シーラは眠れなかった。  
D・Sと共にヨーコを助け出してから、シーラは眠れない夜が続いていた。  
理由の一つは、以前ヨーコを助けたときに、D・Sに体を弄られたことだ。  
それ以来、夜になって部屋の灯りを消すと、時折その時の体験を思い出し、寝付けないことが何度かあった。  
そんな時には自分で何とかする、という知識を彼女は持ち合わせていなかった。  
もう一つは、ヨーコの存在だった。  
D・Sはシーラより二つ年下の彼女に忠実だった。  
シーラと二人きりの時も、D・Sからヨーコの存在が消えることは無かった。  
まっすぐに育てられたシーラは、ヨーコに嫉妬することができず、哀しむ事しかできないのは彼女の不幸だった。  
今夜もシーラは眠れそうに無かった。  
17にして、彼女の身体は夜啼きをするようになってしまったのだ。  
ベッドから起き上がると、シーラは部屋を出ることにした。  
着替えようとは思わなかった。シルクの上着を頭から被ると、部屋の外の護衛と二,三言葉を交わし、彼女は部屋を出ていった。  
 
 シーラが夜の城の中を彷徨い続けているのには理由があったが、彼女にはどこにも行く当てが無かった。  
身体が徐々に冷えていき、風邪をひく前に戻らなければ、と思った。  
引き返そうと振り向いたとき、一脚の鞍馬が彼女の目にとまった。  
そこは兵士達が身体を鍛えるためにつくられた部屋で、吊り輪や鉄棒、跳び箱など機材が揃っていた。  
 数ある機材の中で、何故シーラが鞍馬を気にしたのか彼女には分からなかった。  
彼女は鞍馬という名前を知らなかったし、それを何に使うのかさえ知らなかった。  
ただ、彼女はそれに魅せられてしまった。  
シーラは鞍馬に近づくと手を添え、暫らくさすってみたが、何故自分が鞍馬に惹かれたのか分からなかった。  
ただ、全く何も感じないわけではなかった。  
 次に彼女が思ったことは、この上に乗ってみたいということだった。  
周囲を見回し誰もいないことを確かめると、上着を脱いだ。  
上着を脱いでしまうと、シーラは袖の無い服を一枚と、あとは下着をつけているだけだった。  
服は裾が長く、お尻をすっぽりと覆ってはいたものの、スリットが腰のベルトまで深く入っていたので、彼女がちょっとでも動くと、簡単に下着が見えてしまう。  
その下着も、彼女の秘部を最低限覆うだけで、紐のついた小さな布切れといってもよかった。  
お尻の大きなシーラが身につけると、後ろからは何も履いていない様に見えるほど、深くくいこんでしまう。  
それでも彼女は意を決すると、近くの跳び箱によじ登り、そこから思い切って鞍馬へと飛び移った。  
鞍馬はその程度のことではびくともしなかったが、シーラにとってはちょっとした冒険に違いなかった。  
 その後シーラは鞍馬の上で体を起こし、服の裾を直しながら腰掛けてみたものの、それだけでは彼女は満足できなかった。やがて何かを思いついたが、自分でその思いつきに思わず顔を真っ赤にしてしまった。  
鞍馬にまたがる、ということを思いついたのだ。  
 
 今までやったことも、シーラにとって十分恥ずかしかったが、鞍馬にまたがるとなると、もう後戻りはできないとシーラは思った。  
そんな恥ずかしいこと自分にはできない、自分でもそう思った。  
しかし彼女は、周囲を見回し誰もいないことを確かめると、おもむろに右脚を上げ、反対側へと運び腰を下ろした。  
 そのとき、シーラは下腹部に疼くようなものを感じた。  
D・Sに担がれて梯子を上るとき、股間に腕を押し付けられた、あのときの感覚が蘇ったのだ。  
 シーラは両手をついて前屈みになり、両脚をすぼめて鞍馬を挟むようにすると、股間を鞍馬に押し付けながら腰を前後に動かし始めた。  
さっきは一時的にしか得られなかった感覚が何度も訪れるようになった。それは最初くすぐったいものだったが、徐々に気持ちいいものに変わっていった。  
やがて、シーラは下腹部に不思議な感覚を覚え始めた。  
彼女の身体の中で何かが目覚めつつあった。シーラは自分の身体の異変が怖くなったが、腰を動かすのを止めることはなかった。  
「あっ…」  
 シーラの口から切ない声が漏れた。腰の動きが止まった。  
股間に伝わる甘い感覚に、彼女は戸惑ったが、しかし彼女の腰はまたすぐに動き始めた。前後の動きが、先程までの漠然としたものから、明らかに意思を持ったものになった。  
「あっ… あっ… あぁっ…」  
 シーラの声が静かな部屋の中に響き渡った。  
彼女はたった今覚えたばかりの新しい遊びにすっかり夢中になっていて、自分が声を出していることに気付かなかった。  
背中が少しずつ仰け反っていった。  
シーラにも、鞍馬にまたがって股間を押し付ける行為が、とてもはしたないとは分かっていた。  
だが、今の彼女は頭では止めたいと思っていても、腰が勝手に動いてしまうのだ。  
身体の筋肉が疲れてきたが、彼女の中で目覚め始めた若い性は、彼女のはしたない行為を止めることを許さなかった。  
 部屋の中にシーラの吐息が響き続けた。  
 
 最初はぎこちなかったシーラの腰の動きも、要領を得たらしく、スムーズに前後に動くようになっていた。  
それにつれて、彼女の単調な声も徐々にそのリズムを短くしていった。  
しかし彼女は自分が声を漏らしていることに気付いていなかった。  
シーラは、自分が覚えたばかりの女の悦びに夢中になっていた。  
腰の動きが自分で想像する以上に厭らしいものになっていることや、護衛の兵士が王女の帰りが遅いのを心配していることなど、知る由も無かった。  
 それでもそんな事を続けていれば、やがて彼女の身体も疲れ始めていた。  
腰の動きも徐々に遅くなっていった。  
彼女のやり方は効率的とは言えなかった。  
 シーラはようやく腰の動きを止めると、鞍馬にまたがった状態でそのまま身体を伏せた。彼女の視界の中に男が入った。  
「D・S!?」  
 シーラは慌てて身体を起こすと、振り向きながら男の名前を読んだ。  
いつからここに? とは聞けなかった。  
 「こんな夜中に何をしているんです?」  
毅然と言ったつもりだが、シーラの顔に当惑の表情が浮かんだ。  
D・Sにそれが見えたかどうかは分からない。  
むしろ彼にとっては、王女のそのはしたない格好の方が重要だった。  
「寝ている最中、変な声で起こされてしまったんだよ。」  
「変な声?」  
 それが自分のことだとは思わなかったが、漠然とした不安感がシーラを襲った。  
「あんたこそ、そこで何をしているんだ?」  
「え? 私は…」  
 予想される質問だったが、シーラは答えを何も用意していなかった。  
「私… 体を鍛えていたんです!」  
「身体を?」  
「そうです! ほら、ティアを助けに行った時も、私、あなたの足手まといになってばかりだったし、それに…」  
 D・Sの子供を見透かす様な笑顔を見ると、シーラはすぐにばれるような嘘をついてしまったことを後悔した。  
「いい心掛けじゃないか」  
 そう言うと、D・Sは彼女の元へと近づいてきた。  
 
シーラは身の危険を感じ直ぐにここを離れようとしたが、予想外の高さに鞍馬に降りることに手間取ってしまった。  
 D・Sの掌が、シーラの細い腰を捉えた。  
「身体を鍛えるってんなら、俺も手伝ってやるよ。」  
「そんな! いいんです!」  
 シーラはD・Sの言葉をその通りに受け取った。  
「遠慮すんなって。」  
 D・Sは、腰にあてた手をそのままお尻へと滑らせると、シーラの豊かなお尻にくいこんだ下着の脇に指を通し、そのまま下ろしにかかった。  
「やっ、やめて、やめて下さいっ!」  
 シーラは両手を下着にあてて必死の抵抗を図ったが、D・Sは逆に彼女の両手を掴んで下へと引き寄せたので、下着は太腿までずり落ちてしまった。  
 王女のアナルがD・Sの前に姿を見せた。  
「お尻の穴までまる見えだな、姫さん。」  
「み、見ないで下さいっ!」  
シーラは女としてある意味一番見られたくない部分を、男の前に晒されてしまった。  
 D・Sはそのお尻の穴に顔を寄せると、スンスンと鼻を鳴らして臭いをかいだ。  
『そっ、そんなトコを…』  
予想のつかない行動に、シーラは戸惑った。  
彼女は自分が何をされるのか分かっていなかったが、臭いをかかれて恥ずかしいのは確かだった。  
D・Sは口をすぼめると、フッと弱く息を吹きかけた。  
シーラはむずがゆい感覚を覚え、思わずお尻の肉を硬直させてしまった。アナルがキュッとすぼまるのを見て、D・Sは笑みを浮かべた。  
「なっ 何を…!?」  
「そう固くなるなって」  
 D・Sは、シーラの緊張をときほぐすかのように両手で尻をこね回し始めた。  
そして親指をアナルの側にあてがうと、グイッと外へ押し広げた。  
「いやあっ!」  
 シーラが悲鳴をあげた。D・Sは舌を出して尖らせると、アナルの周りを円を描くように舐め始めた。  
「やめて! やめて下さい!」  
 シーラはその気持ち悪い感覚に顔を歪めながらも、なんだか情けない気持ちでいっぱいになった。  
しかしそれが彼女の被虐的な内面を刺激したのか、その気持ち悪さが、徐々に気持ちよさへと変わっていった。それはシーラが今まで味わったことの無い感覚だった。  
お尻から力が抜けていき、アナルが柔らかく広がり始めた。  
 
 D・Sはシーラの変化に気付くと、舌をアナルの中へと差し込んだ。  
「あぁっ!」  
 シーラは思わず甘い声を漏らしてしまった。  
「なんだ、気持ちいいのか?」  
「ち、違います!」  
 シーラはむきになって否定したが、今は、明らかに自分でも声を出したことが分かってしまった。  
『私は… なんてはしたない。王女ともあろう者が…』  
 シーラの思いを知ってか知らずか、D・Sは再びアナルの中に舌を入れると、中で器用に蠢かし始めた。  
『いや、いやぁ。』  
シーラは思わず声が出そうになったが、彼女はそれを必死で堪えなければならなかった。  
彼女は身体を伏せると、鞍馬にしがみつき、口をギュッと閉じた。しかしそんな事をしていれば、彼女の鼻息は自然と荒くなってしまう。  
D・Sの舌の動きにあわせて、彼女の鼻腔はフン、フン、と可愛く音を立ててしまうのだった。  
シーラは自分の鼻息が恥ずかしかった。  
感じてはいけない、と思っていても、D・Sの舌の動きにシーラは敏感になってしまい、呼吸が激しくなっていった。  
それでも我慢しきれなくなると、口は閉じても喉から声が出てしまう。  
「ん、 んんっ! んふうぅん!」  
シーラの鼻にかかった声が、部屋の中に響き渡った。  
 
 鞍馬にしがみつきながら、シーラは必死に耐えていた。  
彼女のお尻にはD・Sが顔を押し付けて、アナルを嘗め回したり、舌を中に入れたりしながら待ち続けていた。  
 シーラは鞍馬にしがみつきながら必死にそれに耐えてはいたが、訪れる感覚にはどうしようもなかった。  
「んふっ! んふぅん!」  
 口を閉じていても、喉から自然と声が出てしまう。  
シーラは情けない気持ちになった。  
やがて、直接刺激を受けているわけではないのに、シーラは下腹部が再び疼いていることに気付いた。  
彼女は自分の身体の異変が怖くなったが、今の彼女にそれを止める権利は無かった。  
「もう、やめて下さ… い… ぁあっ!」  
 最後の方は殆んど言葉にならなかったが、彼女なりに懸命に事態の打開を図った。  
それでも、D・Sはやめようとはしない。  
「そう焦るなって。せっかくシーラも気持ちよくなってきたってのに、ここでやめたらもったいないだろ。」  
「そ、そんなこと…」  
 D・Sの言い分を否定できず、シーラはそれ以上何も言えなかった。  
 下腹部の疼きが強くなっていくと、シーラの身体の中で尿意とは違った感覚が訪れてきた。  
やがて彼女の股間のあたりに、温かい湿り気があることにシーラは気付いた。  
『えっ なんなの? これは…』  
 シーラの股間の下に、染みが出来ているのをD・Sは見逃さなかった。  
 
 D・Sはシーラの腰を持ち上げ、彼女の秘部を覗きこんだ。  
「だっ、だめっ!」  
シーラは自分が何をされるのか、さすがにこの時は察することができた。  
彼女は腰を動かし、D・Sの手から逃れようとした。  
しかしそんな彼女の必死の抵抗は、D・Sにとっては他愛の無いものだった。  
それに、彼の視界で王女のお尻が秘部を晒しながら動き回れば、自分を誘っているとしか思えなかった。  
「シーラもその気になっていることだし…」  
 彼はシーラの股間に顔を潜りこませた。  
D・Sの鼻の中に甘く、厭らしい匂いが広がった。  
彼はそこに口を押し付けると、むしゃぶりつくように嘗め回し始めた。  
もはや、先程までのようにジワジワと追い詰める必要は無かったし、そこまで我慢できる男でもなかった。  
「ああっ、いやあ!」  
 シーラは悲鳴をあげた。  
熱く軟らかいものが股間をのたうち回るのを、彼女は感じていた。  
身体を前に精一杯伸ばして、彼女は最後の抵抗を試みた。  
しかし、D・Sの両手は彼女の腰をしっかりと捉えていた。  
「んん、ん… んあっ!」  
 シーラの口から甘い声が出始めた。  
もはや彼女は声を出すのを我慢できなくなっていた。  
 シーラは背中を反らせ、顔を上げながらお尻を高くつき上げながら喘いだ。  
朝起きた猫が背を伸ばしながらあくびをする、そんな姿だった。  
シーラの意思とは関係なく、彼女の身体はD・Sに捧げられていった。  
 
 シーラの秘部は熱くなっていき、熱いものが湧きあがってくるのを彼女は感じていた。  
D・Sが舌で嘗め回す音が、ピチャピチャと、徐々に水気を含んだ厭らしいものに変わっていった。  
湧き上がる液体が、つき上がったお尻から太腿の内側をつたって鞍馬を濡らしていった。  
「そうかそうか、そんなに気持ちいいか。そんならもっと気持ちよくしてやるからな。」  
『そ、そんな…。』  
 シーラには、D・Sの言葉に言い返すだけの余裕が無くなっていた。  
D・Sの行為に身体を震わせ、喘ぐだけで精一杯だった。  
 D・Sは口を押し付けたまま、ジュルジュルと必要以上に音をたててシーラの身体から湧き上がる液体を吸い始めた。  
その汚らしい音が自分の身体から発せられていることを、シーラは信じたくなかった。  
「い、いやぁ…」  
 その言葉とは裏腹に、D・Sの舌の動きに合わせる様にしてシーラは腰を突き上げ、くねらせていった。  
もはやシーラの身体は、自分の意思とは関係なく動いているとしか彼女には思えなかった。  
『こんな… こんなの…!』  
 
 頃合いを見計らっていたD・Sは、シーラの股間の匂いがより強くなっていくのを感じた。  
彼は、彼女の若い萌芽を見つけると、それを舌でつつき始めた。  
包皮から芽を出し、膨らみながら発芽するのを見届けると、D・Sは舌でそれを転がし始めた。  
「あぁ、あっ、あっあっ、ぁあ!」  
 今までに感じたことの無い強い衝動に、シーラは襲われた。  
とめどなく無く押し寄せる感覚に、彼女は気が狂いそうになり、初めて意識して喘ぎ声を出した。  
「あっ、ぁあっ、あっあっ、ああぁ、 ぁああっ!」  
 甘く湿った声が、部屋の中に響き渡った。  
「D・S…」  
 振り返りながら、シーラは男の名を呼んだ。  
「おっ、お願い… もう、もう、許して下さい…」  
 シーラの目に涙が浮かんでいた。彼女の精一杯の懇願だった。  
 D・Sの顔に優しい笑みが浮かんだ、ようにシーラには見えた。  
その後D・Sは自分の人指し指を舐めると、彼女のアナルへゆっくりと突き刺した。  
「はぁっああぁっ!」  
 悲鳴ともつかない声が、シーラの口からあがった。  
 そしてD・Sはとどめと言わんばかりに、指を突き動かしながら、口の中でシーラの若い萌芽を嘗め回した。  
『もう、私、どうにかなってしまう…!』  
シーラは腰をくねらせ、頭を振って押し寄せる強い衝動から逃れようとした。  
「あぁっ、あぁっ、ああっ! あはぁああああっ!」  
今まで耐えてきたものを全て吐き出すかように、叫ぶように声をあげた。  
それでも、彼女の願いは叶わなかった。  
 
「ああっ! いっ、いやあああぁっ!!」  
 部屋の中に、シーラの声が響き渡った。シーラは腰をガクガクと震わせながら、鞍馬の上に崩れこんだ。  
彼女の秘部からとめどなく熱い液体が流れ続けた。  
口の中から涎がこぼれていることまでは、彼女は気付かなかった。  
 やがて、シーラの身体の震えがとまるのを見届けると、D・Sは、彼女が落ちないようにそっと手を離した。  
シーラの身体は、ようやくD・Sから開放された。  
 
 
蛇足。  
 シーラは鞍馬の上に伏せていた。  
腰に力が入らず、直ぐには起き上がることができなかった。  
『私… 私、もうお嫁にいけない体になってしまった…!』  
 激しく息をつきながら、朦朧とした意識の中でシーラはそんな事を考えていた。  
 
「るぅーしぃえぇー!」  
 聞きなれた声に二人は驚いた。  
D・Sはシーラを抱きかかえると床に下ろし、上着を頭から被せてやった。  
シーラは座ったまま、急いで下着をたぐり寄せた。  
冷たくてヌルヌルして気持ち悪かったが、そんなことは言ってられなかった。  
 走りながらやってきたのは、ヨーコと護衛の者達だった。  
「るーしぇ! 探したんだぞ! シーラ様がいなくなったってゆうし、君を呼びに行ったら部屋にはいないし… あっ シーラ様!?」  
 一通りしゃべってからヨーコはその存在に気付いた。  
「ああ、俺もシーラを探していたんだけど。」  
「ふうん。シーラ様、いったいこんな時間に何をしていたの?」  
「え? あの、か、身体を…」  
「シーラは風邪を引いちまったようだな。お前ら部屋まで運んでいってくれ。」  
 シーラの言葉を遮って、D・Sは護衛に命じた。  
事実、シーラは疲労困憊といった感じで、護衛達に抱きかかえられていくのをヨーコは黙って見ていた。  
 気付けばD・Sもいない。  
『なんか怪しい…』  
 ヨーコは足元に不自然においてある鞍馬を見つけた。  
触ってみると未だ暖かい。  
『誰かがが座っていた?』  
 ヨーコは嫌な予感がした。  
 一箇所、生温かく濡れた部分があった。指をこすり合わせるとヌルヌルする。  
離すと糸が引き、独特の匂いがした。  
 
「るぅーしぃえぇー!!」  
 怒りのこもったヨーコの声が、城の中に響き渡った。  
 
 
 

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