(Joe=フタナリを受け継いでみた)  
 
「ねえねえ!ジョウ、これどうかなぁ?」  
 万年幸せそうで脳天気なメグが、トレーラーの隣室から満面の笑みをたたえてひょこっと顔を出す。  
「…?」  
 愛用の銃を念入りに分解掃除していたジョウが、手をとめてふとそちらを振り向く。  
 にこにことこちらを見る手には、きっかいな恰好のガンらしきものがひらひらしている。  
「はぁ?……何だ、それ…?」  
 
「…ふふ…、ジャジャーン!聞いて驚くな…メグ様世紀の大発明、レッド・ホット・チリ・ペッパー銃でーす!!!」  
 口をぽかんと開けたまま呆れるジョウの前で、得意げにセクシーポーズで銃を構えて見せるメグ。  
「ふふ、カッコいいでしょ?」  
「…はぁ?」  
 メグは得意げになおも続ける。  
「これはね、タバスコ、七味唐辛子、ラー油にハバネロ、ペッパー、メイス…何でも入れられるの。  
…どう?ジョウの援護射撃にすっごく使えると、思わない???ねっねっ」  
 さも誉めて欲しそうに喜色満面のメグに、  
「阿呆か…お前。そんなんで敵がみんな退いてくれると思ってるんだったら、相当おめでたいな」  
 まんざらでもなく嬉しそうに、だがあくまでクールを装って、ジョウは銃の分解掃除に関心を戻す。  
 
「ええーっ!!!これ、絶対いいと思ったのになぁ…ねえダメぇ、ジョウ?」  
 口をとがらせて、会心の作の銃を両手でひねくりながら、ジョウの背中にドッともたれるメグ。  
「こら、部品が飛ぶってば…やめろ」  
 集中しようとするジョウの背中に、メグの大きな胸がぎゅっと押し付けられた。  
 
「……。」  
 黙って銃をいじり続けるジョウの背中で、  
「…ねぇ……ジョウ……」  
 腕をまわし、必要以上に背中に胸を押し付けながら言う。  
「……最近、やってないよね…」  
 ジョウの耳に息を吹きかけながら、平らな胸をちょっとまさぐる。  
「…やめろってば」  
 つとめて平静を装いながら、ジョウが低い声で警告を発する。  
「……んん…いいじゃん……だって…ジョウの、唐辛子なんかよりもっと熱いアレが…また欲しいのぉ…」  
 夢中の様子で、ジョウの背中や首筋にキスしながら、胡坐をかいたスウェットの股間をまさぐる。  
「やめろ」  
 目をつぶって抵抗するジョウ。  
 
 メグの手の中でジョウの太いそれが目を覚ますのがわかる。  
「あ…ほら、やっぱりジョウも」  
 メグが言いかけるが早いか、ジョウは分解中の銃をテーブルの上にだんと置き、メグに向き直る。  
「…お前も、バラバラの裸にしてやる」  
 
 両腕を掴み、どっ、と背後のベッドにメグを押し倒し、倒れ込むジョウ。  
 ジョウがいつも裸で寝るベッドのシーツには、愛用のさわやかな男物のコロンの香りが漂う。  
 左腕のタトゥが、今夜はことにくっきりと、夕闇のトレーラーの一室で燃えるように熱く浮かび上がる。  
「ぁん…ジョウ痛い…」  
 メグのうっとりした甘え声を聞いているのかいないのか、ジョウは上にまたがったまま、  
ペールオレンジのキャミソールを乱暴に捲り上げ、  
 
   ――中略――  
 
 上半身を支える腕と背中のタトゥが霧を吹いたような細かい汗でしっとり濡れ、ジョウの下半身の動きと息づかいがさらに急くようにテンポを速める。  
 
 ジョウの体の下で震えながら達し、まだ夢見ごこちに満足気なメグからコンドームごと自身を抜き取り、身体を離すジョウ。  
「ねえジョウ…すごく気持ちよかった……ジョウもでしょ?」  
 ジョウはメグの顔を見、いとおしげに少しだけにこっとする。  
「…ん…またしようね、絶対!!!」  
 灰色の前髪の下、少し汗ばんだジョウの額にキスしながら、どんな時でも明るいメグが今夜はさらに明るく、笑いながらそう言った。  
 

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