今日は警察署主催の射撃大会の取材に来たわ。もちろん  
あたしも参加するつもり、是非とも優勝したい。ここ暫らく  
得物も握って無いからカンが鈍ってるかもしれないけど、  
そこは気迫で勝負よ!絶対に誰にも負けないわ・・・!  
「これより、射撃大会を始めます」  
まずは予選が行われる。一般市民男性部門、退役軍人部門の後に  
現役警官・婦警部門という順番で進められる。一般市民女性のあたしの  
出番は午後から、それまでは記者らしくお仕事。ああ気がはやるわね!  
 
予選では結構タイトなふるいにかけられて、大勢のエントリーの  
中からほんの一握りが生き残る。一般市民の中には銃を手にした事の  
無い人も沢山いて、ターゲットにかすりもしないのが多かった。  
銃なんかいらないのもラクーンが平和なおかげね。退役軍人は  
それなりに当てていく。やはり一度体で覚えた事は一生ものなのね。  
現役警官たちはさすがに接戦が熱い・・・!手練れだらけだわ。  
午前の部が無事終わり、私たち女性陣と予選通過者たちに  
昼食が振舞われる。いよいよね・・・・さあーッ、気張って行くわよ!  
 
ついにあたしの番が回ってきた。あたしは台の上のいろいろな銃の  
中からハンドガンとハンドガンマガジンを手に取り、標的に挑む。  
あたしは十体のターゲットを全て倒す事ができた。マガジン交換も  
もたつかず、いい点を稼げたわ。やった!これで予選通過よ!!  
その後に市民男性の決勝戦が始まった。その様子を夢中で  
カメラに収めてると、後ろから話し掛ける男がいた。  
ケ「よぅネーチャン、なかなかいい腕してんじゃねぇか。  
どこで覚えてきたんだ?」  
 
振り返ると、ここの警官がにやにやしながら近づいてきた。  
ケ「・・ん、記者?最近の記者は射撃の訓練も受けるのかい?」  
ア「そんなんじゃ無いわ、生きる為に必死で身に付けたのよ」  
ケ「フッフッフ、おもしれーネーチャンだ。優勝狙ってんのか?」  
ア「当り前じゃない」  
ケ「そうか。自信たっぷりだな」  
ア「そうでも無いのよ。あたしよりやれてる女ばかりが残ったわ。  
暫らく銃も触ってないし・・・意地でも優勝したいんだけどね」  
ケ「それならうちの射撃場で練習しないか、手ほどきするぜ」  
ア「ハン・・・・?・・・・・何企んでんのよ」  
男はニヤニヤする。  
ケ「もちろんタダで部外者を入れる訳にはいかねぇよな」  
ア「フン・・・・取引ね。でも優勝できたらの話よ?あたしが  
優勝したら・・・・・・」  
ケ「あんたが相手してくれんだろ?」  
やっぱりね。  
ア「フッ、いいわ。飢えてるのね」  
ケ「ハハッ、まあな。それじゃさっそ・・・」  
ア「待って、あたしの条件も聞いて」  
あたしはダメ元で男に話を持ちかける。  
ケ「オイ勘弁してくれよ、マービンの首が飛ぶぜ」  
ア「なら交渉決裂ね」  
ケ「なあ待てよ、ばれたらマズいだろ他のにしてくれ」  
ア「ばれなきゃいいのよ」  
ケ「(そりゃそうだ)・・・・OKOKわかったよ、俺の負けだ」  
ア「フフン」  
 
記者相手の交渉で対等に渡り合えると思って?甘いわね。  
ケ「おっといけね!もうそろそろ決勝戦だ行って来るぜ、  
話は後だ。すぐに戻る、優勝引っ下げてな!」  
言うじゃない。ベストショットで撮ってあげても良くってよ?  
 
市民男性で優勝したのは、めくら撃ちしたにもかかわらず  
運だけで当ててったラッキーボーイ。そんなのもいるのね。  
退役軍人は、ベトナムでブイブイいわせてたらしい人が優勝。  
はたして現役警官は・・・・ただ1人予選を勝ち抜いた  
若い婦警も精悍な黒人に負けて脱落、男臭い戦いになった。  
決戦はちょっと長引いたけど、何の間違いか、あのおめでたい  
警官が優勝した。口だけじゃ無いみたいね。見事な銃さばきだった、  
認めるわ。いいショットもバッチリ撮ったわよ、マジ顔のやつをね。  
 
ケ「ついて来いよ、こっちだ」  
小一時間程休憩を挟んでから市民女性の決勝戦が始まる。  
それまでは、こっそり忍び込んだ署の地下射撃場で練習をした。  
ケ「ここを狙え」  
男は指でトントンと自分の額をたたく。決勝戦の標的は、  
眉間にヒットするとバラバラと崩れる仕組みになっている。  
全ターゲットを眉間狙いできれば効率がいい、何とか・・・・。  
ア「ああッ!当たらないわ、どうしてもブレる・・・!」  
ケ「狙い撃ちしてみな」  
ア「狙い撃ち?どう・・・・」  
ケ「いいか」  
男があたしの真後ろに立ち、あたしの持つ銃に両手を添える。  
 
前に銃の扱い方を教わったのを思い出すわ。  
ケ「こうして・・・・・こうだ、ここから当てる所を見る、  
・・・・そこだ、それでいい・・・・撃て」  
あたしは言われるままに引き金を引く・・・・当たった!  
クリティカルヒットよ!!狙い通り、うまくできた・・!  
ケ「そうだ、筋がいいな。もう一度・・・斜に構えないか?」  
ア「この方がやりいいわ、見てて」  
また狙い通り当ててみせる。  
ケ「やるなオイ」  
ア「ね、片手撃ち出来るようになる?この調子なら」  
ケ「レディにゃ片手はオススメできねぇな、両手固定でいっとけよ」  
残念ね。・・・でもいつかきっと・・・!  
ケ「次はこいつでやってみな」  
男はおもしろがって脇から銃を抜き、あたしに持たせる。  
ア「ズシッと来るわね」  
ケ「ちょいと反動がキツいかもな」  
ア「Too easy(チョロいわ、楽勝)平気、なんちゃ無いわ。毎日  
トレーニングして鍛えてるのよ?そこいらの女と一緒にしないでちょうだい」  
ケ「ハッハッハ!気のつえーネーチャンだ、気に入ったぜ」  
ア「こう?」  
あたしは安全装置を外す。  
ケ「まあ待て待て、靭帯を痛めちゃマズい。手をガッツリ  
固定してやるから、それで撃てよ」  
男はあたしにくっつきギュッと支える。・・その為に渡したのね?  
ア「行くわよ・・・・・・・・・・ッヤ!」  
ハ!!なんっ・・・てインパクトなの!?手がジンジンするッ!!  
 
ア「・・・ジーザーース!!」  
ケ「ハッハッハッハッハハハハ、アーッ」  
ア「笑いすぎよ!」  
ケ「ア〜わりぃわりぃ。で、どうなんだいけそうか?」  
ア「何よ!バカにして!」  
ケ「たかがハンドガンでも片手で撃ちゃカラスが落ちるぜ」  
ア「もうわかったわよ!貸してッ」  
あたしは男からハンドガンをひったくるとごつい銃を押し付けた。  
ア「どいて!練習のジャマよ」  
男は両手を上げておどけながら離れる。何なの、癇に障る顔ね!  
さっきはあの銃かる〜く連射してたじゃない、あたしにはムリ?  
・・・・・・どうやらあたし、ポリ公を舐め切ってたみたい。  
あんな衝撃のもの手に余るわ、痛くてやってらんない。  
 
ムキムキの筋肉女や、ガンマニアの女達の中でもあたしは結構  
冷静でいられた。荒削りのあたしのスタイルを本業に仕上げをして  
貰った所も大きい。決勝ではせっかく予選をくぐり抜けた女も、  
自分の身に余る強烈な銃を手に取ったりして自滅して行く。  
そんな中あたしのライバルになりそうな、出来る女が一つ  
的を外した・・!強風が吹いたせいね、きっとコンタクトに  
砂が入ったに違いない。ツイてるわ!カミカゼに護られてる。  
結局は判定勝ちになり、あたしは優勝を果たした・・・!!  
やったーッ、やったわ!嬉しいッ!最後は突風のお陰だけど、  
的に全クリティカルできたのはあの男の手取り足取りの  
助平コーチのおかげ、悔しいけど・・!お礼をしなくちゃね。  
さてどこ行ったかしら?会場はトロフィー授与の準備が始まる。  
 
あたしは段の上の優勝者をアップで写す。市民男性の  
一位はおよそ勝者とは思えない程の落ち着きのなさで  
始終喋くってる、今にも踊り出しそうな勢い。ちょっと!  
少しはじっとしてなさいよ、撮れないじゃないの!  
退役軍人はさすがの落ち着きで、どっしりと構えてる。  
コメントは家族の事が中心だった、マイホームパパね。  
・・・・・・・・いたわ。あの男、得意になって笑って。  
あ、こうしちゃいられない、あたしも行かなきゃ。  
あたしは幾度かフラッシュを焚くと化粧直しを始めた。  
 
やだ、結構豪華な造りしてるじゃないのこのトロフィー!  
安っぽくなくて気に入ったわ、やっぱりゴールドでなくちゃ、ね。  
あたしは会場の拍手喝采の波に心地良く揉まれる。いい気分。  
授与式が終わると参加賞が配られ、大会後恒例のパーティーの  
準備が始まった。この人ごみに紛れて男の姿を見失ってしまう。  
ちょうどいいわ帰ろう、と会場に背を向けるとあの男の声がした。  
ケ「Wait wait waitもう帰んのか?気が早いな」  
こんな中あたしを見つけるとはね、よくよく腐れ縁があるのね。  
ア「Hiニーサン」  
振り返って壁にもたれ掛かるあたしを、男はとうせんぼするみたいに  
片腕を壁につけてあたしを覆う。  
ケ「まだ射撃大会は終わっちゃいないぜ?」  
ア「わかってる、約束は約束。で?どこでするの」  
ケ「いいな、そう来なくちゃだ」  
男は嬉しそうにくくくと笑う。  
ケ「どこでもいいぜ」  
 
ア「人が来ない所にして」  
ケ「ウゥ〜〜・・ン・・・・屋上」  
ア「ありきたりね」  
ケ「検死室」  
ア「検死ィ!?やぁよ、死体ってゲップするんでしょ?嫌」  
ケ「よしじゃあ実際に見て決めようぜ、行こう」  
あたしは男の後について行った。  
ケ「ここはどうだ」  
ア「ダメ」  
ケ「ここ」  
ア「イヤ」  
あたしはどこも気に入らず、片っ端から断っていく。  
そうして地下に来た。通路に入ると男は立ち止まる。  
ケ「・・・・ここはだな・・・・」  
ア「あら?もしかしてこの先留置所なんじゃない?いいわね」  
歩いて行こうとするあたしの手を男が掴む。  
ケ「待てよまあ聞け、あそこはうまってる。泥酔して店で暴れた  
オヤジが1人、ハコでクサ所持現行犯のコゾーが1人、  
お陰様で満員御礼だ。・・・・・でだな」  
男はゆっくり歩いて行く。  
ケ「ここなんだが・・・・・」  
ア「Kennel?」  
男はガチャガチャとノブを回す。  
ケ「鍵が掛かってやがる。トニーの奴は朝まで来ないし、もう一つの  
鍵はマービンが管理してる。ここは犬の無駄吠えが洩れないように  
防音もしてあって・・・ベストだと思ったのにな。さてどうしたもんか」  
 
ア「そんな事なら問題無いわ」  
ケ「アン?」  
あたしはポケットをごそごそやり、ジョーカーの鍵を取り出した。  
ア「これをあげる、重宝するわよ」  
ケ「何だこの鍵」  
ア「そうね、マスターキー・・・ってとこかしらね。  
簡単な鍵なら大体は開くわ、見た所その鍵も開きそうよ」  
男はあたしを見てにや〜っとする。  
ケ「随分気合の入った取材をしてるようだな」  
そう言って鍵を開けた。  
ケ「ありがたく頂戴しておくぜ」  
いたずらっぽい笑みを浮かべあたしにウィンクする。  
ケ「入ってくれ」  
男はあたしを中に促すと鍵を掛けた。・・ムッとする獣臭・・!  
ア「犬臭くって犬臭くってたまらないわ」  
ケ「これから獣になるにはぴったりの場所だな」  
男はあたしをデスクに押しやって座らせる。あたしは手をついて  
男のキスを受ける。あ〜らまあ、いいかげんな見た目からは  
想像もつかないようなとろけるキスするじゃないの。意外ね。  
犬舎の中は、犬と糞尿、飼料の臭いが充満してる。それに混じって  
男に付いた汗と煙草と硝煙の残り香がないまぜになって、  
ハードな気分にさせる。男はR.P.D.とある胸当てを取ろうとした。  
ア「それ取らないで。着たままがいいわ、グローブも」  
あたしはジャケットを脱いでから男の前にしゃがみジッパーを下げる。  
ケ「さっそくターボかけんのか!大歓迎だぜ・・・・やってくれ、  
好きモンなネーチャンだな・・・・ヘヘ」  
 
あたしは男のものを咥え込むと、ゆっくりねぶり出す。  
ケ「・・・っハアァ〜・・たまんねえな・・・・」  
男は溜め息をついてあたしの髪をくしゃっとやる。  
ケ「カッティンコッティンになっちまう」  
言う通り、すぐに口一杯に大きくなった。含みきれない、  
まるで16,7のやりたい盛りみたいなレスポンスの良さ。  
随分溜まってるのね、俄然やる気が出て来たわ・・・・!  
イヤと言うほど搾り取ってやるわよ、見てなさい。  
 
良く制服フェチなんて言うけど、気持ちわかるわ。少しね。  
ほかの警官の開襟にスラックス、帽子、っていうのもいいけど、  
この男の快活な感じのも悪くないわ。むしろこっちが燃える。  
・・・やだあたしの、溶け出してきちゃった・・・!仕方ないわよ  
あたしだってご無沙汰だもの。期待に体が熱くなる・・・・!  
あたしは男の先走り汁を吸って飲み込むと立ち上がり  
スラックスを脱ぎ始めた。ギンギンに勃起した男の顔を覗くと、  
もうオスの眼になってる。情欲に手が付けられなくなった表情。  
 
ア「ねえ後ろからがいい、貫いて」  
あたしはデスクに両手をついて足を広げ、男を誘った。  
ケ「Hey!イケイケだなオイッ、あんたみたいの好きだぜ!?」  
男はあたしの腰に手をやり、Big gunを中にブチ込む。・・来た!  
ア「・・・ああぁッ」  
これよねやっぱり・・・・!男の熱い息が首筋や耳にかかる。  
ア「ガツンとやってCopper!!」  
ケ「着たままはイイぜッ!!善良な市民を犯してる気分だッ!!」  
 
あ・・・・やだ・・・奥に当たる・・・!ごっつい銃の衝撃!  
ア「いいわ・・・ハアッ!」  
ケ「そら!観客にサービスだッ!」  
男は刺したままあたしを持ち上げ蟹歩きしていく。  
ア「やっ、何?何するのっ」  
そのまま檻の前まで運ばれて檻に手をつかされた。犬達が  
あたしに向かってけたたましく吼えたてる、遠吠えする奴まで!  
ア「いやああぁぁぁっ」  
ケ「女のケツだッ!たんと拝めよワンちゃん!」  
男は激しく攻め立てる。犬がいきり立って止まらない・・・!  
必死で檻を掴んで体勢を持ち堪えるあたしの手首に、どこに  
隠し持ってたのか男が手錠を二つかけた。檻に繋がれた・・!?  
ケ「ストリーキングの現行犯だ!はっはーッ」  
手錠の固くて冷たくて重い感覚が手首に伝わる。  
ア「何すんのよッ!」  
男はあたしのシャツとブラを捲り上げ、後ろから胸を鷲掴みにする。  
ケ「見ろよワン公!形のいいオッパイがわっさわっさ  
揺れてんぜ!?どうだッ!おっ勃つかッ!」  
目の前の犬がクンクン言って耳を伏せじりじりと後じさる。  
ア「や・・・やめて・・アアッ!」  
何よコレ!変に興奮するじゃない・・・・!このバカ男ッ・・!  
ケ「はいどッ!」  
男はあたしの腰を軽くペシとやる。  
ア「や、やったわね・・・!・・あっ・・・はっ」  
ケ「走れ走れッ」  
そう言い突きまくる。走ってんのはあんたじゃないッ!!  
 
あたしは仕返しに思い切り締め付けて返す。  
ケ「オイッ・・・・よせ・・!やめろ、すぐに出ちまうッ」  
ア「これでどうッ!?」  
でもあたしも限界、もうイきそう・・・・!あああっ!  
男の動きが一際激しくなり、息遣いも荒れる。  
ア「ヒイイィィィィッ」  
ケ「・・うぅっ・・・あっ・・・ハアァッ・・・!」  
夥しい量の精液が膣内に流れ出し、大砲がドックンドックンと  
脈打つ・・・!犬達と一緒にあたしも遠吠えしたわ、ええ。  
 
息が落ち着くと男は手錠を外して、あたしの手首をそっと撫でる。  
夢中になってて気が付かなかったけど、あたしの手首真っ赤!  
ア「あ、いけない、ポケットティッシュ置いてきたわ・・」  
あたしはチッと舌打ちする。  
ケ「そこのワンちゃんが舐めたがってんぜ」  
男はにやにやしながら自分のものをしまい込む。  
ア「っんとにどこまでも卑猥な男ね!」  
あたしが着替え終わると男は耳元にキスしてきた。  
ケ「久々の御馳走だった、ありがとよ」  
いえいえdでもない、こちらこそ御馳走様。美味しかったわ。  
あたしは男の頭に手を回しキスのお返し。なかなか燃えたわね。  
ア「さ、あたしのお願いを聞いて貰う番よ」  
ケ「ははっ、あんたにゃ敵わねぇよネーチャン」  
男は、涎を垂らして足踏みをする犬の鼻先をチョイとつついた。  
ケ「それじゃ行こうか」  
あたし達は犬舎を後にし、オフィスへ向かった。  
 
ケ「何だってそんなもん見たがるんだ?わかんねぇよ」  
ア「犯罪者の心理ってものに興味があるの」  
男は書類の束をひっくり返し、お目当てのものを探す。  
ケ「あった・・・・・これか・・・?」  
男はファイルをパラパラとめくり中を見る。  
ケ「日付が書いてある・・・・これだな、やっぱりコピーだ。  
いいんだろ?コピーで」  
ア「いいわそれで。本物は保管されてるでしょうし。  
知りたいのは中身、そのコピーをコピらせてちょうだい」  
ケ「好きにしろよ」  
男は笑って厚いファイルをあたしに渡す。  
ア「ありがと」  
あたしはコピー機の待機モードを解除してファイルを見た。  
これは最近逮捕された空港テロリストの犯罪日記。あるつてで  
ここに置いてあるというのを聞いていて、興味を持っていた。  
まさかこんな形で読める日が来るとはね・・・・!フフフッ!  
 
男はイスに腰掛けると煙草を取り出した。デスクにニ、三度  
煙草を落として葉を詰めた後、少し煙草を曲げる。フッ、  
そんなに濃いぃのが吸いたいんならタールを上げればいいじゃない。  
男はデスクに足を乗せ、煙草に火を付けた。イスをギコギコ  
鳴らしてる。傍で見てるとゴキゲンな子供って感じね。  
あたしはコピーを始める事にした。でもやけに分厚いわね?  
良く見ると日記意外にも何かの専門的な図形様の物も挟まってる。  
何かしらこれ・・・後ろにはDa bombとある・・・もしかしてこれ!  
ア「ねえ!ちょっと来て、見て!」  
 
ケ「んー?後にしろよ、まずは一服だ。もう少しだけ  
余韻に浸らせてくれ。良かったぜ?ネーチャン」  
ああもう!・・・・・・待って?そうよ、これも貰っちゃお!  
ア「あら?あたしの勘違いみたい、何でもなかったわ」  
ケ「そうか」  
あっはっは!バカな男!ほんと肝心な所が抜けきってるわね。  
あいつだけじゃないわ、何なのこの署の無防備っぷりは!  
おかげで貴重な資料が手に入ったわ。笑いが止まらない・・!  
 
2人で外に出ると、もう宴もたけなわになっていた。  
あたしは預かり所でトロフィーを受け取ると、男とお別れする。  
ケ「俺はこれからメシだ。・・・・・楽しかったぜ?」  
ア「Me too」  
あたしもよ。  
ケ「気を付けて帰れよ・・・・・」  
そう言ってそばに寄って来て、男があたしの耳に囁く。  
ケ「いいコちゃんでな」  
男は意味深な笑みを見せてあたしの頬をポンポンとやり、行った。  
あたしも背を向けて歩き出す・・・・ちょっと・・・・・!  
知ってて渡したって言うの・・・!?フフッ・・・まさかね!  
振り返ってみると男があたしを見ていた。投げキッスを  
フッ・・とあたしの方に吹いて笑う。あたしは教わった狙い撃ちの  
ポーズを取り、撃って返す。男は胸をおさえ、片膝を付き  
苦しそうな顔を作ってみせる。ふふふ、おばかさん。  
またどこかで会えるような気がするわ・・・・それまで、  
いいコちゃんで、ネ。  
 

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