「What!」
とつぜん足首を捕まれ、四つん這いに床に倒されて、シンディは叫んだ。
ウカツだった。まさか壁を突き破って、ゾンビが手を伸ばしてくるとは思わなかった。
グリーンハーブなど、のんきに拾っている場合じゃなかった。
両脚をばたつかせて、忌まわしい手をふりほどこうとする。
しかし、ゾンビは恐ろしく怪力だった。
あのボロボロの体のどこに、これだけの力があるというのか。シンディの足首を握ったまま、ずるずると体を店内に入れてきた。
足の先まですっかり入りこむと、ゾンビは彼女の足首を離し、かわりに太ももに抱きついた。
目の前には豊かなヒップがある。タイトスカートの表面がピンと張っている。かすかに三角形の下着のラインも透けて見える。
丘の中心に、ゾンビは顔をうずめた。
「オオッ・・・」
スカート越しに熱い息を吹きかけられた、シンディは慌てた。女のもっとも脆弱で無防備なところを噛みつかれるのではないかと思った。
せっかく手にしたハンドガンは転んだ拍子に床に投げ出してしまった。
尻に頬ずりされたまま、懸命に銃の方へと手を伸ばす。あと少し、あと少しだ。
銃把に指がかかった瞬間、天地がひっくり返った。ゾンビが彼女の足をもって、木の床の上を転がしたのだ。
仰向けになったシンディの膝の間に、死んだ男の体が割り込む。足首を持ち上げられ、長い脚がVの字に開かれる。
自然とスカートがずれあがり、白いショーツに覆われた股間が丸見えになった。飾り気のない下着が、かえってシンディの女らしさを強調する。
スレンダーな体つきだが、胸や腰や太ももは十二分に発育していた。股の付け根も、まろやかな膨らみを見せて息づいている。
ほんのりと縦じわを刻むショーツの中心にゾンビがしゃぶりついた。
「Oh My God!」
シンディは、眉間に皺を寄せて、悲鳴をあげた。
一日中、バーで働いていたシンディの股間には、汗や香水や、さまざまな分泌物の匂いがしみついていた。
その濃密な香りが、ゾンビのかすかな記憶を刺激する。
生きていた頃、ゾンビはこのバーの常連だった。
いつもちびちびとラムのコーク割りを飲みながら、セクシーなウエイトレスの胸や尻を眺めていた。
彼女の服を脱がせ、裸の体をもてあそぶことばかり、想像していた。彼女がどこかの男に股を広げている姿を想像すると、気が狂いそうになった。
そのくせ、彼女が恋人に抱かれている姿を思い浮かべながら、自分の手で欲情を慰めていた。
今、生ける死霊となった彼の脳のなかで、原始的な欲求だけがよみがえる。
シンディの肉体の隅々まで味わいつくすことだけを考えている。
白いショーツの頂点を、何度も舌でなぞりあげる。左右の太ももも、べろべろと舐めまわした。
シンディも、ただされるがままにいたわけではない。両手でゾンビの頭を太ももの間から押しのけようとした。
だが、力を入れた瞬間、ゾンビが急に顔を激しく振り、彼女の手首に噛みついてきた。ナイフのように鋭い歯が、ただれた口の間に光っている。
あわてて引っ込めた腕に、軽くゾンビの歯があたる。
左右の手首に血がにじむ程度の軽い裂傷。それだけなのに、じーんと痺れるような痛みが走る。両手の動きが鈍くなった。
「な、何が起こってるの」
シンディは、毒蛇にまとわりつかれているような恐怖感を、改めて覚えた。
ゾンビは、シンディの腰をぴちっと覆っていたショーツを歯で食いちぎった。
ちぎれちぎれになった白い布地が、両脇や尻の間へと落ちていく。
髪の毛と同じ色のまばゆいブロンドの茂みが現れた。繊細な密毛が、縦長に整えられている。
長らく下着越しにしゃぶられたのにもかかわらず、黄金色の草むらは、若々しく、こんもりと盛り上がっていた。
その上にゾンビのよだれが垂れる。
上半身はベストとブラウスの制服のままだし、ハイヒールも脱いでない。
それだけにスカートをめくりあげられ、太ももの付け根を剥きだしにしている姿は扇情的だった。
「アゥ〜ア〜」
ゾンビは低く唸ると、茂みに鼻を押しつけ、柔らかな肉唇にふるいついた。
太ももを押し開き、舌全体で股間を舐めあげる。瑞々しい秘肉が、むにん、むにん、とゾンビの口を押し返す。
さらにクレバスの上方の肉芽を、思いっきり、吸い上げた。
「アッ・・・クゥッ・・・」
シンディは、ハイヒールの中でつま先を折り曲げた。眉間に皺を寄せて、奥歯を噛みしめる。
顔をのけぞらせた方向に、二階へと続く階段が見える。
仲間たちは、すでにあの階段を昇っていった。・・・助けに戻ってきてくれないものか。
「ヘールプ!」
シンディは、悲痛な絶叫を放った。
銃声が、2発、3発と響く。二階のフロアを、どたどたと踏みならす足音も続く。ケビンかマークか・・・。
しかし、無情にも足音は近づかない。彼らもまた、自分が生き残るために必死なのだ。
その時、シンディの視界にありえないものが映った。彼女は信じたくなかった。
ゾンビが、薄汚れた綿パンを下ろすと、股間で太くて長いものが、ブ〜ンとうなった。
色はどす黒い。腐敗臭と死臭が同時に匂ってきた。
「ああ・・・血が出てる・・・」
シンディの声がふるえる。死体のペニスが、大きくなるなんて・・・。
ゾンビのシンボルは、ところどころがささくれ、血がにじんでいた。獰猛な野獣のように見えた。
その尖端が、ピンク色の秘肉に押し当てられた。
「神様・・・!」
シンディは目を見開き、身をよじらせて最後の抵抗をする。
が、ゾンビの手に腰をがっしりと捕まれていて、自由に動けない。
そればかりか、腰全体を引き寄せられてしまった。まるで彼女自身が腰を突きだし、男性を迎え入れているようなポーズだ。
真っ黒な亀頭が、割れ目をなぞり、膣口を探りあてる。入口を守っている襞が、ぬむっと押し広げられた。
男を迎える準備などできていない。しかし、多量の汗と、なすりつけられたゾンビの唾液が、ローションの役割をした。
ゾンビが腰を動かす。
むに、むに、と、邪悪なシンボルが、シンディの中に沈んでいく。
シンディは歯を食いしばった。見開いた目からは、涙がにじんでいた。
軽く麻痺した両腕が、体の両側でわなないた。
まさに汚物を胎内につっこまれたような気分だった。
ペニスを根元まで打ち込むと、ゾンビは勝ち誇ったように、「んぐぁ〜、うう〜」と、うめき声をあげた。
しばらくは、じっと動きをとめ、ペニスにまとわりつく襞の感触を味わう。
最高の性器だった。
彼女の意志とは関係なく、膣内の襞が亀頭にみっしりと吸いつく。
ふっくらとした媚肉と肉襞が、ペニスの根元をくわえ込むように押し包んだ。
興奮したゾンビは、シンディの首を飾る蝶ネクタイを引きちぎる。
ブラウスの襟元を握りしめ、思いっきり左右に裂いた。
「OH・・・NO・・・!」
ベストのボタンまで一緒に吹っ飛び、シンディの前はすっかりはだけられてしまった。
アメリカ人らしく、普段はブラジャーをつけない。
左右の乳房が、ブルン、と音を立てるように現れた。
白い肌はどこまでもなめらかで、乳輪と乳首はセクシーなサーモン・ピンクだった。先端部は、まるで男を挑発するように、つやつやと輝いている。
ゾンビは、がるる、と喉の奥を鳴らして、豊かなバストにしゃぶりついた。
歯をたてないように注意しながら、唇と舌で乳輪や乳首を吸い上げる。
右から左へ。そしてまた、右の丘に戻る。
チュバ、チュバ、と濡れた音がたつたびに、両の乳房がプルプルと揺れた。
「ハッ・・・、アッ・・・」
顔をそむけたシンディの口から、こらえきれない吐息が漏れた。
ゾンビは、シンディの乳房を握りしめながら、猛然とストロークを開始した。
並み外れた体力をもつ怪物にふさわしい、すさまじい責めだった。
十代から、それなりの男性経験を積んできたシンディだが、こんな性交は初めてだった。
腹の底に響くような連打が、休むことなく襲ってくる。
「アァッン・・・、ハァッ・・・」
シンディは、ガクガクと体をふるわせながら、嗚咽を放つ。
息を吐くときだけでなく、吸うときにも声がもれた。
自分でもおかしいくらいに、体が熱くなっている。陵辱感にさいなまれながらも、感じてしまっていた。
シンディは、気づいていなかった。体内を浸透しはじめたウイルスが、彼女の理性を徐々に失わせているのだった。
根元からこねあげられているバストは、燃え上がるように熱くなっている。
ゾンビの不潔な指の間からこぼれる乳首が、痛いくらいに硬くなっていた。
(いい・・・、いいわ・・・)
男を迎え入れている股間からは、おびただしい蜜液がこぼれでた。
ますますペニスはスムーズに出入りし、体の奥深くをえぐる。
体を焼き焦がすような喜びが、膣の奥から脳天へと突き上げる。
「アオオオオ・・・」
体内を走り回るざわめきに、耐えられなくなった。
知らずのうちに、みずから太ももをゾンビの腰に回し、みっしりと巻き付けていた。
白い下腹部が波打ち、全身が汗に輝く。
体のすみずみにまで快感がほとばしり、頭が真っ白になった。
(わたし・・・、どうなってしまうの・・・)
そう思ったとき、ついにシンディはゾンビは口づけまで受け入れてしまった。
ひび割れた唇や、ざらざらの舌の感触でさえ、快く感じる。歯茎を舐められ、熱い吐息を吐く。
ゾンビの喉奥から湧き起こる死臭でさえ、甘美な香りに思えた。
(もう・・・死んだってかまわない・・・)
それが人間としての彼女の最後の感想だった。
数分後、ようやく助けに来たケビンが目にしたのは、ゾンビたちの肉奴隷と化したシンディの変わり果てた姿だった。