ビィトを背負って宿屋の部屋に入ってきたポアラ。  
「っ・・・・しょっと・・・・ふう・・・疲れたぁ・・・」  
ベットにビィトを横たえると、その隣のベットに重い腰を下ろして一息つく。  
「まったく・・・・あとちょっとで街に入れたのに・・・・もうちょっと遅ければこんな苦労しなくて済んだのに・・・」  
肩を叩きながら、聞いているはずのないビィトに向かって愚痴を漏らす。  
 
街に向かっていた二人だったが、突然ビィトが頭をぐらんぐらんと揺らし始め、眠ってしまった。  
そう・・・ビィトが“寝る日”だったのだ。  
ビィトは3日間ずーっと起きていて、その後丸1日眠りに就いてしまう。  
そしてそれは避けられない。  
眠ってしまえば完全に無防備になってしまう。  
そうなればポアラが何とかするしかない。  
彼自身、気を付けなければならない事なのだが、ビィトの行き当たりばったりの性格では当てには出来ない。  
もっとも自分も度忘れしていたのだから、人の事は言えない。  
「・・・・私も迂闊だったな・・・気を付けなくっちゃ・・・」  
ポアラは自分の甘さを反省した。  
 
ふと見ると気持ちよさそうに寝息を立てているビィト。  
傍に寄り添ってその横顔をじっと眺める。  
「まったく・・・・人の気も知らないで・・・」  
指でビィトの頬を突付く。  
「・・・んにゃ」  
「クスクス・・・」  
ビィトの反応がおもしろくて、さらにツンツンと悪戯する。  
「・・・・あんたが里から居なくなった時、私・・・本当はさみしかったんだぞ・・・・」  
ポアラはビィトが寝ているからこそ、本音を漏らす。  
「・・・って、素直に言えたらいいのにね」  
苦笑して自重するポアラ。  
そしてビィトを見詰める。  
「ビィト・・・・」  
ゆっくりと顔が近づいていく。  
まるで磁石の様に・・・。  
少し躊躇いながら、ポアラのやわらかい唇とビィトの唇が触れ合う。  
「ん・・・・」  
起きる気配すらないビィトに、ポアラは何度も唇を合わせるだけのキスをした。  
 
「!?・・・・やだ・・・・私、なにやってんだろう・・・・」  
つい自分のしてしまった行動に驚き、唇を手で隠すように顔を離す。  
耳まで真っ赤にしてしまうポアラ。  
「・・・も、もう・・・ビィトが悪いんだからねっ!!」  
思わずビィトから目線を外し、誰に聞かれるでもないのに悪態を吐いてしまう。  
手を自分の頬に触れさせると、熱くなっている様に感じた。  
しかしそんなポアラを他所に、ビィトは深い眠りの中にいた。  
「・・・・?」  
顔を背けた先、ビィトを覆うタオル・ケットが不自然に盛り上がっている。  
よく見ると、それは下半身の方だ。  
「え?・・・なに?・・・・なんで!?・・・こ・・・これって?・・・え゛え゛え゛え゛っ!!?」  
ソレに気付いたポアラは混乱した。  
そう・・・ビィトのアソコが勃起していたのだ。  
 
「ウソ?・・・こ、これって・・・・・あれ・・よねぇ・・・・」  
まるで不思議な物を見るように、まじまじとソコを見詰めてしまうポアラ。  
「・・・ふわぁ・・・・なんで寝てるのに・・・・まさか、エッチな夢でも見てるんじゃないでしょうねっ・・・」  
ビィトを訝しげに睨み付けるポアラ。  
「・・・・あ!?・・も、もしかして私の所為?」  
なにかを考えていたポアラが一つの推論に達した。  
「私がさっきヘンな事しちゃったから・・・・だから・・・」  
キスしてしまった事を思い出し、また顔が火照ってしまう。  
実際の所、ポアラの考えは間違っている。  
健康な男子は、睡眠中に2〜3回は勃起する事は普通である。  
ただでさえ1回の睡眠時間が長いビィトならば、その回数も増えるだろう。  
ある程度その手の知識は持ってはいるが、そんなことまでポアラが知っているはずもない。  
ポアラはどうしたらいいのか困ってしまう。  
 
「・・・そういえば私・・・男の子の事、よく分からないわ・・・」  
寝入っているビィトを見る。  
“寝る日”に入ったビィトは、どんな事があっても爆睡している。  
だから、今ならなにをしても判らない・・・。  
ポアラの中でふつふつと、そんな考えが湧いてきた。  
「そ、そうよね・・・私の所為でもある訳だし・・・こ、このままじゃ、ビィト・・・可哀相だし・・・」  
興味が溢れて止まらないポアラは、自分で自分に言い訳する。  
その顔は悪戯する子供の様な、小悪魔の様な、複雑な笑みだった。  
 
そっとビィトからタオル・ケットを剥ぐと、下半身のソレが目に入る。  
(ひゃあぁぁ・・・)  
ソレはビィトのズボンを窮屈に突き上げ、張ち切れんばかりの山を作っていた。  
ポアラはビィトの足元に移ると、ベットに身を乗り出す。  
そしてビィトのズボンに手を懸けた。  
「うう〜ん・・・なんか後ろめたい感じが・・・」  
しかしそんな気持ちよりも、湧き上がる好奇心に背筋がゾクゾクする。  
 
お尻の方からズボンをずらすと、ビィトのソレに引っかかってなかなか脱がせられない。  
ポアラは、力任せに引っ張ってズボンを抜き取るとパンツも一緒だったらしく、ブルンッとビィトの  
硬く勃起した肉棒が現れた。  
「きゃっ!?」  
その勢いでベットから落ちそうになる。  
体勢を整えて目をソコに移すと、反り返ったビィトの肉棒が見えた。  
胸がドキドキと、鼓動が早くなる。  
抜き取ったズボンを、思わずギュッと抱きしめてしまう。  
「・・・・うわっ・・・・す、すご・・・・」  
ゴクッ、と唾を飲み込んで、恐る恐る近寄っていく。  
目線はソコに釘付けになっていた。  
そして興味深く、いろいろな角度から観察していく。  
「へえ・・・・こ、こんな風になってんだ・・・・なんか変な形・・・・こんなのついててジャマじゃないのかな・・・?」  
震える手でそっと触れてみる。  
「・・・熱い・・・・こんなに・・・なっちゃうんだ・・・・あ・・・ここ、少し柔らかいんだ・・・・」  
両手で形を確かめる様に、あっちこっちと弄りだす。  
ポアラはいつしか興奮して、呼吸が荒くなっていた。  
 
「う・・・・ん・・・・」  
「!?」  
突然、ビィトが反応した為、ポアラは驚いてビクッと身体を跳ねらせた。  
心臓が飛び出しそうになる。  
「び・・・びっくりしたぁ・・・・」  
目を見開き、ビィトの方を見る。  
「はあ・・はあっ・・・・驚かさないでよォ・・・・」  
自分の胸に手を当てて落ち着かせるポアラ。  
(・・・・・もしかして・・・・アレ・・・・触ったからかな?)  
ポアラは再びビィトの肉棒に手を伸ばして、ゆっくりと刺激していく。  
「・・・ぅ・・・・・・」  
小さく呻く様な声がビィトから漏れた。  
「・・・・ビィト・・・気持ちいいの?」  
ビィトの反応を見ながら、ポアラは徐々にその手の動きに熱を入れる。  
ポアラは自分の手の中で、自分がビィトに快楽を与えている事がうれしくなっていた。  
 
「・・・あ・・・なんか漏れてきた・・・」  
ポアラの手は、いつしか肉茎を扱く様な動きに変わり、その先端から雫が溢れてきた。  
ビィトの呼吸も段々と荒くなってきた。  
雫が肉茎を扱く手に垂れて、ニチャニチュッといやらしい音が微かに聞こえる。  
興奮したポアラは、胸元にあった片手を無意識の内に転がすように揉んでいた。  
そしてその手を下げて、下着の上から指を秘部沿ってに這わせる。  
(やだ・・・私、もうこんなに・・・)  
ソコはもう恥かしいくらいに濡れていた。  
ポアラももう年頃の女の子・・・自慰くらいはした事があった。  
しかしこんなにまで、なったことはなかった。  
この異常な状態と興奮の所為だろう。  
(・・・・・いつもより気持ち・・・いい)  
ポアラは夢中で指を強く、速く擦りつけた。  
「ん・・・あっ・・・ああんっ!」  
その刺激に甘い喘ぎ声を漏らす。  
 
「・・・・う・・・く・・・・・っ・・・」  
「・・・はあ・・・はあ・・・ビィト・・・・・・ビィトぉ・・」  
両方の手が器用に、そして巧に動いて双方の快楽を募らせる。  
ポアラは顔を扱かれている肉棒にさらに近づけて見詰める。  
その奥に悶えるビィトの顔が見え隠れする。  
(・・・・ああ・・・・なんかヘンな匂いが・・・・する・・・)  
恍惚の表情を浮かべるポアラ。  
やがて握っていた肉棒が、さらに硬くなったように感じた時・・・・  
「・・・・うあ゛ぁっっ!!」  
 
どぴゅっっ、どぴゅっ、どぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅくっ・・・・・・  
 
「え?・・・・あっ・・・・!?」  
ポアラの手の中でビィトが弾け、勢いよく射精し続ける。  
 
その噴出す精液を驚きつつも、じっくりと見守る。  
(・・・・・っはああ・・・・す、すごい・・・・こ、こんな・・・・こんなのが、中に出されたら・・私・・・私ぃ・・・・)  
そう思った瞬間・・・・・  
「・・・・・っん゛ん!!」  
ポアラは身体を痙攣させて、絶頂を迎えた。  
「・・・はあっ・・・はあっ・・・はあぁっ・・・・・い、イっちゃったぁ・・・・・」  
荒くなった吐息を整えつつ、手にべっとりと着いたビィトの精液を見た。  
そこから香る、特有の匂いに酔いしれる。  
「これが・・・・ビィトの・・・・」  
しばらく見詰めていたその手をそっと口元に運び、指に着いた精液を舌で舐め取る。  
「・・・・変な味」  
しかしポアラはいとおしそうに舐め取り続けた。  
 
「・・・・ビィトのもきれいにしてあげるね・・・・」  
ビィトに微笑みかけるように言うと、肉棒の周辺に垂れた精液を丁寧に舐め取り始める。  
そして力を失った肉棒をやさしく口に含んで愛撫していくと、再びぐんぐんと持ち上がってくる。  
(・・あ・・・・大きく・・・・なってく・・・・)  
どんどんとポアラの口が広がっていく。  
ポアラはそのままビィトの肉棒に、顔を上下させて舐め続けた。  
「・・・・う・・・・・・ううっ・・・」  
その刺激に再び声を漏らすビィト。  
「・・・んはッ・・・・んちゅっ・・・ちゅぷっ・・・」  
時折、ちらりとビィトを見上げながらポアラは、一心不乱に愛撫する。  
どうしてこんなことをしているのか、と頭の片隅に疑問が湧いてくるが気持ち良さそうにしているビィトを見ると、  
そんなことはどうでも良くなった。  
ただ、ビィトを気持ち良くさせてあげたい、自分も気持ち良くなりたいと思うだけになった。  
そしてポアラはビィトと、もっと強く結ばれたいと思っていく。  
 
「っは・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ビィト・・・・・」  
ビィトの肉棒から口を離すと、ポアラは立ち上がって自分の衣服を脱いでいく。  
ブラを取るといやらしく起立した乳首が露になる。  
そして下着を脱ぐと、溢れた愛液を吸って少し重くなったように感じた。  
ポアラはビィトに寄り添うように横になると、自分の胸元にビィトの顔を抱き寄せる。  
「・・・ビィト・・・・」  
ポアラの柔らかい胸にビィトが埋まり、強く抱きしめる度に切なさが込みあがる。  
(ああ・・・ビィト・・・・抱きしめて・・・そして私を・・・・)  
「むぐっ・・・むぅ・・・・・」  
胸の谷間でビィトが息が出来ずに魘される。  
「ご、ごめんビィト・・・・」  
慌てて顔を離してやると、ビィトは息を深く吸い込んで寝返りをうって向こうを向いてしまう。  
「・・・・はぁ。本当に起きないわねぇ・・・・・」  
変に感心してしまうポアラ。  
「でも・・・・・」  
ビィトを正面に向けさせると、その上に伸し掛かりギュッと肉棒を掴む。  
「ココは元気ね・・・」  
そしてそのままキスをする。  
今度はもっと深く、口の中に舌を入れて絡ませる。  
 
「んっ・・・んぅっ・・・・はむ・・・んちゅっ・・・」  
そしてそれと同時に、ビィトの肉棒に自分の秘部を押しつぶす様に合わせる。  
「・・・んふぅっっ!・・・・っは・・・・あ・・ああっ!!」  
甘い吐息を漏らして腰をくねらせ、前後に肉棒を擦り付ける。  
擦れる度にビィトの亀頭のカリの部分が、ポアラの膨れて露出したクリトリスに引っかかって刺激していく。  
「あはぁんっ!・・・・い、いい・・・気持ちいいよビィトぉ・・・」  
ポアラの秘部のヒダ状の薄い肉びらが、ビィトの陰茎に纏わりつく。  
溢れ出た愛液がビィトの肉棒を濡らし、粘液が擦れるような卑猥な音を鳴らす。  
「はあうっ!・・・あっ・・・あふ・・・はぁっあぁ・・・・ほ、ほしい・・・な・・・膣に・・・」  
身体の内側から湧き上がる衝動に、堪らなくなったポアラはビィトの肉棒を立てて膣口に宛がう。  
このまま腰を落とせば挿入出来る。  
しかし、流石に初めてなので勇気がいる。  
(・・・い、いいよね・・・私、ビィトになら・・・)  
意を決してゆっくりと身体を沈めていく。  
 
「・・・・っく!・・・ぅああ゛ッ・・・・痛ぅ・・・・」  
切れるような痛みがポアラの下腹部を襲う。  
ビィトの肉棒が処女膜を破って、肉襞を掻き分けて奥へと突き進んでいく。  
やがて全てがポアラの膣内に収まると、ぐったりとその身をビィトに預けるように倒れ込む。  
「ん゛・・・くう・・・・は・・・入ったぁ・・・・」  
肩で息を吐いて痛みに耐えるポアラ。  
でも今のポアラは痛みよりも、ひとつになれたことが、自分の中にビィトを感じられる事がうれしかった。  
「・・・うぅ・・・あ・・・・っ・・・・」  
ビィトはその熱く滑る様な締め付けに悶えた。  
「・・・ビィト・・・・感じる?今、ビィトのが私の中に居るんだよ・・・」  
ポアラは縋る様に抱きついて、ビィトを見詰めた。  
 
しばらくそのまま動かずにいると、少し痛みが和らいだように感じた。  
「う、動くね・・・ビィト」  
そう言うとポアラは、ビィトにキスをして腰を徐々に浮かせ始める。  
「・・・・・ん゛っ・・・・ぅあっ・・・」  
自分の膣内にビィトの肉棒が、チュルル・・・と抜け出ていく感覚に痛みに麻痺したような身体が反応する。  
「はあ・・・・ぁ・・・・・あはぁっ・・・・・んぅっ・・・・」  
そしてビィトの亀頭部が出口付近にまで来たのを感じると、今度は腰を落としていく。  
「っはああああぁぁぁぁ・・・・・・っ・・・・ああんっ!!」  
ビィトの肉棒が、再びポアラの秘部に埋まっていく。  
膣内を押し広げて突き上げるような、痺れるような快感が湧きあがってくる。  
ポアラは恍惚の表情を浮かべ、身体を上下に揺すり甘い喘ぎ声を漏らす。  
それを何度か繰り返すうちに、少しづつ速度が速くリズミカルになっていった。  
「んはぁッ・・・す・・すごい・・・気持ち・・・いいよ・・・・ビィトぉ・・・」  
ポアラは無意識の内に腰を淫靡にくねらせ、より快感を得ようと貪る。  
腰を動かす度に乳房を揺らし、吐息を荒くさせていく。  
 
「お・・・奥に・・・当たって・・・・っは・・・私・・・・私・・・・は、初めてなのに・・・っあ・・・」  
ポアラはビィトの両手をつかんで、乳房に押し当てるようにして揉みあげる。  
「はっ・・・・あ・・あんっ!!・・・あっ・・・ビィト・・・・はあんっ・・・」  
溢れた愛液が、その結合部からイヤラシイ水音が聞こえてくる。  
もう何も考えられないくらい無我夢中で腰を振り、次第に頂点へと昇り詰めていく。  
するとポアラの膣壁がビィトの肉棒を、キュッキュッ・・・と締め付け始めた。  
「ぅ・・・・く・・ぁ・・・・・・っ」  
その締め付ける快感にビィトは呻く。  
ビィトも徐々に限界に近付いていく。  
全身に汗を浮き出させ、熱く滑るその心地よい刺激に魘される様に眉間にシワを寄せる。  
「・・・ひっ・・ぁ・・・く、くる・・・きちゃぅ・・・・私・・・・私・・・・っぁ・・・・・・・い、いっちゃう!」  
「っぐうぅぅ・・・ポア・・・ラ・・・!!」  
呻きに近い小さい声を上げて、ポアラの子宮にむかって精子を勢いよく大量に弾けた。  
「・・・・ビ・・・ビィ・・ト・・・・っんあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・っっ!!!」  
 
ごびゅっ、びゅっ、びゅくっ、びくっ・・・・・・・  
 
 
目を閉じて彼から流れ込む熱い精液を膣内に感じ、ポアラは今まで感じたことのない快感の波に襲われた。  
「・・・ハッ・・・・ハッ・・・・・はあっ・・・・・・はあーーっ・・・・はあぁぁーーっ・・・・・・・・・・・・ビィト・・・・・」  
荒げた呼吸を落ち着かせるように、ゆっくりと深呼吸しながら身体をビィトに預けるように傾けていく。  
ビィトに抱きついたまま身体を震わせて、その絶頂の余韻に浸るポアラ。  
 
「・・・・・・・しちゃった・・・・・・・・・でも・・・・」  
ポアラの中に不思議と後悔は無かった。  
ただ・・・ちゃんと想いを伝えて、ビィト本人に抱かれたいとは思った。  
でもすぐに・・・それはないかな、とビィトの性格から思ってしまう。  
周りには『未来の嫁さん』なんて言いふらしているものの、それだけで一向に何もしない。  
ビィトにとって自分は幼馴染であり、戦士団の仲間。  
いつだって1人で無茶して、先へ先へと進んでいってしまう。  
そんなビィトについて行く・・・・そう決めた時から淡い期待は捨てていた。  
 
「本当に・・・昔から鈍いんだから・・・・」  
ポアラはビィトが里から居なくなった日々を思い返していた。  
「・・・・私、寂しかったんだぞ・・・・・バカ・・・」  
そう言いながらポアラはビィトを見詰め、抱きついた。  
そして目を瞑ってビィトの胸元に擦り寄った。  
 
 
 
翌日・・・。  
 
宿屋を出てこれからの旅支度のため、街で買い物をする2人。  
「ふあぁぁ〜あ・・・・・」  
店を見て回るポアラの後ろで、大あくびするビィト。  
「もう・・・あれだけ寝たのに、まだ寝足りないの?」  
少し呆れた様子でビィトを見るポアラ。  
「ん〜・・・・な〜んか疲れが取れない・・・っていうか、寝たのに疲れたっていうか・・・・」  
気だるそうに頭を掻いて答えるビィト。  
その答えにポアラは、昨日の情事を思い出して顔が真っ赤になっていく。  
「どうしたんだポアラ?顔・・・赤いぞ・・・」  
いつにないビィトの鋭い指摘に、どきりと胸が高鳴る。  
「え!?・・・あ・・そ、そう・・・・?」  
「風邪でもひいたんか・・・?」  
「・・・・・あ〜・・・ううん、だいじょうぶ」  
ビィトの的外れな見識に項垂れるポアラだったが、こういう時は助かる。  
 
(・・・・やっぱ昨日はやり過ぎだったかな?・・・・気を付けなくっちゃ)  
小声でポツリと溢すポアラ。  
実はあのあとも情事を続けて、ビィトの精を搾り取ってしまったのだった。  
ポアラはペロッと舌を出して反省していた。  
「・・・でも3日後にまた・・・・えへへっ、旅の楽しみが出来ちゃったかな」  
「ん?なんか言ったか・・・」  
「な・・・なんでもな〜い・・・さ、早く行こう」  
「な・・おい・・・ちょっ・・・ポアラ押すなって・・・・」  
ビィトの背中を押して、ポアラは嬉しそうに歩いていった。  
 
 
fin  
 
 
 

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