その日、行者は御所へと召されていた。
なんでも、帝の后が憑き物に悩まされており、その祈祷をすべく、大和は
金剛山で久しく修行を積み、霊験並ぶものなしと言われた彼は都へと上り、
加持祈祷を行っていたのだ。帝の后の名は明子といい、染殿の后と呼ばれ、
容色は誠に麗しい、絶世の美女として知られていた。しかし、これまで修行
一筋に行きてきた彼にとって、そのようなことはさしたる問題では無かった。
それどころか、興味すら無かった事だ。彼女の顔を見るまでは・・・・。
その日行者は、祈祷の末、遂に狐を祓うのに成功した。狐は行者の祓いに散々
打ち据えられ、ついには一陣の風となって消え失せてしまった。しかし、その
風は御簾をふわりと持ち上げたために、行者は后の顔を見てしまった。
(・・・・なんと、美しい・・・。・・・まさに絶世・・・・)
たちまち行者は今までに感じた事の無い、胸の高鳴りを感じていた。
(・・・なんだ、この感覚は。いかん、私は一体どうしたというのだ?)
自身の変化に戸惑う行者。その後数日、后の父良房大臣は娘の回復を喜び、
行者を滞在させていたが、その間にも行者の胸中の后への想いはますます
膨らんでいった。その間、行者は毎晩のように后を思いながら自分を慰める
ようになっていった。それを情けなく思いながらも、自分でも対処の
しようの無い行者は、明日大和へ帰ろうと決心した。しかし、その日の
夜だった。その日は満月で、行者は月を眺め物思いにふけっていたが、
そのうちに全身にあふれた后への思いが、狂おしいばかりに一点に集中していた。
それから少しした夜半、行者は自分の寝所を抜け出した。
行者は密やかに、后が眠っている部屋へと忍び足で向かった。長年霊験を積んだ
ため、おのれの気配を殺す事などわけなかった。難なく后の寝所へと忍びこむ
ことができた。后の寝顔が月光に照らされていた。この世のものとも思えぬ、
美しさだった。行者は后の寝ているすぐ横へ近づいたが、もともと物の怪の
つき易い性質だったため、后も気づき目を覚ましてしまった。
「・・・・!」
驚く后。しかし、行者はもはや迷いは無い。后の上に重なると、夢中で后の
唇を吸った。そして、両手で后の寝間着の裾を押し広げ、その美しく熟れた
乳房を撫で始めた。
「・・・・ん、んんんっ・・・」
突然の出来事に狼狽する后。口を塞がれているため声も出せず、もがきながら
乳房と唇を行者のされるままになっている。が、さすがにこの異変には宿直の者や
侍女達が気づき、屋敷は大騒ぎになった。結局行者は当間鴨継という男によって
捕縛され、行者は獄に入れられた。
獄中の行者は后への思いを呻く。獄の司はこれを聞いて大臣に報告した。結局行者は
山に返すことになった。
行者は山へ帰ったはいいが、后への思いをどうにかする事などできようはずは
無かった。結局行者は思い煩い病み衰えていき、とうとう死んでしまった。
そして、その身は天狗へと姿を変えてしまった。憑き物祓いの名人としてその名を
しられたはずの行者が今やその憑き物、妖かしへと姿を変えてしまったのだ。
そして行者あらため天狗はまっしぐらに都へと向かっていった。
后はその日庭先で侍女たちと花を愛でていた。空は青く澄んでいる。しかし、にわかに
暗雲が立ちこめると、件の天狗が姿を現した。天狗は后と目を合わせるや、青白く
おぼろげな光を発した。すると、后の様子がにわかに変わってきた。なにやら頬を桃色に
染め、息づかいが荒くなり、もじもじとし始めたのだ。それを見越した天狗が后の手を引く。
すると、后はためらう事無く、導かれるがままに寝所へと消えていった。
女房たちはある者は気を失い,あるものは呆然自失の態。なんとか気を強く持った女房が
后たちの後を追う。そして、寝所へと近づくにつれて、衣擦れの音が聞こえてきた。
寝所の中では、天狗のなすがまま、后のその身にまとっていた着物が一枚ずつ
脱がされていた。きらびやかの装束、緋色の袴なども脱がされ、残るは肌着
一枚となっていた。それも引き剥がそうとすると、
「・・・・あ・・・これ以上は・・・お許しを・・・・恥ずかしい」
と言ったが,その目はとろんとした、天狗への媚びの色が見られ、体の震えも
羞恥というよりかは、これから与えられるであろう快感への期待と妄想からくるものだ。
天狗はそれに構わず最後の一枚も引き剥がし、后を全裸にした。
「・・・・おおおお・・・」
思わず嘆息をするほど后の体は美しかった。なめらかで美しく白い肌に、たわわに実った
乳房。その先端はいやらしく色づき、すでに立ち上がっていた。腹はすこしもたるまず、その
下の陰阜も見事で、股間の若草が萌え出るが如しといった風情だ。
天狗は早速后を床に寝かせると、その胸を吸い始めた。
「ああっ、ふうぅ、あっ、あっ、ああ・・・」早くも声を漏らす后。さらに天狗は乳のみならず、
両手を使って后の部位の様々を愛撫する。白い背中を指で撫で回し、豊かな尻をぎゅっと掴む。
「・・・・ひッ!・・・んんぁ・・・ああ、あっ、んあぁ〜」
その度に后は激しく悶え、今自分を弄んでいる天狗にしがみつく。そのうちに
天狗は后の股間へ指を動かし、后の恥部の感触を楽しんでいた。その指が勃起した陰核にふれると
思わず后は体をひくつかせ、快楽にのめり込んでいく。后の恥部は天狗の指で撫で回され、体中に
与えられる快感によって、その淫液を溢れさせていた。
「あ・・・あああ・・・ああ」
后は天狗に攻められるがままに、声を上げて悶えていた。
天狗の方は后の股間やら胸やらを弄び、后の肢体を堪能している。頃合いを
見た天狗は、后の陰唇を撫でながら、耳元で囁いた。
「・・・ふふふ姫よ、そろそろ、ではないのか?」
后は天狗から与えられる快感に全身をひくつかせながら、切れ切れに答えた。
「・・・は、はい、・・・・はあぁ・・ぎょ、行者、様・・・妾と・・・
ま、ああ・・・まぐわって・・・下さりませ・・・」
その答えを聞くや天狗は自身の一物を后の中へつき入れた。
「ああ、んああ〜・・・」
后が声を上げ、天狗の一物を締め付ける。天狗が本願を達した瞬間でもあった。
天狗が腰を動かし、一物が后の産道を行き来する。たまらず后は歓喜の声を洩らす。
「んああ・・・・ひああ・・んんん・・あああ」
天狗は腰の動きや早さを変えながら、巧みに后を攻め続けた。女性とは無縁だった行者の
頃からは考えられない事であった。后は天狗の背中に手を回し、しがみついている。
そして、天狗の攻めがエスカレートするごとに、后の喘ぎも、腰の動きも激しいものになっていった。
「ひっ・・あっ・・あっ、あっ、あうう・・・」
天狗はいよいよ仕上げにかかっていった。后の首筋に吸い付きながら、腰の動きを一層激しいものにしていった。
「あ・・も、もう・・ンあ・・ヒッ、い、いきまする、イ、い、いくぅ・・・っ」
后は一度目の絶頂に達していた。