「しかしまあ、外山もえらく前膨らましてるじゃねーか。  
このままだと部員がかわいそうだよな、部長さん」  
怯えた目でキリノが背後の男を見上げる。  
「お願い……もう許して。こんなところ先生に見られ、やぁ」  
外山に髪の毛を引っ張られ、少女の哀願が止まる。  
「ま、外山が怒るのもしょうがないよなぁ。  
サヤはお前を守るためにヤられながら胸でご奉仕してくれたというのに、  
部長のお前は先生先生と他人を頼ってばかり。  
俺だって見ていて胸糞悪くなるぜ」  
 
げらげらと嘲り、岩佐が力を失い床にへたっていたサヤの体を引き寄せる。  
「さーて第7ラウンドと行こうかね。いや、第8ラウンドだっけな?  
……ま、どうでもいいか」  
「やめてよ、もうひどいこと止めてあげてよ!」  
ふんと鼻を鳴らすと岩佐はキリノに見せ付けるように何も履いていない  
サヤの下半身をMの字に開く。  
 
「おいおい、ひどい事なんてセリフ、こいつのひくついた穴見ても言えるのか?  
早く入れてって涎たらしてる奴に、突っ込んでやらないほうがひどいだろ?」  
「キリノ……見ないで……」  
「お願い、止めてよ!」  
「人の心配より、自分の心配したほうがよくね?」  
肩を鷲掴みにしていた外山の手が、少しずつ体の表面をなぞる様に下降する。  
 
「キリノに……手出しっひぁぁっ」  
サヤの言葉はクリトリスを摘ままれる鋭い感覚でさえぎられた。  
「イったばかりでこんなとこ摘まれるときついだろ?  
……そうだな、少し休憩するか。賭けに負けたお前は、  
友情より快感を取ったせいでダチが犯される所を、  
じっくりと噛み締めるように眺めとくんだな」  
「あぁ……ゴメ……ンね、キリノ…………」  
 
目の前で外山に無理矢理立たされペニスバンドを外された親友に、  
涙を流しながらサヤは詫びた。  
「あたしは大丈夫だよ……大丈夫だから……サヤは泣かないで……」  
「キリノ……」  
涙にまみれたキリノの笑みに、岩佐は目を丸くする。  
「あたしは……こんな奴らになんか屈服しないから……  
だってどんな暴力でも……心までは汚せないから……」  
 
しばらく間をおいてからくっくっくっ、と岩佐が喉を鳴らす。  
「こんな時まで友人を元気付けてやろうってんだから、  
たいしたもんだぜわが部長様は」  
外山の腕はキリノの腰を十分にまさぐった後、そのまま彼女の前方へ伸び、  
皺だらけになったシャツのボタンを外し始める。  
「せっかくだから協力してやろうぜ外山。どんなに汚されても  
屈服しない心とやらを、親友に見せる手伝いをな」  
 
肌蹴たシャツの中へ、男の左手が進入する。  
右手はスカートをたくし上げつつ細く引き締まった太腿を撫でまわす。  
その蠢く指先が少しずつ粘膜に近づくたびに、キリノの体が恐怖に震えた。  
「大丈夫……大丈夫……」  
どこか遠くを見ながら耐えるキリノは、それでもサヤへと笑いかけていた。  
「あたしは……大丈夫だからぁ……」  
外山の指が、キリノの胸の頂点に触れた。  
「ぁ……」  
「お?感じたか」  
「何を、馬鹿な……ぁ、ぁっ」  
 
強がっていたキリノの声も、もう上擦るのを隠せない。  
岩佐は顔を背けるサヤの顎を掴んで無理矢理キリノのほうを向けさせる。  
「目ぇ反らしてんじゃねえよサヤ。かぶりつきで鑑賞しようぜ?」  
そしてそんな彼女の眼前で、  
ついに外山の指がキリノの下着越しに割れ目へ触れた。  
「ふはあぁぁぁ」  
「おーおー、下着の上からってのにいい声で鳴くじゃねーか。  
淫乱の友達もやっぱり淫乱ってか?淫乱どうし引き合うのかねえ」  
「そんな……ところ……触られたら……誰だって……  
こえ……でぁ、あ、ああああぁぁっ」  
 
「おいおい、屈服しない心はどうした?  
ヤり始めてから5分とたってないっツーの。  
こりゃすっかり変態教師に仕込まれてるんじゃねーの?  
あーあ、サヤみたいに調教する楽しみがねーな、こりゃ」  
「うるさい……コジ……せん……わるく、ひぃ、や、やああぁぁっ」  
「おーおー、コジローの名前出すと外山さんが怖くなるねー。  
もしかしてジェラシーって奴か?」  
「おい岩佐。サヤつれてこっちへ来い」  
「おっ、おう。なんだよ」  
 
キリノの両腰をがっちりと掴んだまま壁際に移動する外山に、  
サヤを引きずって付き従う岩佐。  
「サヤの顔をこいつの股の下まで持って来い」  
「……へ……へへ、お前も結構えぐいこと考えるじゃねーか」  
外山がふらつくキリノの両足を開かせて壁に両手をつかせると、  
岩佐は髪を掴んだサヤの頭をその下へ潜り込ませて上を向かせる。  
「やだ……何するつもりよ!」  
 
「親友が犯される様を特等席で眺めな。じゃ、外山ヤっちまえ」  
「え……あ、やっ下着ずらしちゃいやぁっ」  
尻たぶの割れ目に猛々しい物体の存在を感じ、  
キリノは悲鳴を上げて腰をくねらせ逃れようとするが、  
「痛いっ」  
「あ、サヤ、ごめ!」  
足元で転がされているサヤの顔を踏む危険性があるため激しく動くことができない。  
そんな抵抗できないキリノを、外山の肉棒が無残に蹂躙する。  
 
「あ、や、はいっって……」  
「おーおー。友達の中に出入りする所を見上げるのはどうよサヤ」  
「………………」  
「だんまりかい。おお、すげーじゃん。外山が腰振ると上から  
ぽたぽたおつゆが落ちてくるぜ」  
「や……そん…………なのっ……垂れて…………ないっ……  
あっ……やだっ…………や………え?……いわっ……くん……なにを……」  
携帯のカメラを向けながら、岩佐はニヤーと笑う。  
「うん?いや、せっかくだからよお、  
てめえのイき顔大好きな先生にも見せてやろうかと」  
 
「いや……、駄目……っ、やめて…………やめてよ……やめておねがいいいぃぃっ」  
「お、いいねえその悔しそうな顔。あーあー太腿なんざびしょ濡れじゃねーか。  
これじゃコジロー悲しむぜぇ。俺じゃなくても男なら誰でもいいのかってな。  
いや、むしろ教え子が変態に成長して喜ぶかもな。早速メールで送ってやろうか?」  
「止めて止めて止めてえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ」  
「ははは、どうした。屈服しないとか言ってたのはどうした?」  
 
「う……あ、……やあああぁぁぁっ、……そんなに、うごかな……いでっ」  
頬は高潮し、太腿から膝までてらてらと光らせたキリノに、  
剣道部部長としての威厳など存在しなかった。  
「外山。そろそろ止めを刺してやれ」  
「うぁっ……やめ……やめてっ」  
岩佐の声に呼応するように外山の腰のスピードが上がる。  
「やだ……やぁ……やぁっ……やっ、やだっ、あっ、あああぁぁっ!」  
キリノの体がびくびくと痙攣し、その下肢からびゅるっ、びゅるっと体液が迸り、  
サヤの顔に降りかかる。  
その体液を顔に塗りこませながら岩佐が聞いた。  
「……どうだサヤ?友達のジュースの味は?」  
二人の少女はもはや声を発する力さえなくし、魂を失ったかのように呆然としていた。  
 
「あ、うああぁ、やめてよ、もうやめてよぉ」  
「お、外山はまだイってなかったみたいだな。  
キリノも部長なら部員に最後までやらせてやれよ」  
「やだ、あたし、イ、イったばかりなのに」  
「おら、サヤもいつまで呆けてやがる。  
てめえがどかないと外山が思いっきり腰触れないだろうが」  
 
岩佐がサヤをキリノと外山の股の下から引きずり出すと、  
外山はさっきまでの腰使いが児戯だったかのような激しさで  
館内に肉と肉がぶつかり合う音を響かせながら膣壁を抉り回す。  
「ひ、や、イく、またイくっ、いやああぁぁぁっっ」  
キリノの叫びが終わるのと、外山が彼女の中へ精を放つのはほぼ同時だった。  
 
放心しながら床に座り、股間から精液をだらーと垂らす親友の姿に、  
思わずサヤは声を詰まらせる。  
「ひどいよ……外山君……これじゃキリノ…………妊娠しちゃうよ……」  
と、いきなりサヤの髪の毛を掴む岩佐が彼女の頭をキリノのまたぐらへ突きつける。  
「そんなにかわいそうだと思うならよぉ、吸い出してやれよ。  
できるよなぁ、友達なんだから」  
岩佐の言葉にサヤは愕然とする。  
「あたしが……吸い出す……外山君の…………精液を?」  
「そうさ。お前の大事な友達が妊娠しかけてるんだぜ。  
ならお前が吸い出してやるべきだろ?  
お前のせいでキリノはこんな目に遭ったんだぜ」  
 
「……そうだ……あたしが……キリノを…………」  
ふらふらと吸い寄せられるようにサヤは親友の下半身へ顔を寄せる。  
「サヤ……?」  
「キリノ……ごめんね……あたしが全部……吸い出してあげるから……」  
「駄目、汚いからっ……!」  
「大丈夫だよ……あたし慣れてるから……何度も何度も飲まされたからさ……  
もう、ジュースを飲むみたいに飲めるんだよ……」  
「サヤ…………ぁ」  
 
サヤの顔が太腿の間に沈み、じゅぶじゅぶと  
なにか粘り気のある液体を吸い上げる音が響き渡る。  
「おうおう、さすがザーメン大好きなエロ女だな。  
キリノの愛液混じってても啜る啜る。外山、キリノにも舐めさせてやれよ」  
外山がキリノのポニーテールを掴むと、その頭をサヤの下半身へと無理矢理引っ張る。  
「やめてよ!……キリノにそんなことさせないでよ……」  
 
しかし、サヤの非難を制したのは他でもないキリノだった。  
「いいんだよサヤ……これは……あたしの罰だから。  
ずっとサヤが大変な目に遭ってっるのに気づけなかったあたしの罰だから」  
「やっ……キリノ……そんなとこ、噛んじゃ駄目……」  
「サヤのここ……真っ赤に腫れあがってかわいそう……  
何度ひどい事されたの……?大丈夫だよ……  
あたしが舐めてひりひりするの治してあげるから……」  
 
二人の少女が69の体形でお互いの股間を啜り合う姿に、  
1度精を放った少年達のある一点に再度血液が集まり始める。  
「おい……外山、まだまだヤるだろ?」  
「ああ」  
薄暗い笑みを浮かべながら外山は頷いた。  
「じゃ、せっかくいい具合にレズってるとこ悪ーけどよぉ、  
も一回こいつ着けてくれない?」  
岩佐の手に握られていたのは、  
先ほどまでキリノが身に着けていたペニスバンドだった。  
 
またもや力づくでキリノを立ち上がらせ、  
ふらついているその腰に禍々しいという形容詞がぴったりな  
黒光りする物体を取り付ける。  
岩佐も抵抗する気力のないサヤを立ち上がらせると、  
向かい合った少女二人は少年達に強制されることもなく  
そのままお互いが倒れこむようにして抱き合い、唇を重ねた。  
 
しかしサヤの背後から、岩佐が繋がりあう二人を引き離す。  
「おーおーやけるねえ。じゃあキリノ、  
お前の股につけた黒光りする竹刀を大好きな親友にぶちこんでやってくれよ」  
岩佐はくるりとサヤの体を回転させると、  
彼女の尻たぶを左右に割ってみせる。  
「ほら、手伝ってやれよ、外山」  
外山がキリノのディルドと腰に手を回し、その凶器をサヤの体にあてがう。  
 
「え……いやっ、なにそれ?そこ違う違うそこじゃないっ」  
「何のことだか分からないな」  
「全くだぜ」  
「……?なに、どうしたのサヤ?」  
「なーに大丈夫だ。今まで散々慣らしてきたからなぁ」  
「いや、ぃ……指以外お尻なんてむりだって、……ぁっ……はいっちゃ……」  
後ろから肛門を親友に貫かれ、サヤが舌を突き出してぶるりと震える。  
 
「やだ、サヤが嫌がってる!」  
「なーに、すぐに涎を垂らして感じるようになるぜっ、と。  
ほら、サヤはもっと腰浮かせろ」  
「やだっ、2ほんとかっ……入らあぁぁっ」  
「入ったじゃねえかこのド変態が」  
「やだやだやだやだぁっ、キリノッ、動いちゃ駄目えぇぇ」  
「ごめっ……でもあたしも……外山君に……  
入れられて……動きたく…………ないのに……ああぁぁ」  
 
身悶えしながら繋がりあう二人の少女を、さらに両側から男達が挟み込む。  
外山は背後からキリノを、岩佐は前からサヤを犯す。  
「どうだ、後ろも前も気持ちいいだろう?」  
「ああぁぁ……いいよぉ……お尻……いいよぉ…………」  
「やぁ……サヤ、動いたら……クリ…………擦れて  
中の……外山君のと……挟まれて……潰れちゃうよ…………」  
「へへ、何がやだだ、中ヒクヒクさせやがってよぉ」  
「やだっ、やだっ、キリノ、キリノ!」  
「サヤッ、ごめん、腰が動いて、とまらな、いぁああぁっ」  
「いいよ、キリノ、突いて、キリノがしたいように突いてえええぇぇぇぇっ」  
「おら、女同士で盛り上がってんじゃねーよ」  
「ああぁぁっ、イくのっ?イくのっ!友達に突かれてイくぅっ」  
「あたしも、サヤ、サヤっ、挟まれてイっちゃうよぉぉっ」  
「「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ」」  
二人の少女の嬌声と痙攣が重なった時、武道館の扉が開いた。  
 
「お前ら何やってんだっ!!」  
 
 
 
 
「おい、二人とも。自分らが何やったのか分かってるのか?」  
床の上で正座させられた二人の前で、腕を組んだコジローがカンカンに怒っていた。  
二人がさして顔色も変えずに頷くのを見ると、コジローはさらに声を荒げる。  
「だからへらへら笑ってんじゃねーよ。お前らちゃんと反省してんのか!」  
「いやー、まあ一応反省するなら4人そろってからじゃないと」  
「あ、噂をすれば。岩佐君、シャワー終わった?」  
 
「ああ、外山もじき出てくるぞ。しかしうるさい怒鳴り声だな。  
シャワー室の中まで聞こえたぞ」  
「反省しろってさ」  
「んじゃ外山君は置いといてとりあえず演出の岩佐君からどうぞ」  
「最初お前ら私とか言った時点で少し萎えた。緊張しすぎだ」  
「いやー、サヤに釣られてつい」  
「あたしのせいにしないでよ!」  
「ま、ちゃんと俺が途中で気づいて指摘してやったけどな」  
 
胸を張って威張る岩佐に、キリノとサヤは仕方なく褒めているのが見え見えな口調で同意する。  
「「はいはい、えらいえらい」」  
「しかし、途中のキリノのアドリブ体当たりはやりすぎじゃないか?」  
「え?なんかやったっけ?」  
「扉に肩から体当たりしただろーが」  
「ああ、すごい音したよね。痣とかになってない?」  
 
頭をタオルで拭きながら出てきた外山を見ながらひそひそと話す。  
「大丈夫だよ。あれ位しないと外山君乗ってくれそうになかったんだもん。  
……結局あのタックル効果なかったけど。ぶつかり損だよね」  
「でも、あの後の俺が指示したアドリブは効果あったろ」  
「あ、確かにあれは岩佐君の言ったとおり効果あったね。  
コジロー先生の名前出したらようやく外山君」  
 
眉をひくひく動かしながら様子を伺っていたコジローが割ってはいる。  
「ちょっとお前らいいか。……何の反省してるんだ?」  
「いや、先生が反省しろって言うから、レイプごっこの反省会を」  
「そーいーう反省しろって言ってんじゃねー!ていうかレイプごっこなんか学校でするな!」  
「なんかその言い方だと学校じゃなきゃしていいみたいなんですけど」  
「学校じゃなきゃOK。というか最低武道館でやるなよ、見つかったら俺の責任じゃねーか」  
「心配なのは自分のことだけですかい」  
やれやれと呆れ顔のキリノに、コジローが突っ込む。  
 
「何だその顔は。大体部長のくせにこんなことすんなよキリノ」  
キリノは得意気な顔で人差し指を左右に振る。  
「ふふ、分かってないですね……。部長だからこそのレイプごっこですよ」  
「ふつーにしろ普通に!てかなんで『部長だからこそ』なんだよ!」  
「いいですか先生、高校の部長っていうのは大抵Mって相場が決まってるんですよ」  
 
「……とりあえずお前は全国の高校の部長に詫びろ謝れ土下座しろ。  
なんだその滅茶苦茶な説は」  
「いいですか?高校の部長なんて心身ともに多大な負担がかかるくせに、  
見返りなんてちょっと内申が良くなる程度。  
いい大学に入りたいなら勉強してた方がよっぽど手っ取り早いってもんです」  
「そりゃ勉強のできるお前の極論だろう」  
無視してキリノは続ける。  
「そのくせに指導者にやる気がなかったり幽霊部員がいたり  
暴力振るう部員がいたりするともう全然リスクとリターンが釣り合わないんですよ」  
 
「サヤや岩佐と外山には耳が痛い話だな」  
サヤは唇を尖らせる。  
「コジロー先生、他人事みたいに言わない!」  
「だからこそ、部長なんてやる人間は大抵Mって決まってるんです」  
「百歩譲ってそうだとしても、家とかでひっそりとヤれよ!」  
キリノはちょろっと外山を盗み見た。  
「イヤーあたしもそう思ってたんですけどねー。  
家じゃしてくれないんですよ。  
ていうより外山君全然してくれないんですよS的なこと」  
 
コジローは目を丸くした。 
「へぇ、意外だな」  
「というか色々ひどい事してくれるだろうという  
M的な計算があって外山君とつきあい始めたんですけど、  
これが拍子抜けというか……むしろ後戯とか、優しい位なんですよね。  
ベッドの中で髪とか撫でながら背中に手を回して抱いてくれて、安心するんですけど」 
それを聞いたサヤと岩佐は眉を寄せる。  
「なんか話聞いてると外山君いつもとキャラ違う……」  
「正直きもいな」  
「お前ら……後で覚えとけよ……」  
「のろけじゃねーか」  
阿保らしくなったのか、口をあんぐりと開けてコジローが声を出す。  
 
しかしここでキリノは首を振る。  
「普通の子からすりゃいい彼氏かもしれませんよ。普通の子からすれば。  
でもあたし極度のMなんですよ?こう、求める物が違うというか。  
した後とかも、外山君はまるでメス豚を見るような目であたしを見ながら  
タバコでもふかしてさっさと一人で家に帰っちゃう、  
みたいな扱いをしてくれると信じていたのに、がっかりです」  
 
「……いや、それはお前、キリノの方が異常だろ」  
他2名もうんうんと頷く。  
「そーだよね、キリノがおかしい」  
「外山もかわいそうだな……」  
「何で同情されなきゃならねーんだよ」  
いたたまれなくなったのか外山が表情を歪めた。  
しかしキリノがふふふと笑いながら追い討ちをかける。  
 
「あ、でも今日のプレイであたしこつを掴んだからね」  
「なんだよこつって」  
コジローが聞き返すとキリノはにまーっと笑う。 
「せんせーの名前。外山君がこれからちゃんとSなことしてくれなかったら、  
またやってる最中に『こじろーせんせー』って言うからね。  
言われたくなかったらちゃんとぶったりなじったりひどいことするように」  
味を占めたMからの脅迫にコジローはますます外山を哀れむ。  
恋人との情事の最中に他の男の名を呼ばれるなど、たまったもんじゃないだろう。  
まあ名前を使われるコジローもたまったもんじゃないが。  
 
「……お前らの関係、どっちがSか分かんないぞ。  
つーかプレイのために俺の名前ダシにするのはやめれ」  
「ま、そーいうわけで、普段優しい外山君に目覚めてもらうため、  
サヤと岩佐君に協力して擬似レイプの場を作ってもらったんです。あたしが原案で」  
「まあ俺が演出かな。で、外山が主演か?外山は台本見てねーけど」  
「あたしはもちろん脚本。いやー、久しぶりにいいのが書けたっすよ」  
元気よく手を上げるサヤに思わずコジローはため息を漏らす。  
「何目を輝かせてるんだサヤ。『いいのが書けたっすよ』じゃねーだろ。  
大体お前はおかしいよ。ミヤミヤの禁煙は注意しといてなんで乱交はゴーサインなんだよ」  
 
「失敬な!乱交なんかしてませんよ。ちゃんとあたしと岩佐君、  
キリノと外山君のカップルで別れてヤってましたもん」  
「それは胸を張って言うことか?」  
「未成年の喫煙は体に悪いけど、恋人同士でするのは普通でしょ?それとも何ですか、  
先生は高校生のころそういうことをしたことがない『健全』な学生だったんですか?」  
頭をぽりぽりと掻いてコジローは目を反らす。  
「……学校ではやってねーよ」  
 
「学生のころは、ですよね先生?」  
ふふーんと意味ありげにキリノが笑う。  
「……何のことだ?」  
「これ、なーんだ」  
差し出された携帯の液晶には、コジローに抱きつく小柄な少女の後姿が映し出されていた。  
目を丸くする岩佐と青くなったコジローを見比べながらキリノはもう一度ふふーんと笑う。  
 
「おいおい、これなんだよ?」  
「コジローせんせーと、タマちゃんの密会、ってところかな」  
「馬鹿お前これはバイトしてた時期に疲れてたタマが俺に偶然倒れかかってきた時  
あいつが床にぶつかるといけないから俺が人道的というかあたりまえに支えた瞬間の  
画像であって俺にやましい気持ちはもう1ミクロンもなくてというかなんか俺  
いつもより口数多いというか何でお前がこの画像を撮ったんだっていうか  
先生と生徒がありえないし別にこれこの後なにもなかったけど」  
 
「それは知ってますよー。でもこれを見た良識ある大人……  
例えば理事長とかは、どう思うでしょうねー」  
コジローはがっくりと肩を下ろした。  
「……分かったよ。帰れ」  
岩佐はにやりと笑う。 
「おいおい、どうしたんだよコジロー?お説教は終わりか?」  
「先生をつけろ先生を!いっとくけど、見逃すのは今回だけだからな!」  
 
岩佐は首を振って一同を見渡す。 
「はいはい。じゃ、腹でも減ったしファミレスでも寄って帰るか」  
「……そうだね、あたしもおなか減ったし」  
岩佐について行こうとするサヤの手をキリノが掴む。  
「サヤ、いいの?」  
「え?」  
「あたしの悩みは解決したよ。でもまだ、サヤの悩みは解決してないよ?」  
「……それは」  
「今日一緒にしてて分かった。ちゃんと言葉にしないと岩佐君は気づかないって」  
「え、なんだよ。俺が何かしたのか?」  
 
「はい、こっからはサヤの口から」  
サヤはもじもじしながら、言いづらそうにしていたが、  
4人の視線が自分に集まるのを感じてついに口を開く。  
「今まで岩佐君としててさ、イくとか気持ちいいとか言ってたけど、あれ全部嘘」  
「……は?」  
「今までしててさ、一度もイったことなかったんだ、あたし」  
一瞬岩佐の足元がふらつく。  
「……演技だったのかよ」  
「……いや、その、完全に気持ちよくなかったわけではないけど」  
「下手糞ってことか?」  
 
コジローの一言が完全に止めだった。  
「へ……へ……へた……へたく……」  
「ちょっとコジロー先生!ほんとのこと言っちゃかわいそうだよ!」  
「……でもお前今日具合滅茶苦茶良さそうだったじゃねーか!  
潮も噴いてたあれが、あれも演技かよっ!」  
「あれはほんとに気持ちよかったよ……」  
「ほら、そーじゃねーか!気持ちいいことは気持ちよかったんだろ!?  
俺もうまい時はうまくやってんだろ!そうだろ?そうだって言えよ!!」  
必死な岩佐に対して、サヤはすまなそうに目を反らす。  
「うん……良かったし、イった……あれ、イったんだよね……?  
初めてだからよくわかんなかったけど。でも今日のはあれ、全部キリノがしてくれたから、だよ」  
 
武道館の中を、重苦しい沈黙が支配した。  
 
 
「ごめん、エッチの時必死な岩佐君見てたらほんとの事いままで言えなくて」  
「ま、あれだ。高校生だししょうがない。数こなせば何とかなるから落ち込むなよ、な?」  
「そのうちうまくなるよ岩佐君!」  
「まあ……頑張れ」  
外山にすら慰められた岩佐は、泣きながら絶叫した。 
 
「お前ら……覚えてろよーーーーー!」  
 
 
それから数時間後、とある書店の成人書籍コーナーで『よい子のSM入門』や『サルでもできる四十八手』  
などと書かれた書物を眉間に皺を寄せたり半泣きになりながら物色する二人の男子高校生が補導される。  
 
 
こうして外山と岩佐の悪夢と絶望の日は終わりを告げた。  
 
 
完  

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