく見れば、  
薄くなった無数の傷の跡が身体中に残されている。  
その中にはそう、きっと・・・。  
 
彼女自身を護る時に負った傷も―――。  
 
『よく頑張ったな。』  
 
『ごめんなさい、私・・自分のことばかり。』  
 
『・・・いいんだ。』  
 
 
アシュリーの瞳に映るレオンの顔がみるみる歪んでいく。  
大きな瞳の淵から、溢れた涙が次々と零れ落ちた。  
 
 
「怖くは・・無かった? あんなにたくさんの敵と戦って。」  
 
「男は後ろで女が悲鳴を上げてると見栄を張るんだ。」  
 
 
あの日別れた時と同じ笑顔でレオンが微笑む。  
涙に濡れた頬をそのままに、アシュリーも精一杯の笑顔で応える。  
彼女はそのまま身体を起こしてレオンの首に両腕を回すと  
慈しむように強く彼を抱きしめた。  
 
 
「私・・私痛くたって平気。だからレオンのしたいようにして。」  
 
「アシュリー・・・。」  
 
 
そう、いくら痛くてもいいの。どんなに傷ついても構わないわ。  
だってレオンはあの時、私を助ける為に命を懸けて戦ってくれたのだから。  
例え・・もう2度と会えなくても後悔などしない。  
 
彼に恋する気持ちと、彼と肌を重ねたこの時を思い出に変えて  
私はきっとこれからも笑っていける。  
 
金の瞳から幾筋も流れる涙を指先でそっと拭って、  
レオンは彼女の頬を両手で優しく包み込み、もう一度その唇にキスをした。  
熱い抱擁を交わしたまま、2人はベッドに倒れこむ。  
 
――まるで時が止まったかのような長い口付けを終えて  
彼は僅かに身体を起こし、アシュリーの下肢を開かせる。  
その狭間に可憐に咲いた薄紅の花弁に  
熱を持ち硬く強直した性器の先を押し当てて  
レオンはアシュリーと視線を合わせた。  
 
ほんのりと顔を紅潮させたアシュリーが彼に小さく頷く。  
彼女の許しを合図とするようにして、レオンはゆっくりと自身を  
アシュリーの身体に埋めていった。  
 
「・・・・っう。」  
 
ベッドのシーツをきつく握り締め、アシュリーが苦痛の声を上げる。  
彼の硬く張り詰めた陰茎が、柔らかい胎内を割って  
侵入してくるのが解る。その度にまるで裂かれるような痛みが  
アシュリーの腹部に走った。  
こっそりと友人に見せてもらったポルノ映画やアダルト・ビデオでは  
絡み合う男女は皆、快楽の声を上げてめくるめくエクスタシーに身を委ねていたが  
今の彼女はそれどころではなかった。  
 
快楽どころか痛みに耐えるのに精一杯で、  
ムーディーでロマンティックなエロスなど自分には期待できそうにない。  
それでも、今自分が抱かれているのはあのレオンなのだと考えると  
体の芯は熱く火照り、玉のような汗が額に滲んでくる。  
 
「アシュリー。もっと身体の力を抜くんだ。」  
 
レオンは荒く息を吐きながら、そっとアシュリーの髪を指先で梳いた。  
初めての体験なのだから仕方の無いこととはいえ、  
彼女が身体を硬く強張らせ苦痛に耐える姿を見るのは忍びない。  
実のところ、まだ性器のほんの先の部分までしか挿入していないのだが  
これ以上は自分の理性が持ちそうにない。  
 
男をまだ知らない無垢の花弁に自身の滾る欲望を突き立てて  
激しく蹂躙したい―――そんな暴力的な衝動に掻き立てられる  
自分を浅ましく感じる。  
 
女ならば誰でもそのヴァジニティを喪失することに恐れを抱くはずだ。  
現に彼女は自分を気遣ってはいたが、痛々しく涙を流していた。  
だから優しくいたわるように彼女を抱いてやりたいのに―――。  
 
腰を両脚に深く埋めるようにして、彼は自身の根元まで  
一息に彼女の胎内を貫いた。  
びくりとアシュリーの身体が跳ね、腹部から絞り出すように  
悲鳴とも喘ぎともつかない叫びを上げる。  
 
 
「はっ・・・!んっ・・あああっ!!」  
 
 
まるで下賤な陵辱者を排斥しようとするかのように  
膣内が彼の性器をきつく締め上げる。  
その痺れるような強烈な快楽にレオンの理性は一撃のもとに粉砕され  
身体中がまるで獣のような嗜虐感に陶酔しているようだ。  
 
両手で彼女の両脚を折り曲げるようにして掴み  
腰を大きくグラインドさせる。その度に愛液に濡れた秘所から  
湿った淫靡な音が漏れた。  
 
彼の身体の動きに合わせて、アシュリーの豊かな乳房が踊るように  
小刻みに弾む。白く若い肢体の躍動に尋常ならぬ  
エロティシズムを喚起させられ、  
レオンの動きは更に激しさと熱を増してゆく。  
 
片手で彼女の大腿を抱え、残された片手で  
アシュリーの胸を押し潰すように乱暴に愛撫する。  
腰を何度も突き動かすように彼女の身体に打ちつけ  
波のように押し寄せる快感に、レオンの意識が白む。  
 
 
「・・っレオン。 あっんっ!・・ぁあんっ!!」  
 
 
「アシュリー・・・ っう」  
 
 
上体をがばりと起こし、引き抜いた性器を  
彼女の腹部に向ける。  
白色に濁った精液がアシュリーの身体に流れ落ち  
臍部の窪みに液溜まりを作った。  
 
荒々しい呼吸を落ち着かせるように  
レオンは1度大きく息を吸い込み、脱力とともに吐き出す。  
苦痛に耐えていたときにまた涙を流したのか、  
アシュリーの頬には薄くべそをかいた跡が残っている。  
彼の視線に気づいたアシュリーが柔らかく微笑んだ。  
 
 
「ごめんな、痛かったか?」  
 
「ううん・・平気。本当言うとねちょっと怖かったけど  
 
 ―――でもレオンだったから。」  
 
「うん?」  
 
「レオン・・・私、レオンのこと・・・」  
 
 
アシュリーがその先をいいかけた刹那、彼の背後でざわりと  
何かが動いた。そしてその首筋にひたりと冷たく硬い感触が  
押し当てられる。  
 
 
「クランクアップよ。お疲れ様、レオン。」  
 
かしゅっと鈍い音がして、レオンの体内に鋭い微痛とともに  
何かが打ち込まれた。  
アシュリーが叫びながら自分の名を何度も呼ぶ声が聞こえる。  
強烈な睡魔が彼の脳内を走りぬけ、意識が急速に萎縮してゆく。  
 
紐の切れた操り人形のようにレオンの全身の力は抜け落ち  
アシュリーの身体の上へとそのまま崩れ落ちる。  
再び彼の思考は暗い闇の底へと閉ざされていった。  
 
 
そっとカーテンを捲くると、窓越しに見える夜空には  
すでに天高く月光が輝いていた。  
照明の落とされた寝室は薄く差し込む月明かりのみを光源として  
その輪郭を淡く浮き上がらせる。  
色の失われた灰色の世界が  
どこか遠い世界であるかのように彼女には美しく感じられた。  
 
彼女は静かに息を吐くと  
ゆっくりと寝台の上に横たえられている男の傍へ歩み寄る。  
彼の瞳がしっかりと閉ざされている様を見届けると  
そっと顔を近づけて、その唇に優しく口付けた。  
 
 
『あなたに死んで欲しくないの。  
少ししか一緒にいなかったけど、私忘れないわ・・・。』  
 
『・・・・俺は・・』  
 
『私に人を愛する資格はないの。でも、あなただけは・・・。』  
 
『生きてここを出るんだ。待っててくれ。』  
 
 
あれからもう6年経つ。  
けれど彼をいざ目の前にすると、果たして遠いのか近いのか  
時間の感覚はぼやけ、麻痺してくる。  
まるでそれが昨日起こった出来事のように生々しくリアルに  
彼女の脳裏に鮮やかに蘇ってくる。  
 
 
――――レオン。あなたはあの時何を言おうとしていたの。  
 
 
『じゃあ好きな人は?』  
 
『・・・・遠い昔に死んだよ。』  
 
 
彼女はようやく理解した。  
任務を果たすまでひたすらその苦痛に耐え、  
必死に心を静めなければならなかったのはあの言葉を聞いたからだ。  
 
彼はあの時自分を想ってくれていたのだろうか。  
今となっては何もかも解らない。  
ただあの「エイダ」はもう自分の中で死んだのだ。  
彼への届かぬ想いをその心に宿したまま―――。  
 
けれど古傷が疼くように、彼をこうして目前にすると  
あの時と同じように彼女の心は小さくさざめく。  
どうしてもそれが彼女には理解できなかった。  
 
「・・・うっ」  
 
微かな呻き声をあげて、レオンが瞳を開く。  
彼は暫く朦朧とした意識で天井を仰ぎ見ていたが  
はっと弾かれたように覚醒すると上体を起こして彼女を  
視界に捉えた。  
 
「・・・エイダ。  
 
――――!?  
アシュリーは・・・彼女はどうしたんだ?!  
もし彼女に何かあった時は・・・俺が君を殺すことになる。」  
 
鋭くエイダを威嚇したつもりが、レオンはベッドの上に  
自分が後手で縛られ、全裸で寝かされていた事実に気付き  
そのきまりの悪さに僅かに彼女から視線を外した。  
それを見たエイダがくすりと微笑む。  
 
「心配しないで。  
約束通りお嬢様は宿泊予定の部屋に入室なさってるわ。  
パーティーで疲れた体を癒すために今は静かに眠っているはずよ。」  
 
「――――――で。  
用が済んだのなら何故まだ君はここにいる。俺を始末するためか?」  
 
ふっと妖艶な笑みを浮かべてレオンに背を向けると  
彼女はゆっくりとチャイナドレスのスカートの中へ手を差し入れ  
黒いレースの下着をおもむろに脱ぎ捨てた。  
 
そしてレオンの居るベッドの上へ体重を感じさせない軽やかな動作で上ると  
彼の腹部に馬乗りになり、その長い指先を胸板に這わせた。  
スカートに深く入れられたスリットからエイダの長く白い下肢が  
すらりと覗いている。  
2人の肌が触れ合っている場所がじわりと熱を持ち  
彼女の秘所は艶やかに濡れていた。  
 
「あなたには随分と世話になったわね。だからご褒美をあげるわ。」  
 
「むしろこうする事を望んでるのは君の方だろ。  
俺たちが抱き合うのを見て興奮してたのか?」  
 
「・・・・意地の悪い男ね。やっぱりお仕置きすることにしたわ。」  
 
 
レオンの鼻先を軽く指で弾くと、エイダは寝台の横に置かれていた  
サイドテーブルからフェイスタオルを取り上げて  
視界を塞ぐように彼の顔に目隠しを施す。  
 
そして彼の首へ柔らかく両腕を回し、その顔へ口元を寄せ  
舐るように彼の耳へ息を吹きかけ、唇に含んだ耳朶を舌先で転がす。  
その官能的な愛撫にレオンの男性は刺激され、敏感な反応を見せる。  
 
「感じやすいのね。可愛いわよレオン。」  
 
くすくすと笑いながら、自分に翻弄される彼の様子を愉しむように  
エイダは濡れた舌先を耳朶から首筋、鎖骨、そして胸へと  
這わせていった。  
 
長年の鍛錬で鍛え上げられた腹部を指先でくすぐるようにさすりながら  
唇と舌とで乳首を弄ぶ。強く吸い上げ歯を立てると  
その鋭い痛みにレオンが思わず苦痛の声を上げた。  
 
「乱暴だな。もっと優しくやってくれ。」  
 
「言ったじゃない。お仕置きするって。」  
 
嘲笑を浴びせるようにレオンにそう言い放つと、  
エイダは先ほどのサイドテーブルから小さい凹凸の付いたシリコンのサックと  
透明な液体の入ったプラスチックのチューブを手に取った。  
 
彼女はレオンの両脚をくの字に折り曲げ、僅かに開かせると  
チューブの蓋を外して中の液体を彼の会陰部へと垂らした。  
ねっとりと怪しいぬめりと光を放ちながら  
流れ落ちた液が菊門を濡らす。  
 
それからエイダは右手の中指にサックをはめると  
同じようにそれを液体で満たして、レオンのアナルへと押し当てた。  
びくりと彼の身体が硬直する。  
 
「初めて?」  
 
アシュリーとレオンがセックスをする時に、彼が言った言葉を  
揶揄するように真似てエイダはその反応を嬉しそうに窺う。  
 
「ちょ・・・やめ・・・」  
 
「息を吐いて。お腹に力を入れないでね。痛いわよ?」  
 
レオンの焦りと制止を無視して、彼女はゆっくりと中指を  
彼の体内へ差し入れていく。  
ぬめりを帯びたその何とも言えない感触に、彼はうっと思わず  
苦しげな呻き声を漏らした。  
 
以前―――特務機関に所属して間もなくの頃。  
まだあのクラウザーとも組む前の時分に、  
レオンは何度か作戦を共にしていた男色のある同僚から  
性行為を迫られたことがある。  
 
『豚のケツでも掘ってろ!!』  
 
激怒したレオンは彼を一撃殴りつけ、上層部に掛け合い  
それ以来その男の顔を見ていない。  
そんな事件があった所為か、彼はどことなく  
アナル・セックスに対して不浄な感覚を抱くようになり  
自分はそのままきっと未経験で終わるだろうと考えていた。  
されることはもちろんすることも。  
 
それを今、視界を塞がれ腕を縛られ、屈辱的な格好で  
あのエイダに犯されている。  
心に湧き上がる苦痛と、今まで経験した事の無い  
思いもよらない未曾有の快楽に悶えながら  
レオンは彼女に成すがままにされていた。  
 

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