悔しい悔しいくやしいクヤシイ。  
今日の町戸高との練習試合。初めての対外試合。  
あたしは、負けた。  
チームのお荷物にだけはならないように。ただ、それだけだったのに。  
あんなにいっぱい、当たったのに。有効打突にならなかった。  
悔しい。  
「ミヤミヤ、どうしたんだー?悩み事かー?」  
「ダンくん・・・」  
練習試合の後、ダンくんの家にお邪魔した。  
男の子らしい部屋。そこにあるものひとつひとつにダンくんを感じる。  
あたしの全てが、ダンくんに包まれている気分になる。  
ダンくんは、あたしが二本とられたスコアを書くとき、どんな気持ちだったんだろう。  
「・・・ううん、なんでもない」  
精一杯、作り笑い。  
この顔をするのも、さすがに慣れた。  
「なんでもないって顔してないぞー。俺、なんでも聞くぞ?」  
ダンくんまでそんな顔しないで。  
いつもの笑顔のダンくんでいて。  
ダンくんはこっちにきて、あたしの直前で立ち止まった。  
「俺は、ミヤミヤの力になりたい」  
そう言うとダンくんはあたしにキスをした。  
安心する、ぬくもり。  
「ダンくん・・・」  
「だって俺はお前の彼氏じゃないか!」  
ダンくんのとびっきりの笑顔。  
あたしはダンくんを抱き寄せると、膝の上に座らせた。  
 
「ダンくんは、優しいね」  
あたしはダンくんをぎゅっと抱きしめた。  
「ミヤミヤ・・・」  
「今日、あたしだけ負けたでしょ。あたし、チームのお荷物なのかなって。そんなこと考えてた」  
「ミヤミヤは、お荷物なんかじゃないよ」  
「・・・ううん。今日はタマちゃんが2回出ても許されたけど、次はどうだかわかんない。  
相手の不戦勝で二本、こっちに不利になる。あたしが負けるとタマちゃんたちは誰一人として負けは許されなくなる。  
少なくとも二人は勝たなきゃいけないし、そうだとしたら二人とも二本勝ちを要求されちゃう」  
「・・・」  
「みんなにプレッシャー、かけさせちゃう、あたし・・・」  
チームにいなくてもいい。  
それが今のあたしの立場。  
「ミヤミヤは、いなきゃダメなんだ」  
「ダンくん・・・?」  
「ミヤミヤは室江高剣道部にいて、みんなと一緒に試合にでなきゃだめなんだ」  
ダンくんの体が熱くなってくる。  
「いつか勝てる日がきっとくる。みんなだってそう信じてるからミヤミヤに熱心に教えてくれてる。ミヤミヤは今自分にできることだけを考えればいいんだと、俺思う」  
「・・・そうかな」  
「そう!ただ、できる限りのこと、しなきゃだけど。大丈夫、俺がいる。俺もミヤミヤと一緒に、強くなるから」  
ダンくんの腕が、あたしを抱きしめた。  
あたしの体も、特に顔のあたりが熱くなった。  
「これからも、一緒に練習していこう。強くなろう」  
「・・・うん」  
あたしの目から涙が零れ落ちた。  
 
 
どれくらい時間が経ったんだろう。  
ダンくんの肩は、あたしの涙で湿っている。  
ダンくんはずっとあたしの頭をなで、背中をさすってくれていた。  
「ん・・・ありがと、ダンくん。もう、大丈夫」  
「本当にかー?」  
「うん、ダンくんのおかげ」  
今度はあたしからダンくんにキスをした。  
「・・・だいすき」  
改めて言葉にすると、どきどきする。  
「多分、俺のほうがもっとずっとミヤミヤのことだいすきだぞ!」  
少し赤くなったほっぺた。  
目尻の少し下がった、優しい目。  
そしてなにより、笑顔。  
あたしは、ダンくんが必要なんだ。  
あたしは、ダンくんの傍にいたいんだ。  
あたしは、ダンくんがだいすきなんだ。  
「じゃあ、どれくらいだいすきなのか教えて・・・?」  
そうしてあたしはまだ慣れない、大人のキスをした  
 
「んっ・・・ぅん」  
自分から大人のキスをしたことは、ほとんどない。  
だから、どうすればいいのかなんて、わからない。  
恐る恐る舌先を伸ばして、ダンくんの舌と触れ合わせる。絡ませる。  
唇で、ダンくんの唇を噛む。  
体の力が抜けていく。  
頭がぼうっとしてくる。  
「っはぁ・・・」  
少し疲れて、唇を離す。  
自分のものじゃない唾液が纏わりついているのがわかる。  
ダンくんと目が合うと、今度はダンくんから、大人のキスをしてきた。  
「ん・・・はぁ・・・ん・・・」  
ダンくんは、キスが上手なんだと思う。  
キスすると、あたしの体が、ダンくんに触れてほしがってくる。  
ひとつに、なりたがってくる。  
ダンくんの手があたしの髪、顔、首筋、背中、腰、全身を這う。  
もう、あまりものを考えられない。  
目の前のダンくんしか感じられない。  
ダンくんはあたしの舌をちぅっと吸うと、あたしを押し倒した。  
「そんなこと言っても、ミヤミヤが可愛すぎて、俺、きっと止まれないよ」  
あたしの髪をなでながら、ダンくんは言った。  
あたしは体を起こし、軽くキスをした。  
「いいよ・・・あたしのだいすきなダンくんだもん」  
 
再び押し倒されると、ダンくんはまた大人のキスをしてきた。  
このキスをすると、体にスイッチが入ったみたいになる。  
女としてのスイッチ。  
あたしは女なんだ、そしてダンくんは男なんだと再確認する。  
ダンくんの手が首筋から肩へ、胸へと這い、撫で回す。  
その度あたしの体に電気が走ったみたいにぴくっと反応する。  
塞がれている唇のせいで、ぐもった声が漏れる。  
少しでもダンくんに触れていたくて、あたしは腕をダンくんの首に回した。  
ダンくんは唇を離すと、今度は首筋に吸い付いてきた。  
ちゅっと、音がする。  
熱い。  
「っん・・・」  
ニットのベストを脱がされ、リボンを解かれる。  
ボタンがひとつひとつ丁寧に外され、あらわになった肌にダンくんはくちづけていく。  
くちづけの軌跡が熱い。  
「ゃぁ・・・ぁ・・・」  
全てのボタンが外れ、ブラウスを脱がされた。  
あたしは自分だけが肌を露出しているのが少し恥ずかしくて、今度はあたしがダンくんのネクタイをとり、シャツを脱がした。  
「っやぁ・・・やっ」  
ダンくんが耳を噛んでくる。  
聞こえてくる音が、なんだかやらしくて、  
くすぐったいような、気持ちいいような、不思議な感覚で、  
逃げたくなる。  
だけど、ダンくんに触れていたくて、  
精一杯、触れていたくて、  
あたしはダンくんを抱きしめる腕に力を込めた。  
 
知らない間にダンくんはあたしのブラのホックを外していたみたいだった。  
ダンくんは耳を開放すると、ブラをとって、先端をちろちろと舐めはじめた。  
ダンくんは力ずくなことをしない。  
壊れやすいものを扱うかのように、優しくあたしに触れてくれる。  
そうすると、あたしの中の本能がもっと、もっとって叫んで、体中ががうずうずしてくる。  
今のあたしにできるのはダンくんに触れることくらいで、あたしは夢中で目の前のダンくんを求めた。  
そうしたあたしの変化に気づいたのか、ダンくんは胸をいじるのをやめて再びキスをしてきた。  
ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん  
それしか頭にないあたしは、夢中でダンくんの唇を吸った。  
ダンくんの手が太ももを這う。  
もっと、もっともっと、  
ダンくんを感じたい。  
ますますあたしの体は熱くなっていった。  
ダンくんはあたしのスカートを脱がすと、太ももに口付けてきた。  
肝心の部分には手を触れることなく、その周りに執拗に触れてくる。  
もう、理性とか、恥ずかしさとか、そういうのはどこかへ行ってしまった。  
ダンくんとひとつになりたい。  
ダンくんに愛されたい。  
ただそれだけの思いで、ダンくんのズボンとパンツを脱がせた。  
あたしは恐る恐る準備万端なそれに触れてみたけれど、思わず手を引っ込めてしまった。  
おおきい。  
一般的にどれくらいなのかわからないけど、あたしにあの大きさのものが入ってくるんだと考えると、少し怖くなった。  
ダンくんはあたしの下着を脱がし、また大人のキスをしてきた。  
 
ダンくんは机の中をがさごそすると、あたしに背を向けた。  
一瞬何をしているんだろう、と思った。  
コンドーム。  
急にこんなことになったけれど、ちゃんと持っててくれたんだ。  
つけ終えたダンくんは、あたしのだいじなとこに触れてきた。  
「あっ・・・やあぁぁ・・・」  
あたしのそこはちゃんと濡れていてくれたみたいで、ダンくんの指を容易に受け入れた。  
その指で優しくあたしの中を撫で回すと、今度は外の突起をすりあげてきた。  
「ひっ・・・ぁん・・・やっ」  
何度も何度もダンくんは突起に刺激を与えてくる。  
その度にあたしの体はぴくっと反応する。  
数回目の刺激を与えたあと、ダンくんはキスしてきた。  
「ミヤミヤ、だいすき」  
「…ダンくんだいすき」  
ダンくんのが、あたしの中へと入ってきた。  
 
「やぁああああぁああ」  
今までに味わったことのない感覚。  
あたしはその感覚に対して、叫ぶことしかできなかった。  
「ああああぁあ」  
ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん、ダンくん  
ダンくんを求めたあたしの手は、ダンくんに引っかき傷を作った。  
しだいにあたしのそこは不思議な感覚になってきた。  
あったかい。  
満たされてる。  
そう、感じるようになってきた。  
ダンくんは最初にあたしの中に入ってきてから、動かずにあたしの頭を撫でてくれていた。  
ダンくんの目が、あたしに大丈夫?と話しかけてきているようだった。  
あたしが黙ってうなずくと、ダンくんは腰を使うようになった。  
「あっ・・・あっ・・・んっ・・・あっ・・・」  
浅いところで、ゆっくりと、リズムよく。  
さっきより少しは冷静になったあたしは、どうしてか思うようになった。  
怖い。  
ダンくんは優しくて、無茶は一切しなくて、だけど、怖い。  
それが身動きのとれないこの体勢のせいだと気づいたときには、ダンくんは大分奥のほうまで突いてくるようになっていた。  
あたしはダンくんにキスをすると、体を起き上がらせた。  
あたしたちのそこはつながったまま、二人とも座った姿勢になった。  
さっきよりも、奥のほうまでダンくんがいる。  
友達に、聞いたことがある。  
エッチするときに、必ずしも男が上である必要はなく、女が上になったっていいと。  
あたしはダンくんを押し倒すと、ゆっくり、とてもゆっくり、腰を動かし始めた。  
 
「あっ・・・あん・・・あん・・・はぁ・・・」  
あたしの拙い動きを、ダンくんはどう思っているんだろう。  
何度もダンくんのが抜けてしまう。  
それでもあたしは、無我夢中だった。  
ダンくんはしばらくそんなあたしを見たあと、腰をつかんで下から突き上げてきた。  
あたしの中に深くダンくんが入ってきたときに、下からくる衝撃で、あたしは体に力が入らなくなった。  
何度目かの衝撃を受けた後、とうとうあたしは自分で座っていられなくなった。  
ダンくんの胸に倒れこむと、ダンくんがぎゅっと抱きしめてくれた。  
「ん・・・ダンくん」  
ダンくんの頭を抱え、キスをする。  
ダンくんの髪の毛はしっとりしていた。触れ合う胸や、お腹からも、ダンくんが汗をかいているのがわかった。  
唇を離すと、ダンくんはあたしをそっとベッドに寝かせた。  
「ねぇミヤミヤ、もうちょっと、がんばれる?」  
あたしの髪を撫でながら、ダンくんは言った。  
「・・・うん、がんばれる」  
 
 
 
 
 
「ダンくんと一緒なら、がんばれる」  
 
 
 
唇を塞がれる。  
舌が絡みつく。  
意識が、もたない。  
ダンくんがまた入ってくる。  
最初に比べると、容易にあたしはダンくんを受け入れた。  
「あっあっあっあっやぁっあっ」  
さっきまでのゆっくりしたリズムの倍くらいの速さで、ダンくんは腰を打ちつける。  
感覚が、なくなっていく。  
ダンくんが倒れこんできたのを見届けて、あたしは意識を失くした。  
 
 
どれくらい眠っていたんだろう。  
横ではダンくんが眠っていて、ダンくんとあたしにはちゃんとタオルケットがかけられていた。  
眠ってしまう前のことを思い出す。  
しちゃったんだ、最後まで。あたしたち、大人になっちゃったんだ。  
寝てるダンくんを抱きしめる。肌と肌が触れ合う。  
「・・・だいすき」  
あたしはそう言うと、ダンくんにキスをした。  
 
 
 
 
 
おしまい。  

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