「京介〜風呂はいろ〜よ〜。」
「・・・・・・いやだ。」
尚のいない一条家の鉄沈黙を破ったのは案の定、豊花だった。
「いいじゃないの、温泉ではゆっくり入り損ねたんだし。」
「だからってなぜ誘う・・・・」
「瑠々に入浴剤もらったのよ、なんか取り寄せるときに数が倍来たんだって、なんでも中国三千年の・・・・・」
しゃべりながら脱衣所に京介の服をつかんで引きずっていく。
京介は溺れることになったらかなわん、と抵抗したが、みぞおちに一発拳がはいり、抵抗をやめた
仕方が無くうんざりしながら服を脱ぐ京介の横で、ルンルン気分の豊花が服を脱ぎながら京介の下半身を見た。
「いや〜、久しぶりね、昔は節約とか言ってよく一緒に入ったけど。」
「頼むからこれで最後にしてくれ、そしてタオルぐらい巻いてくれ、目に毒だ。」
さすがに高校一の美少女といわれるだけのことはあり、普通の男なら骨の一本や二本犠牲にしてでも飛びつきそうな体をこの男は目に毒と言ってのけた。
「いくぞ!擬似温泉へ!」
「・・・・・・・。」
京介には温泉の元ぐらいでなぜこんなに喜べるのか分からなかった。
「少し狭いわね・・・・。」
高校生二人では一般家庭の湯船では少し小さかった。
「俺は後ではい・・・・」
「ええぃ、入るわよ!」
ドッポン・・・・・・
京介を無視して腕をつかみ、風呂に入った・・・・・、狭い
「胸が当たってる・・・・。」
「言うな!」
京介に向かって平手が飛んだが、紙一重でかわす。