私がオペを終えてオフィスで一息ついている所に、
重病の急患がノックも無しに飛び込んで来た。
「先生、私、死にそうなんです・・・」
「エレナ。また発作が出たんだね?どれ、それじゃ早速
診察を始めよう。さ、デスクの上に座りなさい」
「はい先生」
「まず心音だ。足を開いてリラックスして」
「こうですか」
「そうだ」
エレナが私の目の前でM字に足を開く。パンティは私が
プレゼントしたもので、真中がパックリ割れている涼しげな
デザインだ。中央にチャックが付いてるものもお気に入りだが。
「上着のボタンをはずして」
「はい」
ブラジャーを下げた胸を大きく開き、聴診器を当てる。
「アッ・・」
左右の乳首を交互に聞くが、心音が聞こえない。
「まずいぞ・・心臓が止まっている!・・・まずは
落ち着きが肝心だ。希望は捨てない・・・!」
私は茂みの中の湿地へと聴診器を移動させる。
「あった・・・良かった・・・心臓はここにある」
「先生・・・」
茄子患者が上気した顔で訴える。
「傷口が疼くんです」
「見せてご覧?横になりなさい」
「は・・い・・」
私は赤黒く化膿し、膿の溢れ出る傷口を指で触診する。
「これは大変だ、傷が広がっている!膿を吸い出さなければ・・」
私は茄子患者の患部に口を付けて膿をゆっくりと吸い出す。
患者は苦しんで悲鳴を上げる。相当悪化している。ひどい有様だ。
「これは今すぐにでも注射を打たないと手遅れになる。決断の遅れが死を招く」
「センセ、早くお注射して助けて下さい・・せんせの・・
ぶっといお注射ください・・・」
「さしてぶっとか無いが注射を打とう。それにはまず消毒だ」
私は疲れマラでエレクトした注射器を、茄子患者の口で丹念に消毒させる。
「よぅし、もう充分だろう。君のおかげだ」
私はイスから立ち、のけぞる患者に特効薬の注射をする。
「・・・ヒィッ・・・・・」
患者はもう末期で、傷口の奥深くまで熱くただれている。
私は注射液が浅い患部でこぼれてしまわないよう努力した。
「せん・・・せっ・・イイッ・・・!ワタシ・・・もう・・」
「まだ、まだだ!もう少し頑張れ、後もう少しで病巣に届く!」
患者は苦しみもがき、四肢を痙攣させる。そうして・・・患者は救われた。
茄子患者は注射器をきれいにし終わると、デスクの上のぬめりを拭き取る。
「先生、やっぱり名医ですね。ワタシ、生き返りました」
「今日の応急処置は一時凌ぎでしか無く、この状況では安心できない。
発作が起きないように定期的に見せにいらっしゃい。さあ、腕を出して」
私は茄子に診察料と、ブランドの時計を付けて送り出す。
また一人患者の命を救う事ができた。石冥利に尽きるというものだ。