人に触れられるのは嫌いだ。
まして男になんて。
怖気が走る。
なのにどうしてだろう。
この手を許してしまうのは。
「マリア?」
優しい声、優しい手。
幾度となく降り注ぐ愛。
「……やっ」
知らずに零れる声。びくり、と震える体。これは本当に自分か。
「んっ……」
襲い来る快楽。うなじ、背中、腰。やつの指先が触れてゆく。
気持ち良いー
もっと触れて欲しいようでいて。
「も、やだ。変態。やめろよ」
―泣きたい。気持ち悪い。
自分が自分じゃないみたいで。
「どうして?キミは欲しがってるのに」
「欲しがってなんかいない」
「嘘つきだネ。そういうところも愛してるヨ」
うるさい、見透かしたようなこと言うな。容赦なく続く行為。
気持ち良いけれど、そんなことを思う自分がやっぱり嫌で。気持ち悪い。超最低。