「いいかい、この国はもうダメだ」
カテリーナは背後から従兄弟のアンドレアに正面から貫かれていた。
「トルコ人はますます力を増している。このままだとこの島は彼らものだ」
逞しい陰茎を巧みに操りながら、若いイタリア男は女王を追い詰めていく。
「君もまだ若いんだ。こんな綺麗な女性を朽ちさせてしまうのは、あまりにも勿体ないよ」
耳元で甘い口調で囁かれるその言葉は、下半身から次々と湧き上がってくる快感と併せて
彼女の本能に焼き付けられていった。
もう女王はまともな思考が出来る状態にはなかった。かつて王を受け入れ、王を産み落としたその割れ目に
今は従兄弟を受け入れ、だらしなく開かれたままの口から喘ぎ声と涎を垂れ流し続ける。
「共和国にこの国を委ねれるんだ。そうすれば君も、君の国も安泰だ」
ひたすら頷き続ける従姉妹の姿に青年はほくそ笑みながらペースを上げる。
カテリーナのあげる嬌声は高く透き通ったものになってきた。
瞳が徐々に焦点の合わない、ぼやけた感じになってきた。
終着点に近付いているようだ。しかし、
「ひゃ、ひやぁ、やめないれぇ」
突然動くことをやめたアンドレアに舌足らずな調子で抗議する女王。
ニヤニヤと笑う青年の姿を気にとめることもなく、彼女は思うように動かない身体を
必死に揺すってなんとかしてでも快感を得ようと必死になる。
だがそんな涙ぐましいまでの努力も、青年が彼女の腰をその逞しい腕でがっちりと抱え込むと
たちまち抑え込まれてしまった。
「お願い、イカせて。お願いよぉ」
自由になる首を振り回し泣き喚くカテリーナ、
とアンドレアの手がその顎に手を添えて自分と向き合わせる。
「淫らな女王様だ、臣下の者が見たらどう思うかな」
揶揄する口調に、しかし彼女はひるまない。
ますます下半身で燃え上がる情欲の炎は彼女から理性を奪い、ただ欲望のままに突き動かしていた。
「そうよ、私は淫乱な、娼婦にも劣る女よ。だから、だから、お願いぃ」
息を荒げ、表情を歪めながらまくしたてるカテリーナの姿には女王としての威厳の欠片もない。
「女王陛下のお願いとあっては、断るわけにはいかないね」
アンドレアはカテリーナの腰に回していた腕を解き、再び腰を前後させる。
彼女もそれに反応してたちまち悦びの声をあげる。もう身体がまともに動かない中で
唯一女王の膣肉だけは従兄弟の肉の棒を多彩な動きで締め付けていた。
「いひ、いいの、イクのぉ、イクよぉ」
力無くベッドに横たわっていた女王の身体だが、彼女がまさに再び頂点に到達しようとした時
その腰が何かに引かれるように持ち上げられた。その部分だけが別の生き物になったようだ。
「出すよ、カテリーナ」
アンドレアのほうも限界に近付いたようだ。挿入のペースがどんどん加速していく。
「はん、はん、はん……ひぃぃっ」
彼女の息継ぎのタイミングを見計らったかのように、青年が女王の勃起を捻り上げる。
「ひゃぁぁぁっ!イク、イクぅぅっっ!!」
一際強い締め付けにアンドレアもカテリーナの奥底に自らの欲望を吐き出した。
陰茎が脈動する度に女王の身体もそれにあわせるかのように痙攣する。
そのままの状態で二人は十分に余韻を楽しんだ。やがて彼女の締め付けが弱まり、青年の陰茎が抜け落ちる。
「もう一度聞くよ、今度の会合で言ってくれるね?共和国に国を譲るって」
よく手入れされたその髪を撫でるように梳いてやりながらアンドレアが囁く。
カテリーナは朦朧とする意識の中で力無く、ただ一度だけ頷いた。
呆けきったその表情、瞳には何も映していないかのようだった。