・・・ジャックの心の中にどす黒い火が灯った。勿論本人にその自覚はない。
いつも通りに会話をし、いつも通りに1日を終えた。
「う・うぅーーーん」
ナニか得体の知れない悪夢にうなされるジャック。
朦朧とした意識の中で今日倒した悪魔(怪奇盗賊)のことを思い出す。
「そういやアイツ聖夢源の悪魔だったんだっけ?まっさか夢に出る訳
ないよなぁ・・・・・・・・」
そんな意識の中で独り言をつぶやいた。
夢の続きを見ることを決め込んだジャックはそのまま寝返りを打つ。
そこで目に入ったのはまたしてもあいつらだった。
寄り添う2人はロココに言わせれば中むつまじいそうだが考えても見ろ、
戦いに明け暮れる男たちの中で女が1人。しかもあんな格好で・・・・
(ブツン・・・・・・・・)
彼の中の何かがいきなり切れた。もう押さえは効かなかった。どうなっても
構わないと決心した。幸い今日はこの場所で野宿、しかもほとんどの仲間が
偵察でいない。ジャックはおもむろに私物の中のロープを取り出した。
次界探索の旅に出る前に知り合った天使、(縁縄如天)からもらった物だった。
「!?」
体中に違和感を覚えたクロスエンジェルは眠りから覚めた・・・が暗い。
何も見えない。目隠しをされているようだ・・・
今一度体の状態を確認する。
背中に岩?更に両手両足がまるで大の字になったまま動かせない!
ロープ?でも何故?
不意に襲いくる恐怖・不安・・思わず意中の神帝の名を叫ぶ!
「あふぁお・・おを!?」
声が出ない!いや正確には声が言葉にならない。口に何かつめこまれている!?
「いあ・・・やあお・・」
いくら叫んでも惨めなうめき声しか出ない。
少し離れた場所にジャックは立っていた。その顔には神帝の威厳も何もない。
その表情は1匹の飢えた男・・いやケダモノのソレになっていた。
遊晶剣を抜くと、おもむろにクロスエンジェルの右の乳房の下に切っ先を
あてた。そのままズズゥーッと胸を舐めあげるように剣を上に動かす。
「んぐ!ぅああぅう!!」
いくら峯の部分で触れていても切っ先は鋭く尖っている。今まで感じたことの
無い痛みに悶絶するクロスエンジェル。
女性の苦悶する姿はこんなにまで美しい物なのか・・・ジャックは無我夢中で
剣の切っ先を走らせた。1すじ、また1すじと走らせる度に彼女の体は反応し
男とは違う豊満な体は何度も痙攣した。
・・変化が起きた。
うめき声が・・・変だ。これまで漏れていた声は確実に恐怖と痛み、苦しみの
嗚咽だった・・・・・
「はふっ・・あっあぁあっ・・・んっ!・・・くっ・・・ぅあああああ!!」
明らかに嬌声に変わっていた。鋼の愛撫が女の蕾に触れる度に声は変化をとげ
最後には淫らな喘ぎ声と化した。
いままで峯で撫でていた彼は何を思ったか、おもむろに刃を向けた。しかも
直に肌を愛し始めた・・・
「ぎゃうっ!!あがぁああぁぁぁああああ!!!」
既に愛らしい天使の姿はそこには無かった。加虐の魅力にとり付かれたオスと
被虐の贄となったメスの営みが始まってしまったのだ・・・・・・・・・・
・・・どれだけ時間が経っただろうか。
いや、もう時間という概念は関係無い。今のジャックには
この瞬間こそが全てだった。
「あ゜ーーーーーっ!あ゜あ゜ーーーーーーーー!!」
その光景は実に奇妙なものだった。
木の幹(クロスエンジェルの肌)に赤い蜜が走る(血が流れる)たびに
木(彼女)は奇妙な音(声にならない叫び(嬌声?)をたてビクンビクンと
痙攣する。
彼は声は出さなかった。出しては正体がばれてしまう。
彼は直には触らなかった。触ったら何をしてしまうか判らない。
・・・・・・・・・・・もう限界だ・・・・・・・・・・・・・・・
「ああああああああ!」
ジャックの声はすでに別の声になってた。元の声と聞き分けられないほどに。
そしてその手は触れてはいけない、友の彼女の秘所をまさぐりはじめた。
熱い・・しかもベットリと液体が絡み付く。その初めての感触に戸惑いながらも
本能のままにこね回していく。
「を゜ぅ!?おをぉお゜ぉぉぉぉ!!!」
今までの異常な痛覚麻痺からくる快感ではなく直接的な性の快感が、
発狂寸前の彼女の精神を正気に戻した。しかし戻ったところで新たな
刺激に気が遠のく・・・・
「な、なんですのこれ?一体何が起きてるんですの?体中がイタがゆくて
あそこ・・がべとべ・・と・・で・・・・・・!だれ・・ですの?・・
この手だ・・れ・・・のて・・・・・・」
大事な何かに気づいた瞬間、布ごと切り裂かれた無残な右の乳房に何かが
しゃぶりついた。傷を、乳首を、乳房の裏をと舐めまわし始めている。
何か硬いものに乳首がはさまれた。牙!?
ギリリ・・・・ギリ・・・ギリ・・・・
「んむぁあ゜ーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
乳首に食いつかれたのだ。牙がゴリゴリと嬲り始める。
「んむっ!んむぁ!ん゜ひぃぃい゜!!!」
牙の摩擦に合わせて赤く染まった奇妙な果実は跳ね上がる。
そこにではケダモノの交尾が始まっていた。いびつな形で縛り上げられたメスは
オスの怒張したモノに良い様に嬲られていた。
一突き、また一突きとオスの動きはエスカレートしていく。
涙と涎と尿と・・・ありとあらゆる体液を滲ませながらメスは喘いでいた。
「アァ・・キモチイィナァ・・・オイラドウナッチマッタンダ?何シテタン
ダッケ?オモイダセナイナァ・・・・」
何度も何度も体液をメスに浴びせ掛ける。止まらない。体液を出せば出すほど
その肉壷にモノを突立てたいという衝動がとめどなく沸いてくる。
背中に激痛が走る。何だろうと振り向く。見たことの有る天使たちが自分の
背後にいる。そのうちの1人は怒り狂ってるようだ。背中の激痛はコイツが
原因のようだ。
「ウットオシイナァ・・・ジャマスルナヨ。」
手にした剣を振りかざす。以上に大きくなってるその剣が唸る度、天使たちは
ひらりひらりとかわす。
「アレ?コンナニオイラオソカッタッケ?」
かつての仲間に剣を振るうことより自分の体の異変が気になった。
「マァイイヤ。コイツラカタヅケテツヅキヲシヨウ・・・」
その声は魔獣の咆哮と化していた。
次界に続く無縁ゾーン・・・そのどこかにある名もなき砂漠に風化
した骨が転がる。大きな悪魔の骨とソレに押し潰されるようなカタチ
で天使の骨。さらにソレを囲むような数体の天使の骨・・・
ジャックは邪魔する何かを全て片付け、本能のままに交尾を繰り返し
た。交尾の相手の反応はない。でも構わなかった。それでよかった。
何も聞こえない・・・聞きたくない・・・
やがて闇が近づいてきた・・・心地いい・・・
天聖暦19XX年・・・次界に到達した天使はいない・・・