地下鉄に出たか。フン、お誂え向きだな。地下に潜った俺が地下鉄で脱出とは。  
神とやらも乙な事をする。ここを出たらまずお前を殺しに行く、待ってろ。  
 
俺は停車中の電車を調べる。チッ! クソが! 連結部を外さねばならんようだ。  
どうしてこうもまあ・・・・・手間を掛けさせる・・・・。俺は階段を上がり、  
職員専用のドアに入る・・・・・・クソッ、職員のゾンビか! 俺は銃を構える。  
ジ「ヒッ! 待てって!! オレオレ! ジムだよッ!」  
デ「クッ! 貴様か! 紛らわしい、何だその格好は! 撃たれても文句言えんぞ!」  
ジ「制服だよゥッ!」  
ジムは警察署にいたらしいが、仲間が地下鉄に行く話をしてるのを聞き付け、  
急いで追ったが途中で見失ったと言う。専用の鍵でこのドアを開け、今に至る。  
ジ「着替えて来るよ・・・・」  
 
自分のロッカーに行き着替え、更にフザけた格好になったジムと下へ降りる。  
水浸しだと?フザけた駅員にフザけた地下鉄、フザけるのもいいかげんにしろ。  
どこまで手間を掛けさせる・・・そろそろ俺の堪忍袋の緒も切れるな・・・・。  
バルブで水を止めテープで補修する。これで漏電もしまい。電力を復旧させる。  
ジ「ここはオレの庭みたいなもんだしさぁ〜。来れてラッキーだったな!」  
ジムはあちこちのダクトから顔を出す。やめろ、ゾンビと間違えて撃つぞ。  
拾ったフザけたエンブレムを連結に取り付ける。どうやらもう1つあるらしい。  
ジ「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜ッ!!!」  
 
電車の屋根からフザけた虫が降りてきた。こんなものは相手してられん。失せろ。  
俺は線路に飛び下り、エンブレムを探す。その時、階段の方から女の声がした。  
ヨ「ほ・・・・他の人は・・・・・」  
ヨーコとか言うジムとは正反対の、大人しい女だ。戦力にならないのが難だが。  
 
こいつも警察署から来たらしいが、途中ジョージ達と逸れたらしい。  
その時、轟音が近づいて来た。俺はジムとヨーコを連れて階段に上がる。  
暴走列車がホームに入り、激突、炎上する。ジム、ヨーコは悲鳴を上げた。  
中に人が乗っていたのかも知れんが手遅れだ。スプリンクラーが作動すると  
俺は転がっているエンブレムを取りに行き、急いで連結に取り付ける。  
ヨ「む・・・む・・・・虫が・・・・!」  
デ「虫に用は無い。乗るぞ」  
ジ「虫は無視!」  
 
電車を動かそうとすると、今度はフザけた虫の親玉が現われジムをさらう。  
もう・・・・・・・さすがの俺も・・・・・・・・・我慢ならん・・・・。  
このムシャクシャした気分をどうしてくれようか・・・・・ナイフを握る。  
ヨ「待って、デビット!」  
デ「お前はここにいろ!」  
 
駆け出すとヨーコは遅いながらもついて来た。虫の巣では祭りが始まっている。  
ジ「ヒイイイイィィィィィィッッ! I don't wanna die!! Help!!」  
ジムが駆けて来る。俺はヨーコから渡された火炎瓶に火を付け、ザコを消す。  
親玉にはマグナムを喰らわせてやる。弾が無くなるとヨーコがハンドガンをよこす。  
こいつは自分の役割を良く心得ているようだ、倉庫番としては優秀と言える。  
ジムは段々と怒りが湧いて来たんだろう、キャリーバッグから殺虫スプレーを出し  
奇声を発しながらノミの親玉に向かって行く。だがすぐに戻って来た。  
ジ「ローリング! ローリング! ローリングスターッ!!」  
転がるザコが行くとまた親玉に向かって行く。ノミの顔面にスプレーをかけると  
ノミは呆気無く倒れた。そこで発車のアナウンスだ。急ぎ電車へ向かう。  
ジ「休む間ねぇよッ!」  
 
電車が見えると仲間の姿も確認した。マークも合流し無事に辿り着いたらしい。  
シ「走って!」  
マ「急げ! もう電車が出るぞ!!」  
全員中に乗り込むと何を血迷ったかジムが電車から降りた。何を考えてる!  
ジ「オレいい、行かない・・・・あのさ地下鉄ってさ・・・・いやいい」  
ハ「ジム! 乗るんだ! 動き出したぞ早くッ!」  
ア「バカッ! 来なさいッ!!」  
ジ「みんな気を付けて! きっとまた会える! オレ絶対生きてるから!」  
マ「ジムッ! このバカもんがッ!!」  
マークが電車から飛び降りた。マーク! クソッ! どいつもこいつもッ!!  
手を振るジムがどんどん遠くなる。マークがジムの背後の虫を撃つ。銃声。  
 
俺達は互いの擦り傷にスプレーで手当てし合い、ジョージのカプセルを飲む。  
みなそれぞれ胸にいろいろな思いをしまい込み、5人は無言で座っている。  
しばらく行くと電車は徐々に速度を落とし、やがて止まった。立ち上がり  
俺達は先へと進む。───随分と歩いた。フン、案の定行き止まりだ。  
だから何だ。すんなり脱出できるとでも?俺達はGATE01とある前に座った。  
ハ「ひとまず・・・・・・少し休んでから考えよう」  
シ「神様・・・・・・どうか道を拓いて下さい・・・私達を安全な所へ・・」  
デ「神などいない。いるなら連れて来い、俺が殺してやる」  
シ「デビット・・・・」  
ア「頼れるのは自分だけ」  
ヨ「・・・・・・・・・」  
デ「神なんてものは悪魔のミドルネームにすぎん」  
ハ「哲学者だな君は!」  
俺はゲートに寄り掛かり、しばしの仮眠を取る事にした。  
 
排気口から出る事にしよう。まったく本当に・・・放っておけん奴だ。  
ジ「はは、マークあんたも人がいいねブロー」  
マ「いいから気を抜くな。で、どっちなんだ排気口は」  
ジ「こっちこっち!」  
ジムについて行きながら背後を護る。お前は絶対に生かしてここから出すぞ。  
───巨大なファンが足の下で回る。この先上へ抜け出るとまた街だ。  
地上も地下もバケモノの王国のこの街。ベトコンなどかわいいものだ。  
 
拾った車輪──創始者のものを取り付けハシゴをおろし、登り出た。  
俺とジムはほっと胸を撫で下ろす。この辺りにはゾンビはいないらしい。  
ケ「どうなんだ鉄管番長。無事か?」  
ジ「ギャッ!!」  
ジムが飛び上がる。俺も驚き振り返るとケビンの奴が歩いて来た。驚かすな!  
ケ「こいつだ」  
ケビンは鉄パイプをジムに投げ渡す。ジムは目を輝かせて喜んでいるようだ。  
ジ「・・・・・Wowwow!!」  
ケ「そいつであいつらファックしてやれ」  
ジ「ファ・・・ファファファファック・・・・・ハァハァハァ・・・・・」  
ケ「マーク」  
俺はケビンから救急スプレーとハンドガンの弾を半分程分けて貰った。  
事の経過を話しながら、まるで機能していないであろう警察署へと向かう。  
その途中でまたケビンと逸れた。ちょっと目を離すとこれだ・・・・・。  
ジ「あー、ダイジョブあのヴァカティンは。オレ様の行く所に現われるし」  
仕方ない、2人で行こう。警察署方面へと向かうが、所々ゾンビの塊がいる。  
マ「ジム。ここは1つ、流れが変わるのを待とう」  
俺達はラクーンZOOへと向かい、暫らく様子を見る事にした。  
 

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