前書き:
秋山信友は武田信玄の家臣で、信玄にも恐れられた切れ者。
織田ゆうは織田信長の叔母(ちなみに信長より若いですし、美人)。
「ゆう」では読みにくいでしょうから作中では「優」と勝手に表記させていただきます。
前置きが異様に長くかったるかったら、(かなりかったるいのです)そこら辺は読み飛ばして下さいませ
織田軍が迫っていた。
設楽ヶ原で大敗してからといもの、武田家の運命は傾き始めていた。
織田軍は優と信友のいる岩村城を狙っているらしい、との情報は奥にも聞こえて来ていた。
優は憂鬱な面もちで夫を待っていた。
月が出ているのか、障子から微かに光が差し込んでいる。静かな夜である。
とそこに、からり、と障子の開く音がした。信友が入ってきた。
ろうそくの光越しに見た信友の顔は、いつもにも増して神経質になっていた。
夫のやつれ切った髭面を見た優は、励まそうと無理に明るい顔をしてみせた。
「ご苦労様でございます。」
「優、わしは疲れた。」
「武田家一の知恵者の信友殿が何をおっしゃいます。」
普段は寡黙で、弱音を吐かない夫には珍しい事だった。
「なあ、優よ。久しぶりにおぬしを抱きたい。」
出し抜けに言われた優は、恥じらうよりも笑ってしまった。
「信友殿にも少しは欲といものがあるのですね。」
「優、おぬしが好きだ。」
信友の顔は幾らか熱っぽかった。
「おぬしが好きだ。」
信友はもう一度言った。
今度ばかりは優も顔を赤らめた。初めての床を思いだした。
優が初めて信友の顔を見たのはいつだっただろうか。
武田信玄の西上が始まってまもなく、岩村城は武田軍に囲まれた。
その頃の岩村城は織田の勢力下にあり、優が城主代理を務めていた。
これには経緯がある。
優はもとは織田家の出で、信長の叔母に当たる。
政略昏で元城主の遠山景任に嫁いだのだが、その景任が早逝した為、未亡人になった優が城主代理として岩村城を取り仕切る事になったのである。
優は夫の景任が死んでも悲しくはなかった。
元が政略昏であるし、接する機会も少なかった。なにより景任は冷たい男だった。
優は戦国の世に女として生まれたことを恨んだりもした。
ただ彼女は天性が明るいのか、そんな事を忘れるようにして立派に城主代理を務めた。
そんな折りも折りに、信玄の西上が始まったのだ。
戦略上、美濃にも別動隊が攻めてきた。
別動隊は凄まじい速さで東美濃にある岩村城を包囲した。
岩村城は武田軍のあまりの速さの為、籠城準備ができていなかった。
援軍の来る様子も無く、状況はすこぶる悪い。
その時の絶望感を優は未だに覚えている。
その武田軍別動隊の指令官こそが秋山信友である。
岩村城を囲むとすぐに信友は城に矢文を打った。
優はその矢文を見た。
「織田ゆうガ秋山信友ノ妻トナレバ城兵ノ命ハ皆助ケル。家老、雑役ニ至ル者マデ、皆ノ地位ハソノママ保証スル。」
そう書いてあった。
優はすぐ決意した。
甥の信長は中央の対策に忙しく、援軍をよこす様子は無い。
城内の戦意は低く、食料、水も無い。
城兵の命が助かるならば、秋山信友とやらの妻になるのは致し方無い、と。
家老は皆反対しなかった。
岩村城を明け渡しは呆気のないものであった。何事も迅速に進んだ。
しかしながら、信友と優の婚儀はまだ済んていなかった。
(どうせ傲慢で嫌な男に違いない)
押しかけ婿なんてふざけた要求をする男だから、どうせ嫌な男に違いない、優がそう思うのもあたり前であった。
そもそも彼女の接して来た男は皆嫌な男ばかりで、前夫の景任などは特に酷かった。
優を性欲解消の玩具だとしか思っていないような男である。
彼女がまともに知っているのはそんな男ばかりだった。
優は、まだ見ぬ信友を疑っていた。
織田家は美人をよく生む。
優も出色の美人である。
信友が出したあの条件は、自分の美貌目当てだと思っていた。
優に限らず戦国の女の扱いなど皆それが普通である。
岩村城の事が一段落すると、優と信友は初めて会う事になった。
優は対面の間で型通りの挨拶が済むと、信友の顔をまじまじと見つめた。
信友は神経質そうな顔立ちであったが、なかなかの美男子ではある。
が、ひどい仏頂面だった。優はその表情を冷酷と見た。
言葉は交わされず、対面はすぐ終わった。
婚儀が済み、信友と優は寝床に入ることになった。
寝室で、ふたりは黙りこくっていた。
優はこれから信友と契りを結ぶかと思うとぞっとしていた。
と、突然に信友が喋り始めた。
「わしには妻も側妻もいる。しかし、おぬしを決して粗略に扱うつもりは無い」
実の所、信友は驚いていた。優の美しさにである。
(この女、天女か)
信友は対面の間で初めて会った時、大袈裟では無くそう思った。
息を呑み、何も言えなかった。
信友は戦術が主君の信玄に似ていた。
異常に頭が切れる所も信玄に似ていた。
そのせいで信友は、信玄に恐れられていた。
羽柴秀吉が黒田如水を恐れたように、である。
実質、山県昌景や馬場美濃などの信玄の側近よりその頭脳は優れていただろう。
しかし信玄の天才的な用心深さによって、信友は意識的に遠避けられた。
西上作戦でも信友は本軍に入れてもらえなかった。
信友が指揮する別動隊は、東美濃を脅かすのが役目である。
確かに重要な役目ではあったが信友でなくとも務まる任務だった。
信友は常に満足に働く場所を与えられなかった。
信友は狼狽している。
いわゆる、ひとめ慕れ、かもしれないと思った。
初めて会ったその時からその狼狽は続いていた。
信友が信玄と決定的に違うのは、何事につけ欲が少ない事であった。
とくに女欲が少かった。
妻を娶ったが、仲は決して良くない。
側妻も人に進められ娶ってみたが、今ひとつだった。
信友の関心事は戦争にしか無く、その性格の特異さから女を好かず、同時に女に好かれなかった。
自然、信友は奥手になった。
押しかけ婿をしろ、と言ってきたのは信玄の指令である。
なんの策略かは知らないが、信友は好きでそんな事をやる男では無かった。
その奥手な信友が、女を好きになった。
信友はこうして優と寝床で向かい合い、ときめいている自分に驚いた。
とりあえず信友は寝まき姿の優にこういったのだった。
「わしには妻も側妻もいる。しかし、おぬしを決して粗略に扱うつもりは無い。」
優は時驚いた。信友からこのような言葉を聞くとは思わなかった。
前夫の景任はただ荒々しいだけだったが、信友のこの言葉には優しさに満ちていた。
これを言った信友の顔は相変わらずの仏頂面だったが、緊張の為か赤くなっていた。
優はその顔がおかしかった。
「優、おぬしが好きだ。初めて見た時からそう思った」
なんと物を率直に言う男だろうか。
信友は女と接する事に馴れておらず、気の利いた言葉が言えなかった。
もとが女に気を遣わない男である。
気の利いた言葉など言えるはずもない。
優は突然の告白に驚く前に、信友の無骨さを感じ取って、くすり、と笑ってしまった。
「何故笑った」
「だって」
優は信友の顔を見つめた。
信友は明らかに狼狽していた。
「だって、なんだ?」
「その後を言えば信友殿は怒ります。」
「かまわぬ。申して見よ」
「では、その顔です。信友殿の顔が急に」
かわいくなった、と言おうとしたが、かわいそうに思った。
「赤くなってしまわれたので」
結局こう言った。
「そうか」
信友は自分の顔を、つるり、と撫でてみた。
「はてな、赤いか」
信友はまた変な顔をしてみせた。
今度は困ったような顔である。
優は、悪い人ではない、と思った。
その後、夜が明けるまで優と信友は語り合った。
信友は押しかけ婿をした理由を話し、優は自分の境遇を話した。
その頃にはもう優は完全に信友を信用してしまった。
なぜなら、信友はその日は語り合っただけで、優に手を出さなかったのだ。
翌日も信友は優のもとに来た。
この日も優に指一本触れなかった。その次の日も信友は来た。
その夜、優はそれとなく自分を抱かない理由を聞いてみた。
信友はこう言った。
「女を抱く作法などしばらくしてないから忘れた。」
嘘だ。信友は優に気を遣っていたのである。
しかしどうも呑気な嘘である。
優はふと前夫景任の事を思い出した。
信友は限りなく優しいのに、景任は一度でも自分に優しくした事があっただろうか?
優の目が急に潤んだ。
「どうした?わしは何か悪い事を言ったか?」
信友は急に優の眼に涙が浮かんだので焦った。
「いえ、信友殿が」
涙が優の頬を伝った。
「信友殿があまりに優しすぎるので」
優は信友の胸に顔を沈めながら、言った。
「わたしは女として生まれて、辛ろうございました。女は所詮道具です。その運命があまりに憎らしゅうございました。だけど」
優は信友に抱きつきながら、信友の顔を見た。
優しい顔だった。
「信友殿があまりに私に優しくしてくれるので、急に涙が溢れてしまったのです」
信友は優を抱きしめながら、言った。
「これからはもう、辛い思いをしなくてもよい。わしと共に暮らしていこう。楽しく、な」
相変わらず信友の言葉は気が利いていなかった。
優は微笑みながら、しっかりと頷いた。
ろうそくの灯が消えると部屋は真っ暗になった。
優はその日初めて信友に抱かれた。
武田家中で信友は一番の戦巧者と恐れられていたが、武田一の戦巧者も優の前では奥手な呑気者でしかなかった。
優はそれで良かった。
優と信友は似合いの夫婦になった。
二人は仲睦まじく、それからの日々を過ごした。
その楽しい日々も戦国の世の怒濤に呑まれようとしていた。
「優、おぬしが好きだ」
初床の事を思い出していた優は、現実に戻った。
信友は優を抱きしめ、その口を吸った。
そのまま二人は倒れ込んだ。
「信友殿、灯が」
夜の情事をなそうとするのに、ろうそくの灯が点ったままだった。
「よい。今宵はおぬしの乱れた姿を見てみたい」
そんな、と優は顔を赤くして抗議しょうとしたが、再び口を吸われてしまった。
信友の舌が優の口内に入り、舌をまさぐる。優は甘い感覚に襲われながらも、その感覚に抗って信友の唇から顔を離した。
「いけませぬ。優は恥ずかしゅうございます」
信友の顔は何かに憑かれていた。
優は普段と違う夫の顔を見た。
信友は優が抗うのも知らない顔で、優の寝まきを脱がしにかかる。
「あっ」
信友は眼にも止まらぬ速さで優の寝まきを剥いでしまった。
ろうそくの灯りに、優の白い体が照らされた。
そして信友は、再び優の口を吸った。
優は呆れつつも夫の貪欲ぶりに驚いた。
また抗議しようとしたが、やめた。
この暴走した夫を止めるのは難しかろう。
信友は優の肋骨の一本一本をなぞるように口づけし、優の体が温まってくるのを見計らって、乳房を揉みしだき始めた。
優は豊かな乳を柔らかく揉まれると、抗議がどうのと考える暇が無くなった。
「・・・んっ、んっ、あっ」
優は恥ずかしそうに声を上げる。
信友は優に更に刺激を与える為に乳首をさすり始めた。
薄明るい部屋で、優は喘いだ。
「信友殿、優は、優は恥ずかしゅうございます」
優は刺激で舌が回らなくなっていたが、まだ理性は残っていた。
信友は乳房への愛撫を続けながら言う。
「そうは言うがの、おぬしのここは」
と言いながら信友は乳房から手を離し、優の“そこ”に触れた。
「んんっ」
「溢れておるぞ」
信友は悪戯っぽく笑った。
信友は愛撫を止めると優の足を無理矢理に開かせ、優のそこをまじまじと見つめた。
「ちょっ、信友殿、冗談はやめなさりませ」
優は本気で恥ずかしがり、信友の頭をどかそうともがく。
信友は優のそこにある、赤く充血した陰核をむいた。
「あふぅっっ」
優はとたんに力が抜けた。
「信友殿、卑怯です」
「武将など皆、卑怯者ばかりだぞ」
信友は開き直った。
信友の視界には黒黒と茂った陰毛と、桃色で濡れたそこが広がっていた。
信友は口を吸うように、優のそこを吸ってみた。
「あっ、んん、あああっ」
優は肌を桃色に染めながら、嬌声を上げた。
優のそこが蜜で溢れかえった。
快感の波が優を襲い、その脳を焦がした。
信友は自ら着物を脱いだ。
ぬっ、と信友のものが姿を現す。
既にその見事なものは張りつめている。
優は信友を直視できない。
まともに男のものを見たのは初めてである。
(これは化け物だ)
優は信友のものをちらりと見た時そう思った。
それは信友の欲望の化け物である以外何者でもない。
信友は眼で優に
(なめてくれ)
と問うてみた。
(いやでござります)
優も眼で返した。
「いつもしている事ではないか」
今度は口で言った。
「でも、灯りの点っている所でした事はござりませぬ」
優は赤い顔をして抵抗した。
(お願いだ)
再び信友は眼で懇願した。
「お願いだ」
口でも言った。
ここまで言われれば、優も承知せざるを得ない。
優は恥ずかしげに頷くと、信友のものににじり寄った。
恥ずかしげに頷いた優の所作は、ひどく可愛い様に信友は感じた。
(これはやはり天女だな)
信友は再確認した。
優は信友のものをのぞき込める所まで近づくと口を僅かに開き、その棒に唾液を垂らす。信友のものは熱い液体に触れるだけで反応した。
邪魔にならぬよう髪を掻き上げ、恐る恐る舌を伸ばし、そのものの先端をなめた。
信友は快感に震えた。
先端だけでは無く棒状のものを満遍なくなめ、それがいよいよ硬くなると、優は躊躇いがちにそれを咬える。
犬が骨をしゃぶるが如く、優も棒をしゃぶった。
顔を赤らめ、恥ずかしげに棒をしゃぶる優の顔はなんともいえず生艶かしかった。
優は信友に見られて、恥ずかしくもあったが興奮もしていた。
そこがじんわりと濡れた。
「んんっ」
部屋には優の鼻息と、何かをしゃぶる卑猥な音だけが響いた。
優は玉を頬張ろうと、小さい口を精一杯開けて奮闘した。
それをすると信友が喜ぶからである。
額に汗が滲んだ。
髪が下がると、また掻き上げた。
自分を喜ばそうと、汗を滲ませて頑張る優を見て信友は
(俺の天女を悲しませてはならぬ)
とつくづく思った。
戦争は二度としたくなかった。
兵の為、民の為、そして戦に行く自分の姿を見守る優の為に。
愛する者を持ち、信友は変わった。
あまりにも優は愛しおしすぎた。
「優っ」
信友は叫んだ。
「入れるぞ」
優は、えっ、と口を離した。
信友の顔が野獣の顔になっていた。
棒は自己主張した気にそそり立っている。
信友は優を下にして覆い被さるような態勢になり、優の顔と向かい合わせになった。
優は覚悟した顔で
「来て」
と囁いた。
優のそこは痛い程に疼いている。
信友は優のその疼きを一気に貫いた。
信友と優がひとつになった。
「ああぁぁぁっ」
優は甲高い、歓喜の声を上げた。
何かが解放された声である。
信友は動かずに、締め付けてくる感覚を楽しんだ。
信友が悦に浸っているとその時、
「動いてくだりませ」
と優が小声で呻いた。信友は微笑み、ゆっくり体を動かし始めた。
初めは遅く、序叙に速く、緩急を付けて。
「あっ、んっ、あんっ、ああぁぁっ、んんぅ」
肉と肉がぶつかり合う音も、優の歓喜の声に掻き消された。
優のそこの壁が、信友の棒の締め付けを強くする。
「あんっ、あっ、ああああぁっ」
信友は態勢を変え、優を四つん這いさる。
そこで信友は腰の動きを止めた。
「動いていい」
信友は優に、自ら動いてよい、と指示した。
優は迷った。が躊躇しながらも優は自ら動いた。
快感には勝てない。
優は、自らに棒を擦りつけるように動いた。
自ら腰を振り、快感を得ようとする優の顔は淫乱に微笑んでいた。
「んああぁっ」
髪を振り乱し、涙を流し、優は動く。
そのまま信友と優は向かい合わせに座るような体位になり、また動作を続けた。
どちらとも無く口を吸った。優の白い乳房が激しく上下に揺れた。
全てが明るく照らされている。
どちらも、もう二十代の若者同士では無い。
しかし二十代の若者のそれより激しかった。
二人は獣になった。
二人の生き物は一心に腰を振った。
信友と優の動きは更に激しくなった。
信友は汗を流して射精を堪える。
その結合部からは卑猥な粘着音が聞こえ、歓喜の声は高まり続けた。
「ああああぁぁぁっ」
その嬌声が絶頂に達した時、優も絶頂に達した。
快感の波が襲い朦朧とした意識の中、優は信友が低く呻くのを聞いた。
信友の動きが大人しくなり、やがて止まった。
静寂が訪れた。
そこには欲望の固まりが去り、ただ二人の男女がいるだけになった。
しばらくすると部屋からは楽しそうな睦言が聞こえ、やがて灯が消えると寝息がするのみになった。
朝の日差しが部屋に差し込むと、優は眼を覚ました。
信友はまだ寝ていた。
優は信友を起こさぬように布団から出ると、鏡に向かい乱れた髪を直した。
しばらくすると信友も布団から這い出てきた。
優が不審に思う程、妙に信友の眼は輝いていた。
「なあ優よ、こういう手紙が来ている」
信友は手文庫から手紙を出して優に見せた。
優の顔色が変わった。
手紙の差出人は織田信長である。
手紙には、信友が城を明け渡せば、全兵を助けるだけでなく信友を家臣に迎えると書いてあった。
信友は静かに言った。
「俺は織田に降る」
信友はもう戦いたくなかった。
民を、兵を、そして優を苦しめたくなかった。
後ろめたくは無かった。
信友は自分に相応した活躍の場を与えぬ信玄を、そして勝頼を裏切る事に罪悪感は感じなかった。
戦って勝てる相手では無い。
時流は武田を見放している。
信友は優が生まれた家で余生を過ごしたいと思った。
優は自分に気を遣うなら止めろと言った。
しかし信友の決意は変わらなかった。
「俺は後の世、武田を裏切り、武田の崩壊を速めた逆臣と言われるだろう。それでも良い」
信友がそこまで言ったかは解らない。
とにかく秋山信友は織田に降った。
信玄の死から三年の事である。
信友は信長に対面する為、岐阜に向かった。
そこで捕らえられ、殺された。
信友は信長に裏切られたのである。
優も捕らえられ、信長本人に殺されたという。
信長にしてみれば、優も裏切り者であった。
優の一生は男に翻弄され続けた一生であったが、愛する男に恵まれたのは幸せだったかもしれない。
信玄が死んでから三年、武田家滅亡は七年先の事である。
終わり