「てやぁー!」  
聖華士のハイキックが決まる。吹き飛ばされた悪蛾魔は地面を転げ回った。  
「どうしたの、もう終わり?」  
確かな手応えに余裕の表情が浮かぶ。  
手にした聖グラス剣は、その圧倒的優勢を讃えるように赤々と輝いていた。  
 
悪魔たちの誘いが罠であることは分かっていた。  
だが、先の戦いの実力差を思えば、どんな罠を仕掛けられようとも乗り越えられるという自信があった。  
事実、蛾をモチーフにしたこの悪魔も可憐な女戦士の前に手も足も出ない。  
 
「さあっ、どこからでもかかってらっしゃい!」  
よろよろと立ち上がる相手に向かって、勇ましく構えをとる。  
「はぁー・・・はぁー・・・どうやら本気を出すしかないようだな・・・」  
ようやく立ち上がった悪蛾魔は、背中に生えたその醜悪な羽根を広げる。  
「くらえっ、魔胞子!」  
羽根をバタつかせると、吐き出された胞子が聖華士に向かって一斉に降りかかった。  
「ピンクショッ撃波!」  
聖華士の盾がパッと開くと、注入された理力が激波となって魔胞子を吹き飛ばす。  
胞子の群れは彼方へと飛散した。  
 
「それが、あなたの本気?」  
半ば呆れたように言い放つ。  
「グウウ・・・この技を防がれてしまってはどうしようもない・・・俺の負けだ・・・降参する」  
そう言うと悪蛾魔は手にした武器を投げ捨てた。  
「大人しくお縄に付く・・・だから、命だけは助けてくれ・・・」  
両手を捧げて、降参の意思を示す。  
「・・・大見得切ってたわりに情けないわね」  
あまりのあっけなさに思わず脱力してしまう。  
お縄のポーズをとって許しを乞う様は、憐れみさえ感じさせた。  
(さっさと連行して、ロココ様に追いつかなくっちゃ・・・)  
反撃の意思がまったく見られない悪魔の姿に、聖華士もすっかり警戒を解いて歩み寄る。  
しかし、そこに罠が隠されていた。  
「なーんてな、ウソだよーん!」  
突如、地面と同化していた小悪蛾の群れが聖華士に襲い掛かった。  
 
「グヒヒヒヒ、天使って奴は馬鹿がつくお人よしらしいなぁ」  
聖華士の上半身に蛾のような生き物が飛び掛る。  
「いやぁ!な、何よこれ!」  
悪蛾魔譲りの小さな牙や爪が、無防備な胸を集中的につついてくる。  
その瞬間、全身を奇妙な脱力感が襲った。  
「あふっ・・・あ、はあああ」  
小悪蛾が触れるたびに、体の力が抜けていく。  
「グヒヒ、どうやら胸が弱点という悪香鬼の推測は当たっていたようだな」  
(胸が弱点!?・・・そんな、バカな・・・)  
初めて指摘された自分の弱点を信じられない思いで耳にする。  
だが、それが真実であることは、自分の体が一番よく分かっていた。  
胸への刺激にともなって、理力がみるみる失われていく・・・。  
「今ごろ他の奴らもよろしくやってる頃だろうぜ・・・グヒヒヒヒ・・・」  
(み、みんなも・・・)  
胸への攻撃に苦しめられる仲間たちの姿が目に浮かぶ。  
そして聖華士自身も、振り払っても振り払っても群がってくる小悪蛾に翻弄され、その体から理力を奪われいく。  
 
「よし、そろそろいいだろう。止めは俺が刺そう」  
十分に弱りきった頃合を見計らって、小悪蛾の群れを解き放つ。  
ようやく解放された聖華士は、はぁ、はぁ、と荒い息を洩らし、立つのもやっとの状態だ。  
「今度こそ味わうがいい、魔胞子!」  
悪蛾魔は羽根を広げ、無数の胞子を飛び立たせた。  
「くっ、ピンクショッ撃波!」  
なんとか盾を振りかざすが、激波を生み出すだけの理力は残っていない。  
「ああっ・・・」  
聖華士は襲い掛かる胞子の群れをまともに浴びてしまった。  
 
「何なの・・・あ、熱い・・・」  
体の中心が焼けるように熱くなっている。  
(体が・・・体が熱い・・・わたし、どうしちゃったの・・・・)  
急におとずれた体の異変に立っていられなくなり、膝から崩れ落ちる。  
「グヒヒヒヒ・・・さっそく効いてきたようだな。  
その魔胞子は体内に入ると、宿主に強烈な性的快感を引き起こす、悪蛾魔さま特製の淫胞子なのだ。  
どうだ?気に入ってもらえたかな?」  
「あ・・・ああ・・・」  
性的な快感に免疫がない少女戦士は、今まで体験したことのない奥底の疼きに戸惑いを隠せない。  
悪蛾魔の言葉どおりに、自分の体がどんどん敏感になっていくのが分かる。  
「さあて、今までの礼をたっぷりとさせてもらおうかな・・・」  
グヒヒヒ、と下卑た笑い声を発しながら悪蛾魔が近づいてくる。  
反射的に立ち上がる聖華士。  
しかし淫胞子を浴びた体はふらついていた。  
理力の注入が途絶えた聖グラス剣もすっかり萎えてしまっている。  
(こんなことで・・・負けたくない・・・)  
使い物にならなくなった剣と盾を捨て、拳を握りしめて身構えた。  
 
「いくわよっ!やぁー!」  
叫ぶと同時に、聖華士が飛び掛る。  
しかし、渾身の力を込めたパンチは悪魔の手に受け止められた。  
「きゃっ!」  
そのまま手首を掴まれ、無造作に放り投げられる。華奢な体が、地面に叩きつけられた。  
「あううっ!」  
「グヒヒ・・・あそこが濡れているくせに激しく動くと、かえって感じちゃうんじゃないか?」  
言われる通り、聖華士の股間は今にも溢れそうなほどに熱くなっていた。  
なんとか立ち上がった聖華士だが、思わずもじもじと内腿を擦り合わせてしまう。  
「くっ・・・」  
本当は、その手で足の付け根を押さえつけたいのを必死に堪えて、ぎこちない動きで身構える。  
その様子を好色の目で見つめていた悪蛾魔は、ニヤリと笑みを浮かべ、より効果的な攻撃を目論む。  
 
戦いは一方的なものとなった。  
いや、もはや戦いとも呼べない様相を呈している。  
「えい!・・・・・・あんっ」  
聖華士がキックを繰り出せば避け際にお尻を撫でられ、  
「くっ、たぁ!・・・・・・うんくっ!」  
パンチを繰り出せば、拳が空を切る代わりに胸をタッチされる。  
動きの鈍った聖華士は好き放題につつかれ、触られてしまう。  
しかも性感帯が刺激されるたびに、体中を支配する熱が再び燃え上がり、意識を保つだけで精一杯になる。  
聖華士を苦しめるためだけに作り出された悪魔の媚薬は、絶大な効果を発揮していた。  
そしてセクハラ攻撃に怯んで動けなくなると、今度は鋭い爪が可憐なコスチュームをジワジワと切り刻んでいく。  
「はぁ・・・はぁ・・・」  
地面にはピンク色の残骸が撒き散らされている。  
だが、露出した肌を隠す余裕も残っていない。  
理力を奪われ淫胞子に苛まれる聖戦士はもはや普通の少女以下の存在だった。  
 
「は、放しなさいっ!」  
背後から組み付いた悪蛾魔が聖華士の豊満な胸を鷲掴みにする。  
節くれだった手で乱暴に揉みしだかれると、みるみる力が抜け、同時に高められた性感が刺激される。  
どうにもならない敏感な体を執拗に責められ、嬲られ、そしてついに・・・  
「あっ、ああんっ!」  
戦闘中に甲高い嬌声を漏らしてしまう。  
自分より遥かに弱い悪魔に弄ばれる屈辱。  
(理力さえ・・・理力さえ戻れば・・・こんな奴の好きにさせないのに!)  
何とかこの状態から脱出しようと試みるが、その細く小さな手は相手の腕を弱々しく掴むだけで押し止める力が入らない。  
その間にも火照った体は快感の海に飲まれていく。  
朦朧とした意識の中で聖華士にできることは、抑えきれない喘ぎ声を洩らし、  
燃え上がらされた体をくねらせることだけだった。  
 
「グヒヒヒヒ・・・ずいぶんと出来上がってきたようだなぁ・・・オレ様の方も準備オッケーだぞぉ・・・」  
聖華士の両胸を激しく揉みしだきながら、巨大なペニスをそそり立たせて背後から擦り付ける。  
「いやぁっ!そんな汚らしいもの、押し付けないでっ!」  
「ずいぶんな言い草だなぁ・・・これからこいつでたっぷりと可愛がってやろうってのによぉ・・・おらっ!おらっ!」  
悪魔の巨根が下からぐいぐいと突き上げてくる。  
「はぐっ!・・・・あぅぐぅ・・・・」  
(こ、このままじゃ・・・)  
「グヒヒヒヒ・・・そろそろお前の肢体を味わわせてもらおうか」  
貞操の危機に瀕し体を強張らせる聖華士。  
しかしそのことが朦朧としていた意識を再び覚醒させた。  
(いやっ・・・わたしは・・・ロココ様と・・・・・・こんな奴に、負けられない!)  
聖華士は残った力を振り絞って、悪魔の拘束を振りほどいた。  
思わぬ奇襲に不意をつかれる悪蛾魔。  
「やあーっ!」  
一瞬の隙を見逃さず、膨張したペニスに思いっきり手刀を叩き込んだ。  
「グギャァァァァァー」  
断末魔の叫びをあげ、股間を押さえてうずくまる悪蛾魔。  
(や、やった・・・今のうちに・・・)  
ふらふらの体を押して、聖華士は跳躍した。  
 
空中へと脱出を果たした聖華士。  
振り返ると悪蛾魔はまだうずくまったままだ。  
(とりあえず、安全な場所に逃げないと・・・)  
方向を確認し、仲間と別れた場所へと飛び立とうとする。  
しかし、その先を小悪蛾の群れが立ちはだかった。  
主の命を受けた蛾の集団は忠実に聖華士の行く手を遮る。  
そして徐々にその包囲網を狭めると一斉に飛び掛った。  
「くっ、このっ!」  
手足をバタつかせて振り払おうとするが、数で押し寄せる敵の群れを止めることができない。  
「じゃ、邪魔しないでっ!・・・くぅっ・・・ああんっ!」  
小悪蛾が触れるたびに熱波が脳へと走る。  
淫胞子の作用で、もはや胸だけでなく全身が性感帯と化していた。  
「うくっ・・・あ、む、はんっ・・・ああっ・・・あふぅっ!」  
花の戦士は空中で蛾の群れに弄ばれてしまう。  
小悪蛾の小さくも鋭い爪が胸の先端を襲った。  
新たな刺激が脊髄を駆け上がる。  
「あっ、ああ・・・ダメッ!」  
聖華士は空中でバランスを崩した。  
凶悪な蛾の集団にたかられながら、どさり、と地面に倒れ伏す。  
衝撃で小悪蛾の群れが飛び立った。  
「うっ、あんん・・・」  
小悪蛾にさんざん蹂躙された体は、じっとりと汗ばみ、ピクピクと痙攣を起こしている。  
「あ、熱い!・・・か、体が・・・」  
全身を刺激されて、体中が熱くなっている。  
力を込めて起き上がろうとしても、体が動いてくれない。  
「あう・・・うう・・・・・・んっ!くっ!はぁっ!」  
必死に身を起こそうとするが、力の入らない体は何度も地面に倒れこんだ。  
(早く・・・早く、逃げないといけないのに・・・どうして動いてくれないの!)  
荒い息のまま、よろよろと大地に手をつく。  
熱にうなされ挫けそうになる意識を歯を食いしばって奮い立たせる。  
ようやく顔が起き上がったところを、悪蛾魔が怒りに満ちた表情で見下ろしていた。  
 
「よくもやってくれたな、小娘・・・」  
悪蛾魔の強烈な蹴りが聖華士の腹を打つ。  
「ゲホッ」  
息が止まり、むせ返りながら仰向けに倒れこむ。  
あまりの苦しさに喘ぎが止まらない。  
「お遊びは終わりだ。その体でたっぷりと後悔させてやるぞ・・・」  
どかっ!  
「うぐっ!・・・あああ・・・」  
鋭い爪を持つ足が豊満な胸をぐりぐりと踏みにじる。  
耐えようのない衝撃が体中を突き抜け、聖華士の愛らしい顔が苦痛に歪む。  
「苦しいかぁ? 苦しいだろぉ!」  
再び、勢い良く胸を踏み潰す。  
どかっ!どかっ!どかっ!  
急所への容赦ない攻撃に、聖華士は苦悶の表情で身悶えるしかない。  
悪魔なんかに・・・負けない。  
そう強く念じても、苦しみが聖華士の意識を朦朧とさせていく。  
(もうダメ・・・わたし、負けちゃう・・・)  
「やはりここへの攻撃は効きすぎるようだなぁ!」  
(助けて・・・誰か・・・ロココ様・・・・・・)  
儚い願いも虚しく、とどめの一撃が聖華士の胸に振り下ろされた・・・  
ドガッ!  
「あぐぅ!・・・」  
華奢な身体がピクンピクンと痙攣すると、やがて全身の力が抜け落ちたようにぐったりと動かなくなった。  
「どうやら抵抗する力は残ってないようだな。  
今度こそお前の肢体を味わわせてもらうぞ・・・グヒヒヒヒ」  
 
悪蛾魔は聖華士の体にまたがると、ビリビリビリッ、その鋭い爪で胸元を引き裂いた。  
白く大きな乳房が露わになる。先ほど踏み潰された部分には痛々しい痣ができていた。  
美しい双丘を前に悪蛾魔は恍惚の表情で顔面をうずめ、柔肌の感触を確かめるようにグリグリと顔を押し付ける。  
豊かで柔らかな乳房は最高の肌触りでその行為を迎え入れ、陵辱者を楽しませてしまう。  
先端に目を向けると、ピンク色の突起はまだ触れてもいないのにピンとそそり立っている。  
悪蛾魔は誘われるように熱く膨らんだ乳頭に吸い付いた。  
「う、うん・・・」  
熱を帯びた快感によって、途絶えかけていた聖華士の意識が再び呼び覚まされる。  
そして悪蛾魔が乳首を吸い上げるたびに、くらくらと頭が回るような感覚に苛まれた。  
「や、やめて・・・胸・・・やめて・・・」  
哀願する声も弱々しい。  
「グヒヒヒヒ、胸を責められるのはお気に召さないか?では、次はこちらの方を味わうとするかな・・・」  
乱暴な手付きでスカートが捲り上げられると、聖華士の下半身が無防備に晒された。  
むっちりと艶かしい左右の太腿、そしてその付け根を覆う下着はすでにぐっしょりと濡れている。  
聖華士は凄まじい羞恥に全身を切り刻まれた。  
「み、見ないで・・・お願い・・・やめて・・・」  
はぁ、はぁ、と喘ぎながらも哀訴の声をあげる。  
しかし無慈悲な悪魔にとって、その言葉は残忍な嗜虐心を高めさせるだけだった。  
「もう濡れ濡れじゃねえか。さっそく聖華士ちゃんの密壺を拝ませてもらおうか・・・」  
「ああ・・・あああ・・・」  
鋭い爪が下着を引っ掛け、そのまま下へと引き剥がす。  
乱暴に腿を掴むと・・・露わになった股間に顔を埋めた。  
「おお!これこそ天使の愛蜜・・・どんな味がすることか・・・」  
悪蛾魔は濡れて光る聖華士の蜜壺に舌をあて、付着した愛液を舐め取った。  
「甘い、甘い、まさに蜜の味だなぁ・・・グヒヒヒヒ」  
恥辱が聖華士をどろどろに包み込む。  
コスチュームはボロボロに引き裂かれ、力を使い果たした体は震え、仇敵を前に成す術もなく感じてしまっている自分・・・。  
「いやぁあ・・・いやらしいことしないで・・・しないでぇ・・・」  
今まで必死に堪えてきたものが堰を切ったようにボロボロと、涙となって頬をつたう。  
可憐な女戦士の面影はもうどこにも無かった。  
 
悪魔の指が聖華士の膣に入っていく。  
鋭い爪先がずぶっ、と奥まで差し込まれた瞬間、聖華士の首がのけぞった。  
「はぐぅっ!・・・・あはぁあぁ・・・」  
淫胞子の作用で破爪の痛みを感じなかったことだけが救いだった。  
「やはり処女だったか。中は・・・燃えるように熱くなっているぞ」  
激痛を遥かに上回る壮絶な快感が津波のように押し寄せてくる。  
「あ、あつい・・・たす・・・けて・・・」  
悲痛な訴えもお構いなしに悪魔の指先は膣内を蹂躙した。  
とてつもない快感が、再び聖華士を責めたてる。  
「あうっ・・・ああああ!ああああああ!」  
ぴちゃ、ぴちゃ、と股間に愛液が溢れだしてきた。  
「お〜お〜、盛大に溢れてきたぞ・・・お漏らしとは聖戦士さまも形無しだなぁ?」  
「はぐ・・・んんん・・・あふ」  
いやいやをするように首を振る聖華士だが、悪魔の魔の手から逃れることはできない。  
美少女天使が狂おしく悶える様はこれ以上ない刺激的な光景だった。  
「そらそらぁ!」  
ぐちょ!ぐちょ!  
悪蛾魔の凶暴な指先が花弁を激しく揺らした。  
「だ、ダメっ!・・・お、お願い・・・やめて・・・やめて・・・い、いやぁ」  
やがて、体の奥底から何かが迸るように溢れ出してくる。  
「い、いやぁっ・・・やめて!やめてぇ!」  
絶頂が迫っていることを本能が教えた。  
「グヒヒ、もういきそうじゃないか。そらっ!いけっ!いってしまえっ!」  
花弁を責めたてる指使いがさらに激しくなる。  
「あはっ!・・・あふっ・・・・あっ、あっ、ああああ・・・」  
ついに聖華士に限界がおとずれる。  
「あふっ・・・はっ、はぐぅぅぅ!」  
ぷしゅっ!と音をたてて白濁した液が飛び散った。  
途絶えゆく意識の中、最後に脳裏に浮かんだのは、潮を吹く自分の姿だった・・・  
 

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