さて、恭平とジョウの逢瀬が度々行われるようになって数日以上の日が過ぎた。今日も  
今日とていつものようにセイ達のトレーラーへと向かう。バイトのため、そしてジョウし  
かいなければそのまま……。  
 傍から見ればバイトのついでに女性とそんなことができるなんて羨ましいと思われるだ  
ろうが、恭平本人はまったく乗り気ではない。最近ちょっとだけほんの少し微塵程度気持  
ちいいと感じることができるようになったが、如何せん脅迫されているという観念が強すぎ  
るためにそうそう楽しめるものではなかった。  
 セイに迎えに来てもらう日もあるが、今日は都合がつかないらしく自身の脚でバイト先に  
辿り着いた。  
「……入りたくないなあ」  
 ぼそっと呟き結局入る。  
「こんにちは――」  
「あ、恭平お兄ちゃん! いらっしゃい」  
 踏み込んだ車内から返ってきたのはエイミーの元気な声だけだった。コンピューターに  
向かっていたのを止めると小動物が主人にすり寄るように恭平の腰に抱きついてきた。  
「こんにちは。今一人?」  
 周りを見回しながら訊ねる。もちろん探すのは彼の主人――飼い主か?――の姿である。  
「うん。みんな用があって出かけてるの。それに、恭平お兄ちゃんが来るの早いんだよ」  
「え? そうかな」  
 車内に置いてある時計が示していた時刻は、なるほど夕飯の支度には幾分早すぎる時間  
であった。ここ最近の習慣のせいで早く来ることが当たり前になっていたらしい。  
「本当だ。どうしよっか……後三十分くらい時間あるよ」  
「だったらさ、ちょっとこっちに来て。見て欲しいものがあるの」  
 なんだい、と訊いてもエイミーは答えず、恭平の腕を引いて先程までいた場所に彼を導い  
た。この時、恭平は少し違和感を抱いた。いつもはお菓子か何かをせがむのに、今日はどう  
したんだろう。  
 
「何? パソコンに何かあるの?」  
「いいからいいから」  
 エイミーの声はいつもより弾んでいる。踊るような指捌きで無数にあるキーを次々叩い  
ていく。恭平は目で追うのさえやっとである。  
「うん、これこれ」  
 ディスプレイに現れたのはまだ何も映っていないビデオプレイヤーであった。  
「何が映るんだろ。テレビ番組? 映画?」  
「ふっふぅん。いいから黙って見てるっ!」  
 ポチッとな。懐かしい掛け声とともにエイミーが再生ボタンをクリックする。黒かった世界  
にたちまち色が注がれた。かなり鮮明な画質で映し出されたのはどこかのキッチンである。  
恭平には見慣れた調理器具の数々が置かれていたのですぐに分かった。カメラは固定さ  
れているらしく、画面が動く気配はない。  
「見せたいものってこれ?」  
「そうだよ」  
 エイミーはそう言うが、恭平は大きく頭を傾けた。一体こんなのを見せて何がしたいん  
だろう?  
 最もな疑問を浮かべながら再び画面に見入った。映されているキッチンは斜め上方より  
捉えられている。よく『衝撃映像99連発』で流される監視カメラの撮影位置に近い。という  
よりまんま盗撮っぽい雰囲気が醸し出されているじゃないか。  
「……ん?」  
 恭平が気付いたのは、画面に一人の男子が映った時だった。フレームインしてきた彼は  
キッチンに向かい、画面に映るのは左上後方から捉えられる後姿。画面の中の彼の服装  
に見覚えがあった。  
「んんっ?」  
 続いて画面に入ってきたのは銀髪褐色肌の女子。全裸。  
「うわあああぁぁぁぁぁぁッッッッ!!?」  
 男子は絶叫した。  
 
「よく撮れてるでしょ?」  
 エイミーは冷笑する。恭平は声にならない音を喉から漏らす。  
「まさかジョウと恭平お兄ちゃんがこんな関係持ってたなんて知らなかったよ」  
 今にもぱよぱよ言い出しそうに嬉しげな素振りのエイミーに、恭平は心の底から恐怖の  
念を抱いた。  
「こ、こんなものっ、ジョウが見たらただじゃすまないよ!?」  
「大丈夫、ジョウには見せたりしないもん」  
 エイミーはすぐ傍で硬直する恭平の耳元に口を寄せ、優しく囁いた。  
「そんな……! ダメ、いゃ、そんなのジョウに見られたら、俺きっと殺されちゃうよ!」  
「平気だよぉ。今は私しかいないし、それに私から襲っちゃったってことにすればジョウだっ  
て許してくれるよ」  
 そういう問題か、そういう問題なのかと恭平は反芻した。しかし答えは出ることなく、  
いや答えを導く前にさっさとエイミーに指示される。  
「ほら。立場をわきまえたらさっさと私の言うとおりにする!」  
 ぐうの音しか出せない恭平はすごすごソファに腰を下ろし、エイミーが好奇の目で見つめ  
る前で躊躇いがちな手つきでファスナーを下げた。  
「早く出して見せてよぉ」  
 子供が親にせがむのと同じ言い方で恭平に命じる。ついに恭平の野太い得物がぼろんと  
こぼれ出た。エイミーの細まった瞳の奥は爛々として黒く輝いていた。  
「お兄ちゃん大きいね。私、こんなの見るの初めてだよ」  
 とてとて歩み寄ったエイミーの両手が晒し出された肉塊に遠慮なく絡みつく。エイミーの手  
のひらからは、ゆうにその三倍はあろうかという長大な業物が収まりきれずに顔を――では  
なく全体をのぞかせている。  
 
「フーン……男のって本当にこんな形なんだ」  
 この年でさまざまなものをディスプレイ上で目にしてきたエイミーにとって、男根を生で見  
るのは初めてである。しかしネットワークに氾濫している画像動画そのままであることに対し、  
さっきまでの興奮は引き、すっかり冷めた口調と視線になっていた。  
「ちょっと拍子抜けかな。まあいいか、こうすると大きくなるんだよね?」  
 両手でないと回らない太さの萎えたものをエイミーはごしごしと上下に擦りあげた。拙いと  
いうより乱暴、まだ何も知らない幼子がするような力任せの愛撫に恭平は眉根を寄せた。  
痛いからではない。まだ性長していないエイミーの乱暴なくらいの愛撫が、幾度かジョウと  
やってきた恭平には丁度良い刺激なのである。  
「ぱ、ぱよ?」  
 たちまち血液が下半身に注がれ、小さな手に挟まれる一物ははちきれんばかりに腫れ上  
がる。エイミーの鼻の先には、彼女の顔の長さ以上はある剛直がそそり立った。  
 エイミーは息を呑んだ。一度はこんなものかと落胆したが、これほどの物へ姿を変え、  
直立不動に聳え立つ御姿に目を見開いた。  
「すご……」  
 興味深げに嘆息し、両手を大きく上下させて恭平を根元から雁首まで撫でさする動作を  
幾度も繰り返す。初めは抵抗を見せていた恭平はぎんぎんに滾るそこを弄られ、徐々に  
エイミーの手にされるがままになっていく。  
「あ……ダメだ、出ちゃうから」  
「イきそうなの? 私、男が射精するとこ生で見てみたい」  
 
 まだ見ぬ未知を目にしようと、期待に胸躍らせ手に力を込める。血が滲み出しそうなほ  
ど熱く赤く張り詰めた巨砲が、恭平のかすれた呻き声を合図に砲身に溜まった液体を天  
に向けて撃ち出した。  
 吐き出された白色液はエイミーの顔いっぱいに降り注いだ。初めて感じる匂い、味、肌  
にまとわりつく粘性。すべてが始めてづくしである。  
 男性がこれほど女を惹きつけるものなのかと、十一歳にしてそんな考えが生まれた。鼓  
動を高鳴らせる衝撃に打ちひしがれる様は、喜びを知った雌の姿。  
「あたしの物でなに遊んでんだ?」  
 恭平の正面、エイミーの頭上から浴びせられた声に、彼女は振り仰ぐ間もなく意識を断  
たれた。  
「じょ、ジョウ……!」  
 右の手刀を構えたままジョウの不機嫌な瞳が恭平をねめつけた。  
「いやこれはっ、その!」  
 いないはずのジョウが現れたために慌てて前でくたびれている物を隠しながら応対しよう  
とするが、すでにジョウの視線は床に転がるエイミーへ移っていた。  
「…………恭平」  
「な、なに?」  
「今日はお前にもいい思いさせてやる」  
 

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