老天使達から六聖球を奪いパワーアップしたマリアは  
大きく変貌を遂げ、ヘッドとして頭角をめきめきと現し始めた。  
朝靄のような白い肌、六聖球を支えている猛々しくも鮮やかな髪が  
彼女本来の冷たい美貌を際立たせていたが、悪魔の証である牙は消えている。  
甲冑を外し、穏やかな表情で手下に打ち合わせや戦果報告をしている様を見ていると、  
仄かな色香を感じ、さながら天使の娘のようだとデビルは思った。ただし、最近目に余る態度の悪さを除けば。  
白い衣を纏い、両手を広げて優美な微笑を湛えているマリアを脳裏に描く。  
(聖母マリアねえ〜。。。。)  
だが、宿敵である天使に姿を重ね甘い妄想をした自分に腹が立った。  
地団駄を踏み、重魔棒に噛み付き床に叩き付けた。  
それを隣に居たもの魔ねが面白がって繰り返し真似て、デビルは怒声を浴びせ追い払う。  
「お前達、さっきから随分と楽しそうだな。」  
馴染みのある通る声に振りかえると妄想元である少女が腕を組み、コケティッシュな表情で佇んでいた。  
瞬く間に眩しく成長し、これ程魅惑的になるなんて誰が想像しただろうか。  
しかし、それを気づいてないらしく無防備なのが余計に性質が悪い。デビルは咳払いをして体面を整えた。  
「あー・・エヘン・・・そろそろ飯の時間だ。お前も来るように」  
「後でいく。だが、その前に風呂だ」  
 
マリアは自室の中にある浴場でシャワーを浴びて一日分の汗や返り血を洗い流す。  
戦いに明け暮れる日々の中で無になれるつかの間の一時だ。  
しかし、今日は妙な気配がする。犯人の見当は付いていた。  
「出て来い!!!スーパーデビル!!!!!」  
マリアは壁の一角に洗面器を投げつける。案の定、悲痛な叫び声が聞こえてきた。  
「お〜痛い・・・あんまりお風呂が長いから心配で来たのに〜」  
デビルは六芒星の中で赤くなった鼻をさすっている。  
「言い訳は無用だ!!このド変態!!!!」  
マリアは冷水シャワーをデビルに浴びせたがすでに本体は消えていた。  
(前にも増して愚行が甚だしいな。男にも更年期があるのだろうか?)  
気を取り直してバスタオルを体に巻き、浴室を出るとソファーでちゃっかり寛いでいるデビルの姿があった。  
テーブルの上には所狭しとご馳走が並べてある。  
「これは、一体何の真似だ・・・」  
「今夜はサタンマリアちゃんと二人きりでお食事がしたくて♪」  
「全く・・・妙な噂でも立ったらどうしてくれるんだ!」  
「まあまあ、実際こんな仲なんだし固い事いわずに♪(*^▽^*) 」  
デビルは甲斐甲斐しく料理をとりわけ、冷えたワインをグラスに注いだ。  
「前々から思っていたがお前は食わな過ぎる。勝つためには沢山食え。精を付けろ」  
といった傍から、ワインをがぶ飲みしてほとんどの皿を空けていく。  
いつもの見慣れた光景だが、その旺盛な食欲に唖然とする。  
「精を付けろ・・ねぇ。私が欲しいのなら、そのまま抱けば良いではないか」  
デビルは信じがたい言葉に耳を疑い、ワインを勢いよく吹き飛ばした。  
あれから数える程度にパワーアップ前のマリアを抱いてきたが、  
ずっと受身一辺倒で自ら誘ったのは初めてだったのだ。  
 
「ぼーっと見ているだけで何もしないのか?」  
マリアはバスタオルを取り、挑発的な視線をデビルに投げかけた。紅を引いたような薄い唇が悩ましい。  
体つきは相変わらず華奢ではあるものの、痩せすぎていた腰周りや腿には適度にふっくらと肉が付いて  
薄かった茂みは生え揃っていた。  
「隙あらば犯したい」「土下座をしてでもヤらせてほしい」  
という手下達の冗談に思えないような猥談を思い出し、デビルはマリアの肩に置いた両手に力が篭る。  
気難しい上に、扱いづらく生意気な小娘だが、いつの間にか彼女の身も心も独占したくてたまらなくなっていた。  
マリアは同じ色をした瞳を見つめると、首に腕を絡ませ小鳥が啄むようなキスをした。  
黒い唇に柔らかい舌が侵入し口内を這い回る。  
一体どういう心境の変化だろうか。甘美な感触を味わいつつも驚きを隠せない。  
「サタンマリア、あの約束は・・・」  
「フン・・・悪魔に約束などない事は、お前が一番良く知ってるはずだ」  
マリアは皮肉を言うと、デビルの手を取りベッドに引き寄せ乳房に触れさせた。  
膨らみかけで小さかった乳房は、手のひらで揉める程に育っている。  
デビルはキスをしながら温かく柔らかな弾力を堪能した後、色素が薄い小さな乳首に夢中で吸い付く。  
「あっ・・・あっ・・あんっ・・!」  
マリアは白い首を仰け反らせ、デビルの明るい橙色の髪を掴む。  
「私をもっと、気持ちよくさせてくれるのか?」  
「・・・お前の望む所だ」  
デビルは余裕を装ってるが、自身はすでに痛いほどに充血し、先端からは透明な液体が滲んでいた。  
マリアは濡れた瞳でそれを見つめると体を起こし、デビルの顔に太腿を挟み秘所を押し付ける。  
茂みのジャリっとした感触が唇に触れ、割れ目から女の甘酸っぱい香りが鼻孔を満たす。  
デビルは桃色の果実にむしゃぶりつき、あふれ出てくる蜜を音を立てて啜る。  
敏感な突起を軽く噛むとマリアは腰を震わせ、更に大きな嬌声を上げた。きめの細かい滑らかな肌は汗ばんで、頬は薔薇色に上気している。  
(これを淫魔と呼ばずになんと呼ぶか・・・。)  
デビルはこの変わり様に嬉しい反面、恐れを抱く。前のようにただ人形のようにされるままだった少女の面影はない。  
「お返しだ・・・」  
マリアは屹立した一物を握って口に深く含ませ、音を立ててしゃぶり、先端を舌先で嬲った。  
「うぅ・・・・っくっ・・!もうよい・・」  
デビルは心地よさに低く呻き、体勢を変えて背後からマリアの尻を鷲掴みにして一物を突き入れた。  
激しい動きをする度にマリアの淫らな嬌声と粘液のこすれる音がこだまする。  
やがて二人は重なり合う形になった。内部の襞が一物に纏わり付き、別の生き物のようにきつく収縮を繰り返す。  
(お前は全部、俺のものだ・・・・・・・・・・っ!!!)  
デビルが感極まって爆ぜようと腰を浮かせると、長い脛が強い力で押さえ込む。  
「はぁっはぁっ、はぁっ・・・・まだだ、こんなものじゃ足りんぞ!私を満足させてくれるのではなかったのか?!」  
「へ!?、急にそんなことを言われましても・・ああああっ!!無理っっ!!!」  
マリアの鬼気迫る勢いに押され、デビルはそのまま中に白濁を放出してしまった。  
 
二人の間に重苦しい空気が流れる。  
「スーパーデビル、そろそろ部屋に戻れ」マリアは気だるそうに寝返りを打った。  
「もう一度だけチャンスを・・・・」デビルは乳房を摘み、尖った耳を甘噛みする。  
「私はこれから忙しくなるだろうし、お前に構う暇があったらな」  
マリアは乳房に置かれた手を鬱陶しそうにどかして、天井を向いて呟く。既に毅然とした戦士の横顔に戻っている。  
「頑張ってくれるのは結構だが、これ以上体に傷を作るな」デビルは真剣な面持ちになって言うと目の前から消えた。  
 
「女とは難儀なものだな・・・」マリアは深くため息をつくと  
部屋の隅に掛けてあるいかめしい甲冑と濃い水色の戦闘服を忌々しげに見る。  
六聖球のティアラが運命を嘲笑うかのように鈍い光を放っていた。  
 

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