何だかとても不思議な気持ちで、宿屋から見える夜の景色をぼんやりと眺めていた  
窓の外にはたくさんの人が楽しそうに門の中にしかない平和を満喫している  
そんな『人』としての世界に自分が混ざっているのがとても不思議だった。  
 
(怖がりの魔人が人の中に混ざるとこんな気持ちになるのかな・・・。)  
自然に浮かんだ考えに苦笑した、自分が魔人と深く関わっていたのかが良く分かる。  
 
ビィト達と出会ってからずいぶんと楽になったものの、人と接するのはまだ怖い  
そんな事を考えていると、ドアを開ける轟音と共に『その嵐』はやってきた―――。  
 
「いやぁ〜ん♪キッス君まだ起きてたの〜!!!」  
暗い空気を打ち消すような明るい声を上げて、豪快に抱き付いてくる、  
最初はとても驚いて(少し怖かった)彼女のその癖にもずいぶん慣れた。  
 
「うん・・何だか目が覚めて、ミルファは寝なくて平気なの・・・??」  
あやすようにそう言って、少しだけアルコールの香りがする体を引き剥がす。  
それに気にする事もなく、人懐っこい笑みを浮かべて体を摺り寄せてくる。  
 
「私は大丈夫!戦いの後は疲れより、興奮の方が先立って寝れない達だから・・・  
 てっきり君もあの二人みたいに寝てると思ってたのに、話し相手がいて嬉しいなぁ」  
本当に嬉しそうにケラケラと笑う彼女を見て少しだけ驚いた。  
 
『グリニデとの戦いで疲れたから、今日は全員別の部屋で休みましょう。』  
 
宿の手配をした彼女はそう言って部屋に入ったから、てっきり疲れてると思ったのに―――。  
 
「すごいんだね、ミルファって・・・。」  
きっと彼女は戦いで疲れた僕達の為だけに、部屋を別々に取ってくれたんだろう。  
 
ビィトの周りにいる人達は当然のように他人の事を思いやって行動してくれる  
それは『人間』にしかない優しさと言う感情で、それに触れるととても嬉しくなった。  
 
「何がすごいのよぅ・・・一人で笑ってないで私にも教えなさ〜い。」  
一人で笑う僕を不満そうな顔で見つめて、頬をぷにぷにと突いて来る。  
 
「ああ・・・ごめんね。みんな仲間として僕に接してくれるから嬉しかったんだ。  
 僕はとても弱いからそんな風に思いやれる人がとてもうらやましくて・・・。」  
頬を突く手を止めてミルファが静かに僕を見る。  
 
「『仲間を思いやる』ってすごいよね・・・ビィトの周りにいる人達は当たり前に  
 出来ちゃうけど、それってすごく難しくて大変な事なんだよ。」  
それが出来なくて僕は魔人が持っているシンプルな上下関係にすがりついた。  
 
「だから、君の気遣いがとってもすごいと思ったんだ本当に出会えてよかった」  
心からそう思って彼女の手をそっと握る、嬉しくて泣きそうになったので慌てて下を向いた。  
 
また泣いてしまった僕を見て、ミルファがとても優しい声でバカねぇ・・と呟く。  
それが嬉しくて、またポロポロと零れる僕の涙を拭いながら彼女が困ったように微笑んだ。  
 
「だからこそ『大切な事』が何か分かったんでしょ?だったらその気持ちを大切にしなさい」  
晴れ晴れとした声でそう言って、ぎゅぅぅっと抱きしめられた。  
いつもは困るその彼女の悪癖がとても気持ち良くて、その温もりに甘えるように体を埋める。  
 
そんな僕を嬉しそうに抱き込んで、ミルファは髪を優しく撫でてくれていた、そして・・・。  
「――――うん、やっぱり君が運命の人なのかも・・・、決めた。」  
決心するように彼女が呟いた後、そっと唇を重ねてきた。  
 
「―  
――――――」  
 
一瞬『それ』が何を意味するのかがまったく分からなかった  
ボケッとする僕にいたずらっ子の顔をした彼女が嬉しそうに微笑んでる  
 
「ふふっ・・、キスしちゃった。ねぇ、しよ・・・・??」  
 
その言葉を聞いてかぁぁぁっと体温が上がっていくのが分かる、うろたえる僕を  
極上の笑みで受け流して、彼女が強引に僕の上にのしかかって来た。  
「はぁ?―――何?!!ミッ、ミル・・・・ファ・・!?ちょ・・んっ〜〜!!!!」  
 
(なっ・・・何で僕が女の子に押し倒されてるんだ!!??)  
幾ら自分が気弱で涙もろい性格でも、普通は自分が押し倒す側のはずなのに  
パニックになっているせいか頭が回らず力も入らない、これは男として情けなすぎる・・。  
 
そんな僕にかまわず、口内に入った舌は歯列をなぞり甘えるように舌を絡めてくる。  
口内を優しく撫でる舌と、アルコールの香りがする唾液の味に背中が粟立った。  
 
「う・・・んっ・・・ぅ、ぁん・・・・」  
ちゅぱちゅぱと唾液が混ざる濡れた音と、切なげに漏れるミルファの声が耳に響く。  
 
(やばい・・・・これは・・・さすがにマズイ・・・・!!!)  
甘い刺激に流されそうになるのを必死で堪え、上に乗っている体を強引に引き剥がした。  
 
「〜ぅ!!ダメ!!!ストップ!ちょっと待って・・・・!!!タンマ!!!!!」  
離れた唇からは透明な糸が零れ落ちて二人の顎に零れ落ちていく  
その雫を名残惜しそうに、彼女が舌で舐め取る・・・その淫猥な姿に心臓がドキドキした。  
 
「んっ・・・何でダメ?もしかしてキッス君心に決めた人とかいるの??」  
押し倒した状態で不思議そうな顔をして彼女が僕に聞いてくる、この体勢だと  
目の前に豊かな胸がある事に気付き、ドンドンと鼓動が早くなる  
 
普段は『仲間』としてしか見てないから、抱きつかれても何とも思うことは無いが  
キスされて押し倒されているこの状態でその体を意識しない方が無理な話だ――――。  
 
甘く誘ってくる開いた胸元や、ふっくらとした太腿の誘惑を振り払うように  
大きな声を出して彼女に語りかけた。  
 
「いや・・・好きな人はいないけど!そっ、そんなんじゃ無くて『仲間』とこんな事しちゃダメ!!  
 ミ、ミルファは女の子なんだから・・・酔った勢いで、僕なんかとすると絶対に後悔するよ。」  
上手く言葉を言えなくて慌てている僕とは対照的に、彼女は綺麗な目でじっと僕の話を聞いている  
それが逆に不安になって僕を焦らせていく・・・・。  
 
「とっ・・・とにかく、ね?女の子はちゃんと好きな人としなくちゃ・・・ダメだから・・」  
そう言う僕を嬉しそうな顔が見つめる、普段とは全然違う少女のような可愛い顔に心臓が高鳴る。  
 
「嬉しい・・・・」  
そうポツリと呟く彼女に、何だか嫌な予感がする・・・・。  
ミルファには2つの悪癖がある、『密着癖』と『都合の良いように人のセリフを解釈する癖』だ  
 
「あ・・・っあのね、ミルファ?僕の言ってる意味が分かって――――うわぁぁ!!!」  
僕が言い終わる前に、彼女がすごい勢いで抱きついて来て、ぎゅうぅぅっと体を締め付ける。  
 
「さっすが私の運命の出会い♪くぅ〜!!!!やっぱり私の目に狂いは無かったのね!!!!」  
歌うようにそう言って、興奮を僕に伝えるように抱きしめる腕の力を強めてくる  
その力は『抱きつく』と言うより『絞め殺す』に近い勢いだったのかもしれない・・  
 
「ちょ!!・・・ミルファ!!タンマ・・・いっ痛い・・・」  
説得のつもりが逆効果になった事と、命の危険を感じて何とかなだめようと顔を見る。  
僕の内なる葛藤も知らずに、当の本人は目をキラキラさせて嬉しそうに僕に話しかけて来た。  
 
「こ〜んな可愛い女の子が迫っても、狼にならずに相手の事考えて止めてくれるなんて  
 さっすがキッス君!私の見込んだだけの男だわ〜!!」  
そう言いながら頬やおでこに軽いキスを何度も落としていく。  
 
再び襲われる形になって僕は軽いパニックになっていた、狼に襲われているのはきっと僕だ。  
「だっ・・・だからミルファ!!女の子が気軽にこんな事しちゃダメだって!!!」  
狼の暴走を必死になだめようとする僕に、彼女はとても嬉しそうに微笑む。  
 
「私、君の事好きよ。」  
その声があんまりに澄み切って綺麗だったから、彼女を退けようとした手が止まった  
突然の告白について行けず頭が真っ白になる。  
 
「私だっていくら顔が良くっても好きな人じゃないとこんな事しないわ、君だからしたいの。」  
僕にちょこんと乗っかって少し恥かしそうに言うその姿は、暴走狼なんかじゃなく可愛い女の子だった。  
 
ここ一番って時にそうやって『女の子』の顔になるのは、彼女の本能がなせる技なのだろうか・・・。  
ミルファの扱い方は慣れてはいるが、女の子としてのミルファをどう扱って良いのか分からない。  
くるくると変わる彼女の性格に取り乱し、僕は完全に混乱していた。  
 
そして更に追い討ちをかけるように、見た事の無い顔で、頬を赤らながら恥かしそうに呟く  
「だから・・・もし君が特に好きな人とかいなくて、私のこと嫌いじゃなかったら・・・・」  
さっきまで僕を絞め殺そうとしていた同じ手とは思えない程、弱々しい力で僕の服を掴む。  
 
「一緒にベット行こう・・・?続き・・・・しよ??」  
 
潤んだ目と花が咲いたみたいな可憐な微笑みで、とんでも無い事を口にする。  
そこまで可愛い顔で蠱惑的なセリフに頭より先に、本能が先に「うん」と言っていた。  
 
嬉しそうに立ち上がり、ベットまで手を引く彼女の背中を見て、情けなくて死にそうになる。  
(仲間として好きな相手に迫られて、断れない女の子の心境ってこんな感じなのかなぁ・・・)  
 
とんでもなく間抜けな事を考えながら、ミルファに導かれるまま一緒にベットに倒れ込んだ・・・。  
 
ドスンという色気の無い音を立てて二人してベットに沈む。  
もうここまで来たら腹を括るしかない、この時少しだけ『男の意地』が働いた。  
僕の上で嬉しそうに微笑んでるミルファの服に手をかけて上着を脱がそうとする。  
 
そうすると彼女がくすぐったそうな嬉しそうな顔をして、僕の頬に軽くキスを落とす。  
「ん・・・ダメ。キッス君は触っちゃダメ、私がしてあげる・・・」  
可愛くそう言う声とは裏腹に、静止の為に握られた手は恐ろしい程力強い。  
 
その握る腕の強さに思わず怯んだ、普段の無茶苦茶な性格に忘れそうになるが  
彼女は協会が認めたエリート・・・しかも強力な才牙を巧みに使う力の持ち主だ。  
 
(どう考えても敵うはずないよ―――――)  
少しだけ顔を出した『男の意地』が消えていくのが分かる、本当に自分は底なし級に情けない。  
 
そんな僕の葛藤を知らずに、彼女は愛しそうに僕の唇を甘く噛んで行為を促してくる。  
(別に女の子にリードされるの嫌いじゃないから、このままでも良いか・・・・)  
そう自分に甘い言い訳を付けて、求められるままに舌を差し出した。  
 
ぴちゃ、という音と共に小さな舌が楽しげに絡み付く。  
差し出すだけの舌を少し動かし、自分もその動きに応えてより深く重ねていく  
「・・・っん・・ふっ・・ぁん」  
僕が応えて彼女を求めようとした途端、甘い声を上げていた唇が離れていった。  
不思議そうに彼女を見上げると、困ったような恥かしそうな顔をして唇を拭っていた。  
 
「キッス君は・・動いちゃダメ・・・しちゃダメって言ったでしょ??」  
そう甘く叱る声に鳥肌が立った、動けない僕を満足そうに見つめ微笑みながら耳元で囁く  
 
「私が全部してあげる。だから・・・動いちゃダメよ・・・??」  
そう言いながら耳の柔らかい部分をペロリと舐めた。  
 
その瞬間、快楽で頭が真っ白になった。  
さらさらと首筋に髪の感触も、猫のようにペロペロと舐める舌のぬくもりも  
彼女から微かに香る甘い匂いも、全部が強い刺激になって波のように押し寄せてくる  
 
「うっ・・・わっ・・ちょ、っと待って――――っ」  
女の子のような情けない声を上げていると、彼女が首筋に舌を這わしながら嬉しそうに呟く  
「んっ・・・可愛い、女の子みたい・・もっとさせて・・・??」  
 
そう言って僕の服を器用に剥ぎ取りながら、小さな舌は鎖骨、胸、下腹部を濡らしていく。  
僕の一つ一つを確かめるように、ゆっくりと舌を這わす動きに僕は翻弄されていた。  
 
服を脱がす手つきといい、舌を這わす仕草といい、全てが手馴れているように感じる。  
突然の告白に戸惑ったが彼女の言う『好き』は、自分が思う『好き』とは違うかもしれない。  
 
甘い波に流されそうになる中そんな事を考えていると、今までとは比べ物にならない刺激を  
下腹部に感じて思わず腰が浮いた―――――。  
 
「ミル・・・っ!!」  
てっきり指で触れるだけだと思ってた『それ』に、彼女はいきなり舌を絡め深く咥え込んでいた。  
 
さっきから彼女に与えられていた愛撫で、大きく勃起したものを彼女は嫌がる様子も無く  
チュパチュパと音を立てながら唾液を絡めて吸い取ってくる。  
 
「――――ぅ・・ダ・・メッだ・・・!!」  
その刺激に耐えられず首を離そうとする手を、彼女がやんわりと止めて僕を見上げてくる。  
 
「ぁん・・・逃げちゃダメ、ちゃんとしてあげるから・・・ね?」  
唾液や僕のもので濡れた唇を見せ付けながら彼女は楽しそうに微笑む。  
その熱っぽい目や、ぬらぬらと濡れた唇を見せつけられて頭がクラクラする・・・。  
 
もうすっかり彼女のペースにはまっている自分は素直に頷くしか無かった。  
そんな僕に嬉しそうに『大好き』と言葉を告げて、再び下腹部に顔を埋めてくる。  
暖かく包む口内の感触と、裏スジを舐める舌の動きに反応して肉棒は大きくなっていく。  
 
その度に彼女の口から少し苦しそうな声が漏れて、軽く歯が当たった。  
完璧に行為をしていた今までとは違う、その不器用な動きに少しだけ安心した。  
 
(それでも・・・・十分気持ち、良いんだけどね・・)  
さらさらと太腿にかかる髪を撫でて、ゆっくりと上がってくる快楽に耐える。  
 
自分は彼女に全て脱がされているのに対して、彼女はきっちりと服を着込んだままだった。  
行為で乱れた服から柔らかそうな足が覗いている、その先を目で追うと肉棒を咥えたミルファの姿がある  
何だかとてもイケナイ事をしているみたいで背中が粟立つ。  
 
「・・・っん?キッス君、気持ち・・・いい??」  
短く息を飲む僕に、彼女が嬉しそうに濡れた音を大きくしながら唾液を絡めてくる。  
 
「ん・・・うん・・っもう無理かも・・ごめん、そろそろ離して―――っ」  
そう言うのと同時に彼女の指が絡みついて、催促するように強くさすって来た。  
亀頭をチロチロと舐めながら、彼女がチラリと僕を見て『いいよ・・・』と微笑む。  
 
唾液で濡れた肉棒を追い立てるようにしごく手と、吸い出すように絡みつく舌  
そして誘うように微笑む顔、体全部が心臓になったように大きく波打つ。  
 
「ごめ・・・ん!!!―――――――っ」  
そう言うのと同時、亀頭を舐めていた彼女が深く咥えて全てを受け入れようとするが  
自分でも驚く程大量に吐き出されたそれを受け入れずに、小さな口や顔を汚していく。  
 
「あっ・・・んんっ・・・・!!!」  
悲鳴のような短い声を上げて、白濁としたもので汚れていく彼女をぼんやりと見ていた。  
 
「―――――っ、ゴメン服とか・・・顔汚し、ちゃった・・・。」  
長い射精が終わった後、荒い息と必死で押さえ、彼女を顔を拭こうと手を延ばす。  
そうすると、彼女は恥かしげに顔にかかったものを指ですくい丁寧に舐め取っていく。  
 
「んっ・・・苦いね・・・。全部飲もうと思ってたのに―――ダメだった。」  
汚れた事をを気にする様子もなく、嬉しそうに舐め取る姿を見てブチンと何かが切れた。  
 
「へへ・・・キッス君の可愛い顔も見れたし、今日はこれで――――きゃあっ!!!!!」  
どこか満足そうな顔で笑う彼女を押し倒して組み敷いた。  
 
「ええっ・・・!!??ちょっと!!キッスく・・んっ・・・。」  
驚いたように何かを言いかけた口を強引に塞いで言葉を奪う。  
 
こうやって自分が上になった状態で見る彼女は、想像していたよりずっと小さかった。  
突然の事に目を丸めて僕を見上げるミルファに、今度は僕が情けなく微笑む。  
 
「ごめんね・・・僕がいくら気弱で情けなくても、ここで終われる程弱くないんだ・・・・」  
 
そう言って、先程の行為で乱れた彼女の上着をそっと脱がし始めた。  
 
「――――――――っ」  
何か言いたそうな顔(多分文句だと思う・・)をしてはいるものの  
大人しく服を脱がす手にあわせてミルファは体を預けてくれた。  
 
きっちりと着込んだ上着のボタンを一つ一つ外していくと、白い首筋と  
綺麗に浮き出た鎖骨が見えてくる、その下には黒のシャツから覗く柔らかそうな胸・・・。  
普段は決して見る事が出来ない気持ち良さそうな膨らみに、思わず喉がゴクリと鳴った。  
 
「・・・・何か、キッス君じゃないみたい・・・。」  
その視線に居心地が悪そうな顔をして、頬を膨らませながらポツリと呟く。  
恥かしげに胸元を隠そうとする手や、不満を言う口とは裏腹に僕が視線に応えるように  
彼女の肌が薄紅く染まっていく。  
 
「ごめん。僕も一応男だから、こんな綺麗なもの見て我慢なんて出来ないよ・・・。」  
軽い口調でそう言って、一度深く唇を重ねて舌に吸い付く。  
 
「ぅ・・・んっ―――――――」  
お互いの唾液で濡れた舌で首筋や鎖骨を辿ると、彼女の息がどんどん熱くなっていく。  
 
「ぁ――――!!ヤ、ダ・・・ったら・・・」  
普段の声とは全然違うその泣きそうな声がとても心地よくて、僕の何かを駆り立てる。  
少し強引に黒いシャツを剥いで、ふるんっと揺れた乳房を揉みしだいた  
 
「ちょ・・っ、ぅんっ・・・キッスく・・あっ!!」  
胸を触りながら、小さく顔を出し始めた桃色の突起を口に含むと彼女の体が大きく震えた。  
 
「あっ・・・んんっ!ぁ――――っ!!!」  
何かに耐えるように弱々しい声を上げながら、彼女が必死に僕の腕にぎゅぅうとしがみ付く  
胸を嬲りながらその顔を覗くと、目に涙を浮かべて不安そうな顔で僕を見つめている  
 
(何だろ・・可愛いんだけど、すっごく可愛いんだけど・・・)  
僕の上に乗って楽しそうに笑っていた時と別人のような姿に、違和感を覚えた。  
 
僕の事を『好き』と言いながら手馴れた仕草で攻め立てた彼女と上手く繋がらない。  
触れる度にビクリと硬くなる体や、泣きそうこの声が演技とはとても思えないのだ。  
 
そして―――――――。  
 
「ミルファ?足・・・閉じたままじゃ出来ないよ・・・」  
そう言いながら硬く閉ざされた足をそっと撫でる。  
 
「わ・・・っ分かって、る・・・けど・・」  
強気な口調とは違って硬く閉ざされた足は開きそうに無い、それは駆け引きでも  
計算でもなく単純に『開く事が出来ない』のだ。  
 
「こういう事するの初めてだよね・・・?」  
グラグラする頭を抑えて、断言する形で彼女に尋ねる。  
 
一瞬の沈黙、そして荒い息を整えながらミルファが気まずそうに僕を見た。  
どんな言葉を言うよりもその顔が彼女が『処女』だという事を伝える  
 
情けない僕にだって譲れないポリシーはある  
『どんな女の子でも優しく大切にする』  
女の子は優しく綺麗な言葉を伝えてこそ、可愛くなる・・・僕はそう教わった。  
 
(はっ・・・初めての女の子にして貰う所か顔にまで―――――)  
うなだれる僕に、頬を染めたミルファが少し拗ねた顔をして見つめてくる。  
 
「―――――何よ。キッス君だって初めて・・・で・・・・しょ」  
一瞬の沈黙、僕の顔を見て何かを察したのか彼女の顔が真っ赤に染まっていく。  
 
何故か『負けた』と言いたげに僕を見るミルファの頭を軽く撫でて気持ちを落ち着かす。  
自分の中にある覚悟をキュッと締めて、真剣な顔で彼女を見た。  
 
「僕が・・・好き??」  
その普段と違う僕の声に、彼女が一瞬ひるんだ。  
そしてゆっくりと僕を見て、いつものように晴れ晴れとした声と自信に満ちた顔で応える。  
 
「決めた・・・って言ったでしょ?私はキッス君がいいの。」  
 
その言葉を自分の胸にキチンと受け止める、こんな風に強く自分の意思を持てる  
彼女は僕の憧れでもあった・・・・・・。  
 
毛布に流れている、さらさらとした黒髪を手に取りそっと口付ける。  
僕の動きを戸惑いがちに見つめる目を、安心させるように優しく微笑む。  
 
「うん・・・・ありがとう、じゃあちゃんとしようか。」  
そう言って彼女の柔らかい足にそっと唇を這わした―――――――。  
 
「ちょ・・・と!!やだっ、そんな所・・・!!」  
驚く声を聞き流し少し強引に足を開いて、彼女の内腿をペロペロと舐める。  
 
「あっ、ゃ・・・んん!!」  
舐める舌が彼女の秘所に近づく度、濡れた匂いが強くなってくる。  
僕との行為できちんと感じてくれているのが分かって嬉しくて少しだけ安心した。  
 
残っていた衣服と下着を全て脱がして、ベットに横たわる彼女を眺める。  
深い夜を想像させる黒い髪は彼女の健康的な白くて柔らかそうな肌を引き立てていた。  
 
「あの・・・あんまり見られると、恥かしいんですけど・・・」  
体を隠そうとモジモジと手足を動かす仕草が可愛くて、何だかもっと見たい気分になる。  
 
(でもこれ以上見るときっと怒るだろうなぁ・・・・)  
恥かしさからか、少しだけ不機嫌そうに見つめる彼女に口付けて行為を再開した。  
確かめるように、額から順に唇を落としていく。  
 
「あっ・・・んっんん!!!」  
敏感に反応した首筋や乳房には、時間をかけて舌を這わしながら彼女の緊張を解いてやる  
そうすると、最初は触るたびに硬く反応していた体がどんどん解れていくのが分かった。  
 
「ふぅん・・・っ、あっん・・・キッスく・・ん」  
不安げな声がどんどんと甘く自分を求めるような声に変わっていくのは聞いてて心地が良かった。  
柔らかい乳房に顔を埋めながら、茂みの中にある硬い芽に手を延ばしそっと指で擦ってやる。  
 
「やっ!!!あっ・・・ん、ダメ・・・っだったら・・・!!」  
今までとは違う大きな声を聞いて、胸から下に顔をおろしてその芽を口に含んだ。  
痛くないように優しく舌先でコロコロと転がすと、もどかしげに僕の髪を彼女の手が掴んでくる。  
 
「ちょっと・・・待って・・・汚い、よ・・・」  
消え入りそうな声で、そう言う彼女に普段の意思の強さは無い。  
それが僕を余計に駆り立て高めていく―――――――――――――。  
 
「汚くない。だって僕にもしてくれたじゃない・・・?それとも止める??」  
そう言いながら舐める舌の動きを強めて、隠れていた肉芽を優しく剥き取ってやる。  
 
「ぅ・・・ぁ!んん・・・いじ、わる・・・!!!」  
悔しそうに喘ぎながら呟く声と、耳元で聞える濡れた音と、僕が舐める度に湧き出る  
蜜の匂いを感じて、彼女の中の準備が整った事を知る。  
 
いつもは振り回されてばかりいるのに、僕の動きや目線に合わせて染まっていく肌や  
濡れてくるそこを見て素直に愛しいと感じた。  
 
独特の高揚感が僕を襲う、それは『男』なら誰でも持っている支配欲――――。  
まさか彼女に対してこんな感情を持つなんて思わなかった。  
 
「あ・・・んっ、ねぇ・・・キッス君、っもう大丈夫、だから・・・。」  
ぼんやりと考えている僕に細い手がもどかしげに絡み付く。  
もう十分に整っているのに先に進まない僕を、急かすように甘えた声を出して求めてきた。  
 
ねだるようにトロトロと蜜が流れる入り口を撫でた後、彼女の耳元で囁いた。  
「ん・・・じゃあ、そろそろ入れるね」  
そう言いながら、少しだけ自身を彼女の中に押し入れる  
 
「―――――――――っぅん!!」  
多少のキツさはあるものの、十分に濡れているせいか彼女は艶っぽい吐息で応えてくれる。  
入り口をほぐす様に浅い出し入れを繰り返しながら、体が慣れるのを待つ。  
 
「はっ、ぁ・・・んん、ぁん・・やっ」  
徐々に深く入れて行く度に、僕を確かめるように恍惚とした表情で甘い声を上げる。  
十分に解れた入り口は僕の亀頭を暖かく包み込んでとろりとした蜜を出していた。  
すべてを収めていないのに、十分すぎる程の快楽を二人は共有している。  
 
半分ほど入れた所で膣内の狭い箇所に当たる・・・・彼女に快楽だけを与えれるのはココまで。  
 
うっとりとした声を上げているミルファの腰を強めに抱いて、口付ける。  
「・・・ごめんね、ここまで来たら一気に入れた方が痛み少ないと思うから・・・。」  
一瞬彼女がキョトンとした顔で僕を見つめてくる、僕の意図する事が理解できていないと言う顔。  
 
その顔が普段の彼女と違って余りに幼かったので、苦笑しながらゆっくり髪を撫でる。  
「しっかり僕に捕まってて―――――っ」  
それだけ言って、狭い膣の中に残りの半分全てを彼女の中に押し入れた。  
 
「あぁっ、ぁ!!・・・いっ―――――たっ―――――!!!」  
挿入と同時に抱きつかれた背中から、ガリッという皮膚を裂く音と痛みを感じた・・・。  
悲鳴のような声を上げて、快楽に濡れていた顔がどんどん苦痛の色に変わっていく。  
 
甘い吐息は苦痛を吐き出すものに変わり、足は痛みに耐える為カタカタと細かく震えていた。  
濡れていた入り口とは違い、そこは柔らかいくせに僕を拒むようにギチギチと締め付ける  
 
「・・・・っ、ミルファ・・・大丈夫??」  
強く締め付けてくるせいか、僕自身も微かな痛みを感じながら彼女の腰を優しくさする・・・。  
彼女の痛みが去るまで、5分,10分と動きを止めて様子を眺めていた時  
やっと声を出せるようになったのか、強く背中に抱きつきながら涙声で尋ねてきた。  
 
「うん・・・・ぁ、ごめん・・・もうへいき。・・・全部、入った??」  
そう小さく頷く僕を見て、安心したように息を吐いて呼吸を整える。  
痛いほど締め付けていた中も、彼女の顔が穏やかになるにつれ柔らかいものに変わっていく。  
 
強張って白くなっていた体に、柔らかい紅い色が戻ってくる。  
その姿を見てほっとしていると、突然彼女が繋がっている部分に手を延ばしてきた。  
 
「ええっ・・!??ミル――――――ッ!!!!」  
驚く僕を気にもせずに、体を折り曲げてその部分をぼんやりと見つめている  
そうして愛しそうにゆっくりと撫でながら、うっとりとした声で呟いた。  
「良かっ・・・たぁ全部、入ってる・・・・嬉しい。」  
 
恥かしそうに微笑んだ後、今度は痛みに耐える為ではなく求める為に僕の背中に手を回す。  
「ありがと・・・もう、大丈夫。だから、動いて・・・・??」  
 
何だかそのストレートな言い方が彼女らしくて、それが逆に可愛いと思った。  
慣れない中をほぐすように気を使いながら、ゆっくりと腰を動かす。  
 
「あっ、んん・・やっん、・・・ぁ・・・!!」  
動きに合わせて、彼女の口から甘い声が聞えてくる。  
十分に時間を置いたおかげで、スムーズに挿入を行える事が出来た。  
 
(あっ・・・・マズイ、かも・・・・)  
体を慣らす為に長い間膣内の温もりを感じていた自身は、少し動くだけで達してしまいそうになる。  
血液と愛液のとろりとした温もりと膣の締め付けが吸い出すように僕をきゅぅっと包み込む・・・・・。  
 
「―――――っゴメン・・っ!!!」  
最後の理性を使って謝った後、気遣う動きから自分を高める為の激しい動きに変えた。  
 
「えっ!?・・ぁ・・・ああっん、あ!・・・キッス・・・く・・ん!いっ痛・・」  
苦しげに自分を呼ぶ甘い声にゾクリと背中が震える、痛みを和らげてあげたい気持ちと  
快楽を求める気持ちが、自分の中で心地良く混ざり合う。  
 
気丈な彼女がこんな風に苦しみながら手を延ばすのは自分だけだと思うと  
それは幸せな事に思えて、今までの仕返しのように大きな動きで腰を打ち付ける。  
 
「あ・・・!!まっ・・・て、ふぁ!!やっ・・ん!!!」  
動きの速度を上げる度血と愛液が混ざったぐちょぐちょとした猥雑な音が響く。  
今まで控えめにゆれていた白い乳房が動きに合わせて、大きく揺れる  
柔らかな乳房の上にはある硬い突起を口で嬲りながら、追い詰めるように更に動きを早めた。  
 
「あっ、だっめ!!やっ、気持ち良い・・・やだっ、痛いのに・・んん!!  
初めてなの・・にキッス君・・・気持ち・・・・いい・・・あぁ・・!!!!」  
淫らな声に合わせ、彼女の膣内がいっそう潤いねだるように絡みつく。  
まるで同時に達する事を望んでいるように、吸い付くように強く締め付けてきた。  
 
「ぅん!!だっめ・・、やだ、やだぁ―――――ぁぁあああ・・・・!!!」  
彼女の体が大きく仰け反り、白い体がシーツの上で大きく波打っている。  
達した事が分かるのと同時に、抑えていた自分にも限界が押し寄せてきた  
 
「――――っぅ・・・ごめん!ぼくも・・・もう――――っ」  
数回深く押し入れた後、彼女の中から抜くのと同時に抑えていたものを大量に吐き出す。  
 
「あっ!!・・・うぅん、っ・・・ん!」  
短く喘ぎながら彼女の腹部が白濁としたものと、それに付いた赤い血を受け止めていく。  
どこか恍惚とした表情で受け止めている彼女を見ながら、ゆっくりと意識を手放した――――。  
 
「・・・信じらんない・・・。」  
まるで子供のように、穏やかに眠る顔を突きながら不満気に頬を膨らます。  
 
「出すだけ出してさっさと寝ちゃうってどう言う事なのよ・・・この天撃使い君は。」  
おーいと声を掛けても、起きる気配は無く本当に幸せそうに眠っている。  
その顔を見ながら諦めたように彼の横に寝転がる。  
 
どれだけ不満気な声を出しても、頬を膨らましてみても、さっきから顔がニヤケて止まらない。  
多少酔ってたとはいえ、生まれて初めて体をあげても良いと思える相手に出会えたのは嬉しかった。  
 
「まぁ・・・始めてにしちゃ頑張れたかなぁ・・・・。」  
お互い初めてと踏んでたのに、キッス君に先を越されてたのが不満だったけど  
予想通りの可愛い顔と、予想以上に男らしい顔を見れたのはラッキーだったかもしれない。  
 
気分良く飲んで町を歩いていると、宿の窓から寂しそうな顔が見える。  
そっとしておこうと思ったけど、余りにも誰かに助けて欲しそうな顔をしてたので放ってけなかった。  
彼は団体が嫌いなくせに、一人になると極端に寂しがるのだ――――――。  
 
「不器用な子・・・・」  
そんな事を思い出しながら、金色の髪を梳く。  
結局自分が本能的に選んだ相手は、こんな風に母性本能をくすぐる相手だった。  
誘われるように穏やかに眠る顔にゆっくりと自分の唇を重ねた。  
 
「・・・んっ・・・・。」  
夢を見ているのか可愛く漏れる吐息を聞いて悪戯心がチラリと覗く。  
「ふふ〜♪起きたらどんな風に悪戯しちゃおうかな・・・。」  
こんな風に考えながら、彼の慌てふためく姿を想像して楽しむ。  
 
「私がいる限りはあんな寂しい顔なんてさせないから・・・・ね♪」  
眠る彼にもう一度口付けて、体力を回復させる為に浅い眠りに付いた――――――  
 
 
 

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