(あれぇっ? いいケツしてんじゃん)  
 ジムは、思わずアリッサの後ろ姿に見とれてしまった。  
 腰から尻への曲線が、女の成熟度を物語っている。パンツスーツのシルエットが直線的なだけに、ヒップの丸みが余計に強調されていた。  
 ここは廃墟と化した病院。  
 ヒル男から逃げ回っているうちに、頼りにしているケビンとはぐれてしまった。  
 アリッサとジムは、ふたりきりになって、病室にかけこんだ。  
 彼女はすぐにドアの鍵をかける。  
 すこし前屈みになって、尻を突きだしたポーズで作業に熱中する。撫でてくださいと言わんばかりだ。  
(あのケツにさわれねえかなあ・・・)  
 廊下で、彼女がグリーンハーブを拾ったときは、胸元から一瞬、谷間を拝むこともできた。  
 本当は誘ってんじゃねえか? と勝手なことを思った。  
 思えば、普段駅員している時も、ジムは女の胸や尻ばかり目で追っていた。  
 ぱりっとした着こなしで、オフィスに急ぐ女たちは、駅員などに目もくれない。彼女たちにとって、鉄道会社の社員など、ベンチやゴミ箱と同じようなモノでしかないのだ。  
 だから、いい女がいると、体中を舐めるように見まわしてやった。  
 ブラウスを揺らす胸。パンティラインが透けて見える尻。女たちだって、自分の体を見てくれ、とサインを送っているのだ。  
 たまに視姦に気づかれることがある。だが、ちょっと軽蔑されたように見られるだけで、痛くもかゆくもない。  
 もちろん、そんな女たちを、抱けるはずはなかった。住む世界が違うもんだとあきらめている。  
 妄想をたくましくした後は、ダウンタウンに行って、ヒスパニック系か黒人の、安い女をひっかけるだけだ。  
 
(だけど待てよ。このピンチをくぐり抜ければ、アリッサとかいう、この女と親しくなれるんじゃねえか)  
 ジムは、アリッサの危機を救ってやる自分の姿を想像する。  
 怪物にやられる瞬間、おれ様の銃が火を放つ。  
『ありがとう、ジム!』  
『へっへ。スーパーヒーローにかかれば、こんなもんさ』  
『ステキだわ!』  
 だが、ジムの甘い夢は、アリッサの冷たい一言で、破られた。  
「なにボーっとしてんのよ!」  
 きつく睨みつけられた。  
 鍵はうまく閉まったらしい。彼女は身をひるがえすと、病室の真ん中に行き、キャスター付きの椅子の上に立った。  
 どこで拾ったのか、釘打ち器まで取りだした。ダクト口を、補強しようとしているらしい。  
 そういや、ヒル男は、ダクトを通って部屋から部屋に移動するんだったな。  
 ジムがぼうっと眺めている間もアリッサは、てきぱきと作業を進める。が、キャスター付きの椅子がぐらぐらして、思うように釘が打てない。  
「なにスマしてるのよ! 助けて!」  
 いらいらした声でアリッサが怒鳴る。そして、椅子を押さえろ、とジムに命じた。  
「OK」  
 なんだか、南北戦争時代の奴隷になりさがった気分だ。  
 高慢ちきな白人女と、叱られて命令される黒人。まったく情けなかった。  
 
 だが、椅子を押さえながら、アリッサの姿を見上げたとき、ジムは手伝ってよかったと思った。  
 ジャケットの裾の下を、じっくりと覗き込むことができた。  
 ワインレッドのパンツは、ぴっちりと尻を包んでいる。下着の線は見えない。ひょっとするとTバックか?  
 彼女が力を入れるたびに、ふたつの丘が、むちっ、むちっと動いた。  
 黒いインナーが揺れるたびに、腰のあたりの白い肌が、チラチラ覗く。意外なほど、すべすべとして、きれいな肌だ。  
(このスケベ尻に、顔をうずめてえーっ!)  
 ジムは、うすら笑いを浮かべながら、眺め続けた。  
 アリッサは、男の視線に気づいていた。  
 死んだ真似しかできないくせに、いっぱしに性欲ばかりはあるのか、と、冷ややかに思っていた。  
 顔がちょっとばかりロドマンに似ているから強いのかと思ったけど、実際は足手まといになるばかりだ。  
 ひとりになったほうが、全然マシだ。この部屋から出ていく時には、さっさと別行動をとろう。  
 へたれニガーと、運命をともにするのはゴメンだわ!  
 ふんっと、怒りに小鼻をふくらませて、最後の釘を天井に打ち込んだ。  
 その瞬間、椅子がぐらりと揺れた。ジムがうっかり手を緩めたのだ。  
「アウッチ!」  
 釘打ち器の釘が跳ね返り、アリッサの左の親指にぶつかった。  
 たいしたキズではない。だが、血がでている。  
「カンベンしてよ・・・」  
 アリッサは、親指を口にふくんだ。  
 ヒルだらけの病院で血を流すのは、怪物を呼んでいるようなものだ。  
 
「あなた、救急スプレー、もってたわね。あなたのせいで、怪我したんだから、使わせて」  
 椅子から降りたアリッサが、相変わらず命令口調で言う。  
「も、もってねえよ」  
 とっさに嘘をついてしまった。深い意味はない。お高くとまっている女をちょっと困らせてみたかっただけだ。  
 アリッサが、唇をぴくっとふるわせた。  
「ふざけないで。ナースステーションで拾ってたじゃない」  
 見られてたか。  
 ジムは、照れかくしの笑いを浮かべながら、ポケットからスプレーを取り出す。  
「これのことかい?」  
「イラつくわね」  
 アリッサは、手を伸ばす。しかし、ジムは体をひねって、スプレーを遠ざける。  
「おっとっと。アリッサ、ギブ・アンド・テイクだよ。おれの頼みも聞いてくれよ」  
 アリッサは、ため息をつく。気軽にファースト・ネームを呼ばれただけでも腹立たしい。  
 彼女の姓のアッシュクロフトは、英国系の由緒ある名前だ。世が世なら、この黒人は、あたしを「お嬢さま」と呼んでいるはずなのだ。  
「なにが頼みなの?」  
「ここがさっきから立ちっぱなしで困ってるんだよ」  
 ジムは、ジーンズの股間をこれ見よがしに、彼女に向けた。  
 むっくりと重たげな膨らみが、いやでも目に入った。  
(馬鹿な男にかぎって、ペニスだけは立派なのね)  
 アリッサは目を細める。  
「仕方ないわね・・・」彼女は、つやっぽい笑いを浮かべた。「早く言ってくれれば、よかったのに」  
 
 アリッサは、足を一歩前に出すと、ジムの股間を右の手のひらで下から包み込むようにつかんだ。  
 自慢するだけのことはある。ジーンズの上からも、太さ、長さ、硬さが、ぜんぶ揃っているのがわかった。  
 細長い指で、膨らみを二度、三度としごいた。彼女の手には、ゆうに余る大きさだった。  
 ジムは、驚喜した。ダメ元で言ってみるものだ。  
 冗談のつもりだったのに、まさか、本当に頼みを聞いてくれるとは。  
 やっぱ、この女は好き者だな。  
「なあ。よかったら、ジッパーを下ろして、もろにしごいてくれないか?」  
 ジムは、間近にあるアリッサの顔を見つめながら言った。  
「いいわよ」  
 彼女は熱っぽいまなざしで見つめ返しながら、右手で器用にジッパーを下ろした。  
 開いた口に手を差し入れる。ブリーフ越しに握った幹が、びくんと脈打った。  
 熱い、そして湿っぽい。  
「パンツ越しじゃ、感じないよ。じかに握ってくれ」  
「欲張りね」  
 アリッサは、男のブリーフをずりさげた。  
 ブンとうなるような音をたてて、黒いペニスが飛び出してきた。ゴルフボール大の亀頭が、彼女の手首を打つ。  
「こんな状況で、ここを大きくできるなんて。・・・あなた、ほんとうは大物ね」  
 アリッサの指が、黒い幹にからみつく。  
「でへへへ」  
 ジムは、よだれを流しそうな顔になった。  
 次の瞬間、アリッサは、手のひらの逸物を、力をこめて握りしめた。  
「いてててて! 何すんだ」  
 ジムは、激痛に顔をしかめる。さらに股間を膝で蹴り上げられ、胸を突き飛ばされた。  
 思わずスプレーを落とし、痛みに顔を歪めながら、床を転げ回る。  
 
 アリッサは、スプレーを拾い上げ、素速くキズの手当てをした。  
 まだ床に這いつくばっているジムに、冷たい視線を送る。  
「ホントに足手まといなんだから!」  
 唾でも吐き掛けたい気持ちだった。  
 やっぱり黒人とは行動はともにできない。別の安全な場所を探そう。  
 そう思って、彼女がドアに向かいかけた途端、ジムが立ち上がった。  
 さっきまで苦しんでいたのが嘘のように、あっという間に行く手に立ちふさがる。  
「キズ直ったんだろ・・・。おれの方の頼みは、まだ済んじゃいないんだけど」  
 股間からは、ペニスをさらけだしたままだった。  
 蹴り上げられたために、さっきまでの勢いはなくなったものの、それでも十二分に大きかった。  
 アリッサは目をそむける。  
「その汚いモノを早くしまって」  
「約束は約束だよ、アリッサ。手で触るのがやだったら、その可愛い口でしゃぶってくれてもいいよ」  
 ジムは足を前に踏み出し、彼女との距離を詰めた。  
 本気で言ってるわけではなかった。  
 彼女の小さな裏切りと自分へのさげすみが許せなかっただけだ。  
 だから、ひと事「ごめんなさい」と言ってくれれば、それですむはずだった。  
 けれども、アリッサは、あくまでも徹底抗戦の構えだ。  
「これ以上、近づかないで。あたし、護身術を習ってるのよ。あんたのような、汚い黒人から身を守るためにね」  
「へえ・・・」  
 ジムは、だんだんむかついてきた。この女は、絶対におれをまっとうな人間と見ようとはしねえ。  
「それじゃあ、その護身術ってのを見せてもらおうかな」  
 ジムは、アリッサの肩に手を伸ばした。  
 
 アリッサは、肩の上を襲ってきた黒い手をつかみ、関節技で締め上げようとした。  
 が、ジムの動きはフェイントだった。  
 素速く手を引っ込め、今度はアリッサの無防備な腹に、鋭いパンチをくらわせた。  
「あっぐ・・・」  
 拳が背中まで突き抜けていくのかと思った。胃袋を吐き出してしまいほどの衝撃だった。  
「ご、ごめんよ。おれ、これでもボクサーを目指してたんだ」  
 ボクサーかバスケの選手。貧民街で生まれた黒人の成功の道は、このふたつしかない。  
 結局その両方ともプロになれるほどの才能はジムになかったけれど、それでも女を打ち負かすくらいの腕は残っていた。  
 アリッサは、ぜえぜえと肩で息をしている。気力だけで体を支えていた。  
 そこへ、もう一発、ジムのパンチが飛んできた。みぞおちを、ややアッパー気味に突き上げられた。  
「ンきゃうっ」  
 足の裏が2、3センチ、宙に浮いたかと思った。  
 体中の力が一気に抜けた。気が遠くなった。  
 アリッサは、腰をくの字に曲げたまま、その場にひざまずく。倒れそうになる彼女の肩を、ジムがささえた。  
 
(やっちまったよ・・・)  
 心の中で気弱なことを思いながらも、意識が朦朧としているアリッサの腕をもって、床の上を引きずり回す。  
 もう彼女との関係修復は不可能だ。行くところまで行くしかない。  
 ジムは、女の体をベッドに横たえた。点滴用のチューブを使って、手首をベッドの柵に結わえつけた。  
「うっ、ウウン・・・」  
 アリッサの意識が戻ってきた。まだ目の焦点はあっていない。  
「君がいけないんだぞ。おれだって、ナーバスになってたんだよ。それなのに、ツンケンして、おれをいじめるから・・・」  
 べらべら喋りながら、ダブルのジャケットの前をはだけた。ボタンが、ブツッ、ブツッ、と弾け飛ぶ。  
 インナーの黒いキャミソールを、一気にまくり上げた。  
 ブラジャーは、やはり黒のストラップレス・タイプ。白い肌との対比も鮮烈だ。白人女には珍しく、シミやソバカスがいっさい見あたらない。  
 乳房は、決して大きくはかった。しかし成熟した女らしい、官能的な曲線を描いていた。  
 ジムは、ブラを上にずらすと、乳房を剥きだしにした。  
 ふたつの丘が、ぷるるん、と揺れながら現れた。  
 肌に張りがあるので、仰向きでも形が崩れない。乳首を頂点にツンと上を向き、それでいながら下端はまろやかで、やわらかそうだった。  
 薄桃色の乳首と乳暈は、透き通るほどにみずみずしい。  
 ジムは、もう無駄口を叩かない。  
 ふたつの丘を押し包むように揉み上げると、弾けそうな乳首にしゃぶりついた。  
 
 胸を揉まれ、しゃぶられる刺激で、アリッサの頭がはっきりしてきた。  
「あッ・・・、イヤッ。な、なにしてるの!」  
 身をよじって抵抗する。しかし、男の体がしっかりとのしかかっていて、逃れようがない。  
 ジムは、女を脅すように、乳房を強くひねり上げた。  
「あうっ」アリッサの喉から苦痛の声が漏れる。「くっううう」  
 唾液にねっとりと濡れた乳首が、黒い指で転がされる。もういっぽうの乳首は、口に含まれ、歯で柔らかく噛まれていた。  
「う・・・。ま、負けないわ・・・! あたしが、こんなことで、ひるむとでも思ったの!?」  
 美しいショートヘアを振り乱しながら、叫び続ける。  
 だが、ジムは彼女の声をいっさい無視した。いや、あらがう声を聞けば、聞くほど、征服欲が高まった。  
 それにあんまりうるさかったら、時々、乳首を強く吸いたてればいい。アリッサは、「ひっう・・・」と、か細い声をあげて、言葉をとぎれさせた。  
「ひ・・・、ひきょうよ・・・」  
 もてあそばれている乳首が、じんじんと熱を持ち始めていた。疼痛にも似た感覚が、乳房全体に広がっている。  
「んんんッ・・・、あふ・・・・、さ、最っ低!」  
 しかし、アリッサがどんなに嫌悪感を感じても、体は勝手に反応する。  
 今や乳首はこりこりと硬く、反りかえるほどに立っていた。  
 左手と口で乳首を責め続けながら、右手でアリッサの股間をまさぐる。  
 彼女は脚をばたばたさせて、男の手から逃れようとする。  
 しかし、思うように脚が動かない。腹の底にまだ鈍痛が残っていて、体の力が10%も出せない感じだ。  
「やめてよ! ケダモノ!」  
 口での攻撃もむなしく、パンツのホックとボタンが外され、フロントのファスナーが開かれる。  
 ジムの右手が、ワインレッドの布地の下にもぞもぞと入りこんだ。  
「いいっ・・・、う・・・」  
 アリッサは奥歯を食いしばって耐えた。  
 下着の上から、柔らかな媚肉が荒々しくもみたてられる。愛撫などではない。蹂躙と呼ぶにふさわしかった。  
「これ以上、続けたら・・・、アッン、・・・う、訴えてやるわ」  
「よく言うよ・・・。あんたのプッシーだって、すっかり濡れてんじゃん」  
 ジムは自信たっぷりに言うと、股間の縦スジをさぐりあて、指でしごいた。  
「アッ、クッ」アリッサの眉間に皺が寄る。「嘘よ。このヘンタイ!」  
 だが、嘘でないことは彼女自身がよくわかっていた。  
 拳で打ちのめされ、身も心も、どこか緩んでしまったらしい。  
 媚肉をしごかれるたびに、ビクン、ビクン、と電気のようなものが体を走る。ショーツの下で、股間が熱く湿っぽくなっているのがわかった。  
 
「それじゃ、嘘かどうか確かめてみよう」  
 ジムは、自分の体の位置を、彼女の下半身のところまで落とすと、高級スーツのパンツを膝まで下ろした。  
 予想通り、ショーツの色は黒だった。飾り気のないシンプルなハイレグは、活動的なアリッサに似合っている。  
 しかし、いかにふだんの彼女が男まさりにふるまおうと、太腿の間は悩ましげに盛り上がっていた。  
 ジムは、彼女の長い脚を肩にかつぐようにすると、膝が胸につくまで体を折り曲げた。  
「やッ・・・ううッ」  
 アリッサの頬が紅潮する。好きでもない男の前に尻をさらけだすなんて、耐えられない。  
 服の上から想像したとおり、尻肉はぷりぷりと、きれいな丸みを帯びている。  
 Tバックのショーツは、ほとんど一本の紐となって、尻の谷間に深く食い込んでいた。  
 長く股間を揉まれたため、中央のクロッチ部分は複雑によれている。ほとんど性器の形が透けて見えるようだった。  
 ジムは、長年の夢をかなえた。  
 深く息を吸うと、肌触りのいいショーツの真ん中に顔を埋めた。むにっとした生あたかかい感触が、口と鼻を迎える。  
「ハウッ・・・、あ」  
 アリッサの太腿が、ぷるぷるとおののいた。革のローファーの中で、つま先がククッと折れ曲がった。  
 
 やっぱ、バリバリ働いている美人のプッシーは違う・・・。  
 ジムには、そう思えた。  
 高そうな香水と汗、そして体液の甘酸っぱい匂いが一体となって、鼻の奥を直撃した。  
 これだ、と、思った。  
 町でキャリアレディたちが、そばを通るときに、なんともいい匂いがして、鼻をひくひくさせることがある。  
 それを凝縮させたものが、アリッサの股間につまっていた。  
 頬にあたる生尻や太腿の感触も、芳醇だった。  
 ふだんから健康に気をつかい、シェイプアップもしているのだろう。ミルク色の肌は、ぴちぴちと輝いていた。  
 それでいながら、28才という年相応の潤いも感じさせる。パン生地をこねるように、尻をもみたてると、みちっとした肉が、手のひらに吸いつく。  
「んウッ・・・、ア・・・、ジーザス!・・・な、なんで」  
 アリッサの顔が苦悶に歪む。意志とは関係なく、男の責めに反応してしまう自分の体が、許せなかった。  
 ジムは、よだれを垂らしながら、黒いショーツの表面を舐めまわした。  
 もちろん、早く裸にしたい。しかし、服を中途半端に脱がせ、下着をつけたままのプッシーも味わいたかった。  
 一流のキャリアレディーを犯している、という実感がたまらない。今まで自分に冷たい視線を送った女たちへの復讐でもあった。  
 下着に染みついた、仕事のできる女のエキスを、残さずに味わいつくすつもりだった。  
 ショーツをふくらませている媚肉を、鼻と唇で、くにっ、くにっと押し回す。  
 そのたびに、より一層、魅惑的な香りがにじみ出た。  
 
 ジムは、すっかりアリッサの股間の香りに酔ってしまった。  
 目をとろんとさせたまま、ショーツを脱がし始める。  
「オー、ノー・・・。だめ・・・。やめて・・・」  
 アリッサが、絶望と哀願のまじった、切ない声をたてた。  
 果物の皮を剥くように、ヒップの側からクルリと脱がし、太腿の方へとずらしていく。  
 小さな布地は、膝の近くでびーんと横に伸びた。クロッチ部分の裏側に、白いシミが光っているのをジムは見逃さなかった。  
 その液体の源となった、プッシーをしげしげと見つめる。  
「すげえや・・・」  
 感嘆の声をあげずにはいられなかった。  
 陰毛の色は、髪の毛と同じ薄いブロンド。日頃から整えているらしく、きれいに生えそろっていた。  
 その下では、縦長の割れ目がうっすらと口を開いている。  
 顔を覗かせている花弁は、美しいパールピンクに染まり、狭間には透明な蜜がたまっていた。  
 アヌスも、キュッと引き締まっていて、可愛らしい感じだった。  
「ほんとに、すげえや・・・」  
 ジムには、他に表現しようがなかった。  
 これまで、女の体は28才にもなれば、崩れていくものだと思っていた。  
 しかし、それはジャンクフードばかり食って、だらけた生活を送っているクズ女しか知らなかったからだ。  
 自分を磨き続けている女は、この年になっても、美しさを失わない。いや、若さにまかせている時よりも、官能美に深みが増しているようだ。  
 内面からの輝きが、プッシーにも表れ、このうえなく悩ましい曲線を描いていた。  
「すげえ・・・」  
 ジムは、三度うめいてから、長い舌をペロっと出した。  
 膣口のあたりに舌先を置くと、割れ目全体を一気になぞりあげた。  
 
 
256 名前:117 投稿日:04/04/27 10:02 ID:KlqAjODl 
「ハオッ・・・、ウン!」  
 アリッサの口から、甘い声が洩れる。  
 異常な状態に長くさらされていたために、五感がやたら敏感になってしまっていた。  
 眉をひそめ、歯を食いしばり、手首を結ぶ透明チューブを握りしめる。  
 負けたくない。どんなことがあっても、男の暴力には屈したくない。だが、そんな強い意志も、くじける寸前だった。  
 ジムは、指で割れ目を左右に開いた。  
 内側の花弁は、誇り高い彼女に似つかわしく、きりりとエッジが立っている。  
 ふたつのビラビラを、順に吸いたてた。フレンチキスの要領で、すみずみまでレロレロと舐めまわす。  
 そのたびに、アリッサの体が、ビク、ビク、と、わなないた。  
 彼女の反応が、ジムをますます興奮させる。  
 こんなイイ女が、自分の舌に感じている。そう思っただけで、ペニスが暴発しそうだった。  
 唇と舌を使って、割れ目を味わいつくした。アリッサの分泌する愛液の酸味と渋みが、口いっぱいに広がった。  
 割れ目の上端を、上唇で押し上げ、舌先で真珠のようなクリトリスをとらえる。  
 柔らかな陰毛に鼻を埋めると、舌で真珠を転がし、チュチュッと吸い上げた。  
「ひあッ・・・。クッ・・・。イイイッ!」  
 アリッサは、胸をのけぞらせ、太腿をビクンと跳ね上げる。乳房が、ぷるぷると震えた。  
 舌をおぞましいと思う気持ちはある。しかし、何も感じまいとして、体をこわばらせているのも限界に近づいていた。  
 いや、もう限界は超えていたかもしれない。  
 ジムが媚肉をしゃぶりつつ、両手を伸ばして、乳房をつかむ。  
 クリトリスとふたつの乳首を、同時に揉み回された時、アリッサは、  
「アアッン!」  
 と、ひときわ高い声を放ってしまった。  
 
 アリッサの嗚咽にも似た声を聞いて、ジムはますます大胆になる。  
 割れ目を会陰部まで音をたてながら舐めおろし、さらにその下のアヌスの中心に唇を置いた。  
 一度やってみたいと思っていたことだ。  
 今までの女はアヌスの周りにくすみがあったり、形が崩れていたりして、いざとなると萎えてしまった。  
 しかし、アリッサの後ろのすぼまりは違う。色が黒ずんでいることもなく、幼女のおちょぼ口のように可憐なピンク色だった。  
 ジムは、舌先でそのすぼまりを押し広げた。  
「ヒアッ!・・・ひゅい、いいい」  
 アリッサは、おかしな声をあげて、髪を振り乱した。  
 体がさらに熱くなった。恥ずかしさで、血が逆流するようだった。  
 さすがに、舌をアヌスの奥深くへ差し込みはしなかった。キュッとすぼまろうとする蕾の弾力を楽しんだ。  
 臭みはなかった。小皺を舐めまわすほどに、清潔な香りが漂う。  
「すげえ、すげえ。こっちも手入れしてんだな」  
「言わないで!」  
 アリッサは、身をふるわせて叫んだ。できるなら目と耳を覆いたかった。  
 その直後、ジムの人差し指がアヌスを貫く。  
「フオッ・・・く」  
 アリッサの体が一瞬硬直する。全身に電気が走ったみたいだった。ひどくせつない思いがした。  
 差しこまれる時よりも、指を引き抜かれる時の方が、そのせつなさが高まった。  
 第2関節までも入った指が、ゆっくりと引き出される。  
「あいいぃ、おいいい・・・」  
 アリッサは、涙を浮かべて、罠にかかった動物のような悲しい声をあげつづける。  
 だが同時に、居ても立ってもいられないような快感が渦巻くのも自覚せずにはいられなかった。  
「そろそろ、行くぜ」  
 ジムは、自分のジーンズを膝まで下げた。  
 
 ジムのペニスは、下腹部にぶつかるほどに反りかえっている。女の肉体への期待で、ずきずきと痛いほどだ。  
「アアアッ!」  
 脚の間から覗く幼児の腕もほどもある黒いシンボルを見て、アリッサは悲鳴をあげた。  
 黒人とのファックは経験がなかった。  
 10代から今まで交わった男は、白人とアジア系、それにヒスパニック系もいた。その誰のものよりも、目の前の逸物は、太く長く、猛々しかった。  
 まるで異世界の怪獣のように見えた。あんなのを呑みこんだら、体が壊れちゃうんじゃないだろうか。  
 ぼてっとした尖端が、女陰の入口にあてられた。  
 亀頭の先が、花弁やクリトリスのあたりをつつく。愛液は、もうあふれている。  
 いよいよ犯される。  
 そう思ったら、アリッサの目から涙があふれてきた。  
 激しい屈辱感がわいてくる。  
 白人でアングロサクソンでプロテスタント。いわゆるWASPの自分が、かつての奴隷の子孫に陵辱される。  
 遺伝子レベルでしみついた嫌悪感が、理性を揺るがした。  
 アリッサの涙を見て、ジムがにサディスティックな笑いを浮かべた。  
「そんなにいやなら、運だめしをしてやろうか? もともとの約束は、ファックじゃないしね。おれ様のディックをなだめてくれればいいんだ」  
 
 ジムはいったん腰を引き、ポケットから銀色のコインを取り出した。いつも使っている、クォーター(25セント貨)だ。  
「表が出たら、このままファック。裏が出たら、口でいかせてもらう。それでいいね」  
 どちらにしても不利な条件なのに、アリッサは素直にうなづいた。反対したところで、どうなるものでないという諦めがある。  
「アリッサの運命なんだから、コインを投げるのも、アリッサだよ。でも、手でトスするんじゃない。ここから落とすんだ」  
 ジムが、指先に挟んだコインを膣口にあてた。  
「アッ」  
 これまでとは違う、冷たく固い感触に、アリッサの表情がこわばる。  
 コインの直径は、約2.5cm。それが、膣の中へと押しこまれる。  
「ッン・・・、ァアン!」  
 ひと声甘く泣くと、息をつめた。膣鏡を挿入されているような緊張感があった。  
 コインの表に描かれているワシントンの肖像が、濡れ光る粘膜の中に埋まっていく。ジムの指が、冷たい金属を奥深くまで突っ込む。  
「ノー・・・」  
 付け根まで差しこまれた指が、膣内で回転した。複雑に入り組んだ襞を、コインのエッジがかきむしる。  
「そんな・・・。ッック・・・、ッア・・・、んんッ」  
 アリッサの腰が、ビクン、ビクン、と動く。  
 蜜液がとっぷりと溢れ出て、尻の谷間まで流れ落ちた。  
 
「よし賭けるぞ」  
 ジムは、コインを膣口近くまで戻す。  
 続いてアリッサの手首をしばっている透明チューブを外し、彼女をベッドサイドに立たせた。  
 チューブの端を、手綱のようにしっかりと握っている。  
「さ・・・、脚を開いて、腰を振って、コインを落とすんだ」  
「・・・」  
 アリッサは、黙って首を振った。そんなバカな真似できるわけがない。  
「やらないと、またお仕置きだよ」  
 ジムは、アリッサの腹をなぐる格好をする。  
「やめて・・・」彼女は、気丈にもペニスをさらけ出している黒人を見つめ返す。「わかったわよ」  
 とうに誇りは、崩れさってしまったとの自覚はある。  
 しかし、今、大切なのは、生き残ることだ。  
 そのためなら、多少の暴力にも屈しよう。彼はゾンビと違って命をうばうことはないはずだから。  
 そう決意すると、アリッサは腰を前後に振りはじめた。  
 足首にはワインレッドのパンツが絡まったままだし、膝のあたりでは黒いショーツが相変わらずピーンと張っている。  
 剥き出しの陰部を、一心不乱に揺すっている様子は妖艶だった。  
 汗のにじんだ下腹部がてらてらと光る。その下でブロンドの陰毛が、はかなげに震える。  
「アゥッ・・・、アゥッ・・・」  
 アリッサの口から自然と声が漏れた。  
 自らの膣を締めつけるように力を込め、コインを絞り出そうとする。  
 だが、愛液まみれの膣壁に挟まれた金属は、なかなか胎内からでようとしない。  
「・・・ファック」  
 状況を考えたら、洒落にならない4文字言葉が口をついた。  
 
「前後に揺らしているだけじゃ、一生出てこないよ。上下にも振るんだ・・・」  
 ジムは、ベッドに腰を下ろし、下卑た笑いを浮かべながら見ていた。  
「・・・っく」  
 生来の負けず嫌いがアリッサの中で頭をもたげる。こうなったら、意地でも出してやる。  
 膝を素速く屈伸させ、腰を上下にも降り始めた。まるで透明人間を相手に、立位で交わっているような眺めだ。  
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」  
 アリッサの息が荒くなる。  
 想像力豊かな彼女は、陰部に意識を集中させているうちに、妙な気分になってきた。  
 架空のペニスを締め上げているような錯覚にとらわれる。  
 あたしの中でちぎれしまえ!  
 そんな思いをこめて、腰を思いきり揺すった。  
 その瞬間、コインがシュポッと音をたてて、股間から飛び出た。  
 ショーツの上で一度バウンドしてから、下に落ち、床面をころころと転がる。  
 ジムもアリッサも息を止めて、コインの行方を見守った。  
 回転する速度が落ち、そして・・・。  
「お」  
「あ」  
 ふたりが同時に驚きの声をあげた。  
 コインは表も裏も見せなかった。床にできた裂け目にはまり、立ったまま回転を止めたのだった。  
「どっちでもなかったな・・・。仕方ない、口とプッシーの両方で楽しませてもらうよ」  
 ジムは、透明チューブを思いっきり引っ張った。  
 気の抜けたアリッサは、ずるずると彼の前にひざまずく。  
 目の前には、さきほど彼女をおびえさせた巨砲がある。  
「さ・・・、頼むぜ」  
 ジムはアリッサの頭をつかむと、顔面をペニスになすりつけた。  
 反りかえった幹が、彼女の鼻をつぶし、唇を歪めた。  
 
 ペニスの先から滲み出ている液が、アリッサの顔を濡らす。  
 黒人特有の甘ったるい体臭と、濃厚なホルモン臭が、鼻の奥を打つ。  
 ふだんはきっと女には縁がない男なのだろう。それだけに、太いペニスいっぱいに劣情をためこんでいる気がした。  
 アリッサの頭を押さえつけている力を、ジムが緩める。  
 それが合図となった。  
「フム・・・」  
 鼻から息をもらしながら、黒々とした尖端に唇をかぶせた。  
 自分でも驚くほどためらいがなかった。  
 この異常な事態を早く終わらせたいという気持ちがあるからだが、実際には、ジムのまき散らす獣くささに屈服したのかもしれない。  
 亀頭部分を、軽く二、三度舐めてから、幹の部分まで深く口中に含んだ。  
 長い幹は、半分ほどしか口に入らない。喉はすっかり尖端にふさがれてしまった。  
 ペニスを軸に、つややかな唇をゆっくりと前後させた。アリッサの唾液にまみれて、黒い幹がなお一層、妖しく光る。  
「いいよ・・・、最高だよ。アリッサ」  
 ジムはうめいた。  
 マジで、こんなに気持ちいいフェラチオは初めてだった。  
 本心からの奉仕ではなくても、唇の動きは、いかにも成熟した女らしく、こまやかだった。  
 きりっとした唇、軽やかな舌。美人ならではの造形が、ペニスに絶妙な刺激を与える。  
「舌・・・、舌をもっと使って」  
「ン・・・ハッ」  
 一度、せつなげな声をあげてから、アリッサは舌で幹の裏筋を舐め上げた。  
 亀頭の縁や、裏の結び目を、舌先でなぞる。  
 
「フン・・・、ハ・・・、ウゥン・・・」  
 いつしかアリッサも行為に夢中になっていた。  
 舌を這わすほどに、濃厚な男のエキスが脳に染みこむようだった。口の中や、舌先が、自然にざわついた。  
 自分が女であることを実感せずにはいられない。  
 いつもは男勝りで勝気な行動をとっているだけに、すべてを投げ出して女になりきることが新鮮な快感を呼んでいた。  
 しかも、自分が無意識のうちにさげすんでいた黒人に口を犯されている。そのことが、被虐的な喜びを倍増させていた。  
 唇と口を入念に使って、黒いペニスを、シュボッ、シュボッ、と、しゃぶりたてる。  
 時にはペニスを横ぐわえにして、根元まで舐め下ろす。再び亀頭を含み、鈴口にたまっている半透明の液を舌ですくいとる。  
 そのたびに、口中から脳天へと、甘い戦慄が走った。  
 
 ペニスの尖端が、ますますふくれあがるのを感じると、アリッサはペースをはやめる。  
 舌先と上下の唇を、幹の表面に密着させて、素速く顔を上下させる。  
 ちょうど舌の付け根近くが、亀頭の裏側を鮮烈に愛撫する。アリッサに、これをやられて昇天しない男はいなかった。  
「うっひょお〜」  
 ジムもたまらずに声をあげる。  
 アリッサの頭を両手でつかむと、腰を突き上げて、尖端を喉に押しつけた。  
「んウン・・・、ングウッ」  
 アリッサが絞り出すような声を上げたときだった。  
 ペニスの尖端が割れ、大量の樹液が飛び出した。  
 ガッチリと頭を押さえられているので、逃げることもできない。みるみる口の中にどろっとした樹液がたまる。  
 それでも、さらに数回、ジムはペニスを彼女の喉へ向かって突き立てた。  
「全部・・・、飲んでくれ」  
 ペニスを引き抜かれて、アリッサは口を閉ざした。  
 元来、育ちがいいので、たとえ精液といえでも、ところ構わず吐き散らすことができない。  
「ンン・・・ンムン」  
 苦しげな顔をして、口中の樹液を呑み込んだ。が、すぐに喉につまり、大半は咳き込みながら床へ吐き出してしまった。  
 
 ジムは、アリッサの体を抱えて、ベッドの上にうつ伏せに寝かす。  
 丸出しの白い尻をかかえ、ペニスの尖端を谷間に押しつけた。  
「ア・・・えっ・・・」  
 アリッサは、すぐには信じられなかった。  
 ジムの男性は、果てた直後だというのに、固いままだった。少しも萎えずに、股間をぐにぐにと押し回す。  
「アリッサのこと思ったら、あっという間にまたエレクトし直したよ」  
「し、信じらんない」  
 彼女は、驚嘆の声をあげてしまった。そのセリフを言い終わらぬうちに、黒い棍棒が胎内に打ち込まれた。  
「キャウッ!」  
 アリッサは、背中をのけぞらせて、叫んだ。  
 膣の入口を押し広げられた途端、電撃に誓い感覚が体中をかけめぐった。  
 肘をつき、くりんとした尻を突きだして、息詰まるような感覚に耐える。  
 思えば、ここに至るまで、長すぎるほどの前哨戦があった。すっかり濡れきった股間は、ペニスの太さと硬さを熱烈に歓迎していた。  
 ぬぷ、ぬぷ、と、ペニスが膣内を割り進む。もう、それだけで、アリッサは達しかけていた。  
 やがて太い幹が、根元まで収まる。ず〜ん、と快感の塊を胎内に仕込まれたようだ。  
「ぁぁぁぁ〜っ、・・・ぇぐっ」  
 アリッサは、細く長く、甘い嗚咽を放ちつづけた。  
 
「オオオッ」  
 ジムも、歓喜の雄叫びをあげていた。  
 膣内の粘膜が、複雑にペニスを絡みつく。めくれあがった陰唇が、根元にねっとりとまとわりつく。  
 下腹部にあたる真っ白な尻は、あくまでもピチピチと弾力性に富む。  
 いい女は、プッシーの構造まで、並の女とちがうのか、と、感じ入った。  
 胎内のタッチを味わうように、ゆっくりとペニスを出し入れした。  
「ィッ・・・、アアアッ・・・、クゥ」  
 アリッサは、太腿をふるわしながら、小さな悲鳴をあげる。  
 悪夢のような町から脱出しようとしていたため、体も神経も疲れ果てているはずだった。それなのに全身の官能が目覚めきろうとしている。  
 衰えを知らぬペニスの硬さと太さが、彼女の理性を完全に打ち砕いていた。  
 ジムが、ピッチを速める。  
 ペチ、ペチ、ペチと、黒い腹が乳白色の尻を連続して打つ。  
 しなやかな振動が波紋のように広がり、腰から太腿にかけての柔肌をふるわす。  
 蜜液がとめどなく溢れ、ペニスの動きがますます滑らかになった。  
「アフ・・・、ハオッ・・・、アア・・・」  
 アリッサは、知らずのうちにヒップを突きだし、腰全体をくねらせていた。  
 灼熱した鉄槌を続けざまに打ち込まれて、全身が芯から痺れきっていた。  
 
「あー、ダメだよ」  
 ジムは、情けない声をたてると、あわてて腰の動きを止めた。あやうく二度目の射精を迎えるとこだった。  
 ピークが過ぎ去ったのを自覚すると、上体をアリッサの背中に押しかぶせた。  
 手首を縛っている透明チューブも解いた。  
「ハァァァン・・・」  
 アリッサが、長いため息をつく。しかしその声は、安堵というよりも、充実した快感を表してるようにも聞こえた。  
 ジムは、彼女のジャケットとキャミソールを、改めてたくしあげる。  
 汗で光る背中を撫で上げてから、手を前に回し、両の乳房をムギュッとつかんだ。  
「アオオーッ、ンンンムー・・・」  
 アリッサは、たまらずに喉の奥から悲鳴をもらす。両手で体を支え、苦痛に悶えるように眉をひそめる。  
 ジムは、彼女の金髪に顔をうずめながら、手のひらにちょうど収まる乳房をこねあげた。  
 リズミカルに丘全体をしぼりつつ、指先で乳首を転がす。すっかり固くなっている乳首は、指を小気味いいほどに弾きかえす。  
 さらさらの髪の毛ごしに、うなじを舐めると、女の匂いがさらに強まった。  
 
 アリッサの均整のとれたボディは、黒光りする腕の中で、翻弄されつづけている。  
 これまで強く気高いアリッサを思い知らされていただけに、ジムの血も騒ぎまくった。  
 どうせ冷感症さ、と、心の中でののしったこともあった。今は、いい女こそ感度も最高なんだ、と悟った。  
 ジムは、再び腰を小刻みに動かしはじめる。  
「ッア・・・、ンンッグ・・・、オォン・・・」  
 アリッサが感極まった声をあげるとともに、プッシーは、クチュクチュクチュッ、と濡れきった音をたてた。  
 充血してぷっくりとした媚肉は、飽くことなく黒いペニスを呑みこむ。抜かれるときは、名残惜しそうに、びらびらをひくつかせる。  
 愛液は、幹はもちろん、根元の袋まで、てらてらと光らした。  
 ジムは右手を、アリッサの顔に回し、唇をなぞった。  
 彼女は、目の前に来た指を、迷うことなく舌ですくい取り、ちゅぼちゅぼ、と音をたてて舐めあげる。  
 口の中の指と、膣中のペニスが、一本の棒となって、ボディを貫いているようにも思え、異様な高ぶりを覚えた。  
 同時にジムの左手は、腹をすべり下り、陰毛をかき分ける。  
 人差し指と薬指で媚肉を開くと、中指の先で、クリトリスをとらえる。プクッと成長している尖端を、グニグニと蹂躙した。  
「ハオ・・・、ングァァ・・・」  
 アリッサは、黒い指をしゃぶりながら、全身の肉を引きつらせ続けた。  
 
 ジムは、プリプリした尻肉をつかむと、ゆっくりと腰を浮かせて、中腰の姿勢になった。  
 ペニスは突き刺さったままだ。  
 アリッサも脚を伸ばし、ヒップを高々と差し出さなければならなくなった。  
 ジムは、生尻をペチペチと平手で軽く叩く。  
 力を込めたわけではないが、透き通るように白い肌は、ほんのりと桃色に色づいた。  
「ッン・・・ッオ・・・」  
 そんな屈辱的な行為にさえ、彼女は反応し、声をふるわせた。  
 美しくくびれた腰から、クリンと盛り上がった尻までの曲線美を十二分に堪能してから、ジムの手は腰の両側をがっしりとつかみ直す。  
 そして、思いっきり深いストロークを、急ピッチでアリッサの胎内に見舞った。  
「ッングャッ・・・、ッゥオ・・・、ハフゥゥゥゥゥッ・・・」  
 アリッサの嬌声が部屋を震わした。  
 しかし、彼女自身は、あまりにも愉悦が深く強烈なので、声の大きさに気がつかない。  
 ペニスが深くえぐるたびに、体内で歓喜が爆発する。  
 乳房もプッシーも、ひとまわり大きくなったのではないかと思うほど、熱く燃えていた。  
 両手で上体を支えているのが苦しくなり、ベッドの柵を慌ててつかんだ。  
 体勢を整えた分、子宮口で受け止める衝撃が鮮烈になった。  
「・・・aq;trtugh’a.ari」  
 アリッサは、口を大きく開き、声にならない悲鳴をあげる。口の端から、透明なよだれがひと筋垂れた。  
 ペニスが打ち込まれるたびに、全身が前後に大きく動き、体の下の乳房がたふたふと揺れる。  
 脆弱なパイプベッドは、ガタギシときしむ。  
 が、それ以上に、ヌチャッ、ヌチャとプッシーの音が、大きく室内に反響していた。  
 
「今日から二人で最強コンビだぜ!」  
 ジムは、ひと声叫ぶと、スパートをかける。  
「・・・ィィィィィィイエッッス! オオ、来てッ」  
 アリッサも髪を振り乱しながら、絶叫する。  
 柵の鉄パイプをつかみ直すと、美しい脚を伸ばし、ヒップを惜しげもなく突きだした。  
 パン、パン、パン、パンと、ジムの腹が生尻を連打する。  
 そのたびにペニスの尖端が、膣の奥壁をノックした。  
 燃えるような戦慄が、アリッサの全身にしみわたる。  
 滑らかな肌が喜びの汗でぬめ光る。我を忘れて、尻を打ちふった。  
 プッシーが急激にキュッと引き締まり、ペニスを奥深く引き込もうとしていた。  
 ジムもまた、彼女の淫らすぎる反応に、ノックアウトされかかっている。  
 二度目とはいえ、もう限界だった。  
 体中の快楽が、ペニスを目指して集まってくる。す〜っと気が遠くなりかかるようが感覚が迫ってきた。  
「行くぜ・・・、アリッサ!」  
 ジムは、声を絞り出す。  
「・・・ッヒ、ィィィィッ。・・・カムォォォォ・・・・ン」  
 アリッサが、上体をのけぞらせて応える。  
 ジムは、白い尻肉をギュッとつかむと、最後のストロークを思いっきり彼女の中に打ち込んだ。  
 その瞬間、あらゆる欲望が、ペニスの尖端から噴出した。  
 体中が溶けていくようだった。ドクドクと幹を震わせながら、歓喜の液を注ぎ込んだ。  
「フッンンンム・・・、ッアオッ、ンキュゥゥゥゥゥン」  
 アリッサは、頭を真っ白にさせて、身を打ち振るわせていた。  
 歓喜の嵐が、体内で吹き荒れている。これほどのエクスタシーを感じたのは、生まれて初めてかもしれない。  
 目尻に涙を滲ませながら、膣内でビクビクと動くペニスの余韻を味わっていた。  
 
 
 そのときだった。  
 バーン!!  
 大音響とともにダクト口の金網が落ちてきた。  
 血なまぐさい匂いを振りまきながら、ヒル男が降り立つ。  
「ひいっ!」  
 ジムは情けない声を立てると、あわててペニスをアリッサから引き抜いた。  
 が、足元のジーンズに引っかかり、ベッドの下へと仰向けに転げ落ちる。  
 その音に反応して、ヒル男がひたひたと無防備なジムに近づく。  
「・・・おかあぢぁぁん」  
 早くも泣きそうになっていた。  
 アリッサの行動は素速かった。  
 ジャケットのポケットから血液パックを取り出すと、部屋の隅に向かって投げる。ヒル男は、あっという間に、床に落ちた血液パックに吸い寄せられる。  
「今のうちに、逃げるわよ」  
 ショーツとパンツを素速く腰まで引き上げると、アリッサは戸口に走った。  
 ジムが、ジーンズをはき終えた時は、もう鍵を開け、外の廊下に出かかっている。  
 エレベーター前で彼女に追いついた。  
 ファック直後の甘酸っぱい体臭を放ちながらも、彼女の構えは戦闘モードに切り替わっている。  
 ジムは、先ほどまでもてあそんでいた尻を、服の上から撫でた。肌の火照りが、布地越しに伝わる。  
「おれを助けてくれたな・・・。やっぱり愛?」  
 にやにや笑いながら、尻肉をムニュッとつかみ上げた。  
 パシン!  
 アリッサの右手が、ジムの頬を思いっきり叩いた。  
「レイプぐらいで、私を支配できると思わないでね」  
 ジムは、ぼかーんと口を開けたまま、彼女の厳しい顔を見返していた。  
 やがて、エレベーターが到着し、ふたりは乗り込む。  
 腕組みして立っているアリッサを横目で見ながら、ジムは悟った。  
 おれが彼女を屈服させたんじゃない。  
 おれのほうが彼女に屈服したんだ。  
 そして、強く気高いお姉さまに、どこまでも付いていきたいと、心から思った。  
 
 (おわり)  
 

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