さて、新河系(しんがけい)が制定されて、ワッPズを初め次界警備隊は平和をもたらした英雄としてもてはやされた。とはいっても彼等は彼等のままなので、何が変わったのかと聞かれれば何も変わっていないと答えるしかなかったりする。
例えば、あいかわらずマルコは饅頭をぱくついているし、プッチーはにこにこと天然っぷりを発揮しているし、コッキーはふらふらと出歩いてボルカンヌにどつかれたりしている。
オズももちろん相変わらず生真面目にわめきたてていたのだが、最近…ここ数日のことなのだが相当おかしい。いつもイライラぴりぴり廻りの者はびくついている。
もちろん、彼を良く知る者達はその理由はこれでもかという程に解かりきっているのだが、いかんせん本人に自覚が無いものだから始末が悪い。
新河系(しんがけい)となってから、国が増え問題も増えた。それに伴い警備隊は新人募集をした。
伝説ではなく、現在進行形の英雄のそばで働けるとなればそりゃあたくさんの応募があり、そうしてたくさんの新人警備隊が時の塔にいて、勿論元々時の塔勤務だったオズやベイギャルズがその研修・指導に当たっている。と、ここでちょっとした問題が起こった。
新人の一人がセレンスをえらく気に入り、昼夜問わずに口説いているのだ。
どうやら研修中に見初めたらしいのだが、それを知って以降オズの機嫌が悪いと言う訳だ。
「コッキー!貴様こんなところで何をしている!」
書類を抱えて歩いていたオズが目ざとく窓辺のコッキーに詰め寄る。
「なんだよ。いいじゃねえか別にタバコの一本くらい…」
「貴様がそんな風にだらけていると他のものに示しがつかんだろうが!」
「へいへい〜」
「何だその返事は!」
スパーーーーーーーーーン!
だらけた返事を返せばオズは抱えていた書類ごとはったおし、小気味良い音をあたりに響かせた。
「大体貴様というヤツは新河系の立役者としての自覚が足らんのだ。そもそも…」
くどくどと説教モードに入ったオズにげんなりとコッキーは逃げ体制に入る。
「あ〜あ〜あ〜うるせぇなぁ。俺はお前の八つ当たり対象にされるのはごめんだぜ」
「? 何のことだ?」
「お前…本当に自覚ねぇんだな;」
それなら一生そうやってろ、とコッキーはひょいと窓から飛び降りてキャメロディオで飛び去った。
「あぁっ!? コッキー!こら待て!」
窓から身を乗り出して怒鳴りつけるも、コッキーはあっという間に見えなくなった。
「…自覚? なんなんだ、一体…」
コッキーの残した言葉の意味もわからず、残されたオズはぼそりとつぶやいた。
八つ当たり。と言われればそうかもしれない。確かにここのところ自分でも苛ついているのがわかる。
忙しいし、まだまだ情勢は不安定だ。それを考えれば多少情緒不安定になっても仕方あるまい?
などと言い訳を頭の中に並べ立てる。
(そもそもコッキーのようなサボリ魔がいれば苛つきも増すというものだ)
そう結論付け書類を片付け少し休憩でもしようと廊下に出ると、聞き覚えのある声がオズの耳に届いた。
聞き覚えがあるどころか、長い付き合いだ。間違える事はありえない声と言うべきか。
目をやればセレンスと新人警備隊員が談笑している。
“―――――――っ”
声を出そうとして、何を言おうとしたのか、何が言いたいのか分からずに口を閉じる。
(なんだ?私は今何を言おうとしたのだ?)
もやもやする感情と苛ついている自分自身に疑問符を浮かべながら、オズがその場を離れようとした。
が、その時目の端に映ったのはセレンスの腕を取り、その唇に口付けを落とす隊員の姿だった。
「―――っ! なにを…」
しているんだと続けるより先に、セレンスの平手がものの見事に相手の頬にクリティカルヒットし、哀れな新人隊員は綺麗な弧を描いて宙に舞った。
その声でオズに気づいたセレンスが、驚いたようにオズを見、どんどん顔色が青ざめて、踵を返して走り去った.。
「セレンス!」
慌ててオズがその後を追う。
ようやく追いつけば、倉庫の隅でうずくまっているのが見えた。
「…セレンス?」
「来ないで」
ぴしゃりと一刀両断された拒絶の言葉。
その拒絶の言葉の内容よりも、その声色にオズは眉をしかめる。彼女の声はこんなにも冷たいものだったろうか。
(なんだろう、どうして…)
オズの中でわけのわからない不快感が大きくなる。
「セレンス」
「来ないでって言ってるだわさ!」
再度放たれた拒絶の言葉。
(…どうしてこんなに苛つかなければならないんだっ!)
オズは強引にセレンスの肩を掴みその体ごと壁に押し付けた。
「ちょ、やだ、何するんだわさ。離して!」
「…君は、人と話すときは相手の目を見ろとは教わらなかったのか?」
セレンスは抗議する間もオズの顔を見ようとはしない。そんなセレンスの態度に益々苛つきが収まらない。
「…ほっといて欲しいだわさ。良いから離すだわさ」
「良くないだろう!」
思わず声を荒げてしまい、セレンスの肩が震えるのが解かった。
苛つく原因も、このもやもやした気持ちも何も解からない。解からないけれど声も気持ちも抑えられない。
「大体、今は就業時間中だろう! 君は何をしているんだ!」
(そうだ、この苛つきはコッキーと同じだ。彼女が仕事をしていないから苛ついているんだっ)
さらに怒鳴りつけようとした時、セレンスの肩が小刻みに震えているのが押さえつけた腕から伝わってきた。
「なん…で」
「なんでそんな事言うんだわさ!」
ようやく顔を上げてオズと目を合わせたセレンスからは涙が幾筋も流れていた。
ぼろぼろと大粒の涙を流しつづけているセレンスに、オズは罪悪感のようなものがこみ上げる。
けれど、一度ついた火はなかなか消えない。
「あぁ、そうだったな、君は新入隊員と仲良くしていたのだものな。
何をしている、はマヌケな質問だったようだな」
(なにを言っているんだ。私は。違う、こんなことを言いたいわけじゃない)
その言葉にセレンスは大きく目を見開いた後、再び俯き、何も言わずにただ唇をこすっている。
オズも、それ以上何も言えず、ただ黙ってそこに立っているしかなかった.。
しばらくそのままにしていたが、セレンスは一向に動こうともしゃべろうともしない。オズは痺れを切らせセレンスの腕を取った。
「…いいかげんにしろ、唇が荒れるぞ」
少し時間がたってみれば多少は落ち着くことが出来て、どうにか声を荒げることなく、(本人にしてみれば)普通の声で話し掛けることが出来た。
「好きで、もない人、に、こ、んなこと、されて、喜ぶような、女、が、いるわけ、ないだわさ」
片手首を持ち上げられたことで、涙をぬぐうこともが出来なくなったが、それでもなお唇をこするセレンスが、ぽろぽろと涙をこぼし、しゃくりあげながらの抗議に、オズは先程の台詞を後悔した。
セレンスはこんなに泣いて、嫌がっていたことなのに、それをなんて酷い言い回しをしてしまったんだろう。
「…好きでもない相手、と言うことは好きな相手がいるのか?」
ビクリとセレンスの肩が震える。
今、聞くべきことじゃなかったのかもしれない。けれどもどうしても聞いておきたかった。どうしても、その答えを知っておきたいと思った。
けれどセレンスは首を横に振るだけで、何も言おうとはしない。
(つまり、私には言えない相手…と言うことか)
子供の頃からずっと一緒にいて、どういうわけか職場も一緒で、なんだか二人でいることが当たり前のようになっていた。
セレンスのどんなことでも自分は知っていると思っていた。
冷静沈着に見せかけて実は結構天然だとか。照れ屋で意地っ張りなところとか。笑顔も、泣き顔も、怒った顔も、ちょっと拗ねたような表情も。彼女のことは全て知っていると思っていた。
なのに、誰より一番近くにいるのに、誰より一番彼女のことを解かっていないのかもしれない。
そう思うと、オズの中の不快感は大きくなっていく。
オズがセレンスの唇にそっとふれる。
自分じゃない男が触れて、そして、セレンスが想いを寄せているまだ見ぬ誰かが触れるであろうその場所。
(―――――そうか、これは「嫉妬」だ)
その答えに気づくよりも早く、オズはセレンスの唇を己のそれで塞いだ。
ゆっくりと唇を離す。目の前には驚いて固まっているセレンスの顔。
こんな風にセレンスの顔を間近で見るのは久し振りだな、とオズは妙な懐かしさを感じた。
「…っな、オズ?! なに? えっ?」
一呼吸おいて、ようやく事態が飲み込めたのか、セレンスが慌てふためいている。
(…だろうな、好きでもない男二人から唇を奪われたのだから)
それでも、ようやく自覚したこの想いは抑えられない。
「私では…私でもダメだろうか? 君の傍にいる相手というのは」
オズはセレンスの手首から腕を離し、そのまま彼女の体を抱きしめた。
何の返事も無く自分の腕の中にいるセレンスに、私も平手打ちを覚悟しておくべきだろうかという思いがよぎりはじめたその時、セレンスの腕がオズの背中にそっとまわされた。
「セレンス?」
「…ホントに、なんでそんなことばっかり言うんだわさ」
「う、あ、スマン」
溜息交じりの呆れたような非難の言葉。やっぱり平手打ちかなと覚悟を決めて腕の力を抜き、セレンスを開放しようとしたオズは、けれどそのままその体勢を変えることは無かった。
今度は、セレンスがオズをひっぱってオズの頬にキスをしたからだ。
呆然とセレンスを見つけ返すオズ。
「え…っと」
(ちょっと待て、なんでセレンスが私にキスしたりするんだ?)
「…さっきの答えだわさ」
オズの肩にこつんと、セレンスが額を当てる。さっきまでと同じで俯いてはいるけれど、腕はオズの背中に回されたままだ。
「わたしの好きな人は幼馴染で、ちっともわたしの気持ちになんか気付いてくれない鈍感なヤツだわさ」
ゆっくりゆっくりセレンスの声が響く。
「ずっとずっと大好きだったのに、好きな相手は誰だとか、自分じゃダメか、なんて聞いてくるようなおバカさんだわさ」
セレンスがオズの背中に回した腕にきゅう、と力を込める。
「わたしが好きなのはオズだわさ」
「セ、レンス…?」
オズがそっとセレンスの頬に触れる。セレンスはその手に自分の手を重ね、オズとゆっくり視線を合わせた。
「…オズじゃなきゃ、イヤだわさ…」
はにかんだような、拗ねているような、それでも幸せそうなその笑顔は、オズが始めて見る表情で、それが嬉しくてオズはセレンスを抱きしめてまた口付けを落とした。
「…んっ……ふぅ…は、……っぁ」
何度も何度も角度を変えてキスをする。
その合間合間にセレンスの切なげな吐息が漏れる。
そんな声は今まで聞いたこともない。そしてそれが何か言いようの無い想いとなってオズの中で大きくなる。
オズはくすぐるようにセレンスの下唇に舌を這わせ、うっすらあけたセレンスの口に半ば強引に己の舌を押し込んだ。
「…んっ!」
セレンスの体がビクンと跳ねる。
オズの舌がセレンスの口内を味わうようにかき回す。
「く…ふぁ……ぁ、オズぅ…」
「…セレンス」
苦しげに逃れようとするセレンスの顎を押さえつけて、オズは更に激しく唇を吸い上げ舐め尽す。
そのオズのにセレンスは一気に体の力が抜ける。がくがくと振るえる足、もう力が入らずに、一人で立っている事も出来なくなってしまい、オズにしなだれかかった。
そんなセレンスを支えながら、オズは腰に手を回す。
「ん…ぁん」
力の抜けた体で、それでも必死にオズにしがみつくセレンス。その仕草に愛しさがこみ上げて来てオズは強く抱きしめた。
(ダメだ…止められない…っ!)
オズは顎を押さえていた手でシュル…と、セレンスの首に巻きついているスカーフをはずす。
ベイギャルズの制服は胸元が大きく開いているデザインだ。スカーフをはずしてしまえば首筋から項、そして胸の谷間まではっきりとわかる。
オズは唾液の絡まったままの舌をセレンスの首筋へと押し付けた。
「っぁん…や、ちょっと…」
さすがに抗議の声を上げるセレンスだったが、オズの動きは収まらない。
そのまま首筋を伝い肩口、そして胸元へ…
「やだ、だめっ! こんな、とこ…っろで」
セレンスは身を捩じらせ逃げようとしたが、腰に回されたオズの手がスカートの中に潜り、足はあっという間に広げられそこにオズの体が割り入る。
オズの膝に乗るような形で、セレンスの体は爪先がやっと付くか付かないかという不安定な位置に浮く。
バランスをとろうとして伸ばした腕は絡めとられそのままオズの背中に回された。
「セレンス…」
熱っぽい声で自分の名を耳元で囁かれる。
(…っ、ズルイだわさ!)
自分がどれだけ好きだったのか知らなかったくせに、そんな風に名前を呼ぶなんてどこまでズルイのこの男は。
あぁ、でもこんな風に自分を求めてくれるのはものすごく嬉しい。
恥ずかしいけれど嬉しい。
これもきっと惚れた弱み。
覚悟を決めたというか、諦めたというべきか、セレンスはぎゅっとオズのマントを握るその手に力を込めた。
オズの唇はその間にもセレンスの耳朶を、項を、何度もなぞる。
「っは…ぁん」
敏感なところに触れたのか、セレンスの口か声が漏れる。
胸元に手を差し入れれば簡単にやわらかな双丘へたどり着く。そのままつい、と軽く襟元を引いてやれば、少々小さめの、それでも形のいいセレンスの房が露になる。
むさぼるように口に含んで、硬くなった頂点を甘噛みする。
「あっ…んん、はぁっ…ん」
吸い付くような肌の質感と、押さえきれずに漏れるセレンスの嬌声が、オズの性を駆り立てる。
早く…早く…自分のものに
オズはもどかしげにセレンスの下腹部をまさぐり始めた。
湿り気の帯び始めた秘部に下着越しに指を這わせなぞりあげれば、高い嬌声と供にセレンスの体か痙攣する。
一旦、足を下ろし下着を抜き取り、今度は直にその部分をすりあげる。
セレンスのまだ硬く閉じた其処は触れるたびに全身に電流のような刺激を走らせ、小さく膨らんだ突起を擦り付ければ、セレンスの体からは透明な愛液が滴り落ちた。
「ぁっ…ぃゃ、い、や…オズ…っ」
この快楽に身を委ねてしまっては自分がどうにかなってしまいそうで、必死に理性を保とうとするも、その刺激を自分にもたらしているのは、長い間片想いをしていた大好きな人で。
委ねてはいけない、委ねてしまいたい、相反する二つの思いにセレンスは苦しげに鳴いた。
オズの中指がセレンスの内へ入り込む。
暖かく湿ったそこは多少の抵抗があったものの難なく指を飲み込んでいく。
なぞるように、味わうように、オズは指の本数を増やしながらセレンスの締め付けを堪能する。
「っはんっ…はぁ、あん、あぁぁあ……っ」
きゅうっと指が締め付けられたと思えば、留めなく愛液が溢れ出、オズの手を濡らした。
軽い絶頂を迎えたセレンスを満足そうに眺め、オズは指を引き抜き舐めあげた。
「っやぁっ…オズ」
セレンスは恥ずかしさから思わず顔を反け身をよじった。
けれどオズはセレンスの腰を押さえつけ逃がすことは許さず、更に深く抱きしめる。
「入れる、よ……いいね?」
耳元で囁かれるその言葉に、返事の代わりにオズの背中に腕を回し強く抱き擁いた。
セレンスのその行動を了解と追ったオズは、片足を持ち上げ、自身をあてがい一気に奥へ押し込む。
「ひっ、イ 痛い…っやだ、オズ、いた、い…っ」
深くつながる為に背中に絡めた腕が、今度は押し戻そうと肩にかかる。いくら濡れていても初めて受け入れるモノに、快楽ではない涙がセレンスの頬を伝う。
「セレンス…力、抜いてくれ。このままじゃ、君だけ、ツライ」
唇でその涙をぬぐいながら、オズが優しくセレンスを抱きしめる。
キスを何度も落とし、舌を絡め、胸を刺激し、少しでも快楽が彼女に与えられるようにとオズは優しく愛撫する。
そして一瞬力の抜けたセレンスを重力に任せて引き寄せた。
ずりゅぅ…っ
「ひ、ぁ…っ…つっぅ」
「っく…っ、はぁ…っ、」
ようやく奥まで挿入ってきたソレに、ガクガクと痙攣を起こしているセレンスを抱きしめながらオズは、絡みつくキツイ締め付けに思わず声が漏れた。
形がソレと分かるほどに押し広げられた膣はヒクヒクと震え、初めて受け入れる男根を刺激した。
「っはぁ、セレンス…動く、ぞ…?」
「ぅん、…ん」
馴染むのを待っていたオズが、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「はっぁ、ぁ、ぅう…ん…ぁあっ」
腰を動かすたびに、オズの肩に回されたセレンスの腕に力が入る。
漏れる嬌声も甘ったるくオズの耳に響き、咥え込まれた男根は絡みつく刺激に眩暈がするほどだった。
のけぞったその白い首筋に舌を這わせれば、セレンスの膣がオズの男根をきゅうっと締め付けた。
初めてという事は百も承知であったが、もっとセレンスを感じたくて、オズは抽入を早める。
「--―---あぁっ!」
悲鳴の間に嬌声が漏れる。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音をたてる結合部からは溢れ出た愛液と鮮血が床にこぼれた。
「ひぃっ、ゃ…、ぁっ、くぅ、っ…や、ぁあ……ん」
苦痛と快楽の狭間で悶え言葉にならない悲鳴をあげる。
「セっレン…ス、名、前…呼んで…くれ」
その声をもっと聞きたくて、その声で自分を呼んで欲しくてオズはセレンスを攻め続ける。
「オ、ズ、んぁ、あぁ…ん……オズぅ…っ」
「セレンス…っ」
切れ切れの、耐えるような、悶える嬌声がオズの名を呼ぶ。
もう、言葉を紡ぐのも辛いだろうに、それでも必死に応えようとするセレンスが愛しくて堪らなかった。
腰を打ちつけ、内部をすりあげ、オズは只管にセレンスを求めた。
膣内が収縮し男根を締め上げ、男根はその刺激で膨張する。
互いの限界が近いことを悟り、オズはギリギリまで引き抜いた己をセレンスの最奥へ突き立てた。
「ひっ…! ぃ、あぁっぁぁぁああっっ!!!!」
「っく…ぁあ!!」
弓なりに反ったセレンスがオズを締め付け絶頂へと上り、その彼女を引き寄せると同時に、全ての欲望を中に吐き出したオズも果てた。
セレンスは己の中が熱い奔流で満たされるのを感じ意識を手放した。
セレンスの首筋に顔をうずめたまましばらく開放の余韻に浸っていたが。
荒い息を整え、ゆっくりとセレンスの中から己を引き出すと、ずるずると力なくセレンスは床に座り込む。いまだ熱の収まりきれない体をもてあますように荒く浅い息を繰り返す。
その左の足首には脱がされた下着が絡み、胸のはだけたままの制服姿はオズに再び昂ぶりを憶えさせたが、そうさせたのは他の誰でもない自分自身だと言うことに罪悪感も感じるのであった。
途中はずしたブーツとスカーフを手に取りオズはセレンスを抱きしめ、立ち上がらせようとするが、やわらかい彼女の体が、それ以上に柔らかくふにゃふにゃになっており、無理をさせたかと後悔する。
「ぇ…と、下着穿かせようか?」(大真面目)
「///っ、なん、でアンタはそうデリカシーが無いんだわさっ」
自分で出来ると言った彼女は、けれどやっぱりふらふらで無理っぽかったので、オズはセレンスを抱きかかえて下着を穿かせ、ついでにブーツとスカーフをつけさせた。
その間の、変態だのスケベだの言う抗議の声は聞かなかったことにする。
「さて、こっからだと仮眠室の方が近いな」
「仮眠室〜?」
オズはいまだ床にへたり込んだままのセレンスと視線を合わせるためにかがみこんだ。
「君、今日はもう仕事出来そうも無いじゃないか。休んだ方が良いよ」
「…誰のせいだと思ってるんだわさ」
「あ〜///、うん、いや、だから、君の具合が悪くなって私が仮眠室へ運んだということにしておこう」
「それって、アンタの大っ嫌いなサボリってことになると思うだわさ」
「まぁ、それは…臨機応変というやつだ」
「こんなのが英雄だなんて世も末だわさ」
ボソっと呟いたセレンスの言葉を聞き逃すようなオズではなくて。
「なんだよ」
「なんだわさ」
額を突き合わせて、睨み合って、それから噴出して大笑いした。
あぁ、やっぱり、大好きだなぁ。
そんな風に思って、変わらない隣の温もりが愛しくて、二人はもう一度キスをした。
〜終わり〜