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トビラ  [前編]  
 
 
「ぼくにはさぁ、そいつがそんなに強いようには見えないんだけど。」  
 
燃えるような紅い髪、透き通るような白い肌。  
細い肢体に不似合いな攻撃的甲冑の美女は、  
体のホコリを払うゼスチュアをしてみせながら、不機嫌に続けた。  
「殲滅戦の後で汚れちゃったし。ぼく早く湯浴みに行きたいんだけど。」  
毎日薔薇の花束を持ってくる奴がいて、入浴剤代わりにしないと余っちゃうんだよ。  
けだるげな瞳を対面の女に向ける。  
彼女の名は「バンプ・ピーター」、紅蓮の髪ゆらめく灼熱の魔女。  
 
「ほんに、仲の良いこと。」  
話し相手は口元に指を添えてほほえむ。  
既に鎧は脱いで、今は美しい文様の衣を幾重にも重ねた装束。  
ころころと笑うたび、装束の文様やそれより長い黄金色の髪がゆれ、星のごとく密やかに輝く。  
彼女の名は「明星魔クイーン」、妖星の瞳きらめく悪夢の巫女。  
 
あいつが勝手に持ってくるんだよ、と毒づいて、「それはそうと」と別の方向を指した。  
「そいつ、いつになったら目を覚ますのさ。」  
そこには玉座。  
一段高くなった先に据えられた、背もたれの高い豪奢な椅子に復活したばかりの「魔界君主」が、  
 
『座らされている』  
 
と、いうのはバンプの私見だが、そう感じても仕方が無い。  
初めて謁見した時からずっと、魔界君主は目を閉じ黙したままで、  
彼の言葉や命令は全てハムラビシーゲルが代弁しているからだ。  
 
悪魔軍が待ち望んだ君主は、現れて見れば何ともたよりなげな線の細い若者だった。  
それでいて、兜と鎧はごつごつと、威を張った大きめのあつらえ。  
血の気のない青白い顔は、鎧に埋もれているようにさえ見える。  
(こいつが魔界君主?)  
期待していたわけではないけど、正直言うと拍子抜けしたのだった。  
 
ここはハムラビが作った悪魔軍の王城。その謁見の間。  
『君主殿のお目覚めに立ち会ってほしい』と、明星がバンプを連れて来たのだった。  
窓から差し込む月あかりだけが彼女達を照らしている。  
 
 
「もうこれ以上待てない。帰る。」  
くるりと踵を返す。  
薔薇風呂の香りを思って、いてもたっても居られないのだ。  
 
「ピーター殿はお幸せじゃあ。」  
薔薇の花束を捧げてくれる人が居て。  
「だから、それはフックダイルが勝手に。」  
それにひきかえ、と明星はかまわず続ける。  
「わらわの君主殿は今も起きてくれぬ。」  
 
その寂しげな様子に少し気の毒な気がして、足を止めた。  
「どうやったら、起きるのさ。」  
あれを。と明星が君主を指差す。  
君主様がお召しになっておられるのは、人のおそれを喰う、おとろしの鎧。  
「おそれ?」  
「今はまだ力が弱すぎて、君主様の眠りを破ることができないでおじゃる。  
 もっともっと強大になって、君主様と一つになることが必要。」  
明星の大きな瞳が妖しく輝いた。  
 
その刹那、黒い何かが。空間を覆った。  
月の光が掻き消え、室内の温度が急激に下がる。  
「えっ?」  
「わらわでは」  
闇の中にたたずむ、明星の声が暗い室内に響く。  
………無理でおじゃった。  
………わらわはお側にいるだけで幸せだから。  
いつもと違う、低く、それでいて良く反響する声。  
「明星?」  
いつもと違う明星の言動をいぶかしむ。  
 
……恐れておくれぇ……、バンプどのぉ……。  
……おとろしの鎧を……喜ばせておくれぇ……。  
……闇の中で、金の瞳が細く煌めくように見えた。  
 
 
その時、  
 
ずるっ………ぴちゃっ………  
君主の居る方から水の滴るような音がした。  
……びゅるっ…びゅぷ…びゅるるっっ  
「…なんの音……だ?」  
何かが溢れるような、うごめくような……  
見ると君主の鎧が不自然に盛り上がり、腹部の甲冑に三本の細い線が現れ、上下に開いた。  
それは両の目と口。腹部のパーツにまるで鬼のような顔面が現れたのだ。  
「…なっ!」  
顔面は、ぐぐぐ、と醜悪な皺を作り、眼窩が三日月型に歪む。  
「笑って…いるのか?」  
口と思われる裂け目から緑の舌がびゅるびゅると蠢くのが見え、  
 
びゅるびゅるるるるるっっっ!  
 
突如、鎧の口から細く長い舌が飛び出した。  
「あっ!」  
バンプの左腕にしゅるしゅると絡まる。  
「しまった……!」  
急いで距離を取ろうとするが、引っ張る力が強く叶わない。  
舌は先端に行く程薄く平べたく、ぴたりと肌に密着して、唾液がべちょべちょと腕を濡らす。  
「くっ……気色の悪い……!」  
 
「おお。さすがピーター殿。威勢の良いこと。」  
静かにたたずんでいる明星がわざとらしく目をみはる。  
「貴様……、このぼくに何のつもりだ……っ!」  
食って掛かる。だが、悪夢の巫女は闇にまぎれて笑い声を漏らすばかり。  
 
「ほほほほほほほほほほほほほほほほ」  
「甘く見るなっっ!」  
戦闘形態。バンプの全身から朱金の光が立ちのぼり、  
轟、と長い髪が大きな星の形をした火焔に変わる。  
両手の先から、剣を出現させ、元凶である君主の元まで跳躍する。  
 
びゅんびゅんっ!  
引っ張られる力を利用して反動をつけ、両手の剣で斬りつける。炎髪が舞の軌跡を描く。  
しかし、  
『ばぐっ!!』  
君主の兜の一部が盛り上がり、大きく口を開いて二つの剣に食いついた。  
「なにっ?」  
うえぐうえぐうえぐ…うえぐっっ  
剣をくわえたまま、何かを飲み干すような動作。  
ぐんぐん吸い込まれているのは剣と体全体に帯びていた灼熱のオーラ。  
「まさかっ……」  
 
「そう、食べられているのでおじゃるよ。鎧に。」  
「……なっ!!」  
バンプが理解した瞬間。  
ぎゅおおおおおおおおおおおおおっっっっ  
ヴァンプの体から立ち上る炎のエナジーが  
兜の顔面に向かって吸い込まれていく。  
「……あっっ、やああっ…はああああああああっっ!!」  
目に見える程の強大なエネルギーがみるみる鎧に吸収されていく。  
炎と化したはずの髪も、ただの髪になり、ばさりと肩に落ちる。  
苦しい。体中から力が抜けていく。  
 
「さすが、すごい量のエナジーでおじゃるな。」  
「…か…かはっ…き、きさまぁ……。」  
「ほらほら、気をしっかり持たないと、命を吸われて尽くしてしまうでおじゃるよ。」  
 
「この男のように。」  
そう言って、長い衣の裾を持ち上げ、中にあった黒い塊をごろんと蹴り出す。  
巫女の足下で二、三度転がったそれは、  
「………あ」  
ぼろぼろになった黒づくめのマントに帽子、右腕のかぎ爪。  
手足があらぬ方向にまがって、くたりとまとまった、  
フックダイルだった。  
 
「…きっ……きさまあああっ!……何のつもりだあああっ!!」  
「おほほほほほほほほほほほほほほほほ」  
 
「おとろしの鎧のお食事にさせてもらったのでおじゃる」  
口もとを押さえてふくみ笑う。  
「だけど、小物程度ではすぐ力が尽きてしまって、」  
「だ…まれ…」  
「とてもとても、満たされぬ」  
「だまれだまれぇっっ!!」  
力を振り絞り、怒りにまかせて剣をむしり取り、返す刀で明星に斬りかかる。  
「やはり、君主様と一体化を望むなら、同じ若神子クラスでないと、のう。」  
「くっ……ああああああああああああああああああっっっっ!!!」  
バンプの動きを制止するかのように、エナジーの吸収が始まった。  
ひときわ大量のエナジーが溢れ出し、鎧にぐんぐんと吸い取られる。  
斬りつけた刃は、あと一歩のところで届かず、  
掌から取り落とされ、からからんと床に落ちた。  
 
「はぁぁぁぁ……、君主殿がわらわを守ってくださった。」  
乙女のように頬を赤らめ、恍惚の笑みを浮かべる明星。  
「……くそぅ……うう…」  
ヴァンプはがくりと膝をついた。  
くちゃりとまとめられ、黒い物体となったフックダイルが目の端に映る。  
「フック……ばかな……。」  
自分もここで……死ぬのか?  
このまま何もできずに、こんな薄暗い部屋で、力を吸われて、死んで行くのか?  
 
今まで傷一つつけられることなく戦って来た。  
どんな奴が相手でも、一瞬で焼き尽くした。  
敵にも味方にも炎の魔女と恐れられて。  
でも、それも生まれついての膨大なパワーがあってこそ。  
もし、それが全て吸収されてしまったら、自分はどうなってしまうのだろう。  
 
『こわい』  
初めて感じる恐怖。  
これが絶望というものなのか。  
 
どさり。床に倒れ込む。膝をついた姿勢さえも、もはや維持できない。  
「うぅっ……う…」  
「苦しそうでおじゃるなあ、ピーターどの。」  
明星が見下ろす。  
「どうしてそなたたちが生と栄光を手にし、」  
その顔は濃い影になって表情が読み取れない。  
「どうしてわらわとあの方だけが、いつもいつも暗く冷たい黄泉を彷徨わなければならぬのか。」  
だが、その声は怨嗟の響きを持ってバンプに重くのしかかる。  
「…く…うう…」  
金縛りにあったように動けない。苦悶の表情が浮かぶ。  
 
「そなたの苦しみ、悲しみ、怒り、そして恐れ。  
 その全てをおとろしの鎧はお喜びじゃあ。  
 さあさ、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと………」  
 
びゅるるるるるるるるるるるる………  
 
無数の舌がバンプの両手、両足に絡み付く。  
「うぁっ…」  
「もっと、良い声で啼いておくれ。」  
般若のような形相が闇の中に浮かび上がった。  
 
 
若神子クラスのエナジーをたっぷりと吸い込んで、  
すでに両の肩、肘、膝、マントの背面、至る所に鬼の顔面。  
鎧自体が魔界生物の集合体であるのかもしれない。  
いずれも、醜悪な笑いを浮かべ、喉の奥を鳴らしながら、体を揺らし、  
うねうねと舌をのばしてくる。  
 
そのうちの一本が、バンプの両手を一緒くたに縛り高く吊り上げた。  
「くそぅ……」  
魔界生物達は皆一様に目を細め、バンプの体を品定めるが如く、舌をうねうねと迷わせている。  
その先からはじゅるじゅると唾液がしたたり落ちて、獲物を前に舌なめずりする獣のようだ。  
自分はこのまま喰われてしまうのか………。  
逃げようにも、今もなおじわじわとエナジーを吸われ続けて、それも叶わない。  
意識が朦朧とし、明星がどこにいるのかも分からない。声も聞こえない。  
 
ばきっっ!!  
ふいに、その中の一本が先手を切った。  
「ひっ」  
骨ばった固い材質のマント型甲冑が勢い良くはじき飛ばされる。  
なんて力だ。今までだれもこの甲冑に傷すら付けたことがないのに。  
戦慄するバンプなどおかまいなしに捕食者は鎧の隙間、露出した肌をふいに舐め上げる。  
ずりゅんっっ!  
「ひあっ」  
体が跳ねる。まるで味見だ。殻を剥いたその隙間から、身の具合を味わうのだ。  
生きた心地がしない。いっそ、ひと思いにやってほしい。  
だが、味見は終わらない。上から下へ、下から上へ。執拗になぞられる。  
びちゃん、びゅるっ、びゅるっ。  
変化は次第に現れた。  
 
「……あ……熱っ………」  
 
唾液が塗り込まれた部分がひどく、熱い。  
もう一度、同じ部分を舐め上げられる。  
ずりゅん!  
「あああああああああっ!」  
びりびりびりびりびりびりっ  
体の中を稲妻のような衝撃が走る。  
「はぁっ…あぁ…ああ…」  
いや、痛みのようなしびれのような。この感じは何だろう。  
気持ち…悪いはずなのに。この脳が直接しびれるような、感じは。  
間髪いれずに別の舌も背中の熱くなった部分を舐め上げる。  
「やっ…!あああああああああっ!!!」  
びりびりと全身に伝わる稲妻。痛いのか、心地よいのか、わからない。  
ただ、ひどく敏感になってしまったことだけはわかる。  
 
ひとなめ、される毎に。  
甲冑だけじゃない、自分を覆う「何か」が、一枚ずつはぎ取られていくのだ。  
「はあ…はあ……。なに、これ……」  
意識が更に朦朧としてくる。息づかいが荒くなる。  
そんな自分を見て、さらに目を細め、満足げに笑っている女の姿も見咎めることができない。  
 
 
背中を這っていた舌がなめくじのような、  
のろのろと、右と左それぞれの脇に伸びた。  
「ひゃあっ」  
稲妻のせいだろうか、他の部分に触れられても、信じられないくらいしびれてしまう。  
体中が帯電しているようだ。  
 
びゅる、びゅる、びゅる。  
びくんっ、びくんっ、びくんっ。  
舌の進む動きに合わせて、体が跳ねる。  
舌は体の前面、胸部の膨らみに向かってうねうねと進む。  
だが、高く持ち上げられている両手では阻む術がない。  
「やっ…やめっ…それ以上はっ……ああっ」  
 
捕食者がそんな言葉を聞くはずもなく、  
豊満な膨らみを覆い隠す固い鎧に行き当たって一旦動きを止めたものの、  
薄い先端を巧みに蠢かし、鎧と肌の狭間にうねうねと潜り込んでいく。  
「ひゃぁんっ!」  
予想外の事態。ひやりと冷たい感触に思わず声を挙げてしまう。  
「ひゃぁぁっ…やだぁっ……気持ち…悪い…」  
円を描くように豊かなふくらみの外縁を舐め始める。  
びゅちゅっ…ちゅぷっ…びゅるるっ…  
「ふぁ…っ…あぁっ…あぁ…やめ…てぇっ…」  
鎧ごと、乳房がたぷんたぷんと上下左右に揺れだす。  
外からはヴァンプ自身にも何が起っているのか見えない。  
それが余計に不安をあおる。次にどんな動きをされるのか、全く予想がつかないのだ。  
「……あぁ…き…気持ち…悪い、…んっ…気持ち悪い……のに……」  
唾液を塗り込められ、焼けるように熱く火照った箇所をさらになぞられると、  
「あぁ…あぅん……はぁ……はぁ…ん」  
声は甘い響きに変わっていく。  
 
ちゅぷっ、びゅるぷっ、びちゅるっ、  
ふくらみの形をなぞるように大きく円を描いて動いていた舌先が  
次第に円の直径を狭め、中心に向かって螺旋を描く。  
「あっ…そんな……、はぁんっ……だめっ……」  
なんでこんな声、出てしまうんだろう。  
舌の動きを予想してしまって、声を押さえることができない。  
 
器用に動く舌先が、鎧の下で乳輪を湛然に舐め回しているようだ。  
「ああ……あっ……はぁぁ……やめてぇ……」  
恥ずかしい。ヴァンプが切なげに、嘆願する。  
それに気を良くしたのか、ついに先端の突起に到達し、速い動きでもてあそぶ  
くりゅくりゅくりゅっっ……  
「……ああっっ!…やあんっ!……くぁんっ!!」  
 
舌は自らの先端をさらに細く、固く尖らせ、  
突起のわずかな皺も分け入るように侵入し、いっそう責め立てる。  
くりゅっ、くりゅくりゅきゅ!きゅきゅるっ!  
「……あぁんっ、…そんなっ……やめっ……もうっ……」  
 
固くなった突起は、舌に押され柔らかい乳房に沈み込み、  
乳房は舌の激しい動きに合わせて、いやらしく形を変え続け、  
やがて、  
「ああああああああああああああっっっ!!!」  
びくびくびくびくびくびくびくびくっっっ!!!  
胸への責めだけで高みまで押し上げた。  
 
屈服。  
君主の鎧が一斉ににやりと顔をゆがめ、喉の奥を鳴らした。  
 
 
******  
 
 
びゅるっ、くりゅっくりゅ、くりゅ……  
「…っふぁっ…あぁっ、あああああああああああああっっっ」  
胸への責めは休む間もなく続けられ、  
もう何度も絶頂を迎えさせられている。  
 
それだけではない、女の鎧は無造作にあちこちはぎとられ、  
露出された首筋に、背中に、ふとももに、足先に無数の舌が絡み付き、不規則に這い回る。  
美しく流れる紅い髪に執拗に唾液を塗り込めるものもある。  
 
「……はぁっ……はぁっ……はぁっ…あぅんっ…うぅ…」  
「ピーター殿は女になって間もないのに、立派に熟れておじゃるな」  
(感じたくないのに。)  
「果汁が溢れ出ておじゃる」  
体の奥がじゅんじゅんと疼き、愛液が滴る。  
(感じたくなんかないのに。)  
滴って、おさまりきれなくなった蜜が、つう、と太腿を伝っていく。  
幾筋も幾筋も。  
「…ああ……はぁん……あんっ…やだぁ……」  
自分では止めることはできない。  
 
「フックダイル殿もお気の毒に。」  
黒い塊に足をかけて言う。  
「愛しのピーター殿が、仇の愛撫にこんなに喜んでおじゃるとは。」  
「ち、ちが………!」  
あまりの屈辱に真っ赤になって、明星の居る方を睨もうとする。  
その瞬間、舌の一本が目隠しになり、バンプの視界を奪った。  
「あうっっ!」  
怖い。何も見えない。予想外の事態に戸惑う。  
そのかわり、びゅるびゅるという無数の愛撫の音、体を這う感触に余計集中してしまい、  
「はぁぁ…はぁ……は…ああああああああああああああっっっ!!!」  
いともかんたんに上りつめた。  
「違わないでおじゃる」  
巫女がころころと鈴の音のように笑う。  
 
「………はぁ…、はぁ…、…くそぅ……」  
悔しさとはうらはらに、愛液はいっそう溢れ出て、むせ返るような蜜の匂い。  
まるで花に虫が吸い寄せられるように、太腿のあたりででざわざわしていた舌が動き始めた。  
「ふぁっ……」  
群隊のざわめきにも堪らず声が漏れる。  
しかし、舌たちはそれだけではあきたらず、滴り落ちる愛液を舐めとりながら太腿からつたい昇り、  
びゅるびゅると甘い蜜壷に侵入しようとする。  
 
「…やぁっ……やめ…!」  
舌達の思惑を感じとっても、どうすることもできない。  
両方の太腿は無数の舌がびっしりと纏わりつき、足を広げたままの体制で固定され  
もはや女の力ではぴくりとも動かすことができない。  
「いやぁ……あっ…あぁ……」  
屈辱で泣きそうになる。ただ耐えるしかないのだ。  
花弁に到達した舌達は、周りに溢れ出る蜜を舐めとりながら  
ずぷっ  
「ふぁっ…」  
一本がひくひくと動く花びらを押し分け、蜜壷に侵入し、  
ずぷずぷずぷっっ  
「うぁっ…はあああああああんっ」  
他の数本も我先にと入り口をこじ開け、滑り入る。  
じゅるっ、じゅるっ、じゅぷっ、じゅぷぷっ……  
「…はぁんっ、はぁっ、…ああ…あぅぅんっっ……んんっ…」  
舌達は思い思いの動きで蜜壷を犯す。  
膣の柔らかい壁をこすりあげながら  
人のものでは到達できない奥まで潜り込み、縦横無尽に這いうごめく。  
「あっ…、ああっ……、や……やめてぇ……、はぁぁん……」  
今まで誰にも触れられたことの無い奥をつつかれ、責め立てられる。  
舌自身の唾液と自分の蜜がすり合って、じゅぷじゅぷとたてる音も  
一層、恥ずかしさをつのらせる。  
 
バンプの恥ずかしさなどかき消そうとするかのように  
好き勝手に陵辱を続けていた舌達はやがて、お互いに一つに絡みあって一本の太い棒と化し、  
己自身にらせん状のねじりを加えながら、  
じゅるぷっっ…びゅるるぷっ…びゅぽっっ…びゅるぷっっ!!  
「…やっ…うそっ……ふぁぁぁんっ!…やだぁぁぁっ!…あっ、はああああんっ!」  
入り口から再奥まで出し入れをはじめた。  
 
びゅるぷっっっ…びゅぷっ…びゅぎゅっっ…びゅびゅっ…びゅるぷぷっっ!!!  
「……あふっ!……あふぁっ!…はぁぁぁんっ!…あん!…あぅん!!…ふぁぁんっ!」  
体全体が激しく揺れる。  
後ろ手に縛られた両腕、艶かしく剥ぎ取られた鎧、  
二つの胸の膨らみは唾液でまみれ、大きく突き上げられるたび柔らかくいやらしく揺れる。  
「……ふぁぁんっ!……んんっ!……す…ごい……はぁん!……すごいよお……」  
てらてら光る突起は、つんと固く尖って、なお執拗な愛撫を受けている。  
かろうじて残る鎧のスカートの中ではびたびたと尻肉を撫でつけ、理性を剥ぎ取る。  
両太腿にはびっしりと舌が絡み付き、だらしなく股を広げた体制のまま動かさない。  
「……やぁ…やめてぇ……ふぁぁ!……ひゃあん!……だめぇっ……」  
大きく開かれた入り口には無数の舌が群がり、じゅぽじゅぽと淫らな音をたてて一進一退を繰り返す。  
蜜はとめどなくしたたっていく。  
 
「ふぁぁっ!…はあっ!…ああんっ!…やあぁ…っ!!…もうっ…、もうっ……」  
自由を奪われた女は、白い喉を仰け反らせ、嬌声をあげる事しかできない。  
じゅぷっ!じゅぷっ!じゅるぷっ!  
絶え間なく犯され、高みにおしあげられる、その途中で  
きゅぅぅぅぅぅぅ……  
充血していた敏感な陰核を舌の先端で締め上げられた。  
「ああああああああああああああっっっ!!!」  
 
責めは終わらない、陰核をつまみ上げられる度、膣はきゅうきゅうと収縮し、  
舌たちの責めをいっそう感じて、何度も何度も、休む間もなく絶頂を向かえる。  
「ふぁぁ、ああああああああああっっ!!……ひゃああああああああああんんん!!!……」  
切ない声、絶頂の熱、屈辱、快感、すべてが、女から吸い上げられ、  
どくどくと君主の鎧に流れ込んで行く。  
 
それらは鎧の奥に眠る若者の、その心の奥の固く固く閉ざされた扉を  
たたきはじめた。  
 
 
[前編 終わり ]  
 
 
 

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