…他の聖ウォーマンと悪植魔が別々の場所で戦っている頃、ここでは聖澄士と悪花怪が対峙していた。
「ふん…それにしてもあんたたちも懲りないヤツらね。またコテンパンにやられるに決まってるのに…」
朱色のレオタード、無色透明なミニスカート“聖水澄ガード”(せいすいすいガード)に身を包まれた少女・聖澄士がスカイブルーのカーテンのようにヒラヒラしたセミロングの髪をかき上げながら言う。
その顔は自信に満ち溢れ“またコイツらの相手をするの?”というような表情をしていた。
「ふふふふっ…今回もそううまくいくかな?…へへへっ」(しかし、コイツら改めて“女”として見てみるとすげえものがあるな、襲いがいがあるぜ…ぐふふふふふっ)
聖澄士、特に首から下の身体、その大きな胸、白い肌、その程良くムチッとした肉付き加減を観察しながら悪花怪が言う。
「その薄汚い顔はもう見たくないからさっさと片づけてやるわ…はああ!!」
悪花怪に向かって猛然と突っ込んでいく聖澄士。
その際に右に手にした“源木聖銃”(げんぼくせいじゅう)という蔦のからまった樹木をかたどったような小型の銃から協力な水流波を乱射しながら突撃していく。
ビシュッビシュッビシュッビシュッ…強烈な水撃が悪花怪に次々とヒットしていく。
「うぐぅ…ぐふっ…ぐおぉ」
そのひるんだところへ更に得意の打撃による接近戦で追い詰めていく。
「やっ、たっ、はあっ、とうっ、えいっ…」
左右のパンチのコンビネーション、蹴りの乱れ打ちが悪花怪に次々とダメージを与えていく。
「ぐっ…ぐおおお…お、おのれぇ」
「やあぁっ!!」
そしてとどめとばかりに聖澄士の渾身のハイキックが悪花怪の口元にクリーンヒットする。
「ぐわあああぁぁぁ」
蹴られた衝撃で4、5M程後ろへ吹き飛ぶ悪花怪。そのまま彼はあお向けにダウンする。
「う…う、うぐっ…うくぅっ」
よろよろと起き上がろうとする悪花怪、だがそこへ新たな衝撃が彼を襲う。
「やあぁっ!」
ドボォッ!聖澄士がニードロップを悪花怪の体に落としてきたのだ。彼女の右膝が悪花怪の体にめりこんでいく。
「ぐふぅっ」
聖澄士はすぐに悪花怪の傍にスクッと立ち、彼に向かい見下ろしながら勝ち誇って言う。
「ふふふっ…どうかしら?まだ相手してもらいたい?」
「う…う…うぐっ…ま、まいっ…た…ぅ…」
悪花怪は体をひくつかせ苦しげに降伏宣言し、そのまま気絶してしまった。だがそれは“やられたフリ”で本当はまだ余力を残していた。聖澄士を油断させるための作戦だったのである。
以前に散々力の差を見せつけたことのある聖澄士はそんな悪花怪の行動に少しも疑うこともなく、悪花怪から目線を切り
頭のヘアバンドのような冠”1/3聖重パーツ”(スリーワンせいじゅうパーツ)で他の聖ウォーマンと連絡を取ろうと試みる。
「?…おかしいわね、みんなと連絡がとれないわ…もしもし…もしもし…みんな応答して、どうしたの?」
それはそのはずで他の聖ウォーマン達はそれぞれの悪植魔相手に危機を迎えていたのでそれどころではなかった。
そして連絡を取ることに気をとられてしまったため、聖澄士には油断からくる大きなスキが生まれてしまった。
その様子を悪花怪は内心ほくそえみながら聖澄士に気づかれないようにこっそり眺めていた。自身の魔力を溜め込みながら左横を向いている彼女へ反撃する機会を窺っている。
(ぐふふふふっ…ヤツは仲間と連絡をとることに夢中になっている。襲うなら今だ…ぐひひひひひっ)
そしてその時がやってきた。突然ガバッと起き上がり聖澄士の正面からのしかかるように彼女を押し倒していく。
「えっ?…きゃっ…きゃああああぁぁぁ!…ああんっ」
予測もしてなかった出来事に彼女は意表をつかれそのまま押し倒されてしまう。そして悪花怪はそのまま聖澄士に馬乗りになる。
(くっ…しまった!?)
「へへへっ、形勢逆転だな…今までのおかえしを何倍にもして返してやるぜ。ぐへへへへへっ」
ブウゥン。そう言うと悪花怪は食虫植物の口のような自身の手を先程溜めておいた魔力で増徴させていく。
そして手の平ぐらいだったその大きさがみるみるうちに倍ぐらいの大きさに変形していく。
「へへへっ…いくぜっ」
ガブリッ。大きくなったその両方の口がそれぞれ聖澄士の両胸をかじりつく。
「きゃああ…あっ、ああっ…くっ…ちょ…何す…んの…離せっ…この変体!…あ、あんっ」
彼女は右手に持っていたその銃で悪花怪に反撃しようと試みる。だが勢いのない水鉄砲のように弱々しい水流がチョロチョロと流れ出るだけだった。
「!?…な、何で?…あ、あん」
自分の武器がちゃんと動かないことに、聖澄士は更に同様してしまう。
「ふふふっ、その水鉄砲は理力が動力源なんだろう?理力がほとんど失われているおまえが使っても当然そうなるわなぁ…ぐふふふふっ」
「な、何であたしから理力がなくなっているのよっ!…あっ、あん」
彼女にしてみれば当然の疑問である。だが悪花怪にはそれが何故であるか見当がついていた。彼の手が聖澄士の胸をかじりついていることによるものだと。
「ぐふふふふっ…やっぱりそのでかいおっぱいが理力の源で弱点だとは知らなかったみたいだな。ぐへへへへへへへへっ」
(くっ…そんな…あたしにそんな弱点があったなんて…そんな、そんな…でも…力が…入らないわ)
初めて知る自分の身体の性質に衝撃を受ける聖澄士。だがショックに打ちひしがれている彼女に悪花怪は更に追い討ちを仕掛けていく。
「へへへへっ…そういうわけだからこれからたっぷりかわいがってやるぜ…ぐへへへへへへっ」
ガブッ、ガブッ、ガブッ…そう宣言し手始めに悪花怪の手の口が、まるで取れたての果物にがぶりつくように聖澄士の大きな乳房にかじりついていく。
「あっ、あん、あっ、あっ、ああっ…くっ…このっ」
胸を噛みつかれている聖澄士も、喘ぎながらも左右の拳で必死に悪花怪をなぐりつけて抵抗を試みる。
しかし理力がほとんど失われ普段の力が入らない聖澄士のパンチは悪花怪には体をなでられているぐらいにしか感じられなかった。
「へへっ…これが天下の聖ウォーマンのパンチとはな、かわいいもんだぜ…ぐへへへへへっ」
「ぐっ…そ、そんな、どうしたら…あっ、あっあっ、ああっ…」
聖澄士の拳は効いてる様子もなく、悪花怪の彼女の胸への責めはますます激しくなっていく。それに伴って聖澄士の悲鳴、いや喘ぎ声も更に激しくなっていく。
「あっ、あっあっ、あっあっ、ああっ…ああっ」
「へへっ、いい声で鳴くじゃねぇか?…こうなると天下の聖ウォーマンもただの小娘と変わらねぇな…ぐへへへへっ」
悪花怪に噛まれている聖澄士の胸からは赤い血とそれよりはるかに多量のドロッとした緑色の液体、
悪花怪の手の口の唾液が身体のラインを辿るように、ツウゥと彼女の脇の下、脇腹に流れていく。
その緑色の液体が、何故か聖澄士の朱色のレオタードを溶かしていく。
(えっ…?な、何で…?)
「へへっ、そういえば言い忘れてたなぁ…オレの手の口は物を噛むと唾液が大量に出るんだよ…それはおまえらの着てるような聖戦衣と化学反応を起こして溶かすんだよなぁ。そおら、だんだんおまえの素肌が見えてきたぜ…ぐへへへへっ」
悪花怪の言う通り、緑色の液体の流れたあとは聖澄士のレオタードが溶け、その白い素肌が露出されている。
ということはそれにずっとガブリつかれている彼女の胸のあたりは完全に剥き出しになっており、その豊満な乳房、桃色の突起物まで全て露になっていた。
聖澄士も悪花怪のその“悪魔の口”というべき手を自身の両手で必死に引き剥がそうとするが、やはり理力が失われているせいか力が入らない。
「んっ…くっ…くぅ、このっ…あっ、あっ(力が…力が)」
「へへっ、そんなに“この手”を引き剥がしてほしいのかぁ?…じゃあお望み通り片方は外してやるぜ、そらよっ…ぐへへへへっ」
そして聖澄士の左胸が完全に白日の下に晒される。
その豊満な乳房は大きなふくらみの真ん中にピンクの小さなものがツンと自己主張しており、色白でマシュマロのように柔らかく、まさにかぶりつきたくなるような代物である、はずだった。
その透き通るような白さのおもかげは今はなく、散々かみつかれて血みどろになっている。所々は噛みちぎられておりその胸の肉がえぐられていた。
聖澄士から離れた右手の口からは、あふれんばかりの緑色の唾液が彼女へしたたっていた。
「へへへっ、まだ随分余ってやがるな…もったいないからおまえにくれてやるぜ、うおりゃあぁ」
ブシャぁッ!聖澄士の上半身へその緑色の液体が勢いよくブチ撒けられていく。その後、みるみるうちに彼女の朱色の衣は溶けていき、上半身の素肌が露になっていく。
「あ…あ…あ…い、いやああぁぁぁっ」
聖澄士の強気で凛々しい表情がくずれ、だんだんと涙目でおびえの色がハッキリとした表情に変わっていく。
「へぇ、そんなかよわい小娘のような表情(かお)もできるんじゃねえか?へへへっ…どれ、もっといじめてそのかわいい顔をグチャグチャにしてやるぜ…ぐへへへへっ」
そう言うと悪花怪は完全に露出した右乳首に自身のさけた口を寄せ吸い付き、そのミルクのようないい香りを味わっていく。
左手の口は相変わらず、だがより激しく右の乳房を食いちぎっていく。
「いやぁ…な…にして…んの…きゃあ…ああっ…ああっ…あああああああっ」
(こんな…あたしが何でこんな目に…これは夢よ…夢なら早く覚めて…)
乳首を吸い付かれていることへの不快感、右胸を噛み付かれていることへの痛み、それらの脱力感に聖澄士は喘ぎとも悲痛な叫びともいえないような奇妙な声を上げてしまう。
「ぁぁ…ぁぁ…ぁぁぁ…」(ああぁ…何だか…頭が…ぼーっとして…)
そして体から理力と共に体力も失い全身がほてっていき、意識が薄くなっていく。
「へへへっ、どうした?そんな呆けたツラをして。お寝んねにはまだ早いぜ…そうだ、オレ様が目覚めさせてやるぜ、ぐふふふふふっ」
そう言うと悪花怪は自身の両手の口で、ゴムまりのような聖澄士の両胸にかじりつき、更に覆いかぶさるように顔を近づけ彼女の唇をスッと奪う。
「なっ!!?…う、うぐっ…うぐぅ…むぐうぅ」
悪花怪の思わぬ行為に聖澄士はカッと大きく目を見開き、驚愕の表情を浮かべている。
やがて悪花怪は自身の舌を聖澄士の舌にからめていき、彼女の口内に侵入し、たっぷりと少女の唾液を味わっていく。
「う、うぐ…うぐぅ…うぐっ…うぐうぅ」(いやあぁ!…こんな…こんなことって…)
生まれて初めて受ける辱めに、そして明らかに格下の醜い悪魔にいいようにされることに、見開いた聖澄士の大きな瞳からは屈辱で大粒の涙がポロポロと流れ出てしまう。
…数十秒後、たっぷりと聖澄士を味わった悪花怪は、やがて糸を引きながら彼女を自分の口から開放していき一息つく。
「ぷはーっ…涙が出るほどうれしいのかぁ、ぐへへへへへっ」
「…ケホッ、ケホッ…はぁ…はぁ…んぐっ…グ、グズッ」
聖澄士は息を詰まらせ涙をこらえようとするがとめどなくそれが顔にあふれ出てきてしまう。自分の口内へ侵入してきた悪花怪の緑色の唾液を忌み嫌う物を吐き出すように必死でむせかえっている。
「オゥオゥ、泣いてるツラもかわいいぜ、へへへっ…こっちの方のあんばいはどうなんだ?ぐへへへへへっ」
そう言うと悪花怪は聖澄士の股間に右手を伸ばし、今度はその感触を確かめるように秘部をがぶりつき始める。
「ひゃっ…きゃあ…あ、ああっ…あ、ああ…ああああっ」(いやっ…いやっ…いやっ)
その行為に一瞬身体をビクッとさせる聖澄士。
だが、見開いた目には涙をため額にじっとりと脂汗をかき、その身体は脱力し小刻みにふるわせ動かすことができない。
「へへっ、下の方もすっかり濡れてるじゃねぇか…嫌がってるようでも本当は快感に思ってるんじゃねえのか?ぐへへへへへっ」
悪花怪の言う通り性感帯への数々の責めで身体が快感を感じてることも事実だった。
だが正経験のほとんどない聖澄士にはそのことよりも精神面に感じる不快感だけしか感じられなかった。
(う、ううっ…ううぅ…だれか…だれか…助けて)
悪花怪に右の乳房を握りつぶされ(噛みつかれ)、なすがままに股間をいじられる聖澄士。彼女からはすっかり凛々しい女戦士の面影はなく、そこには男にいいように弄ばれる少女の姿しかなかった。
やがて意識が遠のいていく聖澄士。口を無造作に半開きにし、だらしなく涎をたらしている。
「ぁぁ…ぁぁ…」(ああ、もう…もう…ダメ…みんな…ロココ様…ご、ごめんなさい…)
ガクッ。聖澄士は顔を横にたれついに気を失ってしまった。苦しげなその顔は何本もの涙のあとが頬を濡らしている。
「どうした?もうおねんねかぁ?これからが本当に楽しくなるのになぁ…へへへっ、ぐへへへへへっ」
そういう悪花怪の左手の口はまさぐっていた聖澄士の股間の衣を溶かしていた。
朱色のレオタードが徐々に溶けていき、隠されていた秘部の黒い茂みがあらわになっていく。
「へへへっ…出てきた出てきた…今度はこっちだな、ぐへへへへへっ」
そう言うと悪花怪は今度は露出させた聖澄士の股間に顔をうずめにいった…。
「…う、ううん…はっ…夢…どうして昔のあんな嫌な事を…あたし…」
ここは次界、次動ネブラの天聖軍のキャンプ。仮眠をとっていた聖澄士はいつの間にかうとうとしてしまい、少し前に受けた忌まわしい屈辱の夢を見ていた。
その悪球エリアで受けた“悪夢”のような屈辱を思い返すように夢の中でプレイバックしていた。
実際には自分が気を失った後はどうなったか分からない。だが数時間後、自分の意識が戻ったときには近くには何者かによって倒された悪花怪のボロボロの死体が転がっていた。
そして自身の体は身体を包み込むように白いシーツに覆われていた。
この後彼女はボロボロの身体を押して、自力で天聖軍の本隊に合流したので、この出来事は他の仲間には知られていない。(はずだった)
しかしこのとき彼女が受けた恥辱は、彼女の華やかな戦いの記録の中で早く忘れたい忌まわしい記憶としてしっかり脳に刻み込まれていた。
よほど寝心地が悪かったのか、全身汗びっしょりになっている聖澄士。
(…いやだわ、あたし…何で今更あんな…はっ!?)
ある予感を感じ、聖澄士は恐る恐る自身の手で股間を触ってみる。そして彼女はそこがしめっていることを感じとる。
(やっぱり…なんで…あたし)
そして彼女の顔は紅く染まりすっかり蒸気してしまっている。
「疲れてるのかしら…あたし…」
聖澄士たちはこれから”魔幻型”(まげんモデル)と呼ばれている悪魔の要塞に乗り込もうとしていた。
そこで待っているであろう厳しい戦いに身体が極度に緊張して疲れている、彼女はそのように考えた、いや、思い込む事にした。
しっかり気をもつように聖澄士は両の手でパンッと頬を軽く張り気持ちを落ち着かせようとしている。
そこへ聖蝶士が聖澄士を呼びに彼女の元へやってきた。
「これから乗り込むみたいよ、あたしたちも行きましょう…どうしたの?何か顔色が変よ…大丈夫?」
そんな聖澄士を気づかい聖蝶士が言う。しかし聖澄士は何事もなかったように座っていた丸太からスクッと立ち上がりそれに対して受け答える。
「ううん、何でもないわ…さあ、行きましょ」
「??…そうね」
話を打ち消すように聖澄士が言う。彼女の頭の中にある過去の耐え難い恥辱を多い隠すように。
だが、それは聖蝶士も同じようなことを体験していた。そして彼女もまた、誰にも言えないトラウマになっていたのである。
やがて彼女たちは戦いの中へと、魔幻型へとその身を投じていった…。
そして、聖澄士はあの“悪夢”はこれから自分自身に起こる事を暗示していたことをその時知ることになるのである…。
−完−