ある日の夜。いつものようにサタンの褥で夜伽の相手をした後のこと……
「はぁはぁ……サタン様ぁ(はぁと」
今宵も性愛の為だけに有るような、淫靡なその身体をさんざん可愛がられ、
情事後の甘い余韻にひたりきり、くたっと脱力しているポルノ・ディアノ。
普段は見れない弱々しい状態のポルノに、サタンが無遠慮にも命令する。
「おいポルノ、おまえ明日からこのコスで職務に当たれや」
「え……ええっ!? そ、それを着てですか!!?」
「そうだ。気に入っただろう?」
「で、でも…これって、こんなのって……」
サタンがポルノに渡したそのコスチュームは、真っ赤な帽子とガントレットに、
ロングブーツとそれを支えるガーターベルトこそ今までと同じであったが、
彼女の豊満な胸から下腹部にかけてを覆っていた、チャイナドレス風のものが、
わずかな黒布で乳輪と女陰を隠している、ヒモ同然なコスへと変更されていた。
「嫌なのか、ポルノ?」
「あ、あの………」
「俺の命令が聞けねぇってのか」
「ううっ……分かりました(涙)」
ポルノは嫌々ながらもサタンに従った。
何故なら彼女は、昼は何万もの魔神を従える悪魔大元帥ポルノ・ディアノだが、
夜は大悪魔王サタンの従順な愛妾、『肉奴隷ポルノ・ディアノ』だからである。
彼女はサタンの命令ならばなんでも従う。それがどんなに恥ずかしいことでも………
その翌日――――
「汚い手で触るんじゃないわよ」
「うひぃ〜っ! ポルノ様お許しを〜〜」
“ヴぁ……ヴァギな!!!!”とか叫びながら、真っ二つにされる下級魔神。
「うわーっ! ポルノちゃん、すっごくエッチな格好だモン♪」
「ウチらも露出度高いけど、あんな過激な服は持っとらへん。
オッパイの先っちょとアソコしか隠さんで……まったくヤラシイの〜
ポルノちゃん、見られて感じちゃうような露出狂だったんか?」
「いや、あの普段と変わらん表情からして、見られて喜んでいるというより、
己の立派な身体を我々や周りの魔神共に、誇示したいだけなのではないか?」
七大悪魔王の一角、アシュタロス(子供バージョン)の言う通りである。
ポルノの表情は平静、いや冷酷そのもの。いつもとまるで変わらない。
しかし実際、彼女の心中はというと……
(違うのー! サタン様の命令なのよぉー!! 私がしたくてしてるんじゃな〜い!!!)
必死にこんなことを叫んでいたが、アシュタロス達にその声が届くはずもなく、
彼女等にあれこれと勝手な推測をされてしまい、心の中で赤面するポルノであった。
これが悪魔大元帥ポルノ・ディアノの、あのコスチュームの起源である。(チャンチャン♪)