地下の牢獄に備え付けられたベッドに腰掛け、考え込むクリスの険しい横顔と、
鉄格子の扉を隔てて交わしたキスの感覚を脳に焼き付ながら、ジルは研究所を探索していた。
エレベーターで運ばれる間、唇に暫しの疼きを感じ、口端から中心の山へ人差し指を滑らせた。
扉の開く音に肩が震え、正気を取り戻したジルは、その唇を噛み締め銃を握り直す。
無意識での動作であったのだろうが、彼女は唇に血を滲ませ、痛めつけるように、やいばを食い込ませた。
「……」
それでも、少女のようにジルの胸は高鳴ったままでいる。
傷口が脈打ち、余計に疼き出した唇を半開きにさせ、熱の息が漏れた。
壁にもたれて、ジルは膝を震わせ、両股を擦り合わせている。
ムチムチと音がなりそうだ。
そのうちエスカレートしてきた彼女は、銃の背中を股の付け根に挿み込んで、
前後に、ひっぱったり、押したりして潤い始めたタイトパンツとパンティの下を、故意に苛め出す。
血の味の舌が口からにょっきり飛び出し、何かを舐めるような真似をする。
「…はぁ、ん…えあっんん」
空をペロペロかき回すと、舌は求めるように、壁に埋め込まれたパイプに絡んでゆく。
頬と乳房が、無理矢理壁に押しつけた所為で片方の形を崩す。
誰もいない事をいい事に、彼女はやりたい放題にやっていく。
壁に押しついてまで舌を絡めて舐め回しているパイプから唾液特有の臭いはしない。
代わりに鉄臭い、雨の工事現場のような臭いがする。
鉄を味わい、血の跡をそこに残して、ジルはついに膝を折ってしまった。
「あぁ…あ〜、はぁっはぁ…」