(小須田から求めてくれるなんて!!!)
暗闇の中で、小須田は今だに山田の胸を触っていることに気が付いていないのだが、
山田は喜びのあまり、そう勘違いをしていた。
小須田の意外と大きな手は山田の胸を包み込み、優しく揉みしだいている。
(すごい……胸だけでこんなに気持ち良いなんて……)
その気持ち良さから、山田は小須田に任せるがままになっていた。
(………気持ち良い)
モミモミ……
(早く……先に進みたいな……)
モミモミ……
(………)
モミモミ……
(………まだ?まさか焦らしてる?)
小須田は未だに気付いていないだけなのだが、テンパっている山田は
小須田が意地悪をしているのだと判断してしまった。
とは言え、ずっと胸を揉まれていたせいで、山田の準備はすでに完全に出来上がってしまっている。
そして、山田はその状況に酔ってしまっていた。
「ねえ……まだ?いい加減にしてよ……」
山田は自分の声だとは思えないくらいに艶を含んだ声で、小須田を求めた。
「は!ご…ごめん」
山田の胸から、小須田の手が離れる。
(やっと小須田とエッチできるのね!!)
そのまま小須田に圧し掛かられる自分を想像して、山田は一段と盛り上がっていた。
「………」
「………」
……小須田は部屋の中を歩き回っているようだが、一向に来る気配が無い。
(何をやっているの?)
山田は少し心配になったが……
「……どこだ?」
「……え?」
(まさか……私をずっと探してた?)
どうやら、自分を探しているような雰囲気の小須田に少し安心する。
小須田は、正確には部屋の電気を探しているだけなのだが、やっぱり求められていると山田は勘違いした。
(仕方が無いわね……)
「小須田……こっち……」
「え?そっちだったんだ」
山田が呼び寄せると、小須田が近付いてくる気配がした。
(早く来て!!)
緊張で一秒が一分になったかのように感じてしまう。
(……やっぱり……待てない!!)
「小須田!!」
山田は小須田がいると思われるほうに、思いっきり抱きついていった。
ゴスッ!ドサッ!!
「きゃ(わ)っ!!!」
予想以上に小須田が近くにいたために、思いっきり体当たりをしてしまう。
そのまま山田が押し倒すような形で倒れ込んでしまった。
「いたたたた……」
「痛ってー……何だ?」
気が付けば、小須田は山田を優しく庇う様に抱きしめていた。
そんな状況に、山田は少し恥かしくなってしまう。
「小須田……痛いよ……」
「山田?……ああ!ごめん!!」
小須田は慌てて山田の抱擁を解き立ち上がろうとするが、山田が上に乗っていて不可能だった。
(また、助けてくれたんだ……)
そんな慌てた状態の小須田に気が付かず、庇ってくれたと勘違いをした山田は、
一人で激しく感動していた。
「大丈夫?」
吐息が感じられるぐらいに顔を近づけて、山田は小須田に聞いた。
「だ……大丈夫だから……もうちょっと離れて……」
山田の顔が近くにありすぎるせいで、小須田は緊張した面持ちになってしまう。
その小須田の返事に山田は安心したような顔をした。
「よかった……」
そう言いながら、山田の手は小須田の下半身に滑っていく。
「本当にごめん……小須田は何もしなくて良いから……」
山田の手が怪しく蠢き、小須田のものをズボンから取り出す。
「え?ちょ……山田?」
いきなりの行動に小須田は止めようとするが、
「今までのお詫びとお礼だから……お願い、やらせて?」
「わ……分かった……」
結局、好きなようにやらせることにしてしまった。
「小須田のって……結構、大きいね」
(バナナより大きいかな?)
暗闇にいるせいで全く見えないが、触った感触で小須田の多きさを感じることができた。
小須田の方はというと、体を入れ替えたせいで山田の大事な部分が自分の顔の前に来てしまい、
その匂いと状況で軽い目まいを起こしてた。
「ぺろ……ん…あむ……」
山田は小須田のものを軽く舐めた後、口の中に含んでみた。
(そんなに不味くないかも……)
ちょっと汗の臭いがするが、それによって余計にエッチな気持ちになってしまう。
そして、見えないとは言え自分が何を銜えているのか、はっきりと実感することができた。
「………」
「あむ……ん…ちゅっ……」
ぴちゃぴちゃ……
暫らく、山田が舐める音のみが室内を流れるBGMになる。
「……ねえ、小須田……気持ちいい?」
「……すごく良い……」
「………そう……」
(特訓の甲斐があったわ!!)
沈黙に耐え切れなくなった山田はとっさに聞いてしまったのだが、
その小須田の満足のいく返事に顔をにやけさせてしまう。
気分を良くした山田は、その行為をより激しくしていった……
「山田……もう放して……」
好きな子にかけまいと、ずっと背筋から上ってくる快感を我慢していた小須田だが、
山田の激しい口使いにねを上げてしまった。
「もう出そうだから……いい加減に……」
「………」
(やっと来るのね!!早く!!!)
じゅる……じゅる……
小須田の限界を感じた山田は、よりその行為を激しくする。
早く小須田をイカせてみたい、精液を生で見てみたい、味わってみたいと、
いつものように好奇心を暴走させていた。
「ごめ……もう出る!!!」
「!!!!」
山田が小須田のモノを深く咥え込んだと同時に、小須田は限界を迎えていた。
山田は口の奥で吐き出されるものだから、吐き出すことが出来ずにゴクッゴクッと飲み込んでいく。
「……山田?」
校内射精をしてしまった事実に、小須田は少し怯えてしまっていた。
「うげー、変な味……でも、飲めないほどじゃないかな……」
それに対して、山田は一向に気にする気配がない。
「の……飲んじゃったの?」
「毒があるわけじゃないでしょ?」
「そ……そうだけど……吐き出してくれたって……いいのに……」
「良いのよ。私がそうしたかったんだから……」
むしろ、生で見れなかったことが残念でならないようだった。
「……これで終わりじゃないわよね?」
「え?」
山田の言葉に、小須田はちょっと驚く。
山田が自分の上でモゾモゾと動いているのが感じられた。
「私……もう準備できてるから……」
その言葉と同時に小須田の顔の上に濡れて重くなった布切れが落ちてくる。
暗闇で見えなかったせいで、それが山田のシーツであるということに気が付くのに数秒を要していた。
「一回出したのに、まだ大きいんだね……」
(これが私のものに!!)
山田のシーツに気を取られていたせいで、小須田は山田の体勢が変わっていることに気が付くのが遅れてしまった。
結合一歩手前、準備万端状態になっている。
「や…山田?」
「………」
急な展開に、小須田は付いていくことが出来ない。
暗闇の中で、小須田のものの先端に柔らかい何かが触れた。
「ちょ……」
その感触に思わず腰が引けてしまう。
「動かないで……」
しかし、山田の切なそうな声によって、動くことができなくなってしまった。
「………」
(思ったより、勇気がいるのね……)
小須田のモノの先端は山田の中に入ってしまっているのだが、それから先に行くことができない。
(小須田から奪ってくれないかな……)
そう思うのだが、自分から求めるのも恥かしく、微妙な降着状態が続いている。
足も痺れてきているようだった。
「山田……」
どうにかしないと……と思っているときに、小須田のほうから話しかけてきてくれた。
「……何?」
もしかしたら……と言う期待を込めて、返事をしたが……
「……無理ならやめた方が……」
ある意味、予想通りの言葉に、少し落胆する。
「………私のこと……嫌い?」
いつもいつも、はぐらかされている状態だったせいか、つい本音が出てしまう。
「そんな訳!……ナイデス」
「だったら……小須田から奪って……」
それでも小須田は迷っている風だった。
「でもこういうのは、好きな……」
「私は(Hが)好きだから……気にしないで……」
「……分かった」
小須田は山田の細い腰を掴むと、力強く腰を突き上げた。
山田はそれと共に自分の胎内に入ってくる小須田を感じることができ、
それと同時に自分の胎内を切り裂かれるような激痛を感じた。
(……痛い!痛い!痛い!)
「いった……い……動かないで!!」
自分でしていた時とは違う、激しい激痛に山田は悲鳴を上げてしまった。
「え……山田……まさか……」
小須田の驚いたような声が聞こえる。
みなまで言っていなかったが、何が言いたいのかはすぐに分かった。
「……そうよ……初めてよ……悪い?」
つい、不貞腐れたような声になってしまう。
「え……でも……俺で良かったの?」
「初めて会ったときから、小須田に上げようって決めてたの!悪い?!」
恥かしくて情けなくて、自然と怒鳴るような声になってしまう。
でも、そんな様子の山田を小須田は優しく抱きしめてきた。
「……え?」
「……ありがとう……」
小須田は繋がったまま、山田の耳元で優しく呟く。
「そんなに思ってくれていたなんて……知らなかったから……」
「……小須田……」
山田の頭の中を見ることができたら激しく怒り出すことは確実なのだが、
幸い小須田は激しく感動していた。
小須田のその行動によって、山田の緊張も自然と解ける。
二人はそのまま、暫らく抱き合っていた。
「……小須田……動いていいよ」
山田は小須田に囁きかけたが……
「……大丈夫……無理しないで……」
小須田は山田の体を気にして、動こうとはしなかった。
(……私が我慢できないつーの!!)
体の緊張が解けたこと、小須田をより愛しく感じてしまったことによって、山田の体は小須田を求め始めていた。
もともと淫乱なせいもあってか、山田はそれを敏感に感じ取り、雰囲気も顧みずに快楽を味わいつくしたいと考え始めていた。
(……どうすれば……)
とりあえず、自分で動いてみることにする。
くちゅ……
「……ああ!」
毎日自慰をしていたせいか既に破瓜の痛みは無く、ほんの少しの動きだけで強い快感を感じることができた。
(これで小須田が動いてくれたら……)
そう思いながら、自分の腰の動きを止めることができなくなっていた。
「山田?」
小須田は自分の体の上で腰を振る山田に、少し驚いたようだった。
「……私はもう大丈夫だから……お願い……」
「………」
山田のねだる様な甘い声に堪らなくなったのか、小須田も腰を動かし始めた。
くちゅ……くちゅ…くちゅ
山田が小須田の上で腰を振り、小須田が山田を下から突き上げる。
現像室の暗闇の中で、二人の吐くと息と何かが粘つくような音が響いていた。
「小須田……私…もう……」
「俺も……」
二人の感極まわった声と共に、二人のリズムが早くなる。
「イッく!!」
「あああああ!!!」
小須田は一回目より多い量の精を山田の中に吐き出し、
山田はその熱い精を受けて、二人同時に達してしまった。
(……すごい!気持ち良い!!……くせになりそう……)
山田は感動しながら、意識を手放していた……
その後……
「……電気どこかな?」
「あ!これかな?」
カチッ
「やっと点いた。小須田、ナイス!って……」
「どうしたの?」
「そ……それ……」
「え?」
「何で私のシーツを頭に乗せてるのよ!!」
バチンッ!!!
長時間、裸で居た山田は風邪をひき、小須田は全身打撲によって、
二人仲良く次の日学校を休みましたとさ……
end