「おい」
「なによぉ、煩いわねえ……あら、フッドおはよ」
「おはよ、じゃない。なぜ裸で寝ているんだ、お前は」
「えー美容にいいから」
「…………………………」
「あら、なぁに? その不満そうな顔。この私の裸体をみてそんな顔するなんて
失礼にもほどがあるわよ。殺されたいの?」
「いいからさっさと服を着ろ。君主様がお呼びだ」
「あら、そういうことはさっさといいなさいよねー。今度は誰を血祭りにするのかしらねえ。
楽しみだこと」
「さあな。命があればそれに従うだけだ」
「ところで、やっぱり拉致監禁中のレスQは鳥かごの中で飼ってるの?」
「黙秘権を行使する」
「いいなさいよーオーロラ捕まえた後の参考にするんだから」
「人の好みを参考にする気などないくせによく言う」
「あら、ばれた? だって、どんなねちっこくやらかしてるのか興味あって。
君主様と明星ぐらいオープンだと探り入れる必要もないんだけれどね」
「レスQは私だけが見ていればいい。お前もそうするつもりだろう」
「そうね。天使の誇り高さをどうつついて靡かせるか……考えるだけで
ゾクゾクしちゃう。豊満な肉体で篭絡するのもいいけれど、言葉責めも
捨てがたいのよねえ。なにしろ、天使はキヨラカですもの」
「悪魔め」
「ご名答。もうすっかり身も心も悪魔なの。だから欲しいものはこうして
手に入れるしかないわね。いいえ、アーチ天使は私たち神帝とは断てぬ絆で
結ばれているんですもの、だから私は私のものを取り戻すだけかしら。
素敵だわ。あなたもでしょう、フッド」
「まあな。むしろレスQから……と、無駄話はここまでだ。もう時間がない。
いくぞ、ピーター」
「はいはい。我らが愛しき君主様をお待たせするわけにもいかないわね」