私の右の乳房を、掴んで揉みしだいていた大きな手が離れた。  
左側は、半ばこの人の口の中に潜り込んで、硬く屹立した乳首が舌で転がされて、私の喉から喘ぎ喘ぎの悲鳴を上げさせている。  
ガッツさんの右手が、私の腰のズボンを横から掴むのを感じた。乱暴に下にずり降ろされる。この人の首にしがみつきながら、両脚を開き、腰を浮かせて脱がされるのを手伝う。  
左の乳首が最後に一舐めされて、口が離れた。唾液で濡れた乳房の皮膚に空気がひんやりと触れるのを感じる。…キスしてほしいなあ、と思ったけど、ガッツさんの顔は私の腰の方に降りていく。  
この人の目の前に、私のが全部晒されるのかな、と思うと、足の付け根の脈打っている箇所から、またねっとりした熱い滴が沸いて溢れ、尻の狭間へと流れ伝い落ちてゆく。  
心臓の拍動が体全体で鳴り響いて、うるさい。天井を眺めながら、熱病患者のように視界がかすみ頭がぼやけて、体に疼いている体温の熱だけを感じる。  
…じりじりしながら脱がされるのを待っているのだけど…、ガッツさんの手が掴んでいない側の、ズボンの右側が骨盤に引っ掛かって、なかなか下に降りない…。腕力で無理に引き下ろそうとするのは…いやーな予感がするからやめて欲しいんだけど…。  
ガッツさん、右手しかないのって、本当はかなり日常生活不便なんじゃないかなー、と思った瞬間、びりっ、と布地の裂ける音が腰から聞こえた。  
うわあっ、やっぱりっ。恐れていた事態がっ。  
「…ちょ、ちょっとガッツさん、ごめんなさい、じ、自分で、脱ぎますからっ」  
慌てて手を伸ばし、私のズボン掴んでるガッツさんの右手を押さえた。  
「……じゃあ、…さっさと脱げよ……」  
おっ。返事が来た。…息荒い。体力消耗してるのと、興奮してるのと、どっちだろう。…両方かな。ガッツさん、どこからどこまでが起きてて、どこまでが夢の中なんだろう、と少し思う。  
なんか苛々してるっぽい。…女性の服脱がせたりするのは、苦手なんだろうなあ…。向いてなさそう。キャスカさんのお世話って、この人一人で一体どうやってたのか、かなり疑問だ。  
寝台に座りこんでるガッツさんの脇腹に視線が飛んだ。出血は…まだ止まってない…。だらだら流れてる。一瞬、罪悪感と後ろめたさが心に伸し掛かる。…止血だけでもした方がいいんじゃないかしら。なし崩し的に、ガッツさんに私の上からどいてもらえたんだし。  
床に転がっている包帯に目がいった。  
「ちょっと、待ってて下さいね」  
と言いながら寝台を降りようとすると、腕を掴まれた。  
「逃げんな」  
「逃げる気なんてないですよ。ただ、止血だけ…」  
「…お前はそう言って、なんのかんの理由つけちゃあ、途中で俺におあづけ食らわすんだよ」  
なんか…、必死ですね、ガッツさん…。よっぽど何度も逃げられたのかなー。…きっと、私の知らない昔のキャスカさんも、服破られたりすると途中で気分がさーっと醒めちゃったんじゃないのかなー、って思うんですけど…。  
……それか、小声でしか言えないけれど、男女の秘め事が……下手、とか……。  
 
「…責任取れよ…」  
と言いながら、ガッツさんが私の腕を引っ張って……例のガッツさんの股間に生えてる変な物体に触れさせた。  
うわーっ、やめてーっ、っと心の中で絶叫した。顔が羞恥でカッと熱くなった。心臓が波打ち、動悸が苦しい。…熱くて堅いものが、布地越しに私の手の平に押しつけられている。…なんか、脈打ってる…。…やだ、…恥ずかしいよう……。目の端から涙が滲む。  
手をどけようとしたけれど、許してもらえない。鋼鉄の箍のように、ガッツさんの右手が私の手首を掴み、びくともしない。…ガッツさん、ちょっとにやにやしてる…。  
この人、私が恥ずかしいの、絶対知っててやってる…。…根性悪っ。恥ずかしがってる顔見られてると思うと余計恥ずかしい…。穴があったら何処かに入り込んで、ガッツさんから顔隠したい…。  
涙ぐむ顔を伏せる。手の平に触れているものが熱い。ガッツさんの顔が見れない…。どーして私の方が恥ずかしがらなきゃいけないのか、なんだかとても理不尽な気がする。恥知らずな真似してるのは、この人の方で、断じて私じゃないっ。  
だけど…でも…理屈抜きで恥ずかしいのようー……。涙がぼろぼろとこぼれ出て、唇を噛み締める。お願いだから、やめて……。男ってズルい、女って損だー。  
「変なもの」呼ばわりするのは失礼かもしれないけど…、……だって、だって、変な物体だーっ。…私にこんなのついてないもの…。  
…変なものに触らされて…、…濡れてくる自分が…実は一番恥ずかしいのかもしれない……。…私って、…最低だ…。死にたい……。  
「……お願い、お願いです、…手、放して下さい…。…ガッツさん、許して…」  
顔を伏せてしゃくり上げながら哀願すると、あっさり手を放してもらえた。ちょっとびっくり。慌ててそれから手を引っ込める。…感触が、まだなんだか残ってる…。うう……。  
代わりに肩を引き寄せられた。ガッツさんが私の肩に顔を寄せ、覗き込む。怪訝そう。  
「…お前、どうしたんだ?…なんかえらいおかしいぞ?『ガッツさん』って何の冗談だ?…調子狂う…」  
おかしいのは今のガッツさんの方なのよ、と心の中で呟いた。私も調子狂う…。  
…なんだか、違う人みたいだな、とガッツさんの顔を間近でみつめながら思う。顔は同じ人だけど、…表情や口調が、やや明るめで、ちょっと軽い。私の知ってるガッツさんは…重たくて主に仏頂面。…私とは殆ど必要会話しか、喋ったこと、ない。  
物狂い、になる前の昔の、私の知らないキャスカさんに話しかけてる、私の知らない昔のガッツさん。…へんな感じ。  
…この人、段々目が覚めてきてるんじゃないかな。会話通じてるし。  
今現時点で、ガッツさんがちゃんと目が覚めて、一緒にいるのはキャスカさんじゃなくって、ファルネーゼですよ、って気がついたら、…どうするだろう。  
1・希望的観測。「ファルネ−ゼもよく見れば可愛い、いじらしい、可憐だ」と思って続き続行。…私の事、もう少し好きになってくれる。できればシールケさんのように、頭撫でたり、ちょくちょく話しかけたりしてくれるようになって欲しい…。ほ、本音が…。  
2・現実的観測。普段の渋いガッツさん。事情を問われて説明。…互いに気まずーい雰囲気の中で、続き終了。「なかった事」として処理。…ガッツさんの方は本当に「なかった事」扱いで忘れちゃうよーな、気が、する…。  
3・絶望的観測。「淫乱」とか「ふしだら」って思われて、以後、ガッツさんから警戒と不審と軽蔑の眼で見られて、距離を置かれる……。  
…ううっ、ハイリスク、ハイリターンな選択肢だ……。…リスクの方が高い気が。  
私の肩に乗っかるガッツさんの顔を見つめた。…条件反射のように頬が熱くなる。私を見てるけど、でも見てない、一つしかない眼。口に視線を移す。…キスが、したいな。  
角張った顎を掴んで口づけした。舌で荒れた口唇をなぞっていると、口が開いてガッツさんの舌が出迎える。お互いの口の中に舌を入れて探り合い、頭がぼうっとなる。  
…ごまかそう。…会話してると、ボロが出る可能性が高い。  
…もう、ちょっとだけ、勘違いしてくれてた方が…いいかも。既成事実終了後にガッツさんの目が覚める、のが…ベストの選択肢のような気がする、とガッツさんの舌を舐めながら考える。ごめんなさいね、ガッツさん…。清純派を目指していたのだけど…私って悪い女かも…。  
 
肩に回していたガッツさんの右手が私の手首を掴み…、…ま、またガッツさんの股間の変な物体に押しつけた。  
なんでこの人、そんな事ばっかりしたがるのーっ、と口づけしながら心の中で再び絶叫し…、はたっと気付いた。…私が触って欲しいのと、…同じじゃないのかな、これ。  
触ってもらうと気持ちが良いから、触らせたがるんじゃーないかな。…なーる程。…とても深い部分でなんだか納得……。殿方の愉しませ方、ってこーゆーのなんだ。…嫌がらせ、ってわけじゃーないのか…。  
…でも、やっぱり恥ずかしいです、とズボンの上から握らされながら、顔を赤らめて考える。…脈打ってる。…ガッツさん、触って欲しいんだ……。  
ずるずると体の力が抜けて、口を離し、ガッツさんの胸板に凭れ込んだ。体が熱くて、息苦しい。沸騰した血液が逆流して頭に昇り、思考が蒸発しそうになる。……興奮する。  
視線を落とす勇気はないので、胸板に顔を埋めながら手の中の男の人のしるしを強く握った。ガッツさんが深い息を吐く。…ガッツさん、気持ちいいのかな…。下手だったら、ごめんね、と口の中で呟く。…どくどく脈打ってるのが、なんだか生き物みたいだ。  
手を動かしながら、恥知らずな真似を自分からやっている、と思うと、下腹部に熱い澱が生じて流れ出してゆくのを感じた。  
…どのへんが、いいのかな…と考えながらズボンの膨みを探る。…形や感触全然違うけど、自分のを触る時と、ちょっと似てる。触ってみないと、いいところってわからない。  
右手で握り締めながら、左手で布地越しに根元の方を撫でると、凭れているガッツさんの体が微かに震えた。…お、反応が良いような…。…このへん、かな……。  
ガッツさんの太い腕が私の肩を抱き寄せた。私の頭の上にガッツさんの顎がのっかって、髪の毛に荒い息が吹きかかる。…ちょっと顎の当たる部分が痛いけど、でもぎゅっと抱き締めてくれる腕の力の強さがやっぱり嬉しい。…えへへ。  
自分のと違うのは…気持ちよくなるのが、……ガッツさん。…くらくらする。脳味噌が蕩けそう。ガッツさんの体温と息遣いと鼓動の音が、自分のもののように思える。…私の手が、この人を気持ち良くさせてる……。  
「…お前、…今日は…やたら積極的……。…いつもなら、両頬ビンタと肘打ちなのにな……」  
ガッツさんがうわずった声で頭上で囁いた。…もしかして、この人は、殴られるのを期待して触らせたのかなー、とちらっと思う。じゃあやっぱ嫌がらせだったのか、おい、って……ちょっと…思う。  
…ガッツさん…、二割ぐらいは痛い事されるのが好きな人なんじゃないかしら、と踏ん出たんだけど、…やっぱり当たりなのかな…。  
でも、可愛がられるのも好きだよね…、と思いながら手の中のガッツさんを撫でる。…ガッツさんが、私に触られて、…感じて、るのかなー、と思うと……死ぬほど嬉しい。…それって、私は幸せだ。……役に、立ってるから。  
突然、『恥知らず!』と、頭の中で誰かの叱責の声が鳴り響いた。身体が竦み、冷たく重い罪悪感の塊が胸の中に生まれる。…怖くなる。…私は淫乱だ、最低だ、死んだ方がいい、と感じる。  
お前は下劣な女だ、我が家の家名に泥を塗る恥さらしの娘だ、と恐ろしい声で誰かが私の中で怒鳴る。浅ましい、汚らわしい、畜生同然だ、恥を知れ、と誰かが私に指を突き付けて罵倒する。  
…怒らないで、嫌わないで、悪い子をやめていい子になるから私を見捨てないで、と私の中の小さな子供が怯えて哀願する。卑屈な私。みじめな私。私の嫌いな私。…それでも誰かの声は、相変わらず私を怒鳴り、罵り弾劾し続ける。  
…厭な声で、誰かが怒鳴る。…厭な声、厭な厭な年取った老人の声。…私を苦しめる、私を否定する、厭な厭な厭な声。  
『うるさい!』と、頭の中の声に大声で怒鳴り返した。…放っといてよ、私の中から出て行って。私をあなたのお人形さんにさせようとするのはもうやめて。…私から、出て行け。私はあんたなんか、いらない、怖くない。…私は、お父様なんか、怖くない。  
恥知らずだろうが、淑女失格だろうが、売春婦同然だろうが…どうでもいいや。私は女で、この人は男で、……私は、この人が欲しい。  
ズボンの中に手を差し入れて、ガッツさんのを直に握り締めた。…熱くて硬い。ガッツさんの体が一瞬強張り、小さく息を呑む音が頭の上で聞こえる。  
 
…引かれてるのかな、と思いつつ、左手でズボンの裾を引っ張り降ろした。…変な物体とご対面…。…やっぱり変な形してるなー…、と思いながら顔を降ろし、先端に口づけて滲んでいる雫を舐め取った。…えぐい味。でもガッツさんの味だ、と思うと頬が緩む。  
…男の人の体も、形は違うけど私のと結構似てるのかも。これ、多分気持ち良くなった時に出る液だ。…そう思うとなんだか愛しい。  
「…おい、…キャス…」  
両手を添えて、鼻先を擦りつけながら舌で雫を舐め取っていると、ガッツさんの言葉が途中でとぎれた。呼吸が荒くなり、右手が乱暴に私の頭を掴んで強く根元に押しつける。  
頭の後ろをぐいぐい押す男の人の手の力に、ぼうっとなり、首筋から肩と背中にぞくぞくするような痺れが走った。体の力が抜けて下腹部が熱くなる。…ガッツさんから強引に、私の意志を無視して何かを無理やりさせられるのが、私はとても好きだと思う…。  
ナイフを押し入れられた時の感触を思い出しながら、目を閉じそのまま口を大きく開いて、喘ぎながら押し込まれるものを嚥下した。  
口腔いっぱいに熱くて硬い肉が侵入して進み、さっき接吻した器官の先が喉の奥を突いた。生理的な涙が目の端に滲み、苦しさの入り交じった快感に、くぐもった声で低く呻いて背筋を反らせる。…犯されてるんだ、と思いながらガッツさんの腰に縋りついて精一杯呑み込む。  
唇から溢れた唾液が、ガッツさんの変なものの下側を透明な滴になって伝い落ち、根元の方に流れていくのを涙で霞む目でみつめた。  
一緒に、足の付け根からまた蜜が流れ出して滴り落ちてゆくのを感じる。男の人の股間に顔を埋めて性器を口に含みながら、腰を高く掲げている自分の姿を想像する。  
…お父様が今の私を見たら、いったいどんな顔をするだろう、と一瞬考えて、…心が弾んで楽しくなった。  
…そう、お父様が私に『家名に泥を塗った』と言って非難する事は、いつも私がするのが楽しい事だった。  
…『はい、お父様』って言うのが、私は、本当は嫌い。…大っ嫌い。  
口の中のものに、愛情を込めて思いっきり、がりりと噛み付いた。と同時に、頭上でガッツさんが変な声をあげた。ガッツさん、感じてるのかなっ、…と思っていたら、ガッツさんが私の頭を掴んで軽く揺さぶり、見おろしながら押し殺した早口で囁いた。  
「…頼むっ、噛むなっ。痛ェんだよ、マジでっ」  
……えっ。噛むのは…、無しなのですか…。がーん……。私は噛むのが大好きなのですが……。…駄目、なのか……。ちょっと、残念……。  
…痛かったのかな。…ごめんね、と思いながら噛み付いた場所の下側を丁寧に舐めた。  
ガッツさんが黙りこくった。ぐびり、と喉仏を鳴らす音が私の上でやけに大きく響く。私の頭に置かれた大きな右手が、髪の房を掴み、しきりに手の中に握り締めては擦り合わせ、また掴む、という神経質な動作が私の顔の横でちらちらした。  
…そーゆー事されると、髪、痛むんだけど…。頭撫でてもらえる方が、嬉しいんだけどな…と思いながら、肘をガッツさんの足の間のシーツに埋めて支え、口に入らない部分を両手で包んだ。  
喉の奥を擦られるのを感じながら、頭を垂れ、口に入っている方を胸苦しい気持ちで強く吸う。私の髪の毛を掴んでいる右手が一瞬固まり、ガッツさんのお腹が大きく凹むのが見えた。  
男の人の欲望を口の中に飲み込んでいるんだな、と思う。…変な気分。…気持ちが悪くて、……だから、気持ちいい。頭が変になりそうで…異常な事をしている私が…気持ちいい。…いけない事や、悪い事は…するのが気持ちがいい事のこと。  
これが、お腹の底まで届いて掻き回されたらどんな感じだろう、と想像する。…きっと死にそうに苦しくて…私にひどい事して楽しんでるガッツさんのことだけしか考えられないだろうな…。  
…そーゆー事って…されて、みたい。ガッツさんに好きなだけ楽しまれたい。…めちゃくちゃに、…されたい。この人の事しか考えられない私になりたい…。  
…お腹が、火照って熱い。どろどろに焼け爛れた私の欲望が、口の中のガッツさんの欲望と繋がりたがってるんだ、と思う。  
手を使おうとして、力の加減がわからない事に気付く。口は今塞がっているので質問しづらいし。…とりあえず優しく撫でとこう。強くされるとまた痛がるかもしれない。…なでなで。いい子、いい子。  
私の口の中でひくひくと震えてる。…生き物みたいだな、と再び思いつつ、優しく舐めて、ガッツさんの味のする滲み出た液を飲み下す。  
 
いったん喉の奥から抜いて、浮き上がっている血管に沿って舌を這わせた。…変な形の生き物でも、可愛がったら私に懐いてくれるかな…。…懐いて欲しい。  
ファルネーゼを好きになるんだよ、と言い聞かせながら頬擦りして接吻した。…熱い肉が唇に触れる。舌全体で擦りつけて舐め上げると、口の端から唾液が零れ、顎を伝ってシーツの上に滴り落ちて小さな染みを作った。  
…涎気にしてると、これ、できないなー…。…まあ、いいや…。どうせシーツ血みどろだし。  
口から零れる涎に構わず、舌と手で愛撫を続けた。唾液でてらてらと光っている変な生き物に、息を吹き掛けてこっそり囁く。  
…よしよし、…可愛がってあげるから、ファルネーゼの事もちゃんと可愛がるんだよ…。ファルネーゼはお前の事が大好きだよ……。…言うこと、聞いてくれるかな……。  
……どのへんがいい場所なのか、教えてくれる方がわかりやすいんだけど……ガッツさんは黙って荒い息で私の髪の房を握り締めている。…ちょっと引っ張られてるのが、痛い。…凝視されている視線の気配が、私の頭のてっぺんに突き刺さる……。  
…反応が、欲しいな、と思う。黙りこくられていると、良いのかどうか、わからない。  
もう一回噛みつきたい、と思いながら先端を口に含んだ時、急にガッツさんの右手が私の腰に延びた。  
大きな手が、脱ぎかけの私のズボンの腰を掴んで強い力で引き寄せ、強引に私の体の向きを変えた。体が捩れて二つ折りになり、口に含んでいたものから手を離し、シーツに顔を埋めて喘ぎながら抵抗せずにガッツさんの方に向けて尻を差し出す。  
荒い息でズボンの腰を掴むガッツさんの手の感触と同時に、びりっ、と予想していた布地が裂ける音が掲げた腰の方から聞こえた。…黙って両手を腰に回し、破れかけのズボンを下着ごと膝まで引っ張り下ろす。  
…もう、淑女ぶりっ子はやめたしね、とシーツに赤らんだ顔を埋めながら心の中で呟いた。…本当言うと……やっぱり、かなり……恥ずかしいけど。  
でも、この人にスマートとか洗練とかを期待するだけ無駄っ、というか間違いだし。ついでに言えば、ガッツさん、片手しかないのって…本当に何から何まで、不便で不自由だ。それに文句言うのも、間違い。  
腰を掲げながら、背後のガッツさんに全部見られてるんだ、と思う。晒された場所がひくついて痙攣した。  
剥き出しになった尻の双丘の片側の肉を、ガッツさんの右手が鷲掴みにした。尻の肉に指が食い込む痛みと一緒に、親指がどろどろになっている場所に捩じ込まれた。  
反射的に喉から声が上がり、腰が跳ね上がる。無我夢中で延ばした手が枕にぶつかり、必死で引き寄せて両手で胸に掻き抱き、顔を押しつけて残りの悲鳴を塞いだ。  
ひりつく痛みと共に、男の人の武骨な指が私の中に押し入り、内部を掻き回される感覚の奔流に、ひらすら耐える。  
陸に打ち上げられた小魚のように、腹がびくびくと痙攣し、腰が勝手にくねった。押さえていられなくなって、声を張り上げて喚く。…私の体の内側に、私でない他人の意思が侵入して探り回り、私の体を勝手に動かし反応させている。  
…この人が、入って来てるんだ、と思う。…私のからだは、この人のもの。この人の指に、腰を振らされて、泣き声をあげさせられている。  
枕の端に噛みつき、弓なりに背筋を反らせて尻を差し出しながら、ガッツさん、今どんな顔してるのかな、と濁った思考でぼんやり思う。息遣いしか聞こえない。それから、私の内側を荒々しく抉る、ごつごつした骨太の指と。  
ガッツさんの指が私の肉から引き抜かれ、内壁をずるりと擦る感触に、小さく呻いた。引き抜いた箇所からねっとりした熱い滴が溢れ、内腿を濡らして伝い落ちてゆく。見られている、と思う。  
抜かれた指が、充血して赤く腫れた溝を嬲るようにゆっくり往復した。鳥肌が立つような快感が背筋を昇り、目をつぶって震えながら『いじめないで』と口の中で小さく呟く。二、三度なぞると、私の愛液で濡れたガッツさんの指が、糸を引きながら離れていった。  
枕を抱き締めながら残された痛みと余韻に喘いでいると、膝を折り曲げた私の腿にガッツさんが重なり、別のものが入り口に押し当てられるのを感じた。  
ぬるり、と熱い肉と肉が擦れ合う感触に、触れた場所を中心にして全身が小刻みに震えた。  
…さっきまで、私の口の中を犯していた男の人のしるしが、今、私の女の場所を犯そうとしてる。  
 
<続>  

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