荒野の国サンクミール――
今夜赤い月の下で、2体の魔人の、一人の少年の討伐を巡る争いが始まろうとしていた。

「せいぜい・・・格好つけたまま死んでいけよ・・・!」
七ツ星魔人"凶刃”ヒスタリオは空の魔人に言い放った。
「・・・やめけおけ・・・どうなっても・・・私は知らんぞ・・!」
「笑わすなッ!!」
バロンめがけて攻撃を仕掛けたヒスタリオは、勝利を確信し笑みを浮かべた。
今夜の相手が悪かったことに気づかずに――


「・・・やれやれだぜ。せっかく慈悲深い忠告をもらったのになァ・・」



―赤い月の悪魔―



「う・・・ああっ・・」
「運が悪かったなァクソガキ。普段の”坊や”ならこんなことにはならなかったのによォ。まぁ知った後じゃ遅いがなあ!!」
 グチュッ
(ビクンッ)「はあ゛・・ッ!」
先程までの威勢はなく、身にまとっていた鎧は砕かれ、その細い腰から下は、
今までのバロンからは想像もつかない、まるで別人の魔人によって、もてあそばれ、
うめき声とも喘ぎ声ともつかぬような、艶かしい声を上げているのはヒスタリオだった――。
「ヒヒッ!いい声で鳴きやがるぜ・・・。すぐに音をあげやがった割にはよォ。」
「も・・・・もうよかろう・・・」
「・・・ホウ、めずらしいな。オレには任せておけないっていうのかい坊や。」
「坊やはやめないか・・・。このぐらいで充分だろう。」
「優しいねェ相変わらず。――でももっと楽しみてえんじゃねぇのか坊や?”赤い月の夜”にだけだぜ?」
「ザンガ・・・!」
「(・・どうなってんだあいつ!?一人で会話してやがる・・・)」
困惑する少年をよそに、ザンガはバロンに言い寄る。
「ほとんど記憶に残ってなくても、感覚は残るからなァ。人間の女でなく、魔人相手にだとちょっとは抵抗あるのか?」
「・・・・もう良いと言っているだろうが・・・!」
「まだまだ楽しみはこれからだ・・・。まあゆっくり休んでな坊や―――。」
「・・・ザン・・ガ・・・・・!」
バロンは眠り、その強靭な肉体の支配者は彼のパートナー・ザンガとなった。
赤い月の悪魔が今目を覚ました―――


「さて と。・・・それじゃあ、引き続き我が主君殿に奉公させてもらうかな・・・」
ザンガはヒスタリオの長い脚の左を持ち上げ、その細い腰に向け体を衝き動かし始めた。
 ズプッ
「うあ゛っ!あっ!いやだぁっ!あ゛あっ!!」
「あぁ!?もっとやってくれだって?言われなくてもずんずんやるぜ!!不死身の身体がどれだけもつか
生体実験してやるよ!!オラ!!」
ビクンッ!!ビュクッ ビクッ
「・・・・・・はっ はあぁあ・・っっ」
「何だよ・・・あっけなくイッちまうもんだな。七ツ星でも処女は処女だもんなァ。
その程度で”不死身”はねェだろうが?ああ?ビシバシしごいてやるからなぁヒスタリオ様よォ!」
「・・っ・・・オレは・・3番手を待つ・・・っ大人しく・・・ 今日は見逃してくれ・・・っ!」
敗北を知り、不死身を汚され、魔人としてのプライドを打ち砕かれそうなヒスタリオを、
ザンガがそう簡単に許すはずがなかった。
「ケッ!自分からケンカしかけておきながら、そいつは虫が良すぎんじゃねェか?
坊やが許してもオレが許さねえぜ!坊やの楽しみ邪魔した罪はきちっと償ってもらうからなァッ!!
次はそっちの口でも奉仕してもらおうか。」
ザンガはヒスタリオの頭をつかみ引き寄せ、バロンのものでもあるいきりだったそれを押し付けるように愛撫させた。
「ん・・・っえぁ・・っ」
「こっちは夜明けまでやってもらうぜ・・・!全部出しきるまで離さねェからなっ!ヒヒヒ」
ヒスタリオは強引な要求になす術もないまま、従った。
「(くそ・・・っ こんな・・・っ!)」


「・・・バロン卿・・・・」
その様子を始終見届けていたのは魔人博士ノアだった。
「(あの完全無欠に思えたバロンすらザンガのような裏の顔が存在した・・・なぜ魔人はこんなにも多種多様なんだ・・・?)」
「いやぁ、まさか赤い月の夜にはこんなことが起きるとは!」
「! ・・・シャギー館長・・」
ノアの背後に突然姿を現したのは、魔賓館館長のシャギーだった。
「フフ♪ビィト討伐の進行具合をお伺いに参りました。どうやら今ははかどっていらっしゃらない様で・・・」
「・・・ああ。その様だな・・・」
「バロン様が人間に甚大な被害を与え七ツ星になられた功績には、あの様にザンガ様が彼に成り代わって
暴れていたことが大きく関わっていたのですね。」
「彼がバロン卿の肉体のリミッターの役目をしているのだろう・・・」
「ああいった方は数少ないですからねェ・・・・・まあヒスタリオ様は返り討ちに餌食となってしまわれた様ですが・・・
どうされるのでしょうかね?」
「・・・・・自業自得だ。」

「・・・クッ!こっちの口のがよっぽど得意なんじゃねェのか?やっと出せるじゃねェか・・・!」
そう言い放つと、ザンガはヒスタリオに2,3度その欲望をぶつけた。
 ビュッ ビュゥッ ドプ・・ドプ・・・
「はぁ・・っ やぁあ・・・っ!」
「へへっ・・・ 一発だけですっかりいやらしくなっちまったなぁ。もっと同じ風にしてやるからな。」
ビィトはその光景を焼きつけていた。卿が目の前で行った所業に、いつのまにか自らも興奮していることに気が付かず――。

ザンガの言われるがままに愛撫を続けさせられるヒスタリオは、再び下への辱めを欲するようになっていた。
「(うぅ・・・・頭の中が・・・何も考えられな・・・)・・・う・・・ッ」
「ああ?何だ?  ・・・・・・・わかってる。また入れて欲しいって目ェしてるぜ。そうだろ?
そんなに気持ち良かったのかよ?ヒヒ」
「・・・ッ 違う・・・!!」
「なんだって? 今確かめてやるよ」
ザンガはヒスタリオの身体を、両足片方ずつに腕を回す状態で持ち上げた。
脚の間に手をやり、グチュグチュと音を立てさせた。
「クク・・・!お前のココはまんざらでもないらしいがなァ」
「や・・っ 違うそこは・・!」
「遠慮するな!!夜明けまでたっぷり可愛がってやるぜッ!!」
 ズグッ
「いぁッ!!うあぁぁあッッ!!」
ザンガの勢いは激しさを増し、ヒスタリオの悲鳴が一層激しくなった。
「はっ はやすぎっ るっ 死んじゃ・・っ!!」
「ご自慢の不死身なら平気だろォ!?もっと鳴きな!!」
「ああぁっ!!もっもう・・・・ッ!!」
「あ゛ぁ!?もうかよオイ、でも俺様がイクまで止まんねぇぜェ!!?ヒャハハハ!!」





東の空が白んで、月は西へと落ちていった。もうじき朝が来る。
「―――今夜のことを後悔してんなら自分を恨みな。2度とオレと坊やにつっかかんじゃねぇぞ!!
また甚振って欲しいのなら別だがな・・・・ヒヒッ」
そう言ってザンガは颯爽と立ち去っていった。

「・・・・・はぁ・・・は・・・・ぁ・・・ くそっ・・・バロン・・・ザンガ・・ッ」
地に這いつくばるヒスタリオに、ノアが近寄ってきた。
「ヒスタリオ・・・」
「・・よぉ 博士・・・」
「愚かだったな・・・・ 私を足止めしなければ彼との接戦を止めることも出来たろうに。
まあ、おかげで彼のもう一面を望むことが出来たが。」
「・・・・ひでえな・・・」
「自業自得だ」


「さて、これからどうなっていくのやら。楽しみにしていますよ♪」

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