馬を駆けさせて後、政子は一人川に向かった。
浅瀬で肩をはだけて汗をぬぐっていたのだが、
後ろで人の近づく気配がして振り向くと、
そこには先日川を挟んで自分を笑っていた頼朝が
こちらを見つめて立っていた。
(なぜ佐殿がここに?)
じりじりと近づいてくる頼朝。
その目が何を考えているのか分からず恐ろしく政子は逃げ出したかった。
だが、曳いてきた馬の元へ戻るには頼朝の傍を通らねばならず、
政子はただ川の中に立ちすくむしかなかった。
はだけた肩をしまうことさえ思いつかず、
着物を握り締めひらすらに体を固くしていると
頼朝がざばりと川に入り、政子の体を強く抱きしめた。
「何をなさる!」
何をされるのか分からないという恐怖感から
体がガタガタと震えたが、それでも気丈に怒鳴ると
頼朝は政子の耳元に低い声でささやいた。
「このような姿で・・・襲われても知りませぬぞ」
「ひぁっ」
そのまま耳を舐られ、次第に頼朝の舌が首筋、肩と降りていくにつれ
政子は初めてのことにわけがわからず、ひざが震え、しゃがみこんでしまった。
「それでは濡れてしまいますぞ」
力の抜け切った政子を川から連れ出すと、
川縁にある乾いた草むらに横たわらせ、胸元の前で固く握り締められていた手をゆっくりと開かせる。
「や、やめて・・・」
自分より大きな男に覆い被さられ、泣きそうな声を出してしまう。
普段の政子の姿からは予想もつかない。
だが頼朝は手を止めることなく、袷を開き白い乳房にかぶりついた。
「ああっ・・・あ、やぁ」
やんわりと揉み上げ、頂を吸い上げると女らしく声をあげてゆく。
「おや、普段とはまるで違いますな」
「そ、んなぁ」
「ここをこのように、されるのがお好きでしょうか」
「あ!あぁぁっ」
片方の頂を手で、もう片方の頂を口で弄り回す。
「やめてくだされ、こんな、こんなぁ・・・」
何度も強く揉みしだいていくと政子が腿をすりあわせるように動いた。
手をゆっくりと差し入れていくと、そこはしっとりと濡れていた。
「先ほど川から出して差し上げたのに・・・川の水で濡れてしまったのですか?」
くちくちと弄くると政子は顔を真っ赤にして横に振った。
「それとも、お楽しみいただけたということでしょうか」
「ち、違います・・・あっ、ああああっ」
政子が否定すると更にそこに差し込んだ手を激しく動かしていく。
その刺激に耐え切れず、政子の口からは嬌声が絶えず漏れ出していた。
「ふ、ああっ、」
「否定なさらずとも、楽しもうではありませんか」
私もこのようになっていますよ、と頼朝が自分のものを出すと、
政子は初めて見る男性のその部分に目が釘付けとなった。
その反応が頼朝はなんとも愛おしくなり、ぴたりと政子の手を自分のそれに導いた。
「ひゃあっ」
「驚きましたか?これから一緒に楽しむのですから、どうぞよろしく」
そうして濡れてはいるもののまだ狭い政子の入り口に自分のものを当て、
時間をかけてゆっくりと貫いていった。
「いた、痛・・・っ」
狭い道をゆっくりと時間をかけて広げ奥へ進んでいく。
途中何度も政子が涙を零し訴えたが、頼朝は目尻を舐めてその涙をぬぐい、
口付けと胸と耳元への愛撫を繰り返して宥めた。
そうして奥へたどり着くと、その心地よさに思わず放ちそうになる。
だがまだまだ楽しみたい、とゆっくり動き始めた。
「あ、ああっ、んぅっ」
「・・・まだ、痛いですか」
「あああっ、は、ああっ、はい、あ・・・っ」
今日はもう政子が気持ちよくなるのは無理だろう、と思い
果てを目指して動きを激しくしていく。
そのたびに女の嬌声が川縁に響き、草の擦れる音がした。
「あ、あぁぁぁっ、佐殿・・・っ!」
「政子殿、政子殿・・・・そろそろ、いきますぞ・・・」
「佐殿、や、ああああぁぁぁぁっ!」
「・・・くぅぅっ!」
最後の一突きと共に頼朝が勢いよく弾け、ドプドプと白濁が注ぎ込まれていく。
政子は初めて自分の中に注がれる感触に身じろぎ、
また初めての性行為に頭がぼんやりと霞がかったまま、草むらに横たわっていた。
頼朝はぼんやりとしている政子の体を手ぬぐいで清め、
敷いていた服を軽くかけなおしてやると
またあの得体の知れぬ笑いを浮かべ、去って行った。
「政子殿、また共に、楽しみましょう」
去り際の言葉に、政子は先程まで突かれていた部分が疼くような気がした。
(おわり)