(ついにこの時が……)  
小須田はラブホのベッドに座ってむっちゃくちゃに緊張しまくりだった。  
横には山田が座っている。向こうを向いて自分の方を見ようともしてこない。  
(怒ってんのか?やっぱり……)  
 
高校に入学してから苦節三年。卒業を明日に控えようやくここまでたどり着いた。  
今日は何がなんでも山田とひとつになると、心に決めて家を出た小須田は【お茶も食事も  
酒も飛ばして、すんなりホテルに】やって来たのだ。  
ちなみに上の【 】の部分がある歌の歌詞だとわかる人は三十代でもそうはいまい。  
 
(とにかく、まずはキスからか・・・)  
小須田は自分自身を落ち着かせようと軽く深呼吸をした。  
チラリと横の山田を見る。なんだかうつむいているようだ。  
(な、なにか話しかけないと・・・)  
小須田はそう思って山田に声をかけようとした。  
 
 
(つ、ついにこの時が……)  
山田は山田ですでにいっぱい、いっぱいの状態だった。  
三年間色々あったが結局、進展らしい進展はなにもなし。高校一年のときに交わしたキス  
以上は、肉体的接触は皆無といってよかった。  
 
(や、やっぱり、まずはフェラチオからよね)  
山田は自分自身を落ち着かせようと軽く深呼吸をした。  
とにかく、なんだかんだで三年も過ぎてしまったのだ。セフレ100人の目標は大学に置  
くとして、とりあえず高校時代に処女を捨てとかないと話しにならん。  
山田はごくんと唾を飲み込んだ。  
 
 
 

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