「今日の公演成功にかんぱーい!!」  
バンプは上機嫌にワインの入ったグラスを一気に飲み干すとフックの前にドンと置いた。  
フックダイルDの自室でバンプピーターとフックダイルDは久々の公演の成功を祝ってワインを間に小さな酒盛りを行っていた。  
二人は水の大層のパンゲ統一の邪魔になっている風の大層に対して反抗の気勢を削ぐべく風の大層に襲撃し、数箇所の村を見事に壊滅させたのだ。  
つまりは公演とは二人にとって「襲撃」を意味していたのである。  
「今日もうまくやったって言うのにやけに静かじゃないか。フック?」  
「私はいつもどおりだと思うのですが。」  
右腕のフックで器用に頬杖を付きながら左手でワインにちびちびを口を付け、トレードマークのバラの付いた帽子を深く被ったままでいるフックの姿はバンプは気に入らなかった。  
「ならどうして今日はそんなに無愛想なんだい?」  
「私はそんなに無粋な男だとでも?」  
椅子の上に深々と座っていたフックはバンプのグラスにワインを注ぎ終えると自分のグラスにもワインを足した。  
「あたしがいい気分になってるのにそれに水を差すつもりかい?」  
「・・・。」  
フックはワインボトルをテーブルに置いて言葉を返さず再びグラスに口を付けた。  
「理由は分かってるよ。オーロラとのことだろ?」  
バンプは昨日、風の大層に出撃した際に捕虜にした自身のパートナーとも言えるオクト・オーロラと愛し合っていたのだ。  
地下の牢屋から聞こえたバンプの艶かしい声はその番を命じられていたフックの脳裏にこびり付いて離れようともしなかった。  
黙って自分のグラスを口に付けていたフックの動きがピクリと止まった。  
「いいじゃないか一回や二回ぐらい、元のパートナーへの私なりのご挨拶だよ。」  
フックはバンプの言葉にグラスをテーブルの上に置くと眉間に皺を寄せた。  
「ご挨拶・・・ですか。」  
「なんだい、嫉妬してるのかい?」  
フックの変化に気付いたバンプはどこか可笑しそうに笑いながら椅子から立つと明らかにフックを挑発するように腰を振りながらフックに近付いていった。  
バンプの身を包む薄手の黒いネグリジェからは体のラインがはっきりと読み取れ、中でも彼女の自慢である胸はネグリジェの中からでもその存在を誇示しつつ一歩歩くごとにネグリジェの形を歪ませていた。  
「欲しいものはどんなことをしてでも手に入れるのが悪魔のやり方じゃないのかい?」  
フックの目の前で足を止めたバンプは軽く腰を曲げてフックの帽子を取り上げ、そのまま手首を利かせて投げた。帽子は緩やかな回転をしながら真っ直ぐにベッドの上に落ちた。  
「レディ、酔狂が過ぎます。」  
フックはバンプを無視して椅子から体を少し上げるとグラスに手を伸ばした。  
「あんたが本物の悪魔なら、あたしをオーロラから奪ってごらん。」  
バンプはとっさにフックがグラスをとる前にグラスを取って壁に投げつけた。そしてグラスが壁にぶつかってガラス音と共に散らばるのを見届けるとバンプはネグリジェをストンと床に落としシースルーのパンティだけになった。  
 
「レディ・・・・。」  
「実はあたしのこと抱きたいんだろ?」  
バンプの言葉を聴いたフックは思わず動揺して、妖艶な笑みを浮かべるバンプの顔を見入ってしまった。  
確かにバンプの元が男とは思えないような整った顔立ち、悪魔らしからぬ澄んだ瞳、美しい体、声、立ち居振る舞い全てにフックは魅了されており、何度か体を重ねたこともある。  
「パンゲアクター共に見せるいつもの余裕たっぷりの顔はどこに行っちまったんだい?」  
バンプは両腕で胸を寄せつつフックの首に両手をかけた。  
「私はオーロラの代わりですか?レディ。」  
バンプを席に戻そうとフックが左腕でバンプの手を解こうするとバンプは逆に両肘まで組んでフックに顔を寄せた。  
「確かにフックの気持ちも分からないでもないさ。でもいいじゃない・・・こんないい女と楽しめるんだから。」  
自らの豊満に実った乳房を何も身に着けてないフックの胸板に押し付けつつ、バンプはフックの唇を奪った。  
「そういう問題ではないのです。」  
フックはバンプの体からもたらされる感触で刺激される本能を制御しようとバンプから唇を突然放した。  
「あんたがどうしても嫌っていうならいいよ。今日もオーロラと楽しむからさ。」  
顔を放されたバンプはつまらなそうな表情をフックに見せるとそのままフックの耳元に顔を移した。  
「あたしは正直どっちでもいいんだ。気持ち良くなれれば。」  
オーロラという言葉を聴いたフックの脳裏に再び昨日のバンプの嬌声が走った。フックは自分の心にオーロラへの小さな嫉妬心の芽生えを感じた。  
「けど、オーロラの奴、私が始めてだったらしくてさ・・・私が挿れたらすぐにイっちゃったんだよ。だから・・・」  
「まったく・・・貴女という人はどこまで気まぐれなんでしょうね。」  
フックは左腕でバンプの頭をすっと掴み、バンプの唇を奪って舌を今度は自分から絡ませてバンプ次の言葉を遮っていた。  
「フック、あたしのこと抱いてくれる?」  
フックから唇を放したバンプの目には普段の冷静な表情のフックが映っていた。  
「貴女のことです。オーロラではどうせ満足できないでしょうしね・・・。」  
フックの言葉に満足にそうなバンプはフックの股間に優しく触れるとすでにフックの股間はバンプを求めていた。  
 
フックの部屋は質素ながら家具や調度品は洗練されたもので囲まれており中でも壁に沿って置かれたベッドは装飾こそ地味なものの、月光を浴びる純白のシーツの輝きはフックのセンスの良さを表していた。  
フックは重い腰を上げて椅子から立ち上がるとバンプをお姫様抱っこでテーブルの隣にあるベッドの運んでベッドの中央に置くとバンプの乳房にむしゃぶりついていた。  
「やっぱりフックだ。オーロラの何倍も感じるよ。」  
バンプは期待に満ちた顔でフックの頭を優しく撫でると、フックは乳房から口を離した。  
「レディ、乳首を真ん中に寄せてくれませんか?本来なら私がするべきなのでしょうが生憎出来ませんので。」  
「こういうことに関しては本当に欲張りだね、フックって。」  
フックのしたい行動を悟ったバンプは苦笑しながら自らの両手で両方の乳首を中央に寄せた。  
「ほら、フック。出来立てのサクランボだよ。」  
フックの目の前に並んだ二つの乳首はサクランボのように紅く、フックが吸い付いてチロチロと乳首を舌で転がすとバンプは目を細め、乳首から伝わる刺激に声を漏らしていた。  
「美味しい?」  
「バンプの乳首は舐めれば舐めるほど味わい深い・・・素晴らしいです。」  
「ならもっと他の場所も味わってよ。」  
フックは名残惜しそうに乳首から顔を離すと左手をバンプの下腹部に伸ばし、するりとパンティの中に滑らせた指が止まってしまったのだ。  
フック自身もこの震えの原因はなんだか分かっていた。いくらバンプが女だと分かっていても体が躊躇してしまうのである。  
「今のあたしは女だって言ってるだろ?」  
バンプがフックを急かすように腕を掴んで奥にまで手を引き込んだ。  
おそるおそる茂みの奥に指を伸ばすとフックはやはりバンプが女であることを確認した。  
「さあ・・・ここもフックの好きにしていいんだよ。」  
茂みを抜けたフックの指は湿り気を帯びた秘裂に辿り着くと、中指を上下に動かすとその湿り気がどんどん増していった。  
「いいよぉ・・・フック・・・その調子・・・。」  
フックの指の動きにバンプは徐々にではあるが息が荒くなっていくのがフックには分かった。  
 
「ずいぶん感じているようですね。」  
「自分がどこ触ってんのか分かってるだろ・・・。」  
バンプの声からは最初の勢いは無くなり、その声は大分弱くなっていた。  
「分かってますとも、貴女がオーロラを数分でイかせたイヤラシイ割れ目ですよね?」  
フックはバンプの様子の変化が嬉しくなり、 中指を秘裂に捻りこむとその奥の蕾を探し始めた。  
「何もそんな言い方しなくったって・・・あん!」  
「私は本当のことを言っているまでです。さっき自慢げに話していたではありませんか。」  
「かはっ・・・うふぅ・・・・。」  
喘ぎながらも何かを言いたげにバンプは乳首を寄せていた両腕を脇の下からフックの背中に回してきた。  
「おや?さっきまでは私を誘っていたのに今度はおねだりですか?」  
意地悪な顔を浮かべながらフックはようやく秘裂の奥に隠された蕾を探し出すと蕾を指で軽く押してみた。  
「ふあっ!!」  
突然の蕾への刺激にバンプは大きく口を開けて一瞬全身を弓なりに曲げたかと思うと直ぐにベッドに体を落とした。  
「・・・少しやりすぎましたか。」  
フックはパンティに入れていた腕を元に戻すとふやけ切った指をペロリと舐めた。  
 
絶頂で失っていたバンプの意識を戻したのはと秘裂に与えられるザラザラとした感じたことのない感触と下半身に広がる冷たい感触であった。  
秘裂から駆け上がってくる快感に半ば呆然としながらも原因を確かめようと上半身を起こしたバンプの目に映ったのはフックが自分の舌でバンプの秘裂を愛撫している姿だった。  
「こうしていれば直ぐに目を覚ますと思いまして。」  
バンプと目が合ったフックは秘裂から舌を放し、見せ付けるように舌を口の周りで舐めまわした。  
「ふふ・・・気持ちよかった・・・あんたの指。オーロラとは大違い。」  
「失礼ですがレディ、私はこう見えても貴女の下で働く前はそれなりに浮名を流していたのです。精密に言えば私ではないのでしょうが。」  
フックは中指を立てるとだらしなく愛液を垂らしていたバンプの秘裂はスムーズに中指を受け入れた。  
「それにこういう弱点というのは何度か抱き合えば大体の把握できてしまうのですよ。」  
「あぁぁぁぁぁん!!」  
バンプはより直接的なフックの行動に思わずシーツをぎゅっと掴んでいた。  
「ですから、オーロラなどよりかは貴女を楽しませる自身はあります。」  
フックが中指をバンプの中で軽く曲げてグリグリと左右に回転させるとバンプの中はフックの指に容赦なく襲い掛かってきた。  
「へえ・・・そうなの・・・はうっ!」  
バンプは小さな笑みを浮かべてしばらくの間楽しそうに指でフックの指の感触を堪能していたが、再び絶頂に達する寸前でフックに指を抜きぬかれた。  
「どうしてやめちゃうの?」  
気持ち良くなっていたところを中断されて不満そうにバンプはフックを睨み付けた。  
「貴女がまた指でイきそうでしたので・・・今度はこちらでイってもらおうかと。」  
フックは左腕でパンツを下にずらすとフックの肉棒は天をむいてそそり立った。  
「フックがあんまりにも上手いから忘れそうだった。」  
バンプは愛おしそうに肉棒に触れると自分の目の前に現れた逞しいフックの肉棒に期待するかのようにバンプの秘裂からは愛液が溢れ出た。  
「じゃあ・・・行きます。」  
フックは右腕のフックで上手く体を支えながら自らの肉棒をバンプの中に交わらせると、指を入れたときとは比べ物にならないほどフックの肉棒をしつこく絡み付いて絶対に放そうとはしなかった。  
「・・・くっ・・・。」  
「ん・・・ふ・・・。」  
フックが根元まで肉棒を挿入すると互いの感触に二人は浸っていたが、沈黙を先に破ったのはフックであった。  
 
「どうです・・・オーロラと比べて?」  
フックは結合部をチラリと見つめると改めてバンプの体を見下ろした。バンプの体は自分が以前抱いたどの女性よりも魅力的だった。  
「フックのほうが何倍もいい・・・。」  
バンプは自分に見とれていたフックの胸板を愛おしそうに触れるとその手を脇から腰に回していた。  
「さあ、フック。早くあたしを気持ちよくして・・・。」  
フックはバンプの言葉で気を取り戻し、左腕でバンプの腰をそっと支えながら自らの腰を動かし始めるとバンプの乳房はプルプルと上下に揺れ、口からはリズミカルに嬌声が零れ出した。  
「あっ・・・あっ・・・。」  
自分の肉棒で喘ぐバンプの姿を見たフックは欲望をますます加速させる程に腰の動きにも力が入った。  
バンプの中の熱さは、普段彼女が従えているような地獄の業火ではなく、冷めた体を温める焚き火のそれにようにフックには思えた。  
「いいよぉ・・・フック。もっと頂戴・・・私を滅茶苦茶にして・・・。」  
バンプは自分の中で生き物のように動き回るフックの肉棒に成すがままにされ、次第に嬌声も大きくなっていった。  
「お任せあれ。」  
フックはバンプが飽きないように自分の持ちえるテクニック全てを使ってバンプの中で暴れるとバンプの中が一層締まるのを感じた。  
「ああ・・・もう駄目・・・・イきそう・・・。」  
「私もそろそろ我慢できなくなってきました・・・。」  
フックも絶頂に向けて腰の動きをより一層激しくするとバンプはフックの方に回していた手でフックの腰をギュッと掴んだ。  
「いいよ・・・中で出して・・・あたしの中をフックでいっぱいにして・・・。」  
バンプの全てが今自分だけのものになっていることにフックの本能は充足されていた。  
「あたしが欲しいんでしょ・・・。」  
フックは天使のように微笑むバンプになぜか恐怖を感じたものの、目の前の快楽はそれを判断する理性を崩壊させていた。  
「イくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」  
フックから放たれた精液がバンプの中を駆け巡ると同時にバンプは再び絶頂に達した。  
「やっぱり、フックは一番ここの男達の中で優しいよ。」  
行為の後、バンプは頭をフックの胸板の預けると小さく呟いた。  
「そうでしょうか。私はフッド様や閣下の方が良いと思っていましたが。」  
フックは普段の姿とは全く異なるバンプの様子に左腕をそっと背中に回しバンプの体を自分に寄せた。  
「・・・フッドも閣下も皆あたしを女として見てくれない・・・・オーロラもそうだった。」  
フックがふとバンプの顔に目を向けるとバンプの目から涙が浮かんでいた。  
「みんな不思議そうにピーター、ピーターって呼ぶの・・・あたしが女なのがそんなに変?」  
「いえ、そんなことはありません。貴女は立派な女性です。身も心もね。」  
フックはバンプの顔を上げると微笑みながら額にキスをすると指でバンプの涙を拭った。  
「男はこんな綺麗な涙を流しません。」  
「ありがとうフック。ここの男達であたしを女だと認めてくれたのはフックが初めて。」  
フックはバンプの意外な言葉に驚きを感じながらも互いの気持ちが理解できた。  
「フックがあたしのことレディって呼んでくれるたび本当に嬉しかった。ねえ・・・今日はフックの上で寝ていい?」  
「構いませんよ。貴女のような女性ならいつでも大歓迎です。」  
バンプの希望に沿うべくフックがシーツをバンプの上にまで掛けるとバンプはすでに眠りについてしまった。  
「仕方ない人ですね。」  
フックは諦めた表情を浮かべ、自分も眠りについた。  
 
翌日、バンプより先に目覚めたフックがバンプに代わって今日の作戦会議を終え、城のに戻ってくるとバンプはすでに準備を終えて、柔軟運動をしていた。  
「今日の公演先はどこ?」  
「閣下は今日は森の大層で偵察をせよと仰せです。」  
命じられたとはいえ、偵察だけでは満足できないバンプであることはフックは重々承知していた。  
「ならダンジャック達には特等席で楽しんでもらわないと・・・雑魚共は頼んだよ。」  
「レディ、貴女のご意志のままに。」  
「もし今日も成功したらまた抱かれてあ・げ・る。」  
柔軟を終えたバンプは笑みを浮かべてフックの頬にキスすると背伸びついでに周囲に炎を巻き上げると、ヒールの音を響かせて颯爽と歩き始めた。  
「今日は忙しくなりそうです。」  
やれやれとした首を左右に振るとどこか嬉しそうにフックもその後に続いた。  
 
終わり  
 
 

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