「くっそー・・・あの生意気な小娘ども、何とかならねえのかよ!」
ここは天魔界のとある場所、ここである悪魔3人?が集まって作戦会議を行っていた。
その悪魔とは、食虫植物をモチーフにした悪花怪(おかかい)、花びらの下に目があり無数の触手を持つ悪香鬼(あっこうき)、顔にお面のようなものをかぶり細身の体ながら鋭い爪を持つ悪蛾魔(おがま)の悪植魔の3人だった。
"あの小娘ども”とは聖ウォーマン1/3(セントウォーマンスリーワン)のことである。
花をモチーフにした戦士聖華士(せいかし)、水をモチーフにした戦士聖澄士(せいすいし)、そして蝶をモチーフにした戦士聖蝶士(せいちょうし)の3人の女天使たちのことである。
彼女たちはその戦闘能力もさることながら、まだあどけなさの残るかわいらしい顔立ちに似合わぬその迫力のある身体で、天聖界の他の天使たちにも人気があった。
もっとも彼女たちはそんなことはどうでもいいらしく、次界創造のリーダーであるヘッドロココに熱をあげているようであるが。
少し前、悪植魔たちは聖ウォーマンたちと悪球エリアで戦い、完膚なきまでに打ちのめされた。半死半生で天魔会に戻ったが、再起は不可能と思える傷を負っていた。
そこで絶大な魔力を持つワンダーマリアに、母であるノアのためにもう一度チャンスを与えるので働け、と言うことで再生してもらうのだった。
ただし、その冷徹な性格からチャンスはこれで最後、二度はないということも彼らは察していた。
「しかしどうする?この間と同じじゃ・・・・」
その鋭い爪をいじくりながら悪蛾魔は言う。
彼らは再生してもらったときに、同時に新しい力を与えられ、魔力自身もパワーアップしてもらっていた。
しかしそれでも、同じやり方ではいい勝負はできても勝てる見込みはかなり低いだろうと言われていた。
このあとどうするかはおまえたち次第とも。
「・・・ぐぅ・・・しかしいい考えはないし・・・」
食虫植物のような悪花怪が続く。
「・・・どうだ、今度は前とは違う相手と戦ってみるというのは?」
その体の触手をうねうねさせながら悪香鬼が言う。
「・・・それは面白いかもしれないな。で、誰が誰とやるんだ?」
悪蛾魔がそう言う。
「・・・そうだな・・・俺が聖蝶士とやろう」
悪香鬼がみずから名乗り出るように言う。彼は聖蝶士が聖ウォーマンの中でも一番のお気に入りで、前に戦ったときに一目惚れしていた。
ただそれは普通のそれではなく、もっと邪なもので、彼はその顔立ちとアンバランスな肉付きに惚れ込み、その身体を自分のその触手でとりこにしたいという願望があった。どうせならその願望を叶えたいと思っていた。
「ほう・・・それじゃ俺が聖澄士で、悪蛾魔が聖華士というわけだな」
悪花怪が続く。
「それはそれでいいかもしれないが、まだ足りないんじゃないか?」
悪蛾魔が少し不安そうに言う。
「そうだな・・・。じゃあ、この間の戦いを見て考えよう」
悪香鬼がそのように言う。天魔界ではスーパーデビルがそのすぐれた諜報能力と超魔力で悪魔たちの戦いを全て記録として映像に残していた。
彼らはその映像を見て対策を練ろうというのである。
***
数分後、先の戦いの映像が流れる。そこには、聖ウォーマンたちがその身体を華麗に舞わせ悪植魔たちに次々と技を決めていく姿が写っていた。
「・・・ぐぅ、こいつらどこかに弱点はないのかよ?・・・それにしてもこいつら小娘のクセしてたまらねえ身体してるよなあ・・・このムチッとした身体、特にあのおっぱいすごすぎるぜ」
そういう悪蛾魔は浴場していた。確かに彼女たちはそのあどけない顔に似合わぬふくよかでボリュームのある、しかし引き締まったムダのない魅力のある身体をしていた。
聖華士はT162・B95・W60・H88、聖澄士はT163・B95・W60・H90、
聖蝶士はT163・B94・W59・H88の身体を誇っていた。
だが彼女たちは10代で、その表情はまだあどけなさの残る少女そのものであった。
「・・・おっぱい・・・胸?・・・!そうか」
「ん?・・・何か分かったのか?」
悪香鬼のつぶやきに悪花怪が反応する。
「こいつらの弱点はこの大きい胸だ!間違いないだろう」
・・・「なんでそう思うんだ?」
「悪蛾魔がその疑問を投げかける。
「俺たち悪魔は魔力でパワーを増幅してるように、こいつら天使どもも理力でパワーを増幅しているのは知っているだろう?」
「まあな・・・それで?」
悪香鬼の説明に残る二人はまだ答えが見えてこない。
「こいつらもそうである事は間違いないはずだ。だが、増幅されるといっても元になる肉体の力がベースになるのが普通だ」
「・・・ふむふむ・・・それで」
うなずく二人に対し、悪香鬼はなおも続ける。
「だが、こいつら3人は特に鍛えた肉体をしてるようには見えない。たぶん体のどこかにエネルギーの源になっている部分があるはずだ。そこを攻めればこいつらの理力は発揮できなくなるはずだ」
「・・・それがこのでかい乳と言うわけだ」
やっと謎が分かったかのように悪花怪が言う。
「そうだ、このでかいおっぱいは体の部分では多量のパワーをためておくには一番都合がいいはず・・・もしかしたらそのあふれんばかりの理力で大きくなってるかもしれないぞ、へへへっ」
説明していく内に悪香鬼の表情と言葉は、だんだんと卑猥なものに変わっていく。
「なるほど・・・そうか・・・へへへへっ」
その薄ら笑いにつられるように悪蛾魔も笑う。
「・・・で、作戦をまとめると・・・」
「まずそれぞれが1対1で戦う、この間とは違う相手と戦う、そして弱点である胸を集中して攻撃する・・・・へへへへへっ」
そうまとめる悪花怪の表情もだんだんと邪なものに変わっていった。
「よし、決まったな・・・見たところこいつら本当の男の姿は知らねえみたいだな・・・へへっ、俺たちがみっちりと教えてやろうじゃねえか」
そう言う悪蛾魔の手はあやしい動きをしている。
「そうだ・・・徹底的にぐちゃぐちゃにして世の中のオトコたちの本当の姿ってのを教えてやろうぜ・・・へへへっ・・・へへへへっ」
悪香鬼の目はあやしく光っている。その視線の先には聖蝶士がハイキックを決めているシーンが映し出されていた。
その蹴りを決めている脚も太もももその肢体ももうすぐ俺のものであると言わんばかりの目であった。
その頃、聖ウォーマンたちは次界門に向かってひたすら飛んでいた。まだ見ぬ次会を目指して・・・。そこでの愛しいヘッドロココとの楽しい日々を夢見て。
もっともこれは彼女たちの乙女チックで勝手な妄想なのだが・・・。
しばらくすると、その前方に彼女たちをさえぎる3つの影があった。
「あれは・・・この間倒した・・・・確か悪植魔とかいう悪魔?」
「はぁ・・・ったく・・・この前あれだけコテンパンにしてやったのに・・・こりないヤツらね」
発見した聖澄士のつぶやきに聖華士が、ため息をつきあきれたような反応を返す。
「・・・しょうがないわね。今度は立ち直れないぐらいにこらしめてやりましょ」
仕方ないといった感じで聖蝶士が続く。
そう言って聖ウォーマンの三人は目の前の悪魔たちに向かうのであった。
対峙する三人の美少女天使と悪魔たち。
「フフフッ、お嬢ちゃんたちひさしぶりだな・・・今度こそこの前の借りを返してやるぜ」
「ふん、今度こそ二度と立ち直れないようにギタギタにしてやるわ」
悪蛾魔の宣言に対し、聖澄士がすかさず切り返す。
「まぁまぁ・・・・どうだ・・・今度はおまえたちと1対1、それに前とは違う相手で戦いたいんだがな」
「??」
悪香鬼の提案に聖ウォーマンたち三人はかいがな表情を浮かべる。
「こっちの悪花怪が聖澄士と、あっちの悪蛾魔が聖華士と、そして俺様悪香鬼が聖蝶士とやりたい・・・どうだ?」
三人の聖ウォーマンは顔を見合わせて思案する。
どうする?・・・・向こうからこんなこと言ってくるなんて・・・きっと罠よ・・・そんなことを言い、明らかに彼女たちは疑っているが、悪花怪の次の一言で考えが一遍する。
「天聖界屈指のエリート戦士さんが俺たちのようなザコ悪魔なんか誰と戦っても変わらないだろお?ああん?」
その言葉に聖ウォーマンの三人はキッと睨み返す。
「いいわ・・・あたしたちがあんたたちなんかに負けるわけないもの。そのぐらいの条件は飲んでやるわ」
(かかった・・・ひひひ)
策がはまった悪植魔たちは内心ほくそえんでいた。そんな挑発めいた言葉に若い彼女たちはまんまと乗ってしまった。それが明らかに罠であるとわかっていながら・・・。
「それでは・・・こっちに来るんだな」
それぞれがちらばるようにその場を離れ、それにしたがうように聖ウォーマンの三人も続いた。
*********
先程の場所から500mは放れただろうか、ここでは悪香鬼とそれにしたがうように聖蝶士がついて来ていた。
「ちょっと、どこまで行くのよ、もういいでしょ?」
彼女がいら立ったように言う。
「フフフッ・・・おまえの悲鳴が仲間に聞こえたら困るからな、なるべく遠くに離れようと思ってな」
「なっ、そんなこと心配する必要があるわけないでしょ!!いい加減にしなさいよっ!」
格下と思われるヤツに小馬鹿にされて彼女は怒りをあらわにする。
「よし・・・ここらでいいか」
そう言うと悪香鬼は地にスタッと降り立った。それに続いて聖蝶士も降りる。
「やっと決めたのね、自分の最後の場所を・・・今度こそキッチリとどめを刺してやるわ」
表情に自信をみなぎらせて彼女が言う。そこには、自分が負けることなど微塵も思っていない。
「フフッ・・・今回もそう簡単に行くかな?・・・フフフッ」(胸、脚、太腿、あの肢体はもうすぐ俺のものだ・・・へへへへっ)
そんな邪な事を考えつつ、悪香鬼は不敵な笑みを浮かべる。
「・・・何かさっきからあたしのことをいやらしい目で見てるけど・・・・これから戦おうってのにスケベ心だけは一丁前ね・・・」
そんな好機を帯びた視線に彼女も気づきあきれたような反応をするが、悪香鬼はかまう様子もなくさらに彼女にとって屈辱的な言葉を浴びせる。
「フフフッ、そんないやらしい体でしかもそんないやらしい格好してんだ、男なら浴場するのが当たり前だろう?
・・・おまえの大好きなヘッドロココ様も内心はそう思ってんじゃねえか?何だかんだ言ってもあれだけ立派なオトコなんだからな。へへへへっ」
「なっ・・・ロココ様がそんな事考えてるわけないでしょう!!・・・あたしだけじゃなくてロココ様まで侮辱するなんて許せないわ、覚悟しなさい!」
そんな侮蔑を帯びた悪香鬼の言葉に聖蝶士はすっかり激昂する。
そして剣先がくるくると渦巻いている“記憶りんね剣”と呼ばれる細身の剣を右手に、顔くらいの大きさである円形状の“聖光吸収盾”と呼ばれる盾を左手に構え戦闘態勢をとる。
「いくわよっ・・・はあ!!」
気合一閃、聖蝶士は猛スピードで悪香鬼に向かって突進する。
あっという間に間合いをつめ、手二している剣で攻撃する・・・上からの振り下ろし、なぎ払い、突き・・・流れるような華麗な攻撃が悪香鬼を襲う。
それを悪香鬼は体の触手でかろうじて受け止めていくが、次にきた左のハイキックが悪香鬼の花びら部分にまともにヒットする。
「ぐおっ!!」
まともに攻撃を食らい、5mほど後ろにふっとぶ悪香鬼。
「どう?大きなこと言ってたわりには大したことないじゃない?」
蹴りを決めたポーズのまま彼女が余裕の表情で言う。赤と白のミニスカートからスラリと伸びた色白の脚を見せ付けるように。
「ぐぅ・・・さすがにまともにやったら勝てる見込みはかなり低いかもな」
「ふんん、何寝ぼけたこと言ってんのよ。どうやったってあんたたちがあたしたちに適うわけないでしょ?」
そう言うと彼女は勢いに任せて間合いをつめさらに攻撃を仕掛ける。剣の振り下ろしが頭上の花びらに、左のローが悪香鬼の体にヒットする。
「ぐうっ・・・」
続く体への突き、右のミドル、なぎ払いをかろうじて受け止める。
「くぅ・・・」
さらに彼女は左のハイキックを狙うが悪香鬼はこれを狙っていたかのように彼女の蹴り上げた脚を掴み取る。
「ぐっ・・・離せっ」
「ぐふふふっ・・・非常にいい眺めだ。へへへへっ」
悪香鬼は蹴り上げた脚の先にあるミニスカートに覆われて普段は見えない白いアンダー巣コートを甲乙なまなざしで注視している。
「!?・・・くっ・・・何じろじろ見てんのよっ!離しなさい!」
聖蝶士はやや恥じらいの表情を浮かべながらあわてて掴み取られた脚を抜き取る。しかし動きの止まってしまった聖蝶士に対し悪香鬼は反撃を企てる。
(くっくっくっ・・・今だ。これでもくらえ)
ぷはーっ。
悪香鬼は頭上の花びらからピンク色の花粉を大量に撒き散らし、目潰しで聖蝶士の視界を塞ぎにかかる。
「きゃあ」
彼女は手にしていた盾でかろうじてそれを防ぐが、その撒かれた花粉によって悪くなった視界で悪香鬼の姿を見失ってしまった。
(くっ・・・あいつはどこ?・・・でもこのまま止まってたんじゃマズイわ)
聖蝶士は視界を確保するため花粉の霧の外まで飛び上がり、彼女のシンボルでもあるその背中の蝶のような羽根をはためかせ空中にとどまり、そこから辺りを見渡し悪香鬼を探す。が、霧が晴れても悪香鬼の姿はどこにも見当たらない。
「・・・!?いない・・・んもう!本当にあいつはどこなの?」
格下であるはずの悪魔にいいようにかく乱され、彼女は明らかにいら立っていた。
「?・・・あれは」
その場所に彼女は何かあるのを見つけそこに降り立って近づく。それは悪香鬼の触手の切れ端だった。
「・・・これは・・・あいつの?」
それをしゃがんで観察する聖蝶士。しかし彼女の動きは完全に止まってしまい、気が緩み辺りへの警戒心もすっかり失われていた。
(ふっふっふっ・・・ヤツは今スキだらけ、襲うなら今だ・・・そしてあんなこともこんなことも・・・ぐふふふっ)
その時、悪香鬼は地中に身を隠し密かにチャンスを伺っていた。先程の花粉で聖蝶士が視界を失っている間に植物ゆえのその能力で地中に身を隠していた。
そして聖蝶士が見つけた触手の切れ端は彼女をおびき出すために悪香鬼が自らの体の一部をまいたものだ。
ガバッ!!そして悪香鬼は聖蝶士の後ろから地中を飛び出し、彼女の背後に抱きつくように飛びつく。
「何っ?・・・あっ・・・くっ、しまった!?」
「へへっ、捕まえたぜ」
ニュルニュル。抱きついた悪香鬼は聖蝶士の首、腰、両太腿に己の触手を巻きつかせる。
「このっ・・・離せっ・・・離しなさい」
聖蝶士は両手で首を絞めている触手を引き剥がそうと士、身体全体で必死にあがき悪香鬼の縛めから逃れようとする。
「へへっ・・・やっぱすげえパワーだなぁ。それじゃその力には黙っててもらうか」
そう言うと悪香鬼はその柔らかい感触を確かめるように二本の触手で聖蝶士の両胸をこね始めた。
「やっ!・・・ちょっ・・・どこ触ってんのよ、この変体、離せっ・・・あっ・・・あん」(何?・・・何だか・・・力が・・・抜けていく・・・)
胸を揉まれた聖蝶士からは徐々に理力が失われ、体からは力が抜けていく。
「ふっふっふっ・・・力が入らないようだな。どうやらそのでかい胸がおまえらの弱点という俺の推測は当たっていたらしいな」
(・・・そんなの・・・あたしたちにそんな弱点があるなんて・・・そんなの嘘よ・・・でも・・・でも・・・力が・・・入らない)
悪香鬼の指摘を必死に否定するも、今自分に起きている現実を認めることができず彼女の頭の中は真っ白になり混乱してしまう。
「ふっふっふっ・・・さあて、これからお楽しみの始まりだ」
ショックに打ちひしがれている彼女に追い討ちを駆けるように悪香鬼が次の一手を仕掛ける。
太腿に巻き付いていた触手はその感触を確かめるようになでまわし、腰に巻き付いていた触手は徐々にギリギリと強く絞め上げていく。
(くっ・・・苦しい・・・それに・・・やだ・・・気持ち・・・悪い)
さらに胸に強く巻き付き乳房をねじり上げるようにひねっていく。そして、首を絞めていたもう一本の触手が短いスカートの中に侵入し白いアンダー巣コートの上から彼女の股間をいじりはじめる。
「きゃあ・・・ああっ・・・どこさわってんのよ!・・・あん・・・そんなことして・・・あん・・・許されると・・・あん・・・おもってんの?「・・・ああっ」(力が・・・力が・・・)
次々と繰り出される痴漢行為に彼女は歳相応の恥じらいを見せてしまう。天聖界屈指のエリート戦死であるとはいえ、彼女はまだ十台の少女なのだ。
しかも戦闘訓練に明け暮れていたため性に対する免疫はまったくと言っていいほどなかった。
「別に許してもらわなくってもいいぜ・・・それにしてもこの身体、太腿、尻、どれもすげえムッチリ感だぜ。それにこのでかい乳、たまんねえな・・・」
そう感想を述べると悪香鬼はある考えを思いつく。
「・・・このでかい乳を隠してる服を剥き取りたいんだがなあ・・・どうもこの羽根が邪魔なんだよなあ・・・むしりとっちまうか」
(えっ・・・何・・・やだ・・・そんなの嘘でしょ?)
悪香鬼の考えを聞いた聖蝶士は驚愕し恐怖に怯え始める。
やがて悪香鬼は余っていた二本の触手で聖蝶士の羽根を力任せに引っ張り始める。
プチプチプチッ。身体と羽根をつないでいた神経や筋肉がブチブチと引きちぎられていく。
「きゃああぁぁぁ・・・やめてぇぇ・・・あああぁぁぁ!!」
彼女は肘を上に曲げ、脇を閉め肩を張り身体を緊張させ、涙目の瞳をつぶりながら上を向き悲痛な叫び声を上げている。
理力がほとんど失われ抵抗力がかなり低くなっている彼女の身体からはいとも簡単に羽根が引き抜かれてしまう。
「へへっ、こいつはもういらねえな」
そう言うと悪香鬼は引き抜いた羽根をその辺にポイッと無造作にほうり投げてしまう。
「ううぅ・・・」
羽根を引きちぎられた彼女は下を向きうなだれている。その頬には一筋の光るものが伝っていた。
「これで邪魔なものはなくなったぜ。いよいよそのでかいおっぱいとご対面だ。へへへっ」
悪香鬼はおもむろに聖蝶士の上半身を覆い隠している黄色い衣を引き摺り下ろす。
プルンッ。彼女の胸は押し付けられていた衣から開放され、勢いよく飛び出してくる。
「おおっ、この大きさと弾力、やっぱすげえ迫力だぜ。・・・触りごこちの方はどうなんだ?・・・ぐへへへへっ」
そう言うと悪香鬼はその感触と肌触りを堪能するように聖蝶士の両胸を揉み始めた。彼女の大きな胸は悪香鬼の触手の中で弄ばれもみくちゃにされる。
「・・・ああっ・・・ああっ・・・ああっ」(こんな・・・あたしが・・・こんなヤツに)
苦悶とも甲乙とも言えない表情を浮かべながら、彼女の身体はだんだんと脱力していき、頭の中は快感と屈辱で満ち溢れていく。
カランッ。そして手にしていた剣と盾も力が抜けた彼女の元から離れてしまい地面に落ちてしまった。
「ん?どうしたぁ?・・・それはおまえの大事な物なんじゃないかぁ?・・・そうかそうか、それを捨てちまうくらい嬉しいのかあ・・・ぐへへへへへっ」
ギュウウ、ギュウウ。調子に乗った悪香鬼は牛の乳搾りをするように彼女の乳房を力強くひねり始めた。
「きゃああ・・・あああ・・・あああぁぁぁ」(ああっ・・・でも・・・嫌なはずなのに・・・何?この感覚は?だんだん・・・気持ち・・・よく・・・なってく)
それは彼女自身は気づいていないが身体が性へ目覚める兆候でもあった。口元からは涎をたらし瞳はとろんとしている。
(ああ・・・何だか・・・体がぼーっとしてきた)
執拗に胸を責められ理力を失い体中からエネルギーを抜き取られるような感覚に陥った彼女は、やがて意識もだんだんと薄くなっていく。
脱力し下をうつむいて身体をだらりとさせる聖蝶士。
「なんだぁ?まだおねんねの時間には早いんじゃねえか?・・・まだ俺様と遊ぼうぜ。・・・ぐへへへへっ」
そう言うと悪香鬼は聖蝶士の全身を自分自身の触手で再びなめまわすようにさすり始めた。
ニュルニュル。彼女の健康的でムッチリとした両太腿と形のよい柔らかな尻を悪香鬼の触手が這い回る。
触手の繊毛が肌と触れ合うたびに生理的に受け付けられない感覚が彼女を襲う。
(いやぁ・・・やだあ・・・ぬめぬめして・・・気持ち・・・悪い)
そして露出させられた双乳は何本もの触手で胸当てのようなものを形成して、それを覆い隠している。
その胸当てのような触手は彼女の胸を覆い隠し、同時にその形を形成したまま両乳房を揉みほぐしている。
ギュウウ、ギュウウ。ブラジャーに自分の胸を揉みほぐされているような感覚に彼女はとまどい、苦しみもだえている。
「いやっ!・・・何!?・・・あ・・・あんん・・・ああっ」
「へへへっ、だいぶいい感じになってきたぜ・・・どうだ?こっちでも遊んでやるぜ、ぐへへへへっ」
更に悪香鬼は聖蝶士のスカートの中に触手をつっこみ、すっかりと濡れてしまった白いアンダー巣コート越しに彼女の秘所をまさぐりその秘部を捕らえ始めた。
「あっ・・・きゃあ!・・・いやあぁ・・・ああっ・・・あああぁつ」
悪香鬼の適格な指使い(触手使い?)に秘部をいじられ身体がビクンッと反応してしまう聖蝶士。
うつろを見上げ、額と首筋にじっとりと汗をかき、いやいやをしながら悲痛な表情で悲鳴を上げている。
(いやあ・・・こんな・・・こんなことって・・・)
上を向き、瞳を閉じ苦痛な表情を浮かべながら力なく悲鳴を上げている。生まれて初めての恥辱にその瞳からは、大粒の涙がこぼれてきた。
その時、股間をまさぐっていた悪香鬼がある事に気付く。
「ん?なんだぁ?おまえやっぱり処女かぁ?・・・年頃の娘なのにもったいねえなあ・・・ぐへへへっ」
こんな卑猥な言葉を掛けられれば普段の彼女なら羞恥に頬を染めてしまうはずだが、朦朧としている今の状態ではそれどころでは無かった。
「こんなにいい女なんだからおまえさえその気になればいつでも捨てられるのになぁ・・・そうだ、俺様がおまえの初めての相手になってやろうか?ぐへへへへっ」
(えっ?・・・えっ?・・・えっ?)
悪香鬼のその言葉に聖蝶士は一瞬何を言われたか分からなかったが、すぐにその意味を理解し恐怖に怯え始める。
バリッバリッ。秘部をいじりまわしていた触手は、彼女の股間を覆い隠している布を少しずつ破りおもむろにそれを剥き取り始めた。徐々に彼女の秘所の周りの陰毛があらわになる。
「いやあ・・・やめ・・・て・・・もう・・・やめ」
徐々に剥き取られていく感覚に、これから彼女にされること、その瞬間が徐々に迫ってくるのを直感的に感じ、彼女は弱った身体で弱弱しい悲鳴を上げる。
それに構うことなく悪香鬼は剥き取り続ける。そして目的を果たした悪香鬼は自分の体から一本の触手を取り出し聖蝶士の秘所に迫ってくる。
その触手の先は男根のような形をしていた。
「あ・・・あ・・・」
迫ってくるそれが何であるか直感的に感じ取り、聖蝶士は恐怖する。
「へへっ・・・いくぜ」
ズブリッ。それが聖蝶士の秘所を貫き、彼女の中に入り始めた。
「ぎゃああぁぁぁ・・・いやああぁぁぁ」
(ああっ・・・こんな・・・こんな・・・だれか・・・助けて・・・ロココ・・・様)
ガクッ。処女膜をやぶられたその痛みに彼女は絶叫し、敬愛するヘッドロココに思いをはせながら身体から力が抜け、意識を失っていった。
「へへへっ・・・なかなかいい感じだぜ・・・ん?なんだぁ、もうおねんねかぁ?・・・これからが面白いところなのになあ・・・ぐへへへへっ」
股間から聖蝶士を貫きながら悪香鬼が言う。悪香鬼の触手に身をゆだね支えられている格好の聖蝶士は、苦しげな表情で気を失っている。
その顔は閉じた瞳から流れた涙のあとと、色あせた紅い唇を半開きにして汗をびっしょりかいていた。
貫かれた膣からは、処女膜を破られた証の赤い液体とそれに混ざるように少々の白い液体が内腿を伝っている。
聖蝶士を貫いている触手を左右に激しく振りながら、しばらく彼女を味わっていく悪香鬼。
ドクンッドクンッ。そしてついに果てる瞬間がきたようである。
「うっ・・・へへっ・・・どうやらフィナーレが来たようだ・・・いくぜ・・・いっちまうぜぇ、ぐへへへへへっ」
しかし、意識のない聖蝶士は何の反応もなく悪香鬼のなすがままである。
そして今まさに果てようかという瞬間、何者かが悪香鬼を聖蝶士からグイッと引き剥がし後ろに投げ飛ばした。
「うっ、何だぁ・・・ぐわああぁぁぁ!」
聖蝶士に射精するはずだった白濁液を撒き散らしながら、後ろに吹き飛んでいく悪香鬼。
「うぅぅ・・・だ、誰だ、邪魔しやがるのは・・・お、おまえは・・・・ぐあああああぁぁぁ」
何者かの攻撃が悪香鬼を一瞬にして絶命させてしまった。
・・・数時間後、聖蝶士は意識を取り戻す。
「う・・・う、ううん・・・こ・・・ここは・・・さっきの場所?」
真っ白なシーツに包まれ、あお向けに寝かされていた聖蝶士は、剥き出しの白い肌をそれで多い隠し、上半身をよろよろと起こして辺りを見回す。
そしてすぐ傍にボロボロになった悪香鬼の死体を発見する。
(確か・・・あたしはこいつに弄ばれて)
いくら記憶を辿っても自分が目の前の悪魔を倒したという記憶がない。
(じゃあ一体誰が?・・・えっ!?)
そして聖蝶士は自分を覆っているシーツの上に不死鳥の鱗のようなものが一枚あることを発見する。
「これは?・・・まさか、あのお方が!?・・・」
聖蝶士はそれが誰のものかすぐに分かった。そしてその人物が自分の窮地を救ってくれたことも。
(ああ・・・あああ・・・ありがとうございます)
彼女はその鱗を見つめ感激の涙をこぼし、それを両手でシーツの上から抱きしめるように胸にギュッと押し当て、その鱗の主に想いをはせていた。
そしてこのお方にずっとついていこうと改めて強く強く思うのであった。
−完−