隣りの部屋では木酢と見留派(だろう)が、ぎゃあぎゃあやっているので、微糸は悶々として露天風呂へと向かった。
満天の星空を眺めながらオナニーに耽るというのも、また一興である。
(もしか、穂荒が先に入ってたりしないだろうか……)
微糸は淡い期待を抱いた。が、誰もいなかった。
岩の上に大の字になり、自分のモノをしごき始める。と――
「こらっ、バカ微糸ー!」
聞きなれたセリフだった。状況は最悪だったが。
見ると、穂荒が全裸で立っていた。バンダナは外している。そりゃそうだろう。
微糸は慌てて起き上がった――。
「資源には限りがあるのよ、大切にしなさい」
彼女が何をいっているのか、わからない。温泉のことか?
臆することなく、穂荒は近づいてくる。
「精液はね、女の子のお口かアソコに出すの、いい?」
「…………」
迫りくる裸体に、微糸はただ圧倒された。初めて見る(局所的には、以前……)それは、ビーナスのように美しかった。
彼に近づくと、穂荒はあろうことか、いきなり四つん這いになった。尻をこちらに向けて。
「バックで、して」
穂荒は顔も向けずにいった。まるで、ドラ焼きがしゃべっているみたいだ。
「ひっ――な、なんで?」
「なんでって、バックが一番気持ちイイじゃない」
微糸が首を振る。そういう問題ではない、断じて。
「……オレなんかで、いいの?」
「なに愚図愚図いってるのよ。それとも、《常夏の火炎》をお見舞いしようかしら」
攻撃魔法ならぬ去勢魔法には、十分注意が必要だった。微糸が微意子になったら大変だ。
チ◯コを焼き切られる前に、彼は決心した。
「わかったよ。でもオレ、童貞なんだ。どの穴に挿れていいか、その、あまりグチャ……いや複雑で」
「とりあえず、ケツ穴はわかるでしょ?その下のドラ焼きにぶち込めば、なんとかなるわよ」
穂荒の下品な言葉に、微糸はひどく興奮した。彼女もそのようだった。
(よおし……)
一念発起し、挿入を試みる。と、驚くほどスムーズに、彼のチ◯コは膣内へと飲み込まれて行った。
「あんっ、微糸のオチ◯チン、大っきい!」
発情期のネコのような声を上げる穂荒。たとえ世辞でも、男――とくに童貞には自信になる。
微糸は夢中で腰をふった。パン、パン、パンと小気味よいリズム音が、静寂な岩場に木霊する。
穂荒は低く喘ぎながら、微糸の前方で何やらジェスチャーらしきことをやっている。
それは、フェラチオのポーズだった。彼女は空気フェラをしているのだ。
その仕草に、微糸のテンションは最高潮へと達した。なんというイヤらしい女だろう……。
「ほ、穂荒――ヤバイ、逝きそうだ!」
微糸が叫ぶと、穂荒はサッとチ○コを抜き、四つん這いのまま反転した。空気ではなく、現物を咥える。
「逝くぞ、うほっ」
彼女の熱い口内にかかっては、ひとたまりもなかった。微糸は爆ぜた。
「……おいしい」
口の中のものを嚥下すると、穂荒は微糸に顔を近づけた。
「ねえ、キスして」
順番がことごとく逆だ、と微糸は思った。
FIN